戦争と平和構築
2008年の記録から
(4)


その後も戦争は治まる気配はなく
一年あまり続いた
1 つかの間の停戦が実現? GO! 10 村道上に大量に避難 GO!
2 家々と学校が焼かれた GO! 11
大きな戦争は3年おきに GO!
3 なぜ学校が焼かれたのか GO! 12 国際NGOが消えていった GO!
4 避難民支援を開始 GO! 13 第二回炊き出しを開始 GO!
5 意外と深い問題が隠されている GO! 14 現地をしっかりと観察して GO!
6 祈りの後で読み語り GO! 15 スカラーたちも避難 GO!
7 学校教育が行き届いていない GO! 16 スカラーたちが活動を開始 GO!
8 炊き出しに並ぶ子どもたち GO! 17 友情と愛こそが生きる力 GO!
9 ミンダナオの情勢は流動的だ GO! 18 ビニールシートの支援開始 GO!
19 戦争は一年あまり続いた GO! 29 読み語りと古着の支援 GO!
20 親戚の家に避難は良い方 GO! 30 ここでも、支援を開始 GO!
21 スタッフの動きを観察 GO! 31 病気の子どもの医療を支援 GO!
22 雨がまた降ってきたぞ! GO! 32 少女はすっかり良くなった GO!
23 続いて古着の支援を開始 GO! 33 再び戦闘が勃発 GO!
24 学校に避難していた人にも GO! 34 貧困こそが戦争を作る基盤 GO!
25 リグアサン湿原で読み語り GO! 35 戦争は金儲けのチャンス GO!
26 吊り橋の下を行く GO! 36 福祉局の社会福祉士が二人 GO!
27 小学校が酷い状態 GO! 37 とにかく戦争はいや! GO!
28 舟でしか行けない湿原の奥 GO! 38 避難民は毎日のように湿原から GO!
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つかの間の
停戦が実現?


MNLFの集落に軍が入り、
つかの間の停戦が実現
避難民の一部は、
集落もどったが・・・


今回は、
DSWD福祉局と軍が
米の支給をしました。

しかし、下の写真のように
地元までは、
軍に送り届けられて帰ったものの、

家が奥地にあり
恐ろしくて帰れない人々も
大勢います。

今回の状況調査で、
様々なことがわかってきました。

あまり詳細には語れませんが
なぜ、MNLFとMILFが対立したか・・・。

海外からの支援を受けた
大土地所有者と、
魚を捕ってようやく生活している
無数の貧しい土地無し漁民たちの
経済的な格差。

裕福な人々と貧しい人々の背後に、
資源や土地の利権を求めて関わってくる、
海外からの力。

現地では、
貧富の格差が、戦争が起こる
理由の一つだといわれています。

以下は、
村の中心部のヘルスセンターで
避難生活をしている人々


学校や穀物倉庫など
屋根のあるところに
避難できる人々は、幸運!

多くの貧しい避難民たちは、
屋根も無い道路端の空き地に
椰子の葉を葺いて生活している。



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108軒の家々と
学校が焼かれた


カバカンの避難民たちの一部が、
集落にもどったとたん、

108軒の家々と学校が焼かれた


ふたたび難民となって、
道わきに避難する人々


雨よけのシートもなく
これでは、
雨が降ったらビショビショだ。


わずかばかりの着るものと
生活道具を荷車に積んで、

命からがら
安全地帯に逃げてきた人々
荷車や馬がいれば豊かな方だ。


子どもたちの
着替えの服もない!



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なぜ学校が
焼かれたのか


なぜ学校が焼かれたのか
不思議に思っていたが、

大土地所有者が、
土地を握っている地域では、
有力者は、学校の誘致や
軍への支援要請もできる。

大土地所有者は、
かつての日本での荘園制度のように、
広大な土地を持っており、
多くの小作と私兵を抱えている。

こうした大土地所有者の庇護のもとで、
小作や日雇いの仕事を
あたえられている者たちは、
収入もあり、学校に通えるけれども、

その周囲に、さらに貧しい
土地のない人々や、
先住民族たちもいて、
子どもたちを学校にも行かせられない!

