日本での5年と今後のMCL 目次 |
|||
![]() |
![]() |
![]() |
|
日本に向かう前の2014年に考えていたこと | ![]() |
||
ミンダナオ子ども図書館を始めた理由 | ![]() |
||
全保育所を調査して修復を開始! | ![]() |
||
日本での5年と今後のMCL | ![]() |
||
日本の子どもミンダナオの子ども | ![]() |
||
イクメンに未来を託せそう! | ![]() |
||
NGOにとって寄付とは何か! 季刊誌『ミンダナオの風』に寄せる思い! |
![]() |
||
無題 3 松居陽 | ![]() |
||
山菜売りの少女(映像) | ![]() |
af 日本に向かう前の 2014年に考えていたこと |
|||||||||||||||||||||||||||||||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||
小学校に入学しても、 2年生でストップ ![]() ミンダナオの貧困の状況はひどく、 戦闘の絶えない イスラム地域だけではなく、 ![]() 低地の良い土地に 住んでいたにもかかわらず、 所有者のいない土地という名目で、 ![]() 土地を奪われて 山に追いやられた、 原住民の貧困は激しかった。 ![]() 三食米も食べられず、 山芋を抜いて、 ![]() カエルを おかずにしている。 ![]() 子どもたちは、 小学校に入学しても、 2年生で80%ストップする。 ![]() その理由は、 午後の授業が始まると お弁当を持っていけないし、 ![]() エンピツも買えないし、 靴なんて 履いていけないから・・・。 ![]() スカラシップを 始めたのは ![]() スカラシップを始めたのは、 そんな子こそ 学校に行かせ、 ![]() 出来れば 大学まで卒業させて、 ![]() 少しでも 社会を良くして欲しいと 思ったからだ。 ![]() 都市のスラム街の貧困も 激しいけれど、 ![]() そうした極貧の 子どもたちの中でも、 ![]() 家庭が崩壊したり、 親が殺されて 片親になったり、 ![]() そんな子たちを引きとって ミンダナオ子ども図書館に 住まわせた。 ![]() 2001年に設立して、 すでに20年近くがたったけれども、 200人以上が卒業していき、 ![]() 今も300人以上の子たちを スカラシップで 学校に行かせてあげている。 ![]() そのなかでも 現地に置いておけない 孤児や極貧の子たちは、 ![]() 本部や男子寮や 下宿で生活させている。 ![]() 食べさせてあげているのは 200人ぐらい。 しかし、お米は自給している! ![]() 本部には、とりわけ きびしい境遇の子たちが、 80人ほど住んでいるが、 ![]() かれらが言うのは、 「宗教や種族が違っていても わたしたちは、一つの家族!」 ![]() 基本的に、 男の子は、 小学校以上になると、 ![]() 大学生と同じ寮に移るように、 福祉局の指導で 決められているので、 ![]() 本部には、 小学校の男女と、 日本で言えば中高の女子たち。 ![]() しかし、 男の子たちも、 土日には本部に来て、 ![]() 仕事などを手伝ってくれるし、 いっしょに読み語りに 行ったりもする! ![]() 大学生になると、 下宿をして学校に通い 旅立ちの用意をする。 ![]() 恋愛もOKだけれど、 妊娠したら出産した場合は、 子どもの面倒をみる事! ![]() 学業をストップしても、 幸せになってくれることが何より! 困ったことがあったら 駆けこんでおいで!!! ![]() スタッフたちも、 『仕事人』というよりは、 家族の一員! ![]() 子どもたちは、 妻の事を 「ママ エープリル!」と呼んで、 ![]() わたしのことを、 「パパ とも!」と呼んで、 ![]() 抱きついてくる。 ![]() MCLの子どもたち わたしたちは、 一つの家族! ![]() ミンダナオ子ども図書館は、 戦争で避難民になって、 道脇や空き地で、 ![]() 木の枝を建てた上に ヤシの葉を置いて屋根にした、 小屋とも言えないような下で、 表情も失っている子どもたちを見て、 ![]() 「いくらなんでもひどすぎる、 何かできないだろうか?」 と思った時に、 ![]() 「読み語りをしてあげれば、 少しは元気なるのではないか」 という思いから始まった 活動だった。 ![]() それまで、 ボランティアなど 全く関心がなかったけれど、 ![]() 「みじめな子どもたちを助けたい」 そういう思いから、 現地の若者たちと始めた活動だ。 ![]() その後、 病気の子がいるので 置いておけず、 ![]() なんと当時、 16,7歳の若者たちが、 フィリピンの特別非営利法人資格をとり、 ![]() 病院に連れて行ったり、 ![]() ![]() 親が死んで孤児になり 学校にも行けない子たちに スカラシップを与えて、 ![]() ![]() そのなかでも、 現地に置いておけない 子たちを引き取って、 孤児の生活できる施設としても 活動しはじめた。 ![]() ミンダナオ子ども図書館の 庭で遊ぶ子どもたち ![]() ![]() バライバライ遊び! 家を作って遊ぶ子たち。 ![]() ![]() ここから家族の気持ち、 友情の気持ちが培われる。 ![]() 家を建て・・・ ![]() 小さな子たちのために、 たき火をして、 ![]() お料理をする お母さんの役目。 ![]() 普段の食事も、 毎日、子どもたちが 4時半に起きて、 ![]() 薪で作っているから お手の物! ![]() 実の娘の姿も見える。 ![]() いっしょに育って、 友情を心底 体験しているから、 ![]() 仲間たちから 生きる力をもらっている! ![]() ![]() 妖精の家の岩で 語り合う子どもたち。 ![]() 妖精の話をしているに 違いない! ![]() 親が死んだり、 殺されたり、 ![]() ![]() 家庭が崩壊して バラバラになったり、 ![]() ![]() 様々な悲しみを体験した 子たちだけれど、 ![]() わたしたちは、 MCLで 皆兄弟姉妹! ![]() ![]() イスラム教徒も キリスト教徒も 先住民も、 皆一つの家族! ![]() ![]() 季刊誌『ミンダナオの風』 新年48号から抜粋 ![]() 夕暮れの、 電気も無い、 マノボ族の集落。 ![]() でも子どもたちは、 学校鞄をおくと 、 みんな家から飛び出してきて 、 ![]() ゆうぐれまで、 なかよく遊ぶ。 ![]() 伝統的なハンカチおとしや、 おにごっこ 後ろの正面、だーーーれ! ![]() バスケットだって、 ただのボール遊びさ。 ![]() 学校の体育館やコートでする、 サッカーや野球は 大人が作ったルールのなかで 勝ち負けを競い合うゲームにすぎない。 ![]() 遊びは、 楽しみながら 友情をつちかうもの。 ![]() 学校でも幼稚園や保育園でも無く、 野原や森や 路地裏といった、 ![]() 家や学校の 壁や垣根の外側の ちまたと呼ばれる場所でするものさ。 ![]() そここそが、 ぼくたちの自由な空間! イスラムの子どもたちも同じ! ![]() こうした場所でこそ、 ぼくらの心は解放されて 、 競争原理からも自由になって 、 ![]() 家庭や教育からも 解き放たれて 、 ![]() 真の友情と社会性を 培う心が養われる。 友情と愛こそが生きる力! ![]() 子ども時代に、 ちまたでの友愛体験を持てずに、 勝つことばかり考えて、 育った大人は恐ろしい? ![]() 日本では、 ちまたで遊ぶ子どもたちの姿を 見なくなって久しい。 ![]() ミンダナオの子どもたちと、 日本の子どもを比較すると、 ちまたでの遊びの欠如、 ![]() 真の友愛体験の欠如が 生きる力を喪失させて、 ![]() 自殺と引きこもりを 生んでいるように 思えてならない。 ![]() お金と物は豊かでも、 日本の子供たちがかわいそう! ![]() 何ができるだろうかと 考えたときに ![]() 訪問者の受け入れ以外に、 何ができるだろうかと 考えたときに、 思い至った可能性のひとつは、 ![]() 絵本をはじめとして、 児童文学や文化論の執筆を ふたたび始めること。 ![]() ![]() ![]() 編集者時代からやってきた講演で、 絵本体験や昔話論の話に、 ミンダナオの子どもたちから学んだ、 遊びやちまたの大切さ、 ![]() 妖精や見えないものとの交流の 重要性を加えて、 ![]() 新たな気持ちで 講演を再開することでした。 ![]() ![]() ![]()
