+0, 0+, −0, 0−, ++, −−, ±0, 0±, +−, −+, −±, ±−, +±, ±+, ±±, 00



C1 +0 永遠の探求     男性傾向・社会性−


性格傾向:落ちつきがなく変わり易い気分.絶え間なく異性を求め,新しいファッションや新製品を探すが,すぐに次のものに興味を移してしまう.好奇心の塊ではあるが興味が持続しない.じっくりと勉強したり仕事をすることができない.病的な,終着点のない永遠の探求.
記号解釈:新しい対象の探求.古い支持対象にしがみつくことが出来ないこと.自分を変化する欲求.環境の対象に対する強い好奇心と注意.作業障害.
衝動病理学:この接触像を示す人は持続して古い支持対象にしがみつくことが出来なくなっている.幼児的な接触失禁0mはこの人たちを駆り立て常に探求+dへ向かわせる.この永遠に探求する者にとって執着という統制が欠けるのである.そして対象選択もなしに,あらゆるものと接触しようとする変わり易い病的な衝迫が生じる.この接触像は7ー8才,70ー80才および13ー16才,41ー60才で頂点に達し,しばしば発作自我を伴う.
臨床心理学:この所見はしばしばヒステリー性の軽躁病的または発作的な同性愛的女性や受動的同性愛の男性に見出す.新聞をむさぼり読む人.映画狂.レンタルビデオマニア.このような永遠に探求する人は,しばしば発作的な逃亡者自我Sch−!!!−を示す.作業障害(仕事をすることが困難).



C2 0+ 成熟接触     男性傾向・社会性+


性格傾向:成熟した大人の対人接触態度.この人はすでに得られた愛情対象や友情対象,職業や興味の対象に執着し新しい対象を探す必要がない.この執着は対人的な甘えや依存ではなく,冗舌や多弁,喫煙飲酒等の口愛的快楽に対するものである.
記号解釈:成熟した対人接触.探求を伴わない執着.確実な注意力.衝動過圧!を伴う場合:口唇愛的嗜癖.承認神経症.
衝動病理学:思春期の終わりから老人期にいたる平凡な成人がしばしばこの接触像を示す.この人は愛や友情の対象,職業や興味の対象にしがみつき+m,新しい対象を探そうとしない0d. この執着はもはやインツェスト(近親相姦)的C−+な甘えや依存ではなく全く別な成熟した対人関係になっている.幼児では希れ.
臨床心理学:この執着の優勢は,しばしば口唇愛的嗜癖つまり冗舌,多弁,飲酒癖等を意味する.最もよく現れる自我像は,女らしさと孤独を認める自我Sch+±および平凡な訓練自我Sch−−,嫉妬的な自我Sch−±,強迫労働自我Sch±+である.アルコール依存の傾向.



C3 −0 極端な固着     男性傾向・社会性+


性格傾向:自分の所有物や財産にべったり粘り着き,要らなくなった物まで溜める,非常にケチな傾向,物だけでなく自分自身にもこびり着くから,どんなに素晴らしいチャンスが訪れても自分を変えることができない.希ならず便秘症.
記号解釈:極端な固執.粘着.保守主義.自己転換困難性.肛門的性格.
衝動病理学:あらゆる年令段階で比較的希れな接触像.粘着傾向,不変化の欲求,あらゆる獲得された価値の留置がブレーキを失い優勢を占める.この接触像は20-30才,40-60才つまり物質的な富の獲得の年令において頂点に達する.この所見を不安ヒステリーやヒステリー型妄想形成者に見いだす.C−0は近親相姦的結合の先行期である.
臨床心理学:この反応はまた結合誠実性であり,その保守的な態度は建設的ではないが極端に信頼できる社会の一員である.しかし彼らの粘着傾向はチームワークの妨げになる.衝動を昇華しない人はあらゆるものを手放すまいとする.吝嗇,便秘.