今回の戦闘は、
彼らが反政府勢力となって結束して、
大土地所有者と
その一族をを追い出して、

土地を自分たちのものにして、
そこに、アブラヤシを植えて、
プランテーションを作ろうと
したところから始まったと言うが、
反政府組織の後ろに、
国際的な大きな力が控えているという?

この地域では数年前から、
住民を追い出すための、
殺害事件などが、
起きていたそうだ。

今回は、
108件の家々が、焼かれた。
やれやれ、背景がどうであれ、
可哀想なのは子どもたち!

次は、隣のMILF側の村を
DSWD福祉局と訪問します。
道がないので、
舟に乗らなければなりません。

両者の間に、
平和を実現するには、
どうしたらよいのだろうか?

軍の駐留で、
今は戦闘が収まっているけれども・・・
貧困格差の問題を解決しないかがり、
戦争は収まらないのでは?

皆さんからの戦闘に対する寄付は、
戦闘による被害者、
破壊された小学校や保育所
避難民の食料や物資などの支援、
平和構築に使っていきます。

ミンダナオ子ども図書館支援方法


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避難民支援を開始

キダパワンとピキットの間の町カバカン。
MCLの奨学生たちもいる
USM南ミンダナオ州立大学がある、
学園都市だけれども、

ムスリム地域とクリスチャン地域の
境界に位置していると同時に、
イスラムと先住民のマノボ族の
境界の町でもある。

その背後は、
道も無いプランギ川の上流地帯で、
ムスリムとマノボが混合している。

その地で、1月に戦闘が起こり、
100以上の家が焼かれた。

MCLでは、
地域の有力者同士のリドーと呼ばれる
地域紛争であると思い、
関与して来なかったのだが、

現地からの要請もあり、
子供たちを放っておけずに
支援に向かった。


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意外と深い問題が
隠されていることが
わかってきた


根本にあるのは、
先祖伝来の土地の所有権と、
それに対抗する、

近代における海外からの
農業や鉱業資源の
国際的な開発の問題なのだそうだ。


ミンダナオ子ども図書館の活動基盤は
子どもたちへの愛
それに基づいた友情と愛の支援なので、

Non Politic, Non Religious sect
政治と特定の宗派の下では、
活動しないことをポロシーにしている。

現地の政治的、経済的な問題にも
特別関心はないし、
インタビューなどはしないのだけれど、
多くの庶民から
さまざまな事が語られてくる。



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祈りの後で
読み語りが始まった


読み語りは必ず
先住民、イスラム、クリスチャンの
祈りから始まる。

この村は、イスラム地域なので
まず最初に、
イスラムの祈りから始める。

祈りの後は、
まずは景気づけの歌と踊り。
ロラロラレー!

歌と踊りが終わって、
いよいよ
読み語りが始まった!

「読み語り」は、
日本で一般的にいわれている
「読み聞かせ」のことで、

ミンダナオ子ども図書館の
幹になる基幹の活動です。

ミンダナオ子ども図書館を始めた理由も、
戦争避難民を見て
トラウマ状態の子どもたちに
ショックを受けて、

絵本の読み語りをしてあげたら
元気になるかもしれないと
思ったからでした。

そのときのことは、
拙著:手をつなごうよ(彩流社)に
書きましたので
読んでごらになってください。

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学校教育が
行き届いていると
おもっていたけれど


カバカン地域は、
大学もあるので
学校教育が行き届いていると
思っていたけれども、

ほとんどの子たちが
フィリピンの国語である
タガログ語も知らず、

マギンダナオ族の母語である
マギンダナオ語しかわからない。

そこで、
マギンダナオ語を中心にして
読み語りが行われた。


普段は、
厳しい避難生活だけに
読み語りが
楽しくってしょうがない!

絵本など見たこともない
子たちにとって、
読み語りは、
楽しい驚きの体験!

表情を失っていた顔に
次第に笑顔がもどってくる。

最後は、
絵本を手にとって
見ることができる。

子どもが、
幸せそうな事こそが、

親にとっても
最大の幸せ!



