こんばんわ。
人間、他人の事がいきなり解らなくなる時って殺意を伴いません?
なーんて危ない書き出しですが、今週の一冊はテリー・マナーズ『世界を凍らせた女たち 女性連続殺人犯9人の愛と誠』(扶桑社ノンフィクション)です。またまたノンフィクションなんですが今回のはもうジョジョファンにオススメ! タイトルがちょっと恥ずいけどね。
本書は女性の連続殺人者9人を丹念に書き出したもので、冒頭を見るとちょっとコリン・ウィルソン(『アウトサイダー』の人ね)の本みたいですけど、1873年に絞首刑を執行されたメアリ・アン・コットンから始まる物語はまさしく実話なので、その筋にはたまりません。序文は最後に読んだ方がいい、なんて変な本ですよね。
ここに挙げられた女性を読み解くに当たっては「なぜ殺したのか?」という疑念と共に進む訳ですが、読めば読むほど不可思議になってきます。裁判の証言、証拠、過去のエピソードなどが淡々と並べられている訳ですが、詳しければ詳しいほど、「殺す瞬間」がよく解らなくなってくる訳です。
当時の医療レベルにより発覚までが長引いたメアリ・アン・コットン。「ただ生きていくために」他人を毒殺。"アメリカの陽気なおばあちゃん"ナニー・ドス。プルーンに大量の砒素を混ぜて夫その他を次々と殺害。2007年に仮釈放の機会が与えられる予定のクリスティーン・フォーリング。表向きは優しく子供好きなベビーシッターだったけど、次々と子供を殺していく。「昔のことはよく思いだせないわ。十年間ずっと、頭のすっきりした日がなかったのよ」と言ったヴェルマ・パーフィールド。壮絶な人生の末に辿りついたのは、薬と殺人だった。誰もが優秀な看護婦だと信じて疑わなかったテリ・レイチェルズ。精神障害のため、犯行を自覚しなかった………。
なぜ殺人犯になってしまったのか、という事は全員の壮絶な過去にヒントがあります。しかし、「なぜ殺したのか?」はやはり当人の暗い闇の中、という事がイヤというくらい解る事でしょう。殺人というものを考えるにあたって、欠かせない一冊かと思います。
ちなみに原題は、『DEADLIER THAN THE MALE』。
No. | 投稿者 | 概要 |
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PAGE1 | 投稿者:shirouさん | そっちがルール違反だ! |
PAGE2 | 投稿者:さくしーどさん | 罰ゲーム! |
PAGE3 | 投稿者:yooichさん | 遠隔自動操作の恐怖! |
PAGE4 | 投稿者:軟骨がうめえんださん | 床からキャッチ! |
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PAGE9 | 投稿者:"レクイエム"QTQさん | つきぬけそうでつきぬけないような! |
PAGE10 | 投稿者:源・J・頼朝さん | さらに上を行っている! |
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