「週感ジョジョンプ」第272号！

　こんばんわ。
　今回はものっそい遅れてしまいましたが『BUZZ』（ロッキングオン）11月号の「うすた京介インタビュー」。『BUZZ』はジョジョンプのマクラとして取り上げられる事が多いような気もしますが、別に毎号買っている訳ではないし皆様にも買えとお勧めできるものでもないし今回ので読んだ気分になってくれれば言う事なしって感じで押忍。
　とまぁ関係者を敵に回したような気もしますが私はちゃんと買ってこれ書いてますよといういつもの偽善者ぶりはさておき、見開き2ページに渡るインタビューで荒木先生ももう一度このくらいスペースとってやって下され！と思う事必至。
　ギャグ漫画は日常を異化する事で成り立つ………というのは今やふるーいギャグ漫画観察の視点ではありますが、うすた京介の場合は異化の場に住んでいたという事がまずは明らかに。見れ。

「（編集部に高校一年の頃持ち込みに行った話で）なんかあんましね、受け入れてくれなかったんですよね、編集部の方で。まともな主人公が描けなかったんですよ、あの頃。要するに、読者の視点になるようなキャラクターってのが描けなくて。全員変な奴っていうのでやってたんで」

　ピンと来る人もいるかもしれませんが今ではすっかり浸透したツッコミなしお笑いを先取りしていた形になる訳ですね。聞き手の兵庫慎司も『すごいよ!!　マサルさん』（1996年）にまだテレビに出る前のネプチューンとか海砂利水魚とかのライヴに行ってその関連性に衝撃を受けた、と言及。
　『すごいよ!!　マサルさん』は大ヒットしたけど単行本は7巻で終わってしまいました。ようは壊れてしまった訳ですが、しばらく期間を置いて自分を取り戻せたのか？との問いかけに対しては「まだですねぇ」と答えていますね。この辺がちと不安ではあるんですが、続く漫画『武士沢レシーブ』のスタート地点の話が興味深いです。

「（『マサル』終了後の話で）『武士沢レシーブ』も………あれストーリー漫画として一応、僕は始めたんですね。僕の中ではあれはギャグ漫画として認められてなくて。笑いも軽く入っているストーリー漫画という感じでやりたかったんですよね。『ONE PIECE』と同じような感覚で（笑）」

　『武士沢レシーブ』はワンピだったのか！という所で『武士沢』＝『マサル2』と思っていた皆様は態度を改めて欲しいかも。とはいえ『武士沢レシーブ』は人気なくって連載打ち切りというのはご存知の通り。
　続く最新作『ピューと吹く！　ジャガー』では『武士沢』も無駄じゃあなかったななんて事を考えつつギャグへの回帰を果たしたようで。『ジャガー』のテーマは音楽。おお、だから『BUZZ』でインタビュー………という事でもないようですけどね。うすた京介がこの『ジャガー』で描きたいものとは………。

「（テーマを聞かれて）………ダメになっていく感じっていうんですかね。分かります？　はははは。何つうのかな………………なんか少年漫画とかって、何かを目指して成功してっていう感じのサクセス・ストーリーなわけじゃないですか。成功しない方向に行きたいんですよね、僕は………『結局何もやっていないな』っていう青春時代を彷彿とさせる………」

　おお、何となくそんな感じはしたけどやっぱりそうだったのか！という一言。何もやっていない青春時代を過ごしてしまったイタイ自分としてはかなり心の琴線に触れるテーマですな。
　しかしうすた京介よ、それは『奇面組』ではないのですか？　奇しくも『奇面組』が復活したし、インタビュー中でも昔のギャグ漫画は（吉田戦車とかは飛びぬけている感じがしたけど）「結局『奇面組』の頃からまったく進化がなかった感じしてた」と言及しているし不思議な因縁を感じます。
　ダメ人間としてはもちろん『ジャガー』は推したい漫画ではありますがここいらで新境地を開いていって欲しいなぁというのがホンネ。あ、基本は『マサル』でいいと思うので『ジャガー』が『マサル3』って言われても気にしない事よ、うすた先生。いい歳こいてジャンプにお熱なジョジョンプ編集部としてはダメダメにリスペクト！

「そうなんですよね。がんばって成功していく人を見ると、僕の場合へこむんですよ」

………うすた京介

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