「週感ジョジョンプ」第198号！

　こんばんわ。
　寒くてまたまたお湯が出なくなってしまいました。何が悪いんでしょうか？　ガス屋さんでもやっぱし解らなかったという給湯機の謎。とりあえず明日またガス屋来訪者です。でもお湯が出なくって生活基盤が乱れると皆さんイライラします？　私はもうどーってことないやという感じです。
　しかし刑務所には入れませんね。いくらなんでも。ストーンオーシャンの刑務所を見て某駄目人間は「俺も入りてぇ〜」と切実に語っていましたが生活が根底から変るんですよ？　こりゃ経験しないと何とも言えないでしょう。

　さて、そのストーン・オーシャンに併せて今週のビデオセレクションは脱獄ものであります。とりあえずマックイーン。この人は有名な脱獄映画に生涯二度も出演しているという希有な人であります。一つは言わずと知れた『大脱走』ですがもう一つが今回ご紹介する『パピヨン』です。
　『大脱走』ではナチの捕虜収容所でしたが、今度はフランス領ギアナの刑務所。収監されたらまさしく脱走不可能のこの地より執拗に脱走を試みる一人の男がいた………男の名はパピヨン（スティーブ・マックイーン）。胸にチョウの刺青のある男！　………という、つまるところジョリーンの元ネタでは？と思われる話です。
　これは一応「脱獄もの」だと思うのですが、他の脱獄ものの様にスリル満点のアクション大作………ではありません。むしろ、「或る囚人の半生」を描いた大作と言ったほうが正しいかと思います。なので映画はかなり淡々と進みます。今回、観なおして意外な感じが一番したのはその展開でしたね。
　しかし、観終わった後で考えるといろいろと深い。パピヨンの相棒として偽金作りの達人、ドガ（ダスティン・ホフマン）が出てきて、脱獄を通じて生まれるこの男との固い友情が話の重要なキー・ポイントとなってきます。キザな言い方をすると彼らにとって脱獄とは「いかにして魂の自由を得る道を模索するか？」という事でしょう。
　独房に入ってのすさまじい生活とか（ムカデとゴキブリでスープを作るシーンは必見）、割と簡単な脱獄計画とかいろいろと見所はあるのですが、淡々とパピヨンが脱獄に挑むのを観ているうちに、「何で脱獄をするんだろう？」と思えてきます。そこがまさしくミソで、物語の後半、パピヨンが島で平穏な暮らしを始めたかつての相棒、ドガと再会するシーンで最高潮に達する事でしょう。この時にドガを通じてパピヨンの「素朴な魂の強さ」を思い知らされる訳です。実にうまい脚本！　脚本はダルトン・トランボという人で、今回初めて知ったのですが、『ジョニーは戦場に行った』を撮った人だそうです（赤狩りにもあったらしい）。
　ここまで観ると、「パピヨンは最後にはどうなってしまうんだ？」と思えてくる事でしょう。エンド・クレジットの背景に流れる刑務所の映像………カタルシスの代表的なシーンだと思いますが、観て損はないでしょう。まぁなにぶん昔の映画なので、今のハリウッド映画みたく演出が所々入る訳ではなく本当に淡々と進みます。それだけは観る時に覚悟して下さい。また、『死刑執行中　脱獄進行中』のあのラストシーンじゃないのか？と思えるシーンやジョジョ第三部の復活時アブドゥルを思わせるシーンもあり、ジョジョファンも必見。
　『ストーンオーシャン』もこういう、「魂の自由とは！」という運命に抗うような話になるんじゃないのかと思っているんですけどね。

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