write 2000/07/23
ジャンプ第34号予想
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「週感ジョジョンプ」第240号!


 こんばんわ。
 各少年漫画雑誌でも新旧交代というか、いろいろと連載が終わったりして新人の漫画が載ったりしています。しかし、ジジむさい事を言うようですが面白い少年漫画ってのは少ないですね。私が言う少年漫画っていうのは豪快さと、何よりハッタリの効いている漫画。漫画でしかできないハッタリ、それが少ないです。特にスポーツ漫画がリアル指向というか、そういうのが少なくなってきたのが寂しいです。最近で感心したハッタリは『はじめの一歩』の青木がやっていた「試合中のよそ見作戦」ぐらいかなぁ(これ、実はプロボクサーの輪島が実戦でやったんですよね)。何もハッタリと言ってもギャラクティカマグナムとかじゃなくって、描き方が重要なんですよね。

 そんな人に読んでいただきたい今週の一冊。読んだ事のある人も多いと思うんですが、読んでいない貴方は正直いってラッキー! 団鬼六『真剣師 小池重明』(幻冬社アウトロー文庫)。
 私のツボに突き刺さったこの一冊で私は午後の仕事を、まるまるサボりました。なーに、面白い本があるのに世界の事なんぞ気にしていられないのです。
 真剣師といえばフツーは将棋/囲碁などで金をかけてやる連中の事。この本は"新宿の殺し屋"と呼ばれた実在の真剣師・小池重明の生涯を描いたノンフィクション。まず、「ジュウメイ」って名前の読み方がシビれますね。実にカッコイイ。しかしそんなのは序の口で、この闇の天才棋士の生涯がとにかく凄いです。

 小池重明は昭和22年12月24日、名古屋市中村区牧野町の生まれ。家は貧しく、家庭環境は劣悪。本格的に将棋を指しはじめたのは高校生の頃で、これはプロを目指したりする年齢としては遅すぎます。しかし、才能というのは恐ろしいもので、学校をサボって将棋にのめり込むうちにめきめき上達し、最初の真剣勝負が将棋道場の娘をかけての大勝負。それがバレて高校中退。以降、数々の伝説的な真剣勝負を続けていくのですが、人生が上手く行くとなると必ず女と駆け落ちして友人から金を盗んでドロンを決め込むわ、大事な場面で逮捕されるわと波瀾万丈。その間も大阪の鬼加賀と呼ばれた真剣師・加賀敬治との通天閣の死闘・十五番勝負とか、史上初のプロ・アマ対抗戦で新進気鋭のプロ5人中4人に勝利とか、徹夜で飲みながら全日本アマチュア選手権優勝とか、泥酔して人を殴り留置所から駆けつけた後、大山十五世名人に圧勝とか………。
 まるで漫画じゃあないかという展開が次々と出てくる訳です。小池重明は将棋界のアウトローであった訳ですが、その強さが恐ろしく、後半の鬼六屋敷でのプロ狩りの様子を書いた「魔剣」の章の盛り上がりかたは必見です。

 小池重明の将棋以外の駄目っぷりがその天才ぶりを大いに盛り立てているのは言うまでもないのですが、短い人生で人によってはただの趣味である将棋に「傾き」、人生を賭けていくという所にとにかくシビれます。
 読んでいく上で思ったのはああ、こういう展開の漫画が読みたい、という事。この本はノンフィクションなのですが、それで人間の想像力の全てをかけたフィクション全盛の漫画が負けているというのは何とも情けないではありませんか。日頃、予想 対 フィクション漫画、という大袈裟に言えば想像力のぶつかり合いと惨敗?を目にしている身にとっては、もどかしさを感じる訳です。願わくばジャンプの新連載にこういう当たりがありますように。

No.投稿者概要
PAGE1投稿者:さくしーどさん私の名前をちゃんと呼べ!
PAGE2投稿者:うにさんこれでも食らえ!
PAGE3投稿者:A・ドライさん共同作戦!
PAGE4投稿者:ZEHさんDISCは人に隠せ!
PAGE5投稿者:よーやんどうなってんだクソッ!
PAGE6投稿者:shirouさんフー・ファイターズと言ってくれ!
PAGE7投稿者:AMCさんそっちはまかせた!


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