C4 0− 放浪・意志不定     男性傾向・社会性−


性格傾向:今まで自分を支えてきた全てのものからの離別.支持対象とくに両親や教師に対する失望と信頼感の喪失.あらゆる理想や偶像が壊れ,孤独と浮浪へ向かう.無意味で無目的な絶え間のない性急と焦燥.快楽は片端から試験され価値下落され捨てられる.この人は快楽対象に対して落ち着きなく焦燥的である.
記号解釈:軽躁病的結合.世界とのあらゆる結びつきから身をふり離すこと.孤独化.浮浪.嗜癖と意志不定.
衝動病理学:この結合はC−0反応とは全く正反対である.今まで支えとしてきた世界の全てから別れること−mが優勢を占める.とくに最初のエディパールの思春期(5-6才)の子供,前思春期(9-12才)あるいは第2の若年性思春期(13-16才)の青年にこの所見が見られるがその極端な性急と焦慮により両親や教師に失望する.この悲劇的な接触様式で,彼らは極度に危険となる.だがこれを躁病と断定してはならない.子供の場合は単に軽躁病的,意志不定的な反応と呼びうるに過ぎない.背景像は世界へ出ようとする願望+dを伴うインツェスト結合C−+.
臨床心理学:臨床的には実際に躁病患者,癲癇あるいは分裂病の基盤の上に発症した偏執病,意志不定性精神病質,意志不定の後期に現れる嗜癖者がこの反応を示す。 浮浪生活をする人は,世界に対してこのような意志不定的な関係にある.自我は躁病患者においては破壊的自我Sch−!−,疎外自我Sch−±,−!±であり,偏執病患者においては投影自我Sch0−,0−!であり,倒錯性欲的精神病質者ではしばしば投入自我Sch+0,+!0である.浮浪生活者.放浪癖.ホームレス.



C5 ++ 複数対象結合     女性傾向・社会性−


性格傾向:古い対象にしがみつきながら同時に新しい対象を探し求める接触態度.男性では母親に愛着しながら結婚相手を探す.女性では父親のような対象を求めながら一方で同性の対象を探求する.高齢者や心気症患者では生命に執着+mしながら同時に死や自殺への憧れと願望+dを抱くのである.
記号解釈:二辺結合(二つの対象と同時に結合しようとする接触様式).多辺結合または多面的重複結合(複数の対象と同時に結合).分割された注意.
衝動病理学:このような2辺的な接触は強迫的アンビバレンツではなく単に二つ或いは多くの対象に向いているに過ぎない.この接触像は疑いもなく性欲の発達遅滞および性欲発育障害を証明する.この接触像C++と共にしばしば現われる自我像は同時的な生命の執着と死の願望を証明する.このような接触開放的な人間は両向性傾向(生命と死,古い対象と新しい対象)にとり憑かれSch0+,他方であらゆる対象と共に全世界を所有したいと欲するSch+0.
臨床心理学:この重複結合は心気症的な罪業念慮と刑罰不安P+−,Sch−+,あるいはP0−,Sch−0へと導く.背景の接触否定C−−は将来の運命,接触障害を予告している.同性愛.性欲発達遅滞.性欲発育障害.



C6 −− 非現実的接触     男性傾向・社会性−


性格傾向:人との接触を断つ.すでに失ってしまった愛の対象にいつまでも執着し固着しているからである.この人は快楽対象に対して落ち着きなく焦々し,世界のあらゆる対象と快楽源に対して拒否的に硬直して背を向けている.自殺の危険.
記号解釈:接触阻害.非現実的接触.世界からの疎隔.接触否定.接触遮断.
衝動病理学:離反および孤独−mの状態における固執−d.この状態は人が新しい対象を探求することを不可能にする.彼らは世界から阻害され遮断され環境との一切の接触を否定する.このような非現実接触が現れるのはどの年令段階においても極めて希である.すでに決定的に失ってしまった愛の対象と価値対象に対し,岩のように堅く不動に固執するというこの非現実的接触C++の人は万能であり万有でありたいSch0+,++と欲している.そのような非現実的要求は実際に実現できないため,彼らは岩穴の墓の氷のような接触阻害のなかで化石になったのである.背景の接触像C++もまた,世界のあらゆる価値対象に対する彼らの根源的な欲求を表現している.
臨床心理学:類破瓜病的妄想患者,緊張病,癲癇(癲癇精神病),分裂病的あるいは癲癇的な放浪性の犯罪者は,彼らが不安と苦悶を負わされた状況を,この接触阻害が表現している.自殺企図者(Sch−±,Sch−−!を伴う)もまた,しばしばこの接触像を示す.それゆえこの所見は自殺予防への注意として役立つ.



