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衝動病理学・臨床心理・運命分析の基本知識

衝動解釈辞典

付録:架橋自我について

1997年版
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                       +---h=情愛の結合力
      +---S 性・生命力------|
      |                +---s=攻撃の結合力
辺縁衝動--|
      |              +---d=新しい対象と結合
      +---C 接触・人間関係--|
                     +---m=旧い対象と結合


                        +---e=荒々しい感情で防衛
      +---P 感動発作--------|
      |                 +---hy=繊細な感情で防衛
核心衝動--|
      |                    +---k=男性的自我・同化と抑圧
      +---Sch 自我-----------|
                           +---p=女性的自我・投影と膨張

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構成:富樫 橋
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GVS/TOG/96.DEC.15 衝動解釈辞典・自動診断辞書・1997年版・Ver.2.30



+0, 0+, −0, 0−, ++, −−, ±0, 0±, +−, −+, −±, ±−, +±, ±+, ±±, 00



S1 +0 幼児的エロス欲求     男性傾向・社会性−


性格傾向:性的な成熟度が不充分で感情とくに愛情表現がうまくできない.特定の相手から関心をもたれ,愛されることを待ち,自分からは働きかけない傾向.待ちくたびれるて幼児のように粗暴な形で怒りを爆発させることがある.
記号解釈:個人愛の優勢.
衝動病理学:0sはエロスhに比べ攻撃性sが相対的に弱いことを意味する.これは既に男性的サデイズムまたは女性的なマゾヒズムの粗野な開放が行なわれた後だからである.この性欲像は個人愛への傾向だけが前景に切迫し,性欲の他の3要素は文化サドマゾヒズム(S−±)の形で背景に抑圧されている.またこの性欲像は幼児的多型倒錯の徴しであり,そのような大人は覗き見や露出のような部分欲動的行動をとる.
臨床心理学:性的な未成熟さ.そのため愛情表現がうまくできない.粗暴な感じ.攻撃性の粗野な解放が行なわれたあとの衝動像.方向と目標が正常範囲から逸脱した性欲(前生殖器性).粗暴な倒錯性欲.



S2 0+ 幼児的攻撃欲求     男性傾向・社会性−


性格傾向:男性的で勇ましいが思いやりに欠ける傾向.性的未成熟で生き物を慈しむ情緒や人間への信頼感が育っていない.肉体活動的には意欲的であるがブレーキが利かない負けず嫌い.余計なことに手を出す傾向.競争相手を常に探し,暴力的に攻撃するスポーツ好きである.人を信用せずに弱者をこき使う攻撃者.
記号解釈:サディズム.攻撃性・積極性(幼児的な愛情充足を伴う).10回テスト中3回以上出現すれば性的サディズムおよびその他の種類のサディズム.
衝動病理学:相手を侵すという快楽だけが前景に衝迫している.0hは性愛的な結合欲求hが攻撃欲求sに対して比較的弱いことを意味する.他の3つの性的要素はS±−(マゾヒズム前期)の形で背景に抑圧されている.
臨床心理学:赤ん坊が玩具を壊すような暴力.例えば笑いながら平気で残忍な暴力を振るうことができる人,またそういう職業の人.性的およびその他の種類のサディズム(表情は優しく柔和である).



S3 −0 集合的人間愛欲求     男性傾向・社会性+


性格傾向:特定の相手でなく複数の対象や多くの人間と友愛的に結びつきたい.しかし自分から働きかける具体的な行動が伴わない.それは性的未成熟のためである.人類全体と結びつこうとする観念的な愛情であるから,消極的なひよわさを感じさせ,無気力な印象を与える.博愛主義的な性欲抑圧者.
記号解釈:集合的人間愛(積極性は人道的な形で充足している).10回テストで3回以上出現すれば性欲の抑圧.
衝動病理学:積極的な人間化された性衝動.この像は観念的な人間愛への欲求であり性欲の健康な人間化のしるしである.だがそれは被検者の自我が非常に高い発達段階に到達し,例えばSch±+,±±,++のときに始めて集合的人間愛と解釈される.それ以外のときは性欲の抑圧と解釈する.性衝動の全体性±±からのこのような偏りは集合的人間愛だけが前景に衝迫しており,他の3つの傾向は個人愛サドマゾヒズムS+±の形で背景に滞留している.
臨床心理学:複数の対象を観念的に愛する傾向.博愛主義.未成熟性欲.同性愛.性衝動の抑圧.



