ハンガリーの精神医学者、L.ソンディ(L.Szondi 1893-1986)は、彼の運命分析理論の正しさを実証するために、天才的発想によって、投影法心理検査「ソンディ・テスト Szondi Test」を考案しました。この大変ユニークな心理テストは、１回のテスト施行時間が約５分、採点時間が約３分。48枚の顔写真の好き嫌いを申告してもらうだけなので、拒否される可能性も他の投影法心理検査(例えばロールシャッハ・テスト)と比べて少ない上、約５分の１回法テストだけでも、「どうしてここまで分かるのか」と驚くほどの深層心理の解明を行なうことができます。

また、10回法テストを施行することにより、被験者の将来的な人格像(実存形式)、治療可能性(予後評定)、どの治療法が有効なのか(治療指標釈度)等の手がかりを得ることもできます。

ソンディはフロイトの「精神分析学」、ユングの「分析的心理学」を統合して、理論としての「運命分析学」と治療法としての「運命分析療法」を提唱しました。このソンディ心理学の理論と治療法の理解なしに、テスト解釈のみ行なうことは危険であるといわれています。

しかし、カウンセリングや心理臨床、教育相談の場面で、精神医学レベルの診断結果を提供できるソンディ・テストは、大変魅力的であるといえましょう。欧州各国では、小・中・高における生徒指導や進路相談に、また、結婚相談や職業相談の場面で活用され、教会では聖職者の方々が学習し、多くの人々を導いています。

臨床心理面接やカウンセリング場面での実力をつけたい方、テストバッテリーの１つとしてソンディ・テストを修得したい方、これから臨床心理学・カウンセリングを学ぼうとされる方は、ぜひ一度、このページをゆっくりご覧ください。