|
日本の子どもや若者たち、 中高年の方々との かけはしを作る試み ![]() MCLの若者たちが、 現地法人の資格をとって 正式に活動しはじめたのが2001年。 あっという間の10数年! ![]() その間、 次々と勃発する戦争や 限りなく広がる貧困地帯で 困窮している子たちを前にして、 ![]() ミンダナオの子どもたちの 支援救済のみ視野に入れて 活動するのが精一杯! 現地での日本人は、ぼく一人。 ![]() 訪問者が訪れますと、 頭を日本語に 切り替えるのに しばらくかかるような状態でした。 ![]() しかし、最近になって、 池上彰さんのテレビ東京 「なぜここに日本人」 で紹介された頃から、
支援者になってくださっている 中高年の方々が、 MCLを訪れて、 ![]() 現地の子どもたちに感動され、 逆に生きる力を得て 帰られる姿を 見ると同時に、 ![]() 自殺や 引きこもりの多い 日本の子どもたちの 心の現状を知るにつけて、 ![]() さすがに日本の人々、 とりわけ青少年たちを、 放っておけない 気持ちが強まりました。 ![]() また、 MCLを訪れられる 日本の方々の想いに 答えるためにも、 ![]() 貧しくとも 生きる力にみちあふれ、 ![]() 明るい笑顔の ミンダナオの子どもたちの姿を つたえ語り、 ![]() 若者たちや 皆様方とともに 考えることによって、 ![]() 微力ながらも 何か出来ないかと 思うようになりました。 ![]() 日本の人々を 受けいれるために ![]() 日本の人々を 受けいれるためには、 日本人が 僕一人では難しく、 ![]() 日本人スタッフが必要なことは、 わかりましたが、 利益が絡んだお客様接待や スタディーツアーと 組み合わされてしまうと、 ![]() 素朴な家族としての 雰囲気が、 失せていくことも感じられ、 ![]() 紆余曲折の結果、 MCLは、 利益目的の スタディーツアーはやらず、 ![]() 宿泊費なしで、 お客様としてではなく、 住んでいる子たちも、 家族として迎えることにしました。 ![]() 日本人スタッフも 宮木梓さんが入ってくださり、 長年のネグロスでの シスターのもとでの有機農業の体験もあり、 ![]() 素朴な家族としての ミンダナオ子ども図書館を よく理解してくれています。 ![]() 2021年には、 梓さんは、 赤ちゃんんを授かりました! ![]() 奨学生の 学業ストップの 現状と悩み ![]() 気になるのは、 今年後半になって、 MCLの奨学生に、 ストップする子が急増したこと。 ![]() その原因が、 転居して 行方がわからないケースの激増。 ![]() 学校に教材を届けたり、 授業料の支払いに行くと、 奨学生はすでにいず、 ![]() 先生も、 どこに転居したかがわからない、 とおっしゃる。 ![]() 特に、 イスラム地域に そうしたケースが激増した。 ![]() 考えられるのが、 2015,6年の選挙の時期に 起こると言われている、 大規模な戦争。 ![]() それを恐れて、 今のうちに親戚などをたどって、 現地から脱出しているように思える。 ![]() 来年は、戦闘地域を逃れて、 安全なMCLに 転校したいという イスラム教徒が増えるだろう。 ![]() 円安で、 経済的に大変で 悲鳴を上げているのだけど、 ヤレヤレ、がんばらなくっちゃ。 ![]() スカラシップをストップする場合は、 支援者に宛てて 「お詫びの手紙」を書くことが、 義務づけられているのだが、 ![]() 家族ごと 行方がわからないケースが多く、 スタッフも困惑し ![]() 日本人スタッフの梓さんも、 支援者にどう 説明しお詫びしたら良いのか 、 ![]() 途方にくれるしまつで、 見ていて かわいそうになる。 ![]() 支援者の皆さん、 本当に残念です。 わたしたちもサポートしきれず、 すみませんでした。 ![]() もう一つの理由が 妊娠と結婚 ![]() 若者たち、 特に大学生がストップする もう一つの理由が、 妊娠と結婚だ。 ![]() この点に関しても、 こちらの若者たちの 心を察してもらうために 、 ![]() 少し状況を 説明したほうが 良いだろう。 ![]() 以下は、まずは、 日本人スタッフ梓さんの 支援者への 心のこもった手紙の抜粋! ![]() 「大学生を奨学生に選ぶときは、 高校生から大学に入るときも、 本人のスクリーニングをしています。 ![]() 特に4年制のコースの場合は、 成績も良く、 大学での勉強に関心があるのか、 将来の夢なども含めて 直接面接をして決めています。 ![]() 面接の時は、 真剣に勉強するつもりでも、 大学3年生くらいになると、 妊娠する学生が増えてくるのは、 現地スタッフも困っているようでした。 ![]() 2か月に1度の 学生総会の際にも、 繰り返し気を付けるように 話しているのですが、 ![]() こちらの子どもたちは、 情熱的な子どもたちも多く、 ![]() 恋愛に飛び込んだまま、 結婚していく 子どもたちが少なからずいます。 ![]() そうなると、 奨学金を停止しなければならないし、 保護者もがっかりするし、 ![]() 本人の経済状況では 大学を続けることは 不可能ですが、 ![]() やはりそれでも 愛の力になかなか打ち勝てず、 大学を止めてしまうそうです。 ![]() それから、 避妊について 日本ほど知識がなく、 ![]() カトリックの国なので 中絶が 禁止されていたり、 ![]() 宗教的理由でなくても 授かったら産む、 という意識があります。 ![]() 若いカップルの場合でも、 両親や兄弟たちに助けてもらって 赤ちゃんや子どもを 育てることができるので、 ![]() 日本のように 若すぎて世話ができないから、 という理由で、 中絶することは考えられません。 ![]() また、 あまり成績の良くない子や 勉強に関心が無い子どもたちの場合は、 ![]() 途中で止めることのないように 短期コースや スキルトレーニングを 勧めているとのことでした。」 ![]() とにかく、 最大の理由の一つが、 こちらの若者たちの強い心の情熱、 そして愛情の強さと真剣さ! ![]() とにかく、 恋愛は最高の夢で、 結婚は最高の理想! ![]() そのことは、 こちらでの自殺の原因が 、 日本のように 孤独死や閉じこもりではなく 、 ![]() 恋愛の崩壊と、 結婚を反対されて、 手をつないで心中すること! からもわかる? ![]() こちらの子たちの 結婚観と妊娠観・・・ ![]() まずは、 こちらの子たちの結婚観、 妊娠観の日本との違いから・・・ ![]() こちらでは、 先住民族の子たちの場合、 14,5歳から結婚することが多く 、 ![]() 16,7歳になると、 結婚適齢期を 逃してしまいつつある・・・ という意識が生まれる。 ![]() 20歳以上になり始めると、 日本での 30代を超えたような意識で、 ![]() 仕事で兄弟姉妹を支えるという、 なにがしかの強い意志がないと、 不安になるようだ。 ![]() そうした意味で、 大学生は、 順調に進学して20歳で卒業! ![]() しかし、 新しい制度では ![]() しかし、今まで小学校を卒業すると、 ハイスクールが4年の後に、 日本より2年早く、 大学に入れたにもかかわらず、 ![]() 来年から始まる新しい制度では、 ハイスクールの4年間が、 ジュニアハイスクールに、 ![]() さらに新しく シニアハイスクール 2年が加わって、 ![]() 18歳で大学受験。 大学卒業は、 日本と同じ22歳! ![]() これはもう山の子たちにとっては、 結婚適齢期を、 完全に逃がしているという、 焦りを感じる年頃。 ![]() とりわけ、 学業を幼い頃受けられずにいた 子たちの場合は、 さらに年齢が上になり 、 ![]() それを考えると、 帰郷したときに 幼馴染の彼氏を見つけて、 ![]() そのまま妊娠、 結婚した方が、 幸せになれる と思う気持ちもわかる。 ![]() ![]() 結婚のための 第一ステップが妊娠 ![]() 興味深いのが、 結婚のための 第一ステップが妊娠! ![]() カトリック教会の主催する 結婚前の準備教室に 出たことがあるが、 ![]() 40組ほど来ているカップルの、 なんと8割が 妊娠していた! ![]() ある人曰く、 「妊娠してから結婚した方が良いよ。 子どもを産める体かどうか、 わかるからね。」 ![]() 妊娠して 子どもを産んで、 家族を作ることが、 ![]() ある意味では、 仕事や勉強以上の夢であり 理想なのだ! ![]() また、結婚は法律では、 17歳以上と定められている。 そこで、内輪の家庭結婚で 14,5歳で結婚して、 ![]() 18歳になって 子どもを連れて 教会で結婚式を挙げて戸籍を入れる・・・! それはそれで、いいんじゃない! ![]() 特に極貧で親もなく育った、 MCLの子たちにとっては 、 ![]() 小学校を卒業するのも 不可能なのに、 大学まで 行けただけでもすごいこと。 ![]() それならば、 せめて大学をがんばって 卒業したら良いのにと 思うのだが、 ![]() ミンダナオで 大学に行けるのは、 30%ほどの 富裕層の子息たちだけ。 ![]() そんな子息たちと恋に落ち、 結婚を申し込まれたら、 それこそ夢のまた夢が、 実現したようなもので、 ![]() 卒業も忘れて、 舞い上がってしまうのも わかる気がする。 ![]() 幸せな人生を 始めてもらえれば、 それでうれしい ![]() 僕は、とにかく MCLの子たちは、 極貧のさらにマイナスから 来た子たちだから、 ![]() 人並みに 幸せな人生を始めてもらえれば、 それでうれしい、 と考えている。 ![]() それだから、 スカラシップをストップしても、 孤児故に、僕が親代わりで 結婚式に参加するし 、 ![]() 「子どもが生まれたら見せにおいで! 大変な状況になってしまったら、 かけこんでおいで!」 と言って、 祝福して送り出すようにしている。 ![]() 彼らにとって妊娠は、 「避妊に失敗した結果」ではなく 子どもを産むことは、 彼らのあこがれなのだ! ![]() たとえ結婚できずに 母子家庭になっても、 結構、 幸せに子どもと過ごしているし 、 ![]() 親戚や親などが、 子育てを手伝ってくれる。 ![]() 私生児に対する偏見も、 母子家庭に対する偏見も 、 離婚に対する偏見も、 再婚に対する偏見も、 ![]() 年齢の格差に対する偏見も、 ほとんどないのが 不思議な事の一つ。 ![]() 彼らの妊娠観は、 妊娠=結婚を手に入れた! 子どもを産んで 家族が持てる幸せへの一歩! ![]() ただ大変なのが、 わたしたちで、 それをどう支援者に 説明し伝えたら良いのか・・・ヤレヤレ ![]() ![]() ![]() ![]() |
||||||||||||||||||||||||||||||||
今後も力をいれて、行わなければならないこと |
|||||||||||||||||||||||||||||||||
1)平和の祈り ピキット要塞跡とマノボの洞窟 日本人の戦没者の遺骨の調査 2)マティ市の方へ分館 貧困の先住民の救済支援 3)医療プロジェクトの充実 4)保育所の補修と管理 5)自然農法による農業支援 6)日本そしてアジア・世界を視野に入れた若者、家族の支援 7)文化プロジェクト |
ag9 ミンダナオ子ども図書館を始めた理由 ドンボスコ社発行:月刊誌『カトリック生活』より抜粋 詳しくは拙著『手をつなごうよ』(彩流社) ![]() |
|||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
||
ミンダナオ子ども図書館を始めた 直接的なきっかけは、 キダパワンの司教館に 泊めていただいていたとき、 ロムロ・バリエス司教に誘われて、 現地から一時間ほど 西へ行ったイスラム地域、 ピキットの避難民キャンプを見たときだ。 ![]() 現地は、 国際停戦監視団でも 容易には活動できない高度な危険地域。 今でこそミンダナオ子ども図書館は、 スタッフも僕も、連日のように 現地に深く入り込んで活動をしているが、 当時バリエス司教は、 同行する外国人である僕たちに 「絶対に車から離れないこと」を約束させて 現地に向かって出発した。 ![]() 車が大湿原に流れ込む大河、 プランギ河を越えたとたん、 避難民が増え始めた。 着の身着のままの姿で、 テントどころか、 木の枝を立てた上に ヤシの葉を葺いた下で生活している。 しかもその数が半端ではない。 見渡す限り地平線まで避難民なのだ。 ![]() 2000年に米国とフィリピン軍との 合同演習(バリカタン)という名の実戦で、 数十万の避難民が出た上に、 二〇〇三年テロリスト掃討作戦で 空爆まで含む戦闘が起きた。 死体を埋める暇も無く、 河に流したという。 それがこの膨大な避難民だった。 ![]() |
さすがにショックだった。 何故このような事が起こるのか という疑問もさることながら、 何よりも悲しかったのは、 快活なフィリピンの子どもたちが、 まったく笑顔を失っているどころか、 表情すらないことだった。 ![]() いくらなんでも、 これはあまりにもひどすぎる。 何か僕に、出来ることはないだろうか。 そう思ったときにとっさに浮かんできたのが 「読み聞かせ」だったのだ。 子どもたちを前に、 絵本などの読み語りをすれば、 トラウマも消え元気になれるはずだ。 ![]() さらに、避難民のキャンプに、 病気の子どもがいたので、 ポケットマネーでも良いから 病院に運びたいと、現地の人に話したら、 「どこのNGOに属しているのか?」と聞かれた。 「どこにも属していない」と答えると、 「NGOに属していない者は ここでは活動できない」と言われた。 強い、怒りがこみ上げてきた。 目の前にいる子どもを助けることも許されない! イエスは、NGOに所属しながら、 病人や貧者を救ったのだろうか! ![]() 当時、五名の若者たちを 学校に行かせてあげていたが、 彼等に相談すると 「私たちで、法人資格を取ってみる」と言って、 当時高校生だった若者たちが、 半年で許可を取ってしまった。 彼等は今、有能なスタッフとして活躍している。 ボランティアなど全く関心がなかった僕が、 NGOにはまってしまったのは、 子どもたちへの愛からだった。 ![]() |
hoiku 全保育所を調査して 修復を開始! |
||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
|