S4 0− 幼児的受動性欲求     女性傾向・社会性−


性格傾向:元気がない.肉体的に疲れている.気力が無く,活力がないのは何らかの原因で自己サボタージュに陥っているか,生まれつきの自殺型マゾヒストである.疲労を回復して,生きる意味や生きがいを見つける必要がある.
記号解釈:献身,自己犠牲,受動性.10回法で3回以上の出現は性的マゾヒズム.
衝動病理学:自己卑下の傾向.マゾヒズムだけが前景に切迫しており,個人愛+hと集合的人間愛−hと攻撃性は背景に抑圧されている.ゆえに背景像はS±+:サディズム前期である.0h反応はテスト前にエロス欲求を実際に解放した場合がある.また0h反応はエロス欲求の恒常的な満足が社会的な職業あるいは精神作業で昇華されていることも示す.もし精神療法家が10回テスト中つねにS0−を示せば,これを治療家的エロスの社会化された充足と理解すべきである.さらに希に0hはエロス的結合欲求の体質的な減弱を示す.
臨床心理学:受け身的な性格.自分からことを始めない人.不活発.自己サボタージュ.2次的あるは性的マゾヒズム.原発的マゾヒズム(自殺の危険性)



S5 ++ 平凡人の性欲     男性傾向・社会性+


性格傾向:男性の場合は平凡人の性反応.積極的で時にはエネルギーが高まり,粗野な行動となって現れることもある.女性の場合はやや男まさりの積極性と活動意欲.どちらも対象は特定の個人に向けられた愛情から発している.
記号解釈:男女両性における平凡人の正常性欲.10回中3回以上出れば病的に高進した性欲.しかもしばしば解放されても放出しきれないほど強すぎる性衝動.
衝動病理学:平凡人においては個人愛+hと性愛対象を占領する+hが,正常な行為として発動するための性欲へと合金される.愛と攻撃性は調整され,いつでも発動可能な準備完了した性欲像である.この対立した2つの傾向hとsは,同じ方向に合金され互いの衝動危険性を自己調整する.即ち攻撃の危険性+sは情愛欲求+hと合金することにより調整され安定化される.
臨床心理学:性的なたくましさ.性的健康優良児.文化的な優しさと奉仕は欠如しているか抑圧されている.性的欲望の充満している状態.



S6 −− 性欲の昇華     女性傾向・社会性+


性格傾向:自我がSch±+,±±の場合は文化的・文明的な知性を身につけたヒューマニストのしるし.性欲が職業や学業,スポーツなどの形で社会化していることを意味する.しかし対人関係では消極的で,周囲には我関せずの冷淡な印象を与える.
記号解釈:正常な昇華された性欲.10回法で3回以上の出現は病的に抑圧された性欲.
衝動病理学:文化への素質−hと文明への素質−s.人間愛−hと献身−sの合金.性衝動の対立した2つの傾向hとsが同じ方向(−)に合金されることで互いの衝動危険性を無害に自己調整する.S−−は暴力的に侵されたい欲求−sの危険性が,複数の対象と結合したい欲求−hと合金することにより防衛される.性欲の健康な人間化.しかしこの反応は,自我がこれにふさわしい反応を示す場合Sch±+,±±において始めて真の意味での性欲の昇華,動物的な性欲の人間化ということができる.
臨床心理学:人道的な奉仕者,理想的な看護婦,介護者.マザーテレサのような奉仕活動者.他者からみると性的欲望が感じられない人.性欲の抑圧.



