「週感ジョジョンプ」第260号！

　こんばんわ。
　本日のマクラは久々の「ビデオで観る今週の一本」であります。
　もう先週の日曜日の話になってしまうんですが、高田馬場の"レクイエム"QTQさんちで上映会やりました。この話は後程、書くとしましょうか。で、上映したのは岡本喜八監督『ブルークリスマス』（1978年日本）！
　そうです。週感ジョジョンプ222号PAGE2で観る事ができずに悔し涙を流した邦画の怪作ですよ！　それをQTQさんのご好意で見せてもらう事ができました。ちゃんとパッケージにも「BLOOD TYPE BLUE」と書いてあります。

　え？　あらすじ？　うーん、何と書いていいものやら………。実はこの映画、様々な伏線が張り巡らされた陰謀ものなので、単純に書くと面白くないんですよね。ストーリー的には、社会派SFサスペンス、という感じのシロモノ。これが78年の日本で撮られたって所が面白い。
　世界各地でUFOに遭遇した人間の血が青くなるという怪現象が発生。科学者の兵藤光彦博士はこれに関連していたが謎の失踪をとげる………時を同じくして女優･高松夕子の血が青い、という怪しい噂が流れはじめ、事件は警察、マスコミ、そして全世界を巻き込んだ陰謀劇に発展してゆく………と、ものすごく端折ればこんな感じなのですがこの絡まり具合は実際に見て頂くしかないでしょう。
　前半部は短いカットでどんどん事件の様々な切り口を見せておきながら、後半に進むにつれ心のひだに分け入るように少しずつ尺が長くなっていく………。しかし、それでいて全体に流れる不安感は低音の様に一定。衝撃の（パッケージでネタバレしているんですけど）ラストに降り積もる雪。この終り方も好きだなぁ。また、陰謀の合間に流れるテーマ曲（作詞/阿久悠、作曲/佐藤勝、編曲/Ｃｈａｒ）は泣きのインストゥルメンタル曲で、私の好きなテリー・ギリアム『未来世紀ブラジル』やデビッド・リンチ『ワイルド・アット・ハート』を彷彿とさせます。音楽の使い方がね。
　間違いなく名作にして怪作です。
　今まで未見だった事をこれほど恥ずかしく思った映画はありません。
　エヴァから最近公開された『人狼』まで、日本アニメ界にも多大な影響を及ぼしたのも納得できます。たとえるなら「魂の奇妙的不安錯綜焼き・青い社会ソース和え」といったところでしょうか。

　ただしQTQ師匠が「これも謀略か」と言及している通り、とにかく観る事が困難な映画です。ビデオは出ているのですが、LD、DVDは発売されておらず、そのビデオを入手するのもこれまた困難で高いようです。その筋のマニアに見せてもらうしかないでしょう。今、ヤフーオークションで見てみましたがビデオは出ていないみたいですね。あっ、イイ感じの銃殺場面が表紙の倉本聰献呈署名入脚本が2,000円からだって！　これは安すぎだろう！　あっ、ポスター2,000円！（………しばらくお待ち下さい………）
　ちなみに俳優はやたら豪華です。ヒロイン西田冴子に竹下景子（間黒男さん曰く「萌え〜」（笑）。あんた何歳だ！）。でも確かにこの竹下景子は萌えますよ。清楚な散髪屋の娘さんが陰謀の渦中に巻き込まれて最後には………っていう所もとにかく嗜虐心というかソソります（←変態）。脚本は『北の国から』の倉本聰だし、その他にも仲代達矢、沖雅也、大滝秀治（というと特捜最前線だよね！）、田中邦衛、そして天本英世が出てくるんですがいかにも陰謀のこの登場シーンは必見！　『バオー来訪者』を思わせるシーンで………（ちなみにバオーは84年）。もう語り尽くせないのであと生きているうちにあと三回は観たいですね。そのうち一回は劇場で観たい！　とりあえずそれまで死ぬのは中止！