「週感ジョジョンプ」第234号！

　こんばんわ。
　またまた同じような事を書いてすみませんが、今週は大変。給料日明けの定番コースといいますか、月・水・金と飲みに行きました。またまた月末が心配。
　さて、今週の一冊はいいかげん映画に行けない不満が大爆発、という訳ではないのですが映画の本。快楽亭ブラック『日本映画に愛の鞭とロウソクを』（イーハトーヴ出版）。
　著者の快楽亭ブラックは読んだ通り噺家。立川談志門下で「拙は」とか言っているどっかの漫画の登場人物とは違う………はず。あ、私は落語界の事はとんと疎いのですが、ブラックの名前も代々襲名しているんではなかったでしたっけ？　外人の噺家、と一部で思われているらしいですが正確にはハーフ。
　それはさておきこの人が凄い、と言っても映画ファンなら一度は聞いた事があるかと思いますが、毎年365本以上の映画を14年以上続けて観ているそうな。一日に3〜4本は観ている。本業の落語はそっちのけだし映画だけじゃない、演劇やプロレスもかなり観ています。
　この本のタイトルを観てもお分かりの通り圧倒的に邦画観賞率が高いのですが、何とドラエもんもガメラも観るという本格派。
　駄文を連ねるよりちょっと書き出してみましょう。1998年の今ごろは何を観ていたか。

7/2（木）GAGA試写会『ネプチューンinどつきどつかれ』　7/4（土）フィルムセンター『新釈四谷階段・前篇・後篇』　7/7（火）銀座シネパトス3『借王（シャッキング）3・4』、フィルムセンター『山を飛ぶ花笠』、大井武蔵野館『ぼくのオヤジとぼく』　7/8（水）浅草寺福祉会館『鞍馬天狗・龍攘虎縛の巻』　7/9（木）中野武蔵野ホール『THE GROUND・地雷撤去隊』………

　振り返って我が身の事を考えますとCON$、邦画がとにかく嫌い。嫌いというわけではないのですが、とにかく質の悪いものが多すぎるので嫌なのです。もう一つ嫌な理由を付け加えるなら、昔のはまだ観れたものがあるんですが年々ひどくなっている事。例えば、貴方が過去5年間観た映画の中でベスト3を挙げろと言われたら相当迷いませんか？
　その他いろいろあるのですが、とにかく邦画はほとんど観ない事にしておるのです。ビデオなら観ますけどね。映画館で金を散在して得られるカタルシスが無い。連続して観てみたいいい監督がいない。
　では何故この本を手にとったかというと………一つは仕事の関係で買ってみた事と、邦画も実は面白いんじゃないか………？と思えてきたからです。何を矛盾した事を、と言われるかもしれませんが、この歳になってもなおアンチ邦画ファンというか、いい邦画に「私はいままでダマされていたのだ！」と叫びたい衝動がどこかにある訳です。これは人間のサガみたいなものですな。
　そしてページをめくるとその月に観た映画の一覧が左に並び、その月の映画などに関しての評論のようなエッセイが書いてある………というのが延々と続く本なのですが、自分の全く知らない邦画タイトルを眺めているだけで楽しいかも。そしてこのエッセイのまとめ方がまた上手いのです。プロの物書きではないので多少飛躍があるんですが、毎週の如く駄文を書いている拙にとっては大変ショックでしたゲスよ。
　巻末には何と岡本喜八との対談。岡本喜八はさすがに私でも知っている監督ですが羨ましさ大全開で読めるはず。ちなみに一部で噂の『ブルークリスマス』についての言及は本書には無し。これは私も（当然）未見の怪作だという事は以前ジョジョンプにも書きましたが、近々、観る機会ができそうなので楽しみにしております。
　サブタイトルが「さらば愛しの名画座たち」となっているように、今はほぼ壊滅状態の当時の名画座が生き生きと登場する所は巻末の映画リストと併せて資料的価値が高いです。これに似た連載は「TV Bros」か何かで続けているんじゃなかったでしたかね？　とにかく1999年度ぶっちぎりザ・ベスト今週の一冊『嫌われ者の記』と並ぶ2000年ベストの一冊になりそうです。今更読んだのかよという共通点も含めて。これからは邦画も見ますぜ〜、旦那！

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