S7 ±0 愛における疑い     男性傾向・社会性+


性格傾向:愛の対象を決めることができない.選択を行う自我が未成熟なために個人を愛すべきか人間全体を愛すべきかが決められない.この状態は普通の愛情生活を不可能にする.行動に明確な目標や計画性がなく無気力で積極性がない.
記号解釈:エロス欲求の優勢 (個人を愛すべきか人類全体を愛すべきかの疑問を伴う).積極性は欠如している.
衝動病理学:この反応の人は,性愛活動において個人愛と同時に人間愛を準備しており,アンビバレントになっている.その結果愛の形はジレンマに満ちた懐疑的なものになる.一方サドマゾヒズム欲求は背景に退き,積極的な活動が起きない.本来h±反応はエロスの自然な原始型半陰陽を意味し,将来の個人愛と未来の人類愛を用意している.このh±のおかげで人間は生きているすべてのものを単純に愛する.しかし選択を行なう自我が未成熟なために愛の対象選択がまだ未分化な状態にあることを強調しなければならない.
臨床心理学:性的な強迫神経症.ノイローゼの傾向.愛情対象の選択がまだできていない.自我未成熟.愛の対象の無い孤立無援の人.背景にサドマゾヒズムを準備している.



S8 0± サドマゾヒズム     女性傾向・社会性−


性格傾向:相手が強いと弱者の態度を,相手が弱いと威張るような卑怯な攻撃性.表面的には受動的に見えるが,実は攻撃的な人.相手を刺激して攻撃を誘う場合もある.周囲の人と柔軟に接するような社会的行動ができず,迷ったり孤立する傾向.
記号解釈:サドマゾヒズムの優勢.エロスは欠如している.
衝動病理学:サドマゾヒズムは攻撃性のアンビバレンツである.強い相手には弱者の,弱い相手には強者の態度をとるような両方向の攻撃性.エロス欲求は抑圧されているか幼児的な形で浪費されている.S0±反応の人の快楽は性的な,打つことと打たれることにあり,そのサドマゾヒズム的な鎖で対象と結ばれる.その結合の原因は一般にインツェスト的な愛からの逃避である.彼らにはしばしば奇をてらう所や奇怪さがあるが,それは抑圧されたインツェスト結合の代償行為である.
臨床心理学:衒奇的な(奇をてらう)人.愛情のない卑怯な人.要領よくのしあがる冷酷な人.相手の攻撃を誘い出し被害者になる傾向.奇怪な感じ.いわゆるSM趣味の人.



S9 +− 女性的性欲     女性傾向・社会性−


性格傾向:優しくて受け身の女性的な態度.献身的だが積極性に欠ける.主体性を発揮せず長いものにまかれようとする事なかれ主義.ノーと言えず周囲と調子を合わせる自己卑下的なこの態度は,日本人男性に極めて多いタイプである.内面の激情を押さえて「顔で笑って心で泣く」のは女性になりたい願望でもある.の反応を女性が示すときは,「女らしさの過度な強調」である.
記号解釈:女性的性欲.受動的献身を伴う個人愛.対象に対して軟らかく献身的な女性的な人の性衝動像.
衝動病理学:男性では目標倒錯(同性愛).女性では愛における過度の受動性.相手に対する能動的な関与+sと人間愛+hが欠けている.衝動過圧!を伴う場合:+!hでは充足されない個人愛(同性愛?)の優勢,−!sではマゾヒズムが優勢.個人愛+hと献身−sが結びつくこの分割様式は,男性では目標倒錯(インバージョン),女性では愛において完全な受け身の状態を示す.
臨床心理学:積極的人間愛の欠如.人の言いなりになる傾向.男性ではホモセクシュアル,同性愛の傾向.女性では愛における過度の受動性,無気力,マゾヒストの傾向.