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読み語りの後の
炊き出しに並ぶ
子どもたち

読み語りの後には、
必ず炊き出しや
おやつのパンの配布をする。

炊き出しは、
成功している!

米の支給だけだと
大きな大人や青年たちが
食べ尽くしてしまって、

小さな子どもたちに
十分回らない事も多い。

そのようなわけで、
ミンダナオ子ども図書館は、
17歳以下に限定した
炊き出しをすることにした。

ご飯を炊き、
おかずと一緒に、
その場で子どもたちに
渡して食べさせる。

週に3回来て、3週間続けて、
計9回の初回の
炊き出し計画が完了した。


こうして、
確実に子どもたちに栄養を補給し、
基礎体力の維持を可能にしている。



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ミンダナオの情勢は
流動的だ

カラカカンやパニコパン、
ダリガウインなどの国道沿いは
落ち着いていて、

山岳地域の反政府勢力も、
本格的な活動は開始していないと、
スカラーからは聞いている。

国道沿いで安全で
入りやすいところは、
様々なNGOも入って来ているし、

炊き出し支援も行われているから
そちらは、任せて
私たちは、他のNGOには入れない
より困難な地域へと向かう。
(地図では、上へ抜ける道沿い)

現在大変なのは、
ラガイエンやブアラン、
パイドプランギといった、
辺境地域だ。


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村道沿いに
大量に
避難してきている


戦闘が勃発し
難民が村から、
シリックの村道沿いに
大量に避難してきている。

避難民たちは、
国道沿いの空き地に
寝る場所を作ろうとしているが、
雨よけのシートがない。

とりあえず、
現地では寝るときに
うわがけにする布で、
屋根を作っている。

しかし、これでは、
雨が降ったら
びしょ濡れになってしまう!

少しでも濡れないように、
椰子の木やバナナの木のそばに、
寝場所を作っている。

雨が降ったら
椰子やバナナの葉を、
屋根にするために・・・。

これら村道は、最近になって、
ブルドーザーで
道の拡張整備が緊急に行われた。

おそらく、軍用車の走行を
より早く大量にするためだと、
現地の人々はいっている。


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大きな戦争は
3年おきに
地域紛争は、
毎年のように起こる


すでに、40年間、
大きな戦争は3年おきに、
地域紛争は、
毎年のように起こる。

わたしが、
初めて見た戦争状況は、
2001年だった。
そのときは、120万人の避難民!

バリカタンと呼ばれる
政府軍と米軍の合同軍事演習
と言う名の実戦ではじまり、
戦争は、一年以上続いたが、

さらに、その後、
避難民が、
まだ帰宅できないにもかかわらず、

当時のブッシュ政権による米軍の
「テロリスト掃討作戦」が開始され、

避難民は、
130万人を超えたといわれた。
米軍による空爆もあった。


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国際NGOが、
突然のように
消えていった!


しかし、その翌々年には、
米軍は去り、
まだ130万の
避難民がいるというのに、

国道沿いに店を並べ、
NGOの見本市とまでいわれた
数々の国際NGOが、
突然のように消えていった!

まだ避難民が大量にいるのに
どうして引いていくのか?と、
驚いて理由をたずねると。

「もう、ミンダナオじゃないですよ。
イラク、イラク・・・!」

イラク戦争が勃発して、
米軍といっしょに、
見本市といわれたほどの
たくさんの国際NGOも、
イラクへ移ってしまったのだ!

残ったのは、
ミンダナオ子ども図書館と
コタバトのNGOがひとつだけ。

NGOや国際支援など、
ぜんぜん関心もなく
ぐうぜんに現地に飛び込んだ
無知なぼくの心に、ふっと浮かんだのが、

戦争ってなんだろう?
国際支援ってなんだろう?


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第二回炊き出しを
この地域で開始


ミンダナオ子ども図書館では、
第二回炊き出しを、
とりわけ困窮している
この地域で開始した。

この地域は、
東南アジア最大の
リグアサン湿原の近くでもあり、

地面はいつもビショビショ!

