write 2000/04/02
ジャンプ第18号予想
「週感ジョジョンプ」トップページに戻る

「週感ジョジョンプ」第210号!


 こんばんわ。


週感ジョジョンプ三周年!

 という事で、毎日見ていていただいている300人ぐらいの皆様、ありがとうございます。
 今後ともぼちぼちやっていきますので、ひとつ宜しくお願いいたします。
 テーブルで重くなってしまったので?今回のマクラは下のほうに書いておきます。下に書くと、もはやマクラではないのですごく嫌なのですが、まぁ思う所あるって事で。

No.投稿者概要
PAGE1投稿者:gさん身の上話………
PAGE2投稿者:GBFプレコさんプチ太郎誕生………
PAGE3投稿者:A・ドライさんジョンガリ・A最後の挑戦………
PAGE4投稿者:よーやん岸部露伴は………
PAGE5投稿者:"レクイエム"QTQさん溶かされる………
PAGE6投稿者:"グリーンドルフィン"YEBISUさんここに残る………
PAGE7投稿者:"グーグードールズ"林さん次の一手………

 さて、今週の映画はお待たせしました、デビッド・リンチ最新作、『ストレイト・ストーリー』(2000年・アメリカ)。今回も人々を煙に巻くリンチ節が大炸裂の映画に仕上がっております。ファンにとって、これは問題作ですぞ!

 リンチと言えば何を思い出しますか? 『ブルーベルベット』(1986)ですか? 『エレファント・マン』(1980)ですか? それとも『ツイン・ピークス』(1991)? 私にとってはやや『ツイン・ピークス』寄りではありますがやっぱし『ワイルド・アット・ハート』(1990)に帰結します。これは私のロード・ムーヴィー好きにも起因するのですが、『ワイルド〜』はやっぱし傑作。とにかくラストにリンチの全てがにじみ出ていて、私に映画とは何か?という事を考え直させてくれた作品です。
 その後、最後に観たのがまだジョジョンプをやっていなかった1996年公開の『ロスト・ハイウェイ』(なぜかは解らないけれど、週感ジョジョンプ78号で「この映画って絶対第五部に影響与えているはず」って書いてある)
 リンチファンというのはある種の病気でありまして、出てくる人もいっぱい病んでいる。この「病人映画」を観る事によって自己の再生がはかられる、と考えているようなフシがリンチファンには有ります。
 さて、今回の『ストレイト・ストーリー』ですが、病気人間ですぞ、またまた。

 今年で73歳になるアルヴィン・ストレイトは娘のローズと二人暮らし。
 ある日、アルヴィンの76歳の兄ライルが心臓発作で倒れたという電話が入る。
 10年間、仲違いをし、口もきいていなかった兄。
 ライルが住むウィスコンシン州マウント・ザイオンまでは、車で行けば1日の距離だが、アルヴィンは車の免許を持っていない。
 アルヴィンはたった一人で、トラクターに乗って旅に出る事を決意した。
 時速8kmのトラクターで、560km離れたウィスコンシン州へ。
 六週間の長い長い旅の始まりだった。

 1994年にNYタイムズに掲載された実話をもとにして作られたのが本作。この「アルヴィン・ストレイト」という名前も作りっぽいが、何とその実在の人物の名前。映画で観ると解るのですが、「時速8km」というのはハンパじゃなく遅い! それで、実にゆっくりと、時折アンジェロ・バダラメンティの音楽が入りつつ話が進んでいきます。ハチャメチャなラストもなし。しかし、ファンなら間違いなくリンチの精神を感じる事ができてしまうと思う。そこでファンは、リンチとは何者か?………インタビューごとにデタラメを言う1946年生まれのアメリカ人………が何者なのか、全く異なった題材でもその作家性を発揮するには小道具以外に何が必要なのか?という事を発見すると思います。
 ではリンチファン以外にはどうなのか?という事ですが、アルヴィン・ストレイト役のリチャード・ファーンズワースの演技は観ておいて損はないと思いますよ。昔はスタントをやっていたとかで、いい意味での大根役者ぶりがこの映画の輪郭を掘り起こしていますね。
 娘のローズ役がシシー・スペイセク。ん?と思った貴方は鋭い。ちょい前の週感ジョジョンプでブライアン・デ・パルマ監督の『キャリー』(1976)を取り上げましたが、そのキャリーが出ているんですよ。相変わらず美しいんだか不気味なんだかって感じのぱっちりとしたおめめは健在ですが、年くったなぁ………と呟かずにはおられませんでした。『イレイザー・ヘッド』にも出演していた美術のジャック・フィスクの奥様。
 そしてラストに出てくるアルヴィンの兄、ライル………。この映画、私の大大大好きな『パリ・テキサス』を彷彿とさせるのですが、何とライル役があの人なのですよ! ピンと来ない方、まだキャストをご覧になっていない方はそのまま映画館へどうぞ。

 久々のロード・ムーヴィーの傑作。ロード・ムーヴィーのリズムに慣れていない方はやはり『パリ・テキサス』や『ワイルド・アット・ハート』や『イージー・ライダー』あたりで予習しておいても………意味ないんだよなこれが。ある程度、年を食ったら見直すっていうことで、観ておいてはどう? 「絶対に鹿を轢いてしまうOL」とか、病気な人達・病気なシーンの風呂に浸かる快感のない人生なんて………あまりにもつまらない。


「週感ジョジョンプ」第211号へ進む
「週感ジョジョンプ」第209号へもどる
「週感ジョジョンプ」バックナンバートップページに戻る
「週感ジョジョンプ」トップページに戻る

CON$ E-mail: condor@edit.ne.jp
このPAGEはWindows95+Netscape Communicator Ver4.7Jで作成しています
Copyright (C) 1997 CON$