S10 −+ 男性的性欲     男性傾向・社会性−


性格傾向:男性的エネルギーに溢れている.積極的で活動性が高く,意欲的だがエロス的情愛は希薄で行動にブレーキが利かない.女性の場合は男まさりの活動的な人.極端な場合は冷酷なサディズムを意味する.
記号解釈:男性的性欲.複数の対象(−h)を攻撃する(+s)欲求.
衝動病理学:エロスの抑圧−hを伴ったサディズム.希に文化サデイズムまたはサドヒューマニズム(サボナロラ型).衝動過圧!を伴う場合:+!sにおいては極端なサディズム,−!hにおいては極端な愛の抑圧(同性愛?).この反応は個人愛が欠如し,個人愛を抑圧している(−h)か,あるいはサドヒューマニズムの形で攻撃的な集合的人間愛として昇華されるようなサディストの所見である.この衝動像は場合によって女性の性衝動目標倒錯:同性愛(レスビッシュ)を現わす.類型学的にはこの反応を示す人を「鳩のような心をもった絞刑吏」と呼ぶ.
臨床心理学:攻撃的文化評論家.文化サディスト.個人愛の欠如または抑圧.女性におけるレスビッシュ(男役).例えば男装の麗人.



S11 −± 文化サドマゾヒズム     男性傾向・社会性+


性格傾向:情愛の希薄さからくるクールさがある.格好よくもてるけれども,対象を愛することができず,あいまいな態度を示す.イエスとノーをはっきりしないので,そのぎごちなさに苛立った相手からひどい仕打ちを受け,とんだ濡れぎぬを着せられるることがある.
記号解釈:エロスの抑圧−hあるいは人間愛-hを伴ったサドマゾヒズム.文化欲求−hと文明化欲求−sを伴った攻撃性+s.
衝動病理学:個人愛の欠如.この反応はサドマゾ的反応が愛の抑制と結びついている.この人は通常インツエスト結合(近親的依存)C−+を示すが,対象を愛することができず絶望的で不幸な両面結合(m±),状況によりサドヒューマニストS−+となり,自分の生徒や被保護者によって苦しめられる(−s).例えば教師,保護司,福祉司,カウンセラー,精神分析家など.背景像は劣性の単一傾向,幼児的個人愛である.
臨床心理学:相手を愛することができず常に逆らったり謝ったりする人.エロス的結合の欠けた不幸な人.場合によっては折檻やいじめ等の行為を実行する傾向(教師など).



S12 ±− 両性愛マゾヒズム     女性傾向・社会性+


性格傾向:万事に弱気で消極的な意欲のない態度.精神的なダメージを受け,やる気をなくしているかのように見えるがそんな単純な原因からではない.情愛対象や関与すべき相手を決められないので献身的な自己犠牲願望や受け身的な奉仕の欲求が目標もなくさまよっている状態.
記号解釈:個人愛h+を伴う文化・文明欲求S−−. 文化への衝動h−を伴う女性的献身S+−.
衝動病理学:積極性は欠如し背景に退いている.この反応はとくに他の分割反応P+−,Sch+−,C+−の存在と関連して,性生活における目標倒錯(同性愛)と解釈される. このS±−のエロス因子±hは個人愛と集合的人間愛の2方向を同時に欲求し,どれかに決めることができない.そのためこの衝動運命は不活発さという形で現われる.またS±−の所見は前分裂病様状態や同性愛などの分割形式への素質をもつ両性愛的人間±hの受動的献身−sを意味する.この反応のようにマゾヒズムと±hが結びつくことは一般に希である. この反応の背景像は劣性の単一傾向S0+で,幼児的なサディズムである.
臨床心理学:男性:積極性がなく不活発.前分裂様人格の傾向.女性:同性愛(レスビアン・女役)の傾向.積極性の欠如.