そのような湿った土の上に
良くてビニールシートをひいて、

貧しくてシートも買えない家族は、
椰子の葉やをおいて
何日も寝なければならない。

衛生状態も悪く、
子どもたちにとっては、
命がけの生活がはじまる。

現地の人々の状況を見て、
さらに、現地出身の奨学生たちが
人々と話をして、

本当に必要としているものを
確認して、
支援を開始する。

支援物資を積んだ
ミンダナオ子ども図書館のトラックが、
到着すると
人々は大喜びで集まってくる!

現地の子どもたちも
以前に読み語りをしたりしているので、
ミンダナオ子ども図書館を知っていて
手を振って迎えてくれたりする。

子どもたちこそ
私たちの未来の希望!

平和な世界になって欲しい!
といつも思う。


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現地をしっかりと
観察して
行動に移す


毎回、
避難民が出るたびに、
わたしたちは、
現地をしっかりと観察して
行動に移す。

上は、
MCLの理事で市の福祉局
所長補佐のグレイスさん。
MCL代表で、妻のエープリルリン

グレイスさんは、福祉局と
現地のカトリック教会の
福祉士もしているが、
イスラムの女性たちと
婦人会も結成して助けあっている。

一昨日、私も調査して、
ブアランやラガイエンの人々と話して、
医療と衣料、欠乏している
ビニールシートを約束した。

ミンダナオのこの地域では、
40年間にわたって
戦争がしばしば起こされてきて、
ここで会った国連UNの方の話では、
避難民の累計が世界一なのだそうだ!

難民は、
国境を越えて国外に移る人々だから
少しはお金のある人々だという。
避難民は、
貧しくて海外に出られない人々。

生まれてこの方、
なんど避難生活をしてきたことか!
こうして子どもを持っても
相変わらず避難生活が始まる。

それでも、
どんなに苦しくても、
決して生きることを諦めない。


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スカラーたちも
避難していた!


私たちの
スカラーたちも
多く避難していた!


イスラムの祝日、
ラマダン明けに、

事態は悪い方へ
向かうと言われている・・・!

大きな戦争は、
たいがいラマダン明けに
始まると言うことがわかってきた!


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スカラーたちは
活動を開始した


11日、土曜日の今日、
スカラーたちは、この地域に、
ビニールシートや古着や古靴を届ける
活動を開始した。

ミンダナオ子ども図書館は
戦闘地から1時間半ほど離れている
キダパワンという町で、ここは
戦地になることはほとんどない。

そこに住んでいる子どもたちが
戦争避難民救済に向かう。
下の写真の中央の子も
両親が目の前で殺されたイスラムの少年。

自分もお腹を撃たれて、
MCLで病院に連れて行き、
その後、奨学生になった。

下のテレビ映像にも出てきますよ!
池上彰のジャパンプロジェクト

世界の”命の現場”で奮闘する日本人
 


 パックンが来た

映像を 見たい方は ここをクリック 
イスラム教徒、先住民、クリスチャンの子たちが、
宗教や部族が異なっても
協力し合って
避難民救済の準備をする。

こうした仕事を
嫌がる子は、一人もいない!

どんなに大変な仕事でも、
笑顔でやっていく姿が、
すばらしい!


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友情と愛こそが
生きる力!


彼らを見ていると
感じられるのは、
友情と愛こそが生きる力!

男の子も女の子も、
小さな子も大きな子も、
みんなで力を合わせて
ビニールシートを切り分けていく。

戦争避難民の救済など、
現地語も何もわからない
日本人ひとりでは、
何にもできない。

現地のスタッフたちもさることながら、
大変な場所で、
大変な経験をして、
ミンダナオ子ども図書館に来た子たちこそ、

自分たちの力で考えられるし、
心の底から感じられるし、
情熱をもって行動できるのだ!

この一枚のシートで、
一つの家族が、
雨に打たれずに寝られるね!