ch18 2021年に ミンダナオに帰省後、 全保育所を調査して 修復を開始! ![]() 2020年現在は、 ドアが一つ、トイレが一つの 簡易保育所は、建てなくなったが、 ![]() 政府が、小学校と併設された幼稚園か、 保育所を出なければ、 小学校に入れないとした当時は、 貧しい山岳地帯の集落では、 ![]() 資材の運搬でも、 集落の経費では、とても建てられず。 ![]() 当時は、何百という村々が、 大樹の影な 外で保育をしている状態であり、 ![]() 「小規模な簡易保育所でも良いから、 とにかく建てて欲しい」という、 福祉局からの要請に応えて実行! ![]() 現在では、 ドアとトイレが二つあるスタンダードが基本だが、 ![]() 保育所の無い村々は、いまだに実に多い! ![]() 急速な需要に応えるために 2020年現在、すでにMCLでは、 80棟ほどの保育所を建てているが、 ![]() 5年から10年が経過すると、 土台は良いものの竹壁に傷みが入り、 ![]() トタン屋根にも、 サビが目立ちはじめる! ![]() 2019年の地震被害のために、 土台が崩れている保育所もある。 ![]() 地震被害地以外の保育所は、 セメントの土台はしっかりしているものの 竹壁が破損がひどく、 ![]() 村で修復する規定だが 貧困村では、修復もままならない。 ![]() 保育所を毎日使う かわいい子どもたちの 事を考えると ![]() 集落の責任ではあるものの 放っておくことが出来ず、 ![]() 2021年に松居友、エープリルが 娘二人とミンダナオに帰省後、 全保育所を調査して、 建てた保育所は、MCLが、責任を持って、 ![]() 竹壁等を修復し、 コンクリートの土台と 下壁をピンクに塗装し、 ![]() 屋根のサビの修復と ペンキ塗りを 松居友を含めMCLスタッフや村人、 ![]() そして日本からの訪問者の 若者たちとも一緒に、 順次修復を実行していきます! ![]() 以下の映像では、 日本から訪問してきた若者たちが、 山の保育所のペンキ塗りを している場面が出てきます! ![]() ![]() 映像を見たい方は、上をクリックしてください! ![]() これが先住民の子どもたちが、 ![]() 学校に通う道なんだ! ![]() 小さな子では、 あんな遠くまで通えない! ![]() ![]() だから、ここに MCLで保育所を建てたんだね! ![]() ![]() ![]() |
保育所 デイケアセンターまたは プレスクールの問題! ![]() 保育所は、現地ではデイケアセンター またはプレスクールと呼ばれており、 小学校就学前の4歳から 5歳の子どもたちが通う施設。 ![]() 日本の保育所のように 遊び中心の子どもを預かる施設ではなく、 就学前にアルファベットや簡単な算数などを 2時間ほど教える場所。 ![]() 2006年よりフィリピン政府は、 小学校入学前に幼稚園に入ることを義務づけた。 理由は、アルファベットも知らない子が 小学校に入学すると、 先生の指導が面倒になるため。 ![]() 幼稚園は、おもに小学校に併設されるが、 山の集落や湿原の子どもたちは、 遠くて歩いて通えない。 ![]() そこで、集落単位で保育所を建てて、 そこで学んでも良いことになった。 ![]() 建物は、バランガイ(村)単位で 建設することになっている。 ![]() 4~5坪ほどの簡便なものでよく、 3っつのランク付けがされている。 A:木造で竹壁。草葺き屋根。 ![]() B:コンクリートブロックの基礎で竹壁。 トタン屋根。 ![]() C:全体がコンクリートブロック。トタン屋根。 ![]() Aタイプが最も安価だが、床は土のままで、 屋根がトタンでも、 竹壁の下部に腐りがはいりやすい。 ![]() Cタイプは、壁もコンクリートで長持ちするが、 高価であり、子どもの数が多く、 学校の教室のような大きなものだと良いが、 山の村の一室の部屋では、 熱帯の日差しの下では蒸し暑くなる。 ![]() ミンダナオ子ども図書館では、 町に近い地域では、 上下の写真のようなコンクリート製を推薦するが、 ![]() 町に近く、電気も通っており、 子どもの数が多く経済的のも豊かな地域なら クーラーや扇風機も設置できて良いが、 電気もない極貧地区では、扇風機も置けない! ![]() そこで、現地からの要望もあり、 MCLの優先的活動地域である 山や湿原などの貧困地域においては、 基礎がコンクリートで腐ることなく、 ![]() 壁と窓は竹で涼しく 現地の気候に適していて、 値段もそこそこのBタイプを推薦している。 ![]() 教室の中には、黒板を置き、 子どもたちの人数に合わせて 机とイスも設置する。 ![]() 机とイスは、プラスティックだと すぐに壊れて山では、修復が出来ないので、 あえて木の机をMCLで作り、 イスも現地で修理のきく竹イスにしている。 ![]() 開所式の時は、MCLの子どもたちと 現地の子どもたちといっしょに、 奨学生たちが、読み語りを行う! 下の写真は、山の保育所で読み語りの 踊りを踊るMCLの奨学生たち ![]()
|
amA | |||||||
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
日本での5年と今後のMCL 家族や娘のことも含みますが、 若い世代を(娘も含めて)世に送り出すことが、 今後のフィリピンや日本 そしてアジアを始めとする世界にとっても 大切であると考えて、思い切って掲載いたしました。 これからの20年、 現地で新たな活動を始めようと決意しています。 今年2020年67歳、ミンダナオに永住ですね。 よろしければ、皆さんもいらしてください、 一緒にやっていきましょう! ![]() |
![]() ![]() |
||||||
娘たちは、まったく日本語がしゃべれずに、 東京の杉並の公立小学校6年と4年に入学。 そのときは、半年もたないだろうと思ったけれど、 私も先生も驚いたことに、 「言葉が通じなくっても友達ができたし、 給食のお手伝いもやれるし、楽しいよ!」と、 何と去年長女は、 近くの杉並区の公立中学を卒業しました。 4年間の滞在で、 まったく話せなかった日本語はペラペラ! ![]() しかし、特に漢字の読み書きだけが難しく、 英語では杉並区のスピーチコンテストで受賞し 来年は、全日本大会に出たらと言われたものの 日本の高校の受験合格は厳しいとのこと。 本人の希望もあり、 中学卒業後は、来日前に一年間通った、 フィリピンのダバオの 日系人会のミンダナオ国際大学付属の ジュニアハイスクール(4年制)にもどり、 今年2020年の春には、ジュニアハイスクールを なんと、成績優秀で表彰されて卒業できました。 ![]() ![]() 次の2年間のシニアハイスクールは、 ミンダナオ国際大学にもいけるのですが、 「小児科医になって貧しい子どもを助けたい!」 という夢と思いから、 ダバオの私立病院であるサンペドロ病院付属の シニアハイスクールに合格し、そこに行きます! ![]() フィリピンでは、 すでにシニアハイスクール(2年制)から 専門コースを目指した勉強を始めて、 大学の希望コースを受験します。 大学の年間授業額も、公立で年間8~10万円。 私立でも、15万~20万円です。 サンペドロの医学部でも年間20万円なので、 妻と私の合わせて月給12万円の給与でも、 なんとかやれそうです。 ![]() 次女は、今 東京の杉並区の公立中学2年生で、 今年3年に!本人曰く、 「日本語がまったくわからずに、 日本の公立小学校の4年生にはいって、 確かにいじめもあったけれど、 すぐに友達も出来たし、 給食のお手伝いもできて、楽しかったよ!」 小学校の校長先生も娘たちには、ビックリ! ![]() 「それにしても、なんであんなに、明るくって しかも、姉妹で仲良しなんでしょうかねえ・・・! 友達や家族で助け合えるからこそ、 辛くてもここまで来られたんでしょうね。」 別の方も、驚かれます。 「姉妹であんなに仲が良いって、 日本じゃちょっと考えられないですよ!」 ![]() ![]() 今次女が行っている中学の先生曰く、 「男の子に、いじめの言葉をふっかけられても、 娘さんはピシッと言い返して、 男の子たちがビックリ! 男の子たち曰く 『マイカちゃん、怖い!』だそうです。 どこであんなに しっかりした性格を得たんでしょうね・・・」 ![]() わたしが、 「小さいころからミンダナオ子ども図書館で、 おおぜいの子たちに 面倒を見てもらって一緒に遊んで、 やがて小さい子の面倒を みてあげたりもしてきたからでしょう・・・」 と言うと、 「やっぱり子供のころは、 子供たち同士で、 思う存分遊ぶことが心の成長ですね。」 ![]() 彼女も日本語はぺらぺら、 英語、タガログ、ビサヤ語もペラペラで、 杉並区の英語スピーチコンテストでも受賞! BTSにはまっていて、 将来は韓国語を勉強したい! デザイナーになりたい! 絵や文の表現力もすごく、 これだけ見事にコミュニケーションがとれれば、 将来仕事も大丈夫? ![]() 日本でも公立の小中の良さは、 近くに友達が住んでいること! 家にも遊びにこれること! 公立も中高一貫教育で、 高校受験をなくせばいいのに??? ![]() ![]() 日本にもどって5年間、 日本の様子を観察して、 統計では自殺や引きこもりの子が多いので、 青少年の表情もみて、 最初は本当に心配しました。 ミンダナオ子ども図書館に来た若者たちは、 現地の子どもたちに囲まれて、 ほとんどの子たちが感動して泣き出します。 ![]() 「日本の生活は、壁ばかり作って孤独だよ! ここに来たら、壁が壊れて、涙が止まらない!」 フィリピンの青少年の自殺率は、アジア最低! ![]() |