C7 ±0 途方に暮れる接触     女性傾向・社会性+


性格傾向:この人は古い対象になお固着するべきか,それとも別な新しい対象を探求するべきかという不安な懐疑の中に住んでいる.この接触ジレンマの中で決心することが出来ず曲がり角に立ち途方に暮れ,それ以上進むことができない.
記号解釈:探求+dと留置−dにおける懐疑±d. 固着におけるアンビバレンツによる強迫的接触.
衝動病理学:この関係懐疑は,実際には母親あるいはその代用物への固執−dが勝利するように思われるが,内面的には古い対象から新しい対象へ進みたいという願望+dが強い.それゆえこの人はしばしば一生涯母親や姉妹,父親や兄弟に結びついてはいるが白昼夢や夜の夢の中では家族から遠く離れたいという憧れをもつのである.この懐疑的な強迫接触は希ならず同性の対象に強迫的に執着しC−0,或いは強迫的に探求C−+しようとする. しかし実際にはそんなことは全く起こらない.この接触様式はあらゆる年令で希な接触像である.
臨床心理学:臨床的には恐怖症的発作的な人,癲癇的あるいは偏執病的な人に見られる.途方に暮れる人.女性化された軟らかい人間の強迫状況.



C8 0± 依存と離別の悩み・不幸な接触     女性傾向・社会性−


性格傾向:この人は古い対象と別れないでなお依存執着すべきか,それとも離れて独りになり自立するべきかのジレンマの中で岐路に立つている.彼らは両方の傾向を同時に強く持っているために執着することも離反することもできない.不幸な望みのない結合状態.
記号解釈:執着と離反における懐疑.執着におけるアンビバレンツによる強迫的接触.
衝動病理学:この強迫的接触像の人は古い対象(母や父親等)に更に執着すべきか+mあるいはそれと離反すべきか−mのジレンマの中で懐疑的な岐路に立つている.彼らは両方の傾向を同時に強くかつ等価的に持っているために執着することも離反することもできない.これは不幸で望みのない結合の典型像.
臨床心理学:この不幸な人間関係結合像の持ち主は,しばしば強迫性格や強迫神経症,希に転換ヒステリー,また普通には前思春期や第1の幼児的思春期に見られる.もし誰か他人との結合において懐疑し始めその結果共同生活に不幸をもたらすならば,この強迫的接触像はその警告や警報として出現する.この接触像は背景像C±0へと回転して執着から探求へと移動し,しかも懐疑それ自体が更に強迫的態度を持続するので不幸なのである.このC±0は硬いアナルサディズムの人間の強迫状況を表現している.



C9 +− 不誠実結合     男性傾向・社会性−


性格傾向:古い対象の束縛から自由になって新しい対象を探したい.これは今まで依存してきた愛情対象に対する不誠実な裏切りの気持ちである.だから憂鬱な気分である.
記号解釈:不誠実な結合.離反と探求.抑欝・自閉的接触形式.軽欝病的反応.
衝動病理学:この所見は自己を自由にすること−mと対象探求+dが同時に現われることを意味する.この状況を不誠実と名付けるならば,それは古い対象つまり離れようと試みる近親相姦的な人に対し不誠実なのである.C+−は鬱病者においては実際に愛の対象や支持対象を失っている.この抑欝期状態は,10回テストで投入自我+kに代わり−k反応が現われると,性急と焦燥,探求と意志不定とを伴った軽躁病期C0−に変わる.
臨床心理学:自閉症.軽欝病.この接触過程の幼児的性格は同時に現われる幼若自我Sch0−,Sch+−,Sch±−により,探求の強迫性は強迫自我Sch±0の形で現れる.離反の始めにおける投入+kの役割はSch+−,+0,±0の自我像の中に現れる.この自閉反応は,背景にある近親相姦的願望が極めて重要な意味をもつ.



C10 −+ 誠実接触     女性傾向・社会性+


性格傾向:誠実な人間関係.古い対象に固着し執着する保守的な態度.赤ん坊や子供が母親の胸と乳房にしがみつく欲求.生命への執着.信頼される対人接触態度.
記号解釈:インツェスト結合(母子の二者一体関係的な結びつき)=甘えの源泉.近親相姦的結合.保守的な誠実接触.
衝動病理学:発達心理学的に固着−dと執着+mは母と子の二者一体的交流の原始型である.この近親相姦的接触像C−+は,接触発達の出発点であり,60才以後の高令になると再びこの保守的態度に戻る.感動像Pはこの近親相姦的結合C−+が両親のうちの片方に対する近親相姦的愛P+−,+0として理解されるべきか,それとも近親相姦的憎悪P−+,−0,−−として理解すべきかについて教えてくれる. 高度に昇華された人でもこの幼児的な交流像を示すことがあり得るが,その場合この所見は一つの観念や思想に対する固着や執着(S−−;Sch±±,±+;C−+)を意味する.またこの接触の補償的な背景像C+−は,不誠実で常に離反と探求への傾向を潜在させている.
臨床心理学:臨床的には,自我を放棄してしまった患者Sch00, 例えば発作的な癲癇患者,近親相姦的結合が罪業念慮や刑罰不安を起こす心気症患者,近親相姦的欲求を抑圧しているSch−0神経症患者, 近親相姦的欲求にとり憑かれた自我拡大的な色情狂Sch0+患者に, この必要以上に要求された生命への執着,誠実結合を見出す.