ぼくたちは、
日本から送られてきた靴を
年齢と男女にわけて分別するね。



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約束の
ビニールシートの
支援を開始

何とか竹を切って、
骨組みを建てたけれども、
どうやって屋根を作ったらよいのやら。

とりあえずヤシの葉を
屋根代わりに葺いて、
寝る場所を作る。

このような場所に、
数か月、時には
一年以上たいざいして、
生活をしなければならない。

どの家族も
平均して7人は子供たちがいる。

親族も合わせると、
時には十数人の人が寝る。

ミンダナオ子ども図書館の若者が、
ビニールシートをかけてあげる!


母親も子どもたちも大喜び。

毎日のように
ビニールシートを切っては届ける。

毎日のように、
別のところに集まってくる
大量の避難民たち。

ボードメンバーで、
市の福祉局のソーシャルワーカーをしている
グレイスさんの指示で動く、

ミンダナオ子ども図書館の
イスラム教徒のスタッフたち。

クリスチャンのスタッフも
いつもいっしょ。

先住民のスタッフもいっしょ。

ミンダナオ子ども図書館を知っている
現地の子供たちも、

支援活動を手伝ってくれる。

平和な時も彼らの村に、
読み語りに行ったり、
病気の子を治したり、

保育所を建てて
あげたりしているので、

子どもたちも親たちも、
ミンダナオ子ども図書館を
よく知っていて、
心から喜んでくれる。
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その後も戦争は
治まる気配はなく
一年あまり続いた


住んでいた
家を放棄して、

なけなしの家財道具を
牛車にのせて、

町の近くに避難する、
戦争避難民の人々!

多くの人々が、
湿原地帯の漁民だったり、
大土地所有者のしたで働く
小作だったりする。


収穫が無ければ、
日々の食べ物にも事欠き


着る物もあまりなく、
裸足の子が多い。


このようなところで
これから数ヶ月。
この年は、一年ちかく
住まなくてはならなかった!


ヤシの葉を葺いて
何とか屋根を作ったものの、
雨が降れば、ビショビショになる!


着る物もなく、
食べるものも無く


お金が無いので、
病気になっても、
薬一つ買えない。


かわいそうなのは、

何の罪も無い子どもたち!



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親戚の家に
避難できた家族は
まだ良い方だ


しかし、たとえ親戚の家に
避難できたとしても、

親戚も多くの
子どもたちを抱えていて、

家も小さい!

避難生活は、
子どもたちと、

小さな子どもを持った
母親たちと、

お年寄りに、
厳しい!


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しっかりと、
スタッフたちの
動きを観察


しっかりと、
スタッフたちの動きを観察し
指示を出すのは、
プレシデントで妻のエープリルリン!


ミンダナオ子ども図書館は、
彼女が17歳の時に
現地法人資格を取った。
2018年現在は、キタコトバト州から
フィリピン政府直轄の認定法人NGOに!


イスラム教徒のサダム君は、
元奨学生で今はスタッフ。

現地出身のイスラム教徒だけに、
状況をよく把握している。

日本人スタッフの梓さんも、
この時初めて参加した。

バイヤン君も
元奨学生でイスラム教徒。
同じ奨学生でマノボ族のニナと結婚!
2018年、現在は2児の父親。

トイレの周りにもシートをまく。
女性が見られないように。

シートをもらって一安心。


みんなで分かち合い、
助けあって生きていく。


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雨がまた
降ってきたぞ!


でも
シートがあればだいじょうぶ!

特に子どもたちは、
きびしい生活でもおたがいに助けあい、
はげましあって、

友情できりぬけていく。
それこそが生きる力!



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続いて
古着の支援を
開始


服なんて、
みんな家においてきたまま。

取りに帰ることもできない!

NGOが入らない、
本当にへんぴな地域に、

避難している
人たちのところにも、
服を届ける。

こんなすてきな
服がもらえるなんて、
夢みたい!


日本のみなさん
ありがとう。

初めての帽子

現地の子たちは
服といえば、

古着屋さんの
払い下げぐらいしか
着たことがない。



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学校に避難していた
人たちにも
古着を渡した


わたし(まついとも)も
直接古着をわたしていく。

なかには、
読み語りで訪れているので、

わたしの名前を
知っている子もいる。

日本の北海道
小樽から毎年送られてくる、
靴も配った。

こうした地道な活動を
長年やることによって、
真の交流が出来てくる。


奨学生たちの
尽力こそが
平和構築の第一歩だ。



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イスラム自治区
リグアサン湿原の
カルボガン村で
読み語り!