講演会でも、終わってサイン会をしていると、 突然目の前で泣き出す母親がよくいます。 孤独な中での子育てが、つらいのでしょう。 5年前に東京の杉並に来た頃は、何しろ、 公園やちまたで、 子どもたちが遊んでいないのでビックリ! ![]() 私の小学校の担任である無着成恭先生は、 伝統的な外遊びをすすめてくれたし、 お昼ご飯を食べているとやってきて、 童話も読んでくださった。第二の父親! ![]() 杉並の荻窪に生まれ、 高井戸や久我山で育ち、 学校が終わって外へ出てからが、 遊びの本番! 井の頭公園でザリガニをとったり、 木や崖を登ったり。 高井戸駅の土手で、 ツクシを摘んで食べていた、 わたしの子ども時代と全然違う! ![]() しかし、東京の杉並に限ってみていると、 おどろくべきことに、 ここ数年前から、公園で子どもたちが、 時には暗くなっても、 沢山遊ぶ姿が見えるようになった。 木登りもしている! 凧あげもしている! おそらく学校で先生方も、親子が集まると 積極的に子供の成長にとって 外遊びが大事なことを語っているようだ! 休みの日には、家族が集まって、 井の頭公園でもござを引いて食べたり、 子供たちは川でザリガニとったり! 昔のぼくが子供時代の 環境にもどりつつある? これだったら、子供も育つ! ![]() 日本を見ていると、最近感じるのが、 今の青少年や20.30代の 若い世代には期待が持てそう! 結婚しても、 お父さんが赤ちゃんを胸に抱いたり、 乳母車を押したり・・・ 仕事場や経済的な 厳しさもあるとは思うけれど、 本来「何が大切か!」を、改めて感じて 新しい生き方を模索し始めていると感じる。 ![]() 思い切って日本から飛び出して、 先進国ではなく、 昔ながらの生活が残っている アフリカやアジア、隣国の中国や韓国にも 飛び込んでいく若者もいる! 日本も次第に、若い世代に交代していけば、 子どもが幸せに育っていける社会を、 作っていける気がする。 ![]() 「子育て社会」ではなく、 昔の日本の社会のように、 また、ミンダナオのように、 放っておいても「子育つ社会」。 ミンダナオ子ども図書館を 訪れる若者たちが、 現地の子どもたちに会って、 何が大切かを感じていく様子がまぶしい。 ![]() 娘たちと妻といっしょに、 来年の春からはミンダナオにもどり、 80人の我が子のような子たちと 一緒にこれからも、 生涯過ごしていく予定です。 ![]() それと同時に、ミンダナオ子ども図書館を 地元の子どもたちだけではなく、 日本の青少年や訪問者にも、 宿泊費なしで開放して、 落ち込んだり迷ったりしている若者たちが、 心を癒やし 未来への生きる夢と希望を学べる場所に、 していこうと考えています。 ![]() サイトも、単なる報告ではなく、 青少年たちにも、 現地の子どもたちの表情や 私の体験してきたことから、 何かを感じてもらって、 たった一人の日本人でも、 どのようなことが出来るかを 知ってもらって、 ![]() 引きこもった日本から、 世界に飛び出すきっかけに してもらえればと思います。 そして、これからの日本を 「子どもが幸せに育つ社会」 にしていってもらえたら、とおもって、 制作し公開していこうと思っています。 ![]() 以下は、 訪問した大学生の感想です 貴重な体験をさせていただいて ありがとうございました。 村の子どもたちは 裸足や上の服しか着てない子がいて、 日本との違いを見ることができました。 学校が遠すぎることや 家庭の事情で学校にも 行けない子どももいて、 私たちが日本で送る生活を当然のことと、 思ってはいけないと思いました。 だからこそ、MCLにいる子どもたちは、 学校に行けることを、 幸せに思ってるのではないかと感じました。 ![]() 日本の子どもは自分のことばかりで、 周りを見ていない人が、 多いと感じていました。 MCLの子どもたちは他人のことを気遣い、 親切にできる子どもたちばかりでした。 いつも元気で明るくて幸せそうに笑っていて、 私まで元気になれました。 日本でもフィリピンの現状を 多くの人に知ってもらい、 そのような子どもたちの支援者が 増えてほしいです。 そのためには、 実際に行った私たちが啓発活動をしたり、 支援者を募っていかなければいけないと思いました。 ![]() |
jm 日本の子どもミンダナオの子ども 松居友 |
|||||
以下の原稿は、 ミンダナオ子ども図書館が隔月に発行し 支援者の方々にお送りしている 機関誌『ミンダナオの風』2015年の新年号 から転載した原稿です。 購読料として自由寄付をわずかでも送って下さり 支援して下さる方々に、お送りしています。 ご希望やご質問があれば、 現地日本人スタッフの宮木梓さんに メールしていただければ幸いです。 mclmindanao@gmail.com |
![]() ![]() ![]() |
||||
日本の子どもミンダナオの子ども ![]() 比較することは、 あまり好きでは無いのだけれども、 日本の子どもたちと ミンダナオの子どもたちを比べてみると、 生きる力は圧倒的に ミンダナオの子どもたちが優っている? ![]() 生きる力って、何だろう。 厳しい競争に勝ち抜くこと? 他人をけおとしてでも、 自己実現を成就すること? リーダーになって人の上に立ち、 指導力を発揮すること? ![]() ミンダナオの子どもたちは貧しくて、 三食たべることすら大変で、 場合によっては 小学校を卒業することも困難だから、 ![]() 社会的に高い地位について、 指導力を発揮しようと 夢見ているようにも思えないし、 他人をけおとしてでも競争に勝ち抜いて、 自己実現しようとしているようにも思えない。 ![]() 早朝に、父さんと母さんが、 山に仕事にでかけるときには、 長男は親につきそって、 力仕事にいっしょにいくし、 長女は末の赤ちゃんを背に抱いて、 終日子守。 ![]() 次女は、 料理と家の掃除。 三女や次男やその下の子たちは、 水くみや森での薪探し。 ![]() それがおわると 子どもたちは協力して、 タライのなかにたくさんの洗濯物をいれて、 はるかしたの川や沢にまでおりていって、 洗濯したりしてすごす。 ![]() そんなわけで、学校に行けるのは、 兄弟姉妹のなかでも、 5番目ぐらいの妹が多く ![]() (男の子たちは力仕事)、 家族みんなで働いて、 一人でも小学校を 卒業させようとこころみる。 ![]() そんなこともあって、 MCLのスカラシップに 応募しようとする子たちの、 応募理由の99パーセントは、 ![]() 「自分が学校にいって、 少しでも良い仕事について、 両親を助けたい。 妹や弟を、 学校にいかせてあげたい・・・。」 ![]() そんな貧困状況なら、 人生に夢も希望もなく、 さぞかし気持ちが暗いだろうとおもうと、 それが全く逆で、 ![]() 訪問した日本の若者たちも びっくりするほど、 表情はゆたかで明るいのだ。 ![]() 川に洗濯にいくときは、 村の他の子たちもみないっしょ。 おしゃべりしながら楽しくやるし、 干しおわったら川に飛びこんで 遊びながら自分を洗濯! ![]() 料理も、蛙をとったり煮こんだり、 ごちそうの鶏をつぶすことから、 芋掘りも おしゃべりしながら楽しくやる。 ![]() MCLでも、 料理をするのは子どもたち。 ![]() 朝4時半には起きだして、 みんなで楽しく食事をつくり、 その後は、掃除や洗濯、 庭いじりから野菜そだてまで、 みんなで楽しくやっている。 ![]() そのような子どもたちの姿を 目のあたりにして、 日本から訪れた人々は驚く。 ![]() 「孤児だったり、 問題家庭の子たちだったり、 戦争やアビューズなど、 背景をきくと想像を絶する状況から きた子たちなのに、 なんでこんなに明るいの?」 ![]() ミンダナオの子たちの特徴は、 困難におちいっても、家庭が崩壊しても、 親が戦争で殺されたり、 貧困で家族が崩壊して たとえストリートチルドレンになったとしても、 自殺したり引きこもったりすることなく、 笑顔をわすれずに生きていくこと。 ![]() 逆に日本では、 子どもや若者の 自殺や引きこもりがまんえんしている。 子どもだけではなく、 大人や老人の自殺や孤独死もおおい。 ![]() 講演会で日本にゆくたびに、 人々の顔が暗くけわしくなるばかりか、 東京ではたえず電車が停車して、 人身事故が報告される。 理由はなんと、飛び込み自殺! ![]() 地方は地方で商店街は閉鎖して、 街に人通りがまったくない。 公園ですら 子どもが遊んでいるようすもなく、 本当にさびしい世界になってしまった。 ![]() 急速に子どもの数がへったということは、 少子化政策が、 成功したという事だろうけど、 結婚した大人の視点からみるならば、 子どもを産んだとしても、 保育所にあずけて 育ててもらうのがせいぜいで、 ![]() 我が子が 幸せに成長できる環境が、 ちまたにないことが実感されて、 生まない方がましだと 考えているせいだろう。 結婚を望まない若者たちも激増している。 ![]() さらに追い打ちをかけているのが、 教育費と医療費の高騰だ。 子どもが幸せに成長できない社会、 楽しくそだっていく事が できない国に未来はない。 なぜなら、子どもこそ未来だから! ![]() ミンダナオは、 たしかに貧困率が高いし、 戦争などの問題もあるのだが、 子どもにかんしていうならば、 ![]() 町でも山でも農村でも、 子どもを見ない場所はないし、 しかも明るく生き生きとしている。 この違いはいったいどこからくるのだろう。 ![]() ミンダナオに 足をふみいれてから15年、 MCLを設立してから11年。 ![]() 戦争や作られた貧困のなかで、 あえぐ家族や子どもたちを見て いたたまれずに、 読み語りと同時に、 教育、医療の活動をおこなってきたが、 ![]() それにつけても 近年気になりはじめたのが、 日本の子どもや若者たちの心の病や、 子育てに悩み苦しむ 母親たちの切実な告白。 ![]() 精神疾患の問題は、 子どもや若者たちだけではなく、 出社できない中高年から、 一人暮らしの老人たち、 ひいては貧困の中に取り残された 母子家庭にまでおよんでいる。 ![]() かつてやっていた 絵本や童話や評論の執筆も、 ミンダナオの子どもたちとの 出会いと感動に圧倒されて、 この一〇年ほど、 ほとんどせずに過ごしてきたが、 ![]() その間の日本人の心の変わりようには 唖然とせざるをえない。 今考えているのは、 「どうしたら日本の子どもたちに、 ミンダナオから 救いの風をおくれるか!」という事。 ![]() |
ミンダナオで再婚し、小学校の4年と5年の 実の娘を育てているが、 ![]() MCLで、親のいない子や崩壊家庭の孤児たち 90名あまりと いっしょに暮らしてきているせいか、 娘たちは放っておいても 実にのびのびとそだっている。 ![]() MCLにいると、 「子育て」という言葉がへんに感じる。 「子育つ」というのが本当で、 ちまたで遊び友情をはぐくむ体験があれば、 子どもたちは自然にそだっていくものなのだ。 ![]() 「子育ての責任は、家庭にある。 特に母親の役割は大きい」 などという言葉に、 違和感を感じるのは、ぼくだけだろうか。 ![]() 子育ての責任が、親や家庭にあるばあい、 親がいなくなったり 家庭が崩壊した子どもたちは、 どのように育ったら良いのだろうか。 ![]() また、子育ての責任は、 保育者や学校の先生にもある、 という考え方も、ここでは奇妙に感じられる。 ![]() もしそうだとしたら、 保育園にも学校にもいけず、 教育もうけられない僻村の子たちは、 育てられなかった子たちなのか! ![]() 先日、アジアの孤児施設をめぐっている 日本の人たちが、MCLを訪れた。 曰く「ここの子どもたちは、 本当に他の施設の子どもたちと ちがいますねえ。 ![]() 施設にいながら、 こんな明るい子どもたちをみるのは初めてです。 なぜこんなに明るいのかなあ?」 ![]() ぼく答えた。 「ここは孤児施設ではないからですよ。」 ![]() ぼくは孤児院をつくろうとも、 施設を運営しようともおもったことは無いし、 他の施設をほとんど知らない。 ![]() ただ、困難な状況にある 一人一人の子どもたちをみるにつけて、 放っておけない、何とかしたい・・・。 そんな思いで活動してきたら、 自然とこんな形になってしまった。 ![]() もちろんここには、 母親役のスタッフたちもいるが、 彼らとてもとは奨学生で、 必要なときには、 助言や指示をあたえるものの、 不必要な干渉はしない。 ![]() 子どもたちのとって大切なのは、 愛をもって見まもり、 ときどき抱いてあげたり 愛情のある言葉を、かけてあげること。 ![]() そしてなによりも大切なのは、 自由にのびのびと遊べる環境をととのえてあげ、 将来の夢をもてるように 導いてあげることだとつくづく思う。 ![]() まるで機関車が 煙を噴いて走りぬけるように、 高度成長期をひたすら走りつづけてきた人々は、 成長期がとまり、老齢化して、 自分の事は自分で出来なくなり始めると、 落ちこむどころか精神的にパニックをおこしはじめる。 ![]() 「日本で自殺が多いのは、 個人主義が行き過ぎたからでは無いだろうか」と、 マニラの修道士が話してくれた。 「個人が尊重され過ぎる競争優先の社会では、 協調の心がうしなわれて孤独な人が増えていく」 ![]() 自分の力で走れなくなった老人は、 施設のベッドにしばりつけられたまま 死をまつ以外に方法はないのだという。 それもお金があればの話で、 一人暮らしの孤独死も多いのだそうだ。 ![]() ミンダナオでは、MCLでも同様だが、 上のお姉ちゃんが下の子に、 「ねえ、そこのお店で お塩をかってきてちょうだい」といえば、 たとえ夢中で遊んでいる最中でも、 下の子はさっとたちあがり、 明るい笑顔で、「はい」といって買いにでかける。 ![]() お姉ちゃんがいったことに、 下の子たちは笑顔でこたえ、 ちっともいやな顔をしないのは驚きだ。 そのかわり、お姉ちゃんは、 きちんと下の子の世話をしてめんどうをみる。 ![]() もちろん、 お年寄りを一人孤独にほうっておくなど、 考えられない。 ![]() 妻のエープリルリンの おじいさんもおばあさんも、 当時まだ小学生だった 彼女の膝のうえで亡くなった。 ![]() 「自分の力できりぬけろ」という言葉への、 現地の子どもたちの返答は、 「でも、自分の力なんてたかがしれている、 みんなでやるほうが、楽しいよ。」 ![]() 「自分のことは自分でやれ」への返答は 「一人で出来ないことなんて山ほどあるよ。 みんなで力をあわせるほうが大事だよ。」 ![]() 「日本では、自殺する人が多いんだよ」というと、 子どもたちはびっくりして 「なんで自殺するの?あんな豊かな国なのに!」 