C11 −± 後ろ髪をひかれる別離     男性傾向・社会性+


性格傾向:まだ依存しているのに別れて自由になりたい.会いたくないのに抱擁したい,抱擁されたい.変化したくないのに孤独になりたい.この矛盾した接触態度は,自分も,自分を支持してくれる人をも極端に不幸にする.矛盾接触.
記号解釈:執着不確実の固定化.探求の欠如.甘えと孤独欲の強迫的アンビバレンツ.依存しながらの接触遮断.執着と離反の葛藤を伴うインツェスト結合.
衝動病理学:不幸な人間関係には多くの理由がある.a)近親相姦的欲求C−+にもかかわらず離反傾向−mが働いている.b)接触阻害C−−にもかかわらず執着願望+mが常に存在している.c)固着的不変性−dにもかかわらず執着が不確実±mになっている.執着+mと離反−mにおけるこの強迫的なアンビバレンツ±mは,人を極端に不幸にする.それは不確実な状況のなかで新しい対象を探求し創造する衝動+dが欠けているからである.この結合様式に耐えるのは困難である.潜在期(5-6才)の子供や高齢の成人(60-70才)がこの接触困難性と戦っているのを時々見受ける.
臨床心理学:臨床的にC−±像を示すのは強迫神経症患者,緊張病および発作的な癲癇型の子供や大人である.これに応じる自我像は自閉Sch+−,または幼児的なエディプス期の殺意に妄想的に憑依Sch0+している自我である.執着におけるこの不確実さは孤独妄想,去勢不安妄想の膨張的投影自我Sch0+により証明される.この板ばさみの状況から逃れる唯一の可能な道つまり探求は,背景像のC+0が教えてくれる.



C12 ±− 離別の後の懐疑的接触     男性傾向・社会性+


性格傾向:あらゆる接触を遮断して孤独になるべきか,それとも新しい対象を探求するべきか.古い対象と別れた後で対象探求に悩む.懐疑的な接触態度.
記号解釈:接触遮断しながらの探求.離反の後の探求における強迫的なアンビバレンツ.探求の痕跡を伴う接触阻害.不誠実しかもなお固着している.
衝動病理学:この強迫的な反応は極めて希で,離別C+−か固着−dか遮断C−−か探求+dかの懐疑が支配的である.探求欲求におけるこの不確実さは,懐疑のために不安ではあるがこの人はそれほど不幸ではない.というのはこの人はすでに最も不愉快な離反の歩み−m,+dを背後にもっているからである.だが固執傾向−dの痕跡は完全に自由になることを妨害している.この強迫的接触像は第一の思春期から第二の思春期(3-4才,13-16才)の間によく現れる.
臨床心理学:臨床的には強迫神経症,発作的癲癇型精神病および性的未成熟な人が,平均人よりも頻回にこの強迫的接触像を示す.この場合,すでに離反過程C+−が始まっているのでしばしば投入期の自我Sch+0を見出す.発作的癲癇的な人は統合の試みとして破局予感の自我像Sch±±, あるいは解体の自我像Sch000を示す.



C13 +± 喪失対象への執着・欝     女性傾向・社会性−


性格傾向:すでに失ってしまった対象に執着し探求する.それと寸分変わらぬものなどこの世にあり得ないにも拘らず探し続ける.実りのない探求.不幸な結合.欝(急性)の始まり.
記号解釈:離反と探求の準備性を伴った執着における強迫的なアンビバレンツ.抑欝気分.喪失対象の無益な探求.しがみつきながら自由になりたい願望.
衝動病理学:欝病の構造:先ず a)執着における不確実さ±m,依存対象が疑わしくなる.人は彼が愛の対象や支持対象を完全に失ったことを感じる.しばしば喪失は真実だが想像に過ぎないこともある.b)彼は愛の対象を完全に失ったが,その対象なしでは生きてゆけないと感じ,それと寸分変わらぬものを求め決して他の対象を探そうとはしない.それは c)失われた対象への投入Sch+0があまりにも対象に対して誠実なためである.d)かくして抑欝状態が始まる.この一回限りの対象の探求は,そのこと自体が発見を不可能にしている.
発達心理学的には,この抑欝的接触像は最初の幼児期(3〜4才)および第2の青年期の思春期(17〜20才)の終わりに現れ, 老人になると再び頻度が高まる(老年性鬱病).臨床的には,この結合様式は内因性鬱病の投入的な初期においてのみ特徴的な過程症状群である.