ARMMイスラム自治区は、
多くの問題を抱えた地域でもあり、
支援がうまく行き届かない
場所でもある。

とりわけ、
ピキットと隣接している
イスラム自治区のリグアサン湿原側は、
MILFの活動地域。

この大湿原から、
膨大な天然ガスと石油の湧出が
確認されていて、

その利権をめぐる
国際的な争いが、
戦争の原因なのだという。

度重なる戦闘も、
ほぼこの地域が、
中心になっており、

絶えず避難民化している
地域でもある。

政府よりのMNLFと、
独立を目指すMILF。

ペンタゴンとの戦闘も
数日前に伝えられていて、
実に不幸な地域でもある。

ブリオクの小学校。
この小学校は、
度々洪水で水没する。

今回も、
奨学生たちが参加。

下は卒業生でスタッフの
ノライダさんとアスレーさん。



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JICAで建設した
吊り橋の下を行く


この橋は、
対岸のイスラミックセンターと
セットでJICAが建設。

建設したのは、
MCLがマカブアルの小学校を
建設した同年のことだ。

しかし今回、
保育所建設について話し合うために、
私が、ここを訪れたときには、
吊り紐のロープがのびきっていて
一部水につかっている状態だった。

橋桁も、折れたり外れたり、
洪水による被害のせいだろうが、
使われている様子はなく
廃物同然の姿・・・。

それから、一週間後、
今回、私が再訪するという事で、
数日前に、急いで修復したそうだ。
下の写真は修復後のもの。


とりあえず、綱がしっかりはられて、
橋の形態をとりもどしたものの
使用されていない理由は、
多くの家族や子どもたちが、
戦闘で、引っ越していった事が大きい。


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小学校が
酷い状態で
修復増設が急務


リグアサン湿原の左側の集落への
交通の要衝として、
平和構築には
重要な位置にあるのだが・・・。

去年、JICAの草の根に
MCLで学校建設を応募したが、
危険すぎるとして
ペンディングになっている。
後に、MCLの要請で
日本政府のODAで学校を建てた。


MCLでは、今後、
バロンギス、カルボガンの先生方、
村長さん方と連携をとり、

取り残されている、
リグアサン湿原地帯の集落に、
保育所を建設し
奨学生を採用していく事にしている。

吊り橋も、こうした現地での
地道で絶え間ない
努力を続けていけば、
子どもたちが、対岸から、
歌いながら渡る日がくるだろう。


親のいない、上の写真右端の子は
ミンダナオ子ども図書館の奨学生になり
2018年には、高校生になり
MCLに住んで学校に通っています。



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湿原の奥、
舟でしか行けない
カルボガン村へ着く


カルボガン村の村長さん。
小銃に加えて、
腰にはピストル


人情の厚い人で、
わたしを守ってくださっている。


わたしたちは、
子どものことだけ考えて
活動している。

子どもたちは、
どこも変わらない。


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読み語りと
古着の支援を開始


さっそくここで
奨学生たちが、読み語りを始めた。

この地では、
学校に行けない子が多く、
スカラシップの要望が
高いことがわかってきた。

読み語りの支援は、
絵本の読み語りだけではなく、
歌って踊って、

最後は「おおきなかぶ」を変えて、
「おおきなカサバイモ」の劇をする。

うんとこしょ、どっこいしょ
それでも、カサバイモは、
ぬけません

最後は、ネズミが出てきて、
おいもの周りをコツコツ掘って、

カサバイモは、
ぬけましたあああ!

このねずみのように山の子たちは、
カサバイモのまわりをコツコツ掘って、
お芋を抜くのだ。

子どもたちだけではなく、
まわりの親たち
お年寄りたちも大喜び!