「孤独で死ぬんだよ」というとさらに驚く。 「孤独で死ぬってどういうこと?」 ![]() MCLの子たちは、 親がいなくなって一人取り残されても 死のうとしない。 どこかで誰かが助けてくれるから! ![]() 一人ストリートチルドレンになっても、 必ず別のストリートチルドレンが やってきて言葉をかける。 「一人じゃさびいだろう! 俺たちの仲間になれよ。」 ![]() 日本では、孤独な母子家庭がふえている、 という話をすると、 「近くの人たちといっしょに住んで、 いっしょに食べたら良いのに、なぜしないの?」 ![]() 子どもの貧困が増えている話をすると、 「自分の家によんで、 自分の子にしたら良いのに。MCLみたいに!」 こういった言葉が、 自然にポンポン飛びだしてくる。 ![]() 経済的な貧困で大変なのが、医療と教育。 でも日本もMCLのように、 医療と教育を無償にして生活を保障すれば、 子どもをたくさん産んでも、 何の問題もないはずだ。 それどころか、生活の喜びが倍増し、 地方も活性化するだろう。 ![]() ミンダナオのように、 子どもが学校を引けたら、親の職場に直行し、 職員もお客も大喜びで 子どもに声をかけてむかえたら、 親も子育てが楽しくなる。 ![]() MCLみたいに (地方都市の役所や銀行でもそうだが)、 職場に子どもたちがはいってきたら、 「・・・ちゃん。おかえりなさーい」といって、 母親の仕事机の横に、 ござをひいて昼寝をさせたり、 ![]() 工場の修理工の後ろでも、 木の長椅子をおいて、 そこで妊娠中の奥さんが、 ごろ寝をしている風景があれば、 仕事場と家庭の壁もくずれて、 社会は生き生きとしてくるだろう。 ![]() 個人と社会、家庭と会社、 保育園や幼稚園、学校と家にしか、 意識が向かない思考は閉じこもりの壁型思考だ。 その中間に存在する曖昧な場所、 「ちまた」こそが壁をときはなち、 人々の心を解放し孤独から救う場所。 ![]() ちまたで、子どもたちがおおぜい生き生きと 遊んでいる姿をみることがない国は、 本当にさびしい。 ![]() 個人と個人の間に存在しつつ、 人をささえるのが愛だとすれば、 ちまたこそ愛と友情の空間。 妖精のように存在していても見えない、 友情と愛の力こそが、 人々を幸せにし、生きる力をあたえてくれる。 ![]() |
||||
![]() |
![]() |
iku 2021年に見た日本 子どもこそが未来だから、 イケメンよりも、イクメンに未来を託せそう! ![]() |
|||||
![]() 日本に帰って5年間 娘を公立の小学校に通わせ まったく日本語を話せなかった 娘たちもペラペラ ![]() ![]() その間、日本に滞在中、 ウイルスの期間を経て 日本の子どもたちや、 ![]() 親子の様子を見ていると、 最初はちまたで子どもたちが、 まったく遊んでいなかったのに、 ![]() あちらこちらで、 子育てに大切なのは、 子どもたち同士で遊ぶこと! ![]() そして、親同士が集まって 時には、ゴザをひいて おしゃべりをしたり食べる事! ![]() つまり、学校でも家庭でも 保育所や幼稚園や仕事場でもない、 それを一歩出たところの第三の場所、 ちまたでの交流が大事な事に、 ![]() とりわけ若い世代が 気がつきはじめたようなのだ!!! ![]() 日本の子どもたちや青少年、 そして子持ちの親子も、 ![]() 人生における 本当の幸せとは、 お金や物の追求ではなく、 ![]() まずなによりも大事なのは、 友情とそして、 ![]() 愛だということに、 気づき始めている気がします。 ![]() |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() ![]() |
||||
2021年に見た日本、 子どもこそが 未来だから、 イケメンよりも、 イクメンに 未来を託せそう! |
![]() |
||||
![]() |
![]() |
hg NGOにとって寄付とは何か! 季刊誌『ミンダナオの風』 に寄せる思い! |
|||||||||||||||||||
季刊誌に関して、 さっそく以下のような ご返事をいただきました。 ![]() 季刊誌の件 全て了解しました。 わざわざご説明いただき ありがとうございましたm(_ _)m ![]() 縁あって、 自由寄付をさせていただいた後に、 季刊誌が届き、 興味を持って拝読する中で 、 ![]() 写真の子どもたちの、 生き生きとした表情と美しい笑顔が あまりにも素敵で 驚いてしまいました。 ![]() それと同時に 、 日本の子どもたちが失っているものを 突きつけられた気がして、 私たち大人の責任を感じました。 ![]() この子たちのような笑顔を目標に、 自分も自分の仕事(教職)を 頑張ろうと思いました。 ![]() あの笑顔、あの表情に出会えて 私の人生観が変わり、 その感謝の気持ちを、 スカラシップの支援という形で させていただいています。 ![]() 今思えば、 表情の臨場感がしっかり伝わる 上質の紙での印刷の季刊誌だったからこそ ここまで心に残ったのだと、 改めて気づきました。 ![]() スタッフの方々は全てにおいて、 色々と考え尽くされて 一つ一つのことに 取り組んでいらっしゃると思います。 ![]() 季刊誌の件は、全く異議なしです。 また現地の方のお心遣いも、嬉しく、 益々応援したくなりました。 これからも、よろしくお願いしますm(_ _)m T.S.匿名 ![]() 季刊誌の 制作経費に関して ![]() 季刊誌が日本に届いて、 それを読まれた方から、 おおよそ以下のような 疑問が寄せられました。 ![]() それは、季刊誌が、紙質も印刷も、 他の団体の季刊誌よりも上等で、支援金が、 印刷経費に消えているのではないか、 と言う疑問です。 ![]() 同様の疑問を、 前にも聞いたことがありますので、 重要なポイントとして、 お答えしたいと思います。 ![]() 私も出版社にいたので、 季刊誌に関しては、 出発時点から 試行錯誤したことの一つでした。 ![]() とりわけ、 支援金をどのように使うかは 大きな問題で、 ![]() 季刊誌にかかる 印刷代と発送費は、 支援金から出さねばならない。 ![]() そこで、 他の団体の季刊誌を見たのですが、 その多くは 日本で印刷しているものでした。 ![]() 日本の印刷製本費は、 非常に高く、 それを見ただけでも、 これではとても季刊誌は出せない! と思ったほどです。 ![]() 出発時に、 ほかの多くの団体に聞いても、 NGOの経費の大きな負担は、 三つあることがわかってきました。 ![]() ![]()
![]() 支援してくださる全ての方に、 機関紙『ミンダナオの風』を 隔月でお送りしています。 サイトからは得られない 充実感が、 機関誌を購読することで えられます! 購読希望の方は、 サイト上のクレジット決済か 郵貯または銀行振り込みで 自由寄付を送っていただければ登録して 隔月でミンダナオよりお送りいたします。 里親には奨学生の手紙や写真等、 クリスマス号には全員に 子どもの描いたカードも入っていますよ! |
