今日の逸品

2004/7/11
カバヤ
ほねほねザウルス
HONEHONE-SAURUS

ほぼ年イチ更新のこのコーナー。いやーおひさしぶりです。今回の逸品は6月初めにリリースされたもので、現在入手可能かどうかは不明です。あしからず。



潤沢なリソースで広大なエリアに街を作るかのような壮大な仕事もいいが、がんじがらめの制約の中で小さな小さな空間に、創意工夫をこらしてシノギを削って、信じられないようなモノを作り上げる仕事もまた憧れる。
かつてのテレビゲームはそういう職人芸的な感動を与えてくれる傑作も多かったけど、ハードの進化によって、なかなかそういうゲームに会える確立も減ってきた。もちろんそれはみんなが望んだ結果であり、現在の変え難い状況であるわけで、否定するわけでもなんでもないんですが、今後はあえて狙ってでもなければテレビゲームという商品でそういった物に巡り合える事はないだろう。しかし、鉾先を変えてみればそんなある意味プリミティブな感動に巡りあえる分野はまだまだある。


たとえば食玩(玩具菓子)だ。それも出来たら版権キャラモノではない、オリジナルシリーズがいい。版権物は出荷数の予想がデータも揃えやすく、比較的推定しやすい。最初からわりと思いきった仕様にすることが可能だ。しかしオリジナルモノはそういった意味ではリスクも大きい。それこそもっともっと根の深い部分からニーズを探る、本格的なマーケティングが必要になってくるハズだ。たぶん。




前置きが長くなったが、珍しくそんな状況に果敢に挑戦した「イイ仕事」を感じさせる食玩に出会えたので紹介しよう。それがこのカバヤ「ほねほねザウルス」だ。

食玩の価格帯は、スーパーでついでに買える値段、そしてなにより子供のお小遣いで買えるという前提で、相当高くても500円、大抵は300円以下がメインだろう。このほねほねザウルスは特に低年齢層向けという事もあってか、158円。原価でいえば当然100円以下だろう。ガムと包装を除けば、オマケ(本体?)部分は50円程度か?そこで一体何ができるのか!?





このほねほねザウルスのキャラクター達はランナー2枚半にそれぞれ彩色が1色づつ。各パーツは球体関節になっていて、ポーズは思いのほか自由に付けられるし、パーツを組み換えてオリジナル恐竜を作る事が出来る。1つ2つじゃイマイチだけど、沢山集めると相当面白い組み合わせが可能だ。このプレイバリューの高さはミクロマンやレゴ・バイオニクルに共通する「有形(具象)ブロック」の思想と同じものだ。また、成形色の違うボーナスパーツはコンプリートするとシークレット恐竜が組み上がる。値段に対してのパフォーマンスは相当に大きい。




そしてなにより、特筆すべきはキャラクターデザインだろう。子供の好きな恐竜の化石をモチーフに、適度にデフォルメされ、記号化たキャラクターデザイン。蓄光素材でユウレイ的な怖さを加味しつつ、高級感もある。最低限の1色の彩色も効果的に生きている。必然(制約)と理想が最高のバランスを保って成立していると言えるキレイさだ。ガチガチに恐竜に縛られずに、ケンタウロスやライオンなんかが混じっているラインナップも非常に楽しい。並べた時に醸し出る「雰囲気」と「デザインの質」の高さには唸らされる。





ちなみにコンプリートしてないのでしっぽがありません。No.2パキケファロサウルス買い損ねた・・・

シビアな状況で細い勝機を見い出し、具現化したほねほねザウルスに、8ビット時代のゲームと同質の感動を思い出した今日でありました。まぁ多分に私見を含んだ文章なんで、全然事実誤認かもしんないし、思い込み過多だと思いますのでそのつもりで(笑)。

※ちなみに、ほねほねザウルスは2002年にリリースされたのが最初で、毎年ラインナップに変化を付けながらリリースされているもので、今回はたしかパート3にあたる。実際のセールスはわからないけど、これだけ続いてるんだからオリジナル食玩としてはスマッシュヒットと言えるんじゃないだろうか。

■カバヤ食品のホームページ → 
http://www.kabaya.co.jp/

 




これまでの逸品

マスダヤ:プラズマン
ユージン:奇跡の復活!ロボット軍団
LEGOバイオニクル
アドベンチャーピープル/アルファプローブ
復刻ロボットマン
東京おもちゃショー2001
スーフェス2001年1月
レベル(ハゼガワ):R.A.M.S.
東京おもちゃショー2000
スーフェス99年10月
東京おもちゃショー99
サイボーグ99発表商談会
1998年末!!
バンダイ:ダイノゾーン
スーパーガイ・ゴロー
ハワイのオモチャ屋特集
1998玩具見本市
ドールショウ98
東京おもちゃショー98
バンダイ:マシンロボ宝石超人
ワールドキャラコン:ネオ変身サイボーグ!
スーパーフェスハロウィンスペシャル
アミューズメントマシンショー97
玩具見本市レポート
ワンダーフェスティバル97夏レポート
マテル:オズバービー
タカラ:ガオガイガー・ゴルディマーグ
スーパーフェスティバル11スペシャル
バンダイ:ガンボール・マグマル




 

Top page