「週感ジョジョンプ」第268号！

　こんばんわ。
　最近のマクラはなげやりなものが多い！と誤解されては困るので、気合を入れてかからねばなりません。お待たせしました、今週の一本はブライアン・シンガー監督の『X-MEN』（2000年アメリカ）。

　いやー、とにかくウルヴァリンがカッコ良かった〜、とまぁこれだけで終わらせてもいいのですが、とても行数がもちそうにないのでバカバカしいとは思いつつあらすじなんぞを。

　突然変異により様々な特殊能力を持つ人々が「ミュータント」と呼ばれるそう遠くはない未来の話。彼らミュータントはその能力のために社会のアウトサイダーとならざるを得なかったが、一部の者はチャールズ・エグゼビア教授（プロフェッサー・X）の「恵まれし子らの学園」でチームを結成していた。その一つが「X-MEN」である。そんな時、国会では全てのミュータントに登録を義務づける「ミュータント登録法案」の必要性が問いただされていた。その後のサミットを狙い、プロフェッサー・Xの旧友にして宿敵マグニートーは恐るべき計画を進めていた………。過去の記憶が無いウルヴァリン（ローガン）、そして自らの恐ろしい能力のため旅に出ていたローグら二人を加えてX-MENはマグニートーの陰謀に立ち向かうが………。

　ムリムリ。36年の歴史があるコミックスが104分の映画にまとめられ、そのあらすじを数行で書いても全く何が面白いんだか、という感じですよね。
　週感ジョジョンプ242号PAGE5でも映画公開前にご紹介し、期待して？いた映画です。7/29の当時、日本で公開されるのか？という不安があったのですが、ここまで早かったですねぇ。
　さて問題のブライアン・シンガーが監督という事について。この映画、エリック・レーンシャー（マグニートー）の子供時代、ナチの収容所のシーンから始まります。降りしきる雨の中、母親から引き離されるエリック。そこで後に磁界王と呼ばれる事となる能力の片鱗を発揮しつつ………というシーンなのですが、この暗さがいやおうにも期待を盛り上げてくれてこれはひょっとするとひょっとするぞ？と思いつつ見ていくとあまりにハマリ役のパトリック・スチュワート演じるプロフェッサー･Xとマグニートーの国会での出会いがあります。
　何のために戦っているのか………という両ラスボスの対峙。マグニートー役はイアン・マッケラン。私、すっかり忘れていましたがブライアン・シンガー監督『ゴールデンボーイ』に出てきたナチの将校役のあのお爺さんですよ！　さらに濃ゆいポイントとしてイアン・マッケランがゲイだという事。その後もウルヴァリン×サイクロップスというシーンもありよっこさんの「X-MENお姉さま向け映画」説もなるほどという感じ。ブライアン・シンガーもゲイですからねそういえば。
　他のキャストで見ていくと当時心配していたウルヴァリン役のヒュー・ジャックマンがかなり良くてびっくり！　これがハリウッドデビュー作という事なのですが、よく見つけてきたよなぁ………というくらいキマっています。
　逆に誰もが思うサイクロップス役のジェームズ・マーズデンが全然駄目。続編にも絶対に出ないでくれ。
　この映画、実は主人公がウルヴァリンで脚本家も恐らくウルヴァリン好きなのでサイクロップスのカッコ悪さは全開です。「映画秘宝」で、柳下毅一郎が言ってましたが「俺の女に手を出すな」なんてウルヴァリンに吠えるシーンは「俺のママに手を出すな」という感じにしか見えない！　ここまで来ると他のキャスティングもそのへんを意識させるためにワザとやってるんじゃないかと思うほど。この貧相なサイクロップスに対してジーン・グレイ役はオランダ出身の元モデル、ファムケ・ヤンセンなんですもん。ちなみに国会のメガネっ娘ぶりはメチャ萌えますぜ！（笑）
　我らがウルヴァリンは地下ボクシングでの渋ーい登場シーンにバイクでの単独行動ぶり、クライマックスのオイシイところ総取りといい事づくめであります。とはいえ、『マトリックス』みたいなバカ度満載のアクション巨編ではなく、それなりにマイノリティの苦悩を描いた本作、とりあえずはオススメです。これで敵役のセイバートゥースやミスティークの「戦う理由」が見えればもっと良かったのになぁ………。
　映画館を出るときにはブルース・リーの映画よろしくみんなウルヴァリンみたく歩いてますぜ！

「週感ジョジョンプ」第269号へ進む
「週感ジョジョンプ」第267号へもどる
「週感ジョジョンプ」バックナンバートップページに戻る
「週感ジョジョンプ」トップページに戻る