![]() 寄付を主体とした事業は、 利益を優先するビジネスとは全く違う。 最初に寄付金を手にしたときに、 つくづく責任と深い重みを感じたのは、 これは今まで出版社で行ってきた時の 売り上げから入る「利益」とは、 全く異なった種類のお金で、 寄付金は「利益」ではなく、 「子どもたちのための『預かり金』なのだ」という、 同じお金でもまったく異質の感じがあった。 そんなわけで、私の家族もスタッフも、 子どもたちと一緒に同じものを食べ、 同じような竹の部屋で寝ているし、 給与は決して高くはない。 1,季刊誌などの報告・宣伝費。 季刊誌だけではなく、ポスターや報告の会場費、 新聞の折り込みや広告など。 幸いMCLは、季刊誌以外にまったく 宣伝費も会場費も使っていません。 そのかわり、お声をかけていただければ、 家庭集会でも喜んでうかがっています。 ![]() 2,人件費と日本事務所。 日本の人件費は、桁違いに高く、 こちらの一五倍から二〇倍。 そこで対策として、 事務作業はほとんど現地で行い、 日本事務局は、日本NPO法人をとっているものの、 入金確認のはがきの送付とそれに付随する仕事を ボランティアでやっていただいているのです。 ![]() 長く支援者への対応は、 現地で私一人でやってきましたが、 さすがに少し大きくなると一人では無理で、 ![]() 今は、現地日本人スタッフが2人で対応。 大きな経費削減になっています。 実際に有名なNGOから話を聞くと、 寄付の60から70%は、事務所経費と 人件費で消えていくのだという。 ![]() それを聞いて 対策を考えた結果だが、 MCLが、小さなNGOでも かなり大きな活動ができるのは、 日本での事務所経費と 人件費が少ないことで、 それを現地の人々に還元できるから! ![]() 3,自給自足をめざして 以上、1と2で、 大きな経費削減をしていると同時に、 水田寄付と講演で得た資金で水田を購入し、 奨学生とスタッフほぼ200人分の お米を100%自給しています。 ![]() また、奨学生の子どもたちは、 本部でも山でも、 お米を食べさせてもらっているだけではなく、 精米もお米干しもしていますし、 ![]() 空き地に野菜を植えて育てて おかずを作る努力をしています。 ![]() さらに、余剰米による収入で、 本部のおかずの無料化も実現できれば、 200人分の食事の自給自足も 可能になってきました。 ![]() 日本からの訪問者や青少年も、 時には心を癒し、 生きる喜びを受け取っていくためにも、 一か月ぐらいの滞在も、支援者の寄付金を ほぼ使わずに可能になります! ![]() ご支援は100%、 子どもたちの教育と医療費に 向けていけるようにしていきますね。 それでも、極度に進む円安で、 対応に必死だというのが現実ですが・・・。 ![]() 2021年には、 皆様のおかげで精米機も設置され、 深い井戸水による水の自給が 諏訪湖のロータリーの方々の丘で実現し、 そして、北野財団さまのおかげで ソーラーパネル設置により電気の自給が、 可能になります! ![]() さて、話を 季刊誌にもどしましょう。 ![]() MCLの季刊誌は、日本で印刷すればとても高額。 それが可能なのは、 季刊誌をミンダナオのダバオの 老舗の印刷会社で印刷しているからで、 ![]() 印刷価格は、日本で、 コピー用紙に白黒で印刷する程度。 製本料にいたっては10分の一で、
日本よりも比べものにならないほど安い。 ![]() さらに、用紙が上質紙で
驚かれる方もいらっしゃるのですが、 「MCLさんは、 フィリピンの人々のために頑張っているから、 写真も美しいし、 普通紙の値段で上質紙を提供しますよ。」 ![]() つまり、MCLの季刊誌は、 印刷所のご厚意で、 日本の白黒誌よりも安くできているのです。 ![]() 季刊誌制作に関して、 次に気になったのは発送費でした。 海外だと高額ではないか・・・ しかし、これも、 ほぼ日本の国内での発送と 代わりがない価格です。 ![]() さらに、よく言われるのが、
写真が美しくて、 子どもたちの顔を見たり、 写真を見るだけでも生きる喜びで、 ![]() MCLの機関誌だけは、大切の保存して、 本のように時々読み返しては 楽しんでいます、 と言うお便りを良くいただきます。 ![]() ゴミ箱に直行するほど、 もったい事はありません。 それゆえに、絵本のように末永く保存して、 息子や娘や、近隣の友人たちにも見せたい内容の、 単なる報告書ではないものを 作るにいたったのです。 ![]() 読者からは、 個人だけではなく家族で楽しんでいる、 という手紙も多く、それゆえ若者たち、 青少年や子どもにも楽しめる 連載などもはじめたのです。 ![]() つまり、単なる報告書を一段進めて、 心に残り、手元に残しておきたい、 価値ある印刷物、 冊子にしようと思ったのです。 ![]() コンピューターでも良いのでは と言う意見もありますが、 良い印刷物は絵本や本と同様に、 いつも側にいてくれる天使のような感じ! サイトは、電源が消えると消えるお化けのよう!
![]() 特に、自殺や孤独、 不登校の多い日本の人々や若者が、 元気になれるように、 ![]() 訪問してきた若者たちの体験記や 子どもたちも楽しめるお話なども 掲載して行こうと思っています。 ![]() 助けていながら、助けられてもいる。 お互いに助け合うための 手段の一つが季刊誌です。 ![]() |
無題 3 松居陽 聞こえるのは、波の音、風の音、ココヤシの音。 イヤホンはあっても、音楽を聴く気にはならない。 生と死の詰まった、潮のにおい。 砂が足をくすぐり、塩が肌にべたつく。 実体のない波も、銀河へ続く水平線も、目を据わらせてはくれない。 宇宙という意識に溺れたひと時。 ![]() 夢みたい。と、人は現実に目覚めたときに言うのだ、とお父さんは言う。 概念上の世界を現実だと思い込むと、自然界を夢のように感じるのだと。 人声が静まり返れば、宇宙が無言で語りかけてくる。 人と自然の間に境目はないはずなのに、僕も感じる、 夢みたいだと。 後何時間見させてくれるだろう。 もうすぐ夜が明けて、人が起き出す。 地位、財産、業績、またこの太りすぎたシステムが、 ますます重い足を引きずって、ぎくしゃく走り始める。 空気を吸いつくし、水を飲みつくし、大地を踏みつくすまで。 それとも、奇跡が起こって、みな名も言葉も忘れて目を覚ますかも。 こんな夜は、そう星に願う。 朝が来れば、僕らは新たな目で互いを見つめあい、 そこに表現しきれない愛を感じるだろう。 言葉が出ないもんだから、みんないっせいに笑い出し、 抱き合い、声高らかに浜辺へ駆け出して、 赤ん坊のようにピンクの水平線に見とれるだろう。 泣き出す者もいるかもしれない。 次々と海に飛び込んで、水が肌を撫でる快感にうめき、身をよじらせるだろう。 でも、僕らがしないことがある。 それは、それを海と呼ぶこと。 それを美しいと呼ぶこと。 それを僕らと呼ぶこと。 ![]() もう、誰の振りもしなくていいんだ。 もう、上にも、下にも、右にも、左にも、中にも、外にも立たなくていいんだ。 人間くさい、裸、生きている、一緒に、生々しく。 自然体を恥じることはない。 体で感じる情熱を、好んで否定することはない。 死が自制心からの開放なら、今罪深い本性をさらけ出して、 生きながらの死を祝おう。 どうせ、いつか気づきざるを得ないことだ。 心は変えられても、血は変えられない。 知能が平等を望んでも、本能は支配したがり、されたがる。 頭は、体を指示するのではなく、体に耳を傾け、 その声を忠実に表現するために生まれてきたのではないだろうか。 沖に、小船の光がちらつく。 漁夫が、網を引き上げているようだ。 フィリピンの海や山に生きる、たくましい人々を見ると、 どこかやるせない無力感に打たれる。 僕は、所詮今経済と呼ばれているシステムに取り入って、 姑息に生きている人間だ。 容赦ない自然界に生かされる術など、ほとんど持ち合わせていない。 ![]() それだけに僕らは心の奥に不安を抱き続け、 それだけに彼らは自由なのかもしれない。 何もかもをなくしても、自然の情けに命を許されるのだ。 おなかがすけば、魚を捕り、調理する法を、人は受け継いできた。 病気にかかれば、治療する方法も。 そうか、言葉はやっぱり必要なんだ。 じゃあ、何でこんなに嫌気が差すんだろう。 小うるさい人間のドラマに、空っぽの言葉に。 今なら、永久保証、お買い得、愛! 言霊の嘆きが聞こえるようだ。 問題は、言葉が表すはずの本質が見失われているからかもしれない。 情報は増えても、その根源がいつにも増してあやふやになってきている。 体内に残った全ての声を、海にぶちまけたい。 波よ、さらっていってくれ! この他愛もないおしゃべりを! ![]() |
|||||||||||||||
|