C14 ±+ 新しい依存対象の探求     女性傾向・社会性+


性格傾向:甘えられ依存できる新しい対象の探求.それは母親の代用物である.古い対象にまだ執着しながら新しい相手と結びつこうとする.注意が集中できない.
記号解釈:執着を伴う強迫的探求.不誠実な近親相姦的結合.固着を伴う2辺結合.注意集中不良.世界へ出ようとする願望+dを伴うインツェスト結合C−+.
衝動病理学:この接触形式は比較的希で多くの解釈可能性がある.a)不確実±dとなっているインツェスト結合C−+.この人は代用物を探求する+dように強制されている.b)同時的な執着傾向+mを伴う探求における強迫神経症的なアンビバレンツ±d.c)古い対象への固着−dを伴う2辺結合C++.これらはすべて注意集中障害を引き起こす.それは二重の原因,探求における強迫と懐疑±d,二辺結合C++のためである.
発達心理学的には,この接触像はエディプス期の始め(3〜4才)と人生の第二の半分(40〜80才)においてのみ意味がある.臨床的には我々はこの接触像を時々疎外自我Sch−±を伴う心気症において見受ける.あるいは発作的な状態,たとえば自我における解体Sch00を伴う恐怖症,癲癇においても見受けられる.希に緊張病もまたこの接触像を示す.背景の軽躁病的接触像C0−は,孤独ないし浮浪という将来の接触危険性を証明する.それゆえ背景の意志不定の危険性がこの強迫的探求を基礎づけていると考えることもできる.



C15 ±± 耐え難い錯乱接触     女性傾向・社会性−


性格傾向:誠実であるべきか不誠実であるべきか? 誰とも平等につき合うべきか,誰にも会わずに孤独になるべきか? 頭の中がまっ白に.もうろう状態.
記号解釈:全般的に問題のある接触像.同時的な誠実と不誠実.同時的二辺的な開放接触と接触遮断.錯乱.結合ジレンマ.
衝動病理学:この人は接触領域においてあらゆる4つの接触傾向を同時に共同作業させている.この接触像の担い手は次のような対立のジレンマの中にいる.a)執着+mと離反傾向−m.b)固着−dと探求+d.c)誠実な近親相姦的結合C−+と不誠実な他者との結合C+−.d)二辺結合あるいは多辺結合C++と世界からの完全な遮断C−−.e)執着すべきか離反すべきか±mというアンビバレンツと,固着か探求か±dのアンビバレンツ.人はいかにしてこれらの対立を解消し,接触生活におけるかくも深い不一致を制御し支配することができるのか? この接触像に伴って常に現れる自我像Sch00がその問いに答える.つまり自我は解体する.自我は接触の積荷の重さのために無力となるのである.
発達史的にはこの耐え難い接触像が現れるのは極めて希である.しばしばこの所見をエディプス期(3〜4才)あるいは人生の終りに見出す.
臨床的には強迫神経症患者Sch±0,ヒステリー患者Sch−0,−+,−±,欝病患者Sch+0,あるいは妄想型分裂病の患者Sch0−だけが,この結合ジレンマの嵐の中で辛抱することができる.



C16 00 接触解体・甘えっ子接触     女性傾向・社会性+


性格傾向:あらゆる対象や価値対象の喪失.いつまでも母親の膝の上で抱かれていたい甘えっ子接触の欲求.
記号解釈:世界との接触喪失.接触衝動の解体.赤ん坊接触.
衝動病理学:接触衝動の解体は, 今まで人が執着し或いは探し求めていたあらゆる世界の対象および価値対象を突然失うことで生じる.それは人が執着と離反,固執と探求の持続的な接触ジレンマをそれ以上耐えることができなくなった時である.人はしばらくの間虚無主義の中に留まる.このような接触喪失は例えば破瓜型分裂病において見受ける.古い愛の対象との完全な交流および関与つまり母の膝によって一切の接触傾向が静止する赤ん坊接触の状況は他の人々と接触しようとする欲求を麻痺させる.だがそれはほんの短い間だけである.この幼児的な交流が止むと直ちに接触傾向が目覚め人は再び世界に対して関係をもつ.
臨床心理学:臨床的に接触解体像は同性愛,不安ヒステリー,恐怖症患者,性的未発達な人では意味がある.恐怖症患者では破局予感自我Sch±±,同性愛患者では女らしさを受容する自我Sch+±が見られる.背景像はこの解体接触に先行し或いは継起的に現れる錯乱接触像C±±が待ち伏せして隠れている.