S13 +± 個人愛サドマゾヒズム     女性傾向・社会性−


性格傾向:個人愛を実現するために押したり引いたりして戦術的に働きかける傾向.わがままな生育歴をもつ女性によく見られる.知的な思考をせず感覚的に行動する.自分の思い通りにならず物質欲が満たされないと機嫌が悪くいらいらする傾向.エロス的に攻撃したり攻撃されたりする営みを無意識的に望む健康な性欲像でもある.
記号解釈:受動性-sを伴う正常な感覚的性欲S++. 個人愛+hを伴うサドマゾヒズム±s.
衝動病理学:受動的な女性的個人愛.この反応はサドマゾヒズム的な結合の働き(S0±)が,まだエロス的な個人愛を失っていない+hことにより弱められている.しばしばこの性衝動像は女性的受動的な人(S+−)であることを証明するが,サディズム的傾向+sにも支配される.背景像は性衝動におけるただ一つの優勢の単一傾向S−0.積極的な人間化された性衝動であるが,このS+±の衝動運命だけが自然な発達あるいは深層心理学的な教育による衝動回転舞台の回転によって始めて前景に出現することができる.
臨床心理学:相手が弱いと見ると攻撃する卑怯な人.人類愛,博愛,文化性の欠如.相手の攻撃を誘い出して被害者になる傾向.



S14 ±+ 両性愛サディズム     男性傾向・社会性+


性格傾向:文化的攻撃欲を実現するために,個人的および社会的に働きかける傾向.知的な仕事をもつ男性に見られる.感覚的行動でなく論理的な思考をめぐらし,知的攻撃により精神的優越感を満たそうとするがそれは世のためではない.
記号解釈:文化欲求−hを伴った正常な感覚的な性欲S++.個人愛+hを伴った文化的サディズムS−+.攻撃性を伴う両性愛的エロス.
衝動病理学:この反応は a)正常な感覚的な平凡人の性欲S++への傾向であるが,文化への傾向−hおよび集合的人間愛への傾向−hもあわせ持っている.b)個人愛への傾向+hをもつサドヒューマニストS−+,しかし献身が欠如している.c)サディズムの前期.背景像は劣性の単一傾向S0−.献身・犠牲・マゾヒズムへの傾向.
臨床心理学:個人愛を伴う文化サディスト.献身・犠牲・奉仕の欠如.サディズム優勢の前期.



S15 ±± 両性愛欲求     女性傾向・社会性−


性格傾向:同性に対しても異性に対しても,自然体で暖かい情愛のエネルギーを注ぐことができる.こういう人は人間的魅力にあふれたカリスマ的な人である.彼らは修行によって到達した精神的な半陰陽者であることが多い.極めて希であるが男女両性の生殖器をもつ人の場合,生涯にわたり,完全な形の近親相姦的運命や異常性欲の運命を歩む可能性がある.
記号解釈:生まれつきの半陰陽的素質.成人では両性愛.感覚的性欲S++と性欲の人間化S−−への素質.両性具有者.
衝動病理学:この反応は,a)出産の時には,無意識的な性の分化が始まる直前の状態が背景に存在すると考えられるが,そのような反応.この潜在的な,あらゆる4つの性衝動の束は人間の生来性の半陰陽的素質である.S+−は女性的性欲,S−+は男性的性欲である.b)成人でのこの所見は両性愛を示す.c)さらに感覚的性欲と性欲の人間化の2つの対立した素質が同時に前景に出現した状態.従って感覚的性欲S++と人間化S−−への素質.この反応は性欲の完全な衝動であり,全衝動(ガンツトリープ)である.
臨床心理学:男か女かよくわからない人.両性具有者的に描かれたキリストや仏陀の顔のような人.またホルモン剤を多用する患者や特殊な薬品を用いる人やスポーツ選手なども性差が不鮮明になってくるといわれる.



S16 00 リビド減弱     女性傾向・社会性+


性格傾向:性的あるいは肉体的,精神的エネルギーの消費.疲労・困憊.精も根も尽き果てた状態.栄養補給と休養以外にすることはない.
記号解釈:a)男女ともに性衝動が完全に充足された後(性交,オナニ等).b)意識的な性の禁欲・節制.c)周期的な不感症.d)希れに性衝動の体質的な減弱.
衝動病理学:この反応は性衝動の解放であり解体である.衝動心理学において全衝動像が前景から完全に背景へ交代するような過程をいう.そのとき前景の全く空虚なS00の背後でその要素的機能h+,h−,s+,s−が再建復興され,再統合という形で現われる(S±±).
臨床心理学:オナニスト.禁欲者.性的不感症.病弱者.