こうして避難生活をしていた
人々の心に、

愛と友情と
生きる希望がもどってくる。

読み語りが終わって、
絵本を手にとって楽しむ子どもたち。

本に対する興味が増して、
学校が楽しくなってくるという。



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読み語りの後
ここでも、
古着の支援を開始


読み語りが終わって、
ここでも、古着をくばった。

「わーい!
ミンダナオ子ども図書館が
来てくれた!」

「あっ、ともさんもいるよ!」

読み聞かせや医療、
親のいない子を
奨学生に採用したり、

度重なる避難民救済で、
何度も訪れているので、

子どもたちも親たちも、

ミンダナオ子ども図書館を
よく知っている。


避難生活は、
高齢者の方々にも厳しい。



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最後に
病気の子どもの
医療支援をした。

この子も、足を膿んでいたが
手術をしてあげた。

会いに来てくださった
支援者の西川さま
ありがとうございます!

今は奨学生になっているけれど、
将来は、
お医者様か看護師に
なりたいみたい。

足が化膿していた
少年も治し、

後に車いすを
寄贈した。


毎年、数十人の
ヘアリップ(兎口)の子たちを、

まとめてダバオ市に
連れて行き、
手術を受けさせてあげている。

皮膚病ややけども多い!



aq32
足をやけどした
少女は
すっかり良くなった


だいぶ良くなってきたね。

もう、
化膿することもないだろう。
彼女も奨学生になった!

ああ、私の力がもっとあり
多くの支援者を
見つけることが出来れば、

平和への、
もっとおおきな貢献が
出来るであろうに。
微力でゴメンね。



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湿地の向こうの
集落で
再び戦闘が勃発!


私たちの家に
火がつけられた!


戦闘地に向かう
国軍兵士たち!


政府側も反政府側も、
極貧故に兵士に応募する、
若者たちが多い!

家族を助けるためならば、
ぼくが、殺されてもがんばるよ。

こうして、
国軍側もゲリラ側も、
ミンダナオ出身の貧しい若者たちが、
先頭に立たされて死んでいく。

ゲリラにリクルートされれば、
国軍の兵士並みの給与が、
海外から入ってくる。

問題は、そのような膨大なお金が、
どこから流れてきているかだ!

奨学生になった
若者の一人が、
ぼくに語った!


MLCの奨学生になれて良かった!
大学まで行けるんだもの!

MCLが無かったら、
ぼくは、家族を養うために
アルカイダかイスラム国に応募して、

今頃、イラクかシリアで
死んでいただろう!


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格差社会から
生まれてくる
貧困こそが
戦争を作る基盤?


東南アジア最大の湿原
といわれている、
リグアサン湿原。

この湿原地帯からは、
膨大な石油と天然ガスの
湧出が確認されている。

その資源の発掘権利を巡る
国際的な資本による争いが、
戦争を起こす背景だと
現地で聞いた。

海外資本から、
莫大な資金が投入されて、
ゲリラ側にも武器の購入や、

テロリストへのリクルートの
資金源になっているのだそうだ。

「武器は、
米国製のものが多いけど
最近は、中国製も
性能が良くなっている。

日本製の銃も入ってくるよ。」

ぼくは、
「エッ」といったきり
開いた口がふさがらない。


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武器商人にとっては
金儲けのチャンス
なんだろうけれど


かわいそうなのは、
最前線に立たされて
死んでいく若者たち!


そして、
避難生活を余儀なくされる
罪も無い子どもたちだ!


あるイスラムの村長さんが、
ぼくに語った言葉が、
忘れられない!

「世界がこの地に、
関心を持ってくれさえしなければ、

ミンダナオは、
平和だったんだけどなあ・・・。」

最初は、
何を言っているのか
わからなかったけれども、

現地では、
イスラム教徒とクリスチャンが
反目している様子もないし、

戦争のきっかけは、
資源やプランテーション開発による、

自国に対する
膨大な利益に関心を持つ、
海外からの資本だというのだ!

開発が、必ずしも
悪いとは言えないのだけれど、

現地に格差や貧困や、
戦争を起こすような事は、
やめて欲しい。

犠牲になるのは、
罪も無い子どもたち!



