「週感ジョジョンプ」第244号！

　こんばんわ。
　さて、映画ファンの皆様、お待たせしました。今週の一本です。ノーマン・ジュイソン監督、デンゼル・ワシントン主演『ハリケーン』です。この映画、私の気のせいかもしれませんが、あんまし宣伝とかに力が入っていませんよね。ま、他の大作（Mi:2とか）がより金をぶっこんでいるので、目立っていないだけかもしれませんが………。
　この映画の見所はやっぱしルービン・"ハリケーン"・カーターを演じるデンゼル・ワシントンなのですが………台風が出てくる災害もの映画じゃあないっすよ！＞F君へ。そりゃ『パーフェクト・ストーム』だっつーの。
　かと言って、「ボクサーの映画」でもないんですよね。そういう先入観はやめて観に行かないと辛いかも………。じゃ、簡単にあらすじでも書いておきましょうか。

1963年、ウェルター級のチャンピオンをたったの1ラウンドで倒した伝説のボクサー、ルービン・カーター。人は彼の事を"ハリケーン"と呼んだ。だが三年後、全く身に覚えのない殺人事件の犯人として、3つの終身刑を言い渡されてしまう。孤独に無罪を主張し続けるカーター。ボブ・ディラン、モハメド・アリ等が釈放運動に協力したが、再び判決は有罪。いつしか人々から忘れ去られた頃、レズラ・マーティンという名の一人の少年が、カーターの自伝を手にする。逆境にあっても闘い続けるカーターに心引かれたレズラは、刑務所へ面会へ赴く。レズラの保護者であるテリー、リサ、サムの助けもあり、カーターは最後の戦いの場、連邦裁判所へ行く。果たして、彼の無罪は認められるのか………？

　相変わらずどーでもいいあらすじで申し訳ありません。これは何のために書いているかというと、エイプリル………い、いや、何でもないです。
　ちょっと感じが解ったよ、という方もいらっしゃるでしょうが、実話を基にした冤罪の物語なのですね。冤罪といえばジョリーン。ジョジョファンはそんなジョリーンの姿をデンゼル・ワシントンにダブらせて観ると………って、無理があり過ぎですね。とにかく、デンゼルを観に行く映画かもしれません。最近映画に出まくっているからもう見飽きた、という方は別として。
　レズラ少年がルービン・カーターの自伝に感動して、文通をするんですね。で、面会しに行く訳ですよ。この面会のシーンというのもちょっと面白くって、厳重な身体検査を受けたら、面会者と受刑者が全員同じ部屋で会うんですね。ジョリーンと承太郎が個室で間仕切りも何も無しの所で会うシーンを思い出して下さい。ネットのオフ会よろしく、レズラ少年はルービン・カーターの今の姿を実際に見てはいないので、一緒に来た面会者が喜んで受刑者と抱き合ったりしている中、ルービンの姿を探すんですね。
　ついにそれらしい人物を見つけるこのシーンが素晴らしい。デンゼル・ワシントンのオーラというものを否応無しに感じることができます。

　しかしいろいろ期待して観に行ったんですけど………どうも脚本が下手なのか、納得の行かない所もかなり有りました。パンフレットに秋山登（映画評論家）も書いていましたけど、ルービン・カーターを執拗に追いつめるレイシストの刑事っていうのがぽつんぽつんと出てくるために、印象が薄い。別に悪役を求めているとかそういう話でなくて、差別の視点というものが書き込まれていればもっと物語の後半は面白くなったはずです。その上、レズラの保護者をやっている三人のカナダ人。いかにも怪しいので、「これは後半に何かきっと有るはずだ」と思って観ていたら、特に何もありませんでした。彼らがそこまで事件にのめり込むプロセスの書き込みもどうも薄すぎます。その結果ルービン・カーター一人の「生きる意志」というものが浮いてしまって、どうも中途半端な感じがするんですよね。
　そんな訳で、私にとってはこの映画、可もなく不可もなく、という感じでした。
　こんな映画"紹介"より、早いとこ梅きざみさんが映画批評で取り上げてくれないかなぁなんてこっそり書いておきましょうかね。7月の日記の「配給会社がギャガと東宝東和というあってはならない組み合わせ」という所だけでもウケてしまったんですが、まぁこんだけ書いておけばそのうち拝めるでしょう（←更新の苦労を知っているくせにヒドい野郎だ（笑））。皆さんもそっちを読みに行きましょう。

　あ、例によってネオクラッシックにスレッド立てましたので、何か書き込んで頂ければ幸いです。

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