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現地福祉局の
ソーシャルワーカー
が二人


ミンダナオ子ども図書館の役員にも、
現地の福祉局のソーシャルワーカーが、
お二人いしゃっしゃる。

一人は、
クリスチャンの女性グレイスさんで、

もう一人は、
パガルガンサイドの
イスラムの男性のサミー氏。


クリスチャンのグレイスさんは、
福祉局と平行して、
カトリック教会のソーシャルワーカーも
勤めているけれども、


戦争が起こると、
イスラムの婦人会と連携して、

神父様といっしょに、
爆弾の落ちる中を

命がけで、
イスラムの子どもたちの
救済に駆け回る。


こうした人たちと、
一致団結して活動するので、

安全に確実に、
支援活動が可能なのです。



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理由や原因は何であれ
とにかく
すべての戦争は嫌!


しかし、
いったん子どもたちの悲惨さを
見てしまったからには、
放っておくことはできなかった。

それが、
ミンダナオ子ども図書館を
始めたきっかけだった。

しかし、日本の隣国のフィリピンで、
このようなことが40年以上にわたり
起こっていることなど、
日本の人々には、
全く知らされていない。

2000年の120万の、
避難民が出たときなど、
多くのマスコミが、

取材に来たいと
連絡してきたけれども、
ぜんぶストップされたのには驚いた。

ミンダナオから日本を見ていると、

アジアの中で、
引きこもっているように見えて、
かなり不安にもなってきた。



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避難民は、
毎日のように
湿原地帯から


避難民たちは、毎日のように、
湿原地帯から街に近い、
国道沿いなどに避難してくる。


東南アジア最大と呼ばれている
この広大なリグアサン湿原には、
5000世帯の漁民たちが、
漁業をしながら住んでいる。

ギネスブックに載っている
世界一大きなワニは、
ミンダナオの出身だが、

この湿原には、
もっと大きなワニが
生息すると言われている!

しかし、
危険な人食いワニ?
もいるから、

海外からの調査隊も入れず、
正式に確認されてはいない。

この湿地帯を舞台にした
絵本を作りました。
「サダムとせかいいち大きなワニ」(今人社)


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主要な目次を集めました!
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ミンダナオ子ども図書館だより 宮木あずさ制作
現地日本人スタッフによる、
写真を交えた最新の活動報告です!
ミンダナオ子ども図書館 若者の友情:日記
ミンダナオ子ども図書館 若者の友情:日記
訪問等でMCLと出会った若者たちの想いです!
ミンダナオ子ども図書館:日記 松居友制作
松居友による活動報告および
製作映像や想いを載せた自由日記です!
ミンダナオ子ども図書館 支援方法
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日本の子ども ミンダナオの子ども
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イクメンに未来をたくせそう!
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愛に捧ぐ黙想:松居陽
ぼくの少年時代と 思春期から   
ほくの少年時代と思春期から
子育てよりも、子育つ世界!  
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講演、公演の予定表など 
講演、公演の予定表など
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原住民、イスラム、クリスチャン 私たちは一つの家族!
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ミンダナオ子ども図書館の活動とは?

MCLを知っていただくために、多くの映像のなかから選びました。
  
 山の下宿小屋に!
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奨学生を決定に山へ!
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酋長の依頼で! 読み語りに!
酋長の依頼で
地震の悲しみで お父さんが!
地震の悲しみでお父さんが
アポ山へGo!
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地震避難民の 救済と読み語り! 
地震避難民の救済と読み語り
イスラム避難民の 救済支援! 
イスラム避難民の救済支援
ウイルス期間に 洪水が襲った!
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イスラム湿原に保育所を建てた
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土地を追われるマノボ族
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サンタマリアの海辺で遊ぶ子ども
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原住民の文化祭
戦争と平和
戦争と平和
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平和構築と学校建設
平和構築と学校建設
ミンダナオ子ども図書館の 日常から
ミンダナオ子ども図書館の日常
総合活動報告の 記録映像
総合活動報告の記録映像
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