戦争と平和構築
2008年の記録から
(10)
初めてのスタディーツアーを 試みたけれど・・・ |
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vn1 初めての スタディーツアーを 試みたけれど・・・ ![]() 2008年は、 創設から7年目で、 MCLがようやく少しづつ軌道に 乗り始めた時期だといえる。 ![]() 日本では、それほど知られている、 NGOでは、ないけれど、 訪問したいと望む者が、 いないわけではない。 ![]() ただ、たった一人の日本人で、 現地の若者たちと 現地NGOを立ち上げて、 活動し始めると、 ![]() 戦争や貧困ゆえに、 家庭が崩壊し、 極度の困難に追い込まれている 子どもたちを見ると、 ![]() 放っておくことが出来ず、 医療やスカラシップで 連日のように走りまわり、 現地の子どもたちの事だけで精一杯で、 ![]() 7年間のあいだ、 日本の訪問者のことまで 視野に入れたり、 スタディーツアーなど 考えるゆとりも出てこなかった! ![]() しかも現地は、 日本政府の指定する 高度の危険地域であるので、 放っておくわけにいかず、 世話するだけでも大変なのだ。 ![]() しかし一方で、 こうした不幸な子どもたちをささえ、 病気を治したり、 学校に行かせてくださっているのは、 ![]() 日本の支援者の方々 であることを思うと、 何らかの貢献もしなければと、 強く思う! ![]() MCLの子どもたちにとっても 支援者の方々は、 感謝し尊敬すべき、 第二のお母さんお父さん! ![]() 訪問してこられると、 感謝の気持ちがあふれだし、 大喜びで駈けてきて 抱きつく! ![]() vn2 訪問して こられる方々の ほとんどは ![]() 2008年までは、 訪問してこられる方々のほとんどは、 スカラシップ支援者の方々か、 保育所の開所式に来られる方々だった。 ![]() スカラシップ支援の方が来られると、 必ず、その子が通っている 学校にお連れして、 支援している子と出会わせてさしあげる! 大概の子たちは、うれしくて涙を流す! ![]() そして授業が終わると、 かなり山奥であっても、 必ずその子が生まれた村に行き、 家にお連れする。 ![]() たとえ親が死んでいなくても、 一緒に生活をしている、 兄弟姉妹や親せきがいるし、 ほとんどの子たちは、 泣いて喜ぶ! ![]() 訪ねてきた支援者にとっても、 支援している子の 育った環境を知ることは、 感動的な体験で理解が深まる! ![]() しかし、当時はまだ、 スタディーツアーのような、 支援者以外の訪問者の受け入れや、 若者同士の体験交流までは、 考える心のゆとりはなかった。 ![]() しかし、ミンダナオ子ども図書館が 知られるにしたがって、 若者のスタディーツアーの要請が、 団体や学校から来るようになった。 ![]() 私一人では、 無理だと思ったけれど、 日本で事務局をしてくださっていた、 大渕さんが、受けてくださって、 スタディーツアーを試みることにした。 その後、大渕さんは、別のNGOで 働いていらっしゃいます! ![]() vn3 訪問できる場所は 限られている ![]() ミンダナオは、 日本政府の指定する 危険地域に指定されているから 訪問できる場所は限られている ![]() ピキット市の福祉局、 DSWDの調査と グレイスさんの確認で、 ![]() 希望者のみ 子どもたちといっしょに、 イスラム地域のピキットに 読みきかせに行った。 ![]() 先日から、 炊き出しも行っている イスラム地域に住んでいる 原住民マノボの村。 ![]() MCLの大勢のスカラーたちも 同行した。 安全も考えて・・・ ![]() 避難生活の中で、 困窮する子どもたち。 それにも関わらず、明るく、 心を開いて向き合ってくれる。 ![]() 訪問者たちは、彼らの前で、 「大きな栗の木の下で」 を演じて、 子どもたちも大喜び? ![]() ![]() ここで、 何を訪問者たちは 感じたのだろうか? ![]() まずは現場を見ること 実情を自分の目で確かめ 確認すること。 ![]() その後、 どのような行動を起こすか、 あるいは全く起こさないか、 ![]() 再訪したいと思うか、 二度と来ないと決心するか、 それは本人次第だ。 ![]() だた、日本も含む 国際情勢が関わっていなければ この様な、 ひどい戦闘は起こらない? ![]() vn4 炊き出しに並ぶ 子どもたち ![]() 炊き出しは成功している。 「米を袋にいれて渡せば良いのに、 なぜわざわざ炊き出しをして、 それを一人一人の子どもたちに渡すの?」 ![]() 訪問者たちは、 少し当惑していたようだが、 米の支給だけだと 受け取って家に持って帰って、 ![]() 大きな大人や青年が ほとんど食べ尽くして、 小さな子どもたちには、 食事が回らない事も多い・・・。 ![]() MCLは、幼い子たちを優先して、 救済する「子ども」図書館だから、 炊きだしをして、 17歳以下に限定して、 その場で食べてもらうようにしている。 ![]() 現地の有力者から、 「ここに米を置いて行ってくれれば、 私たちで、村人たちに配給しますよ!」と、 しばしば言われることあるけれど、 ![]() 渡さずにその場で炊き出しをする。 個人のものになると、 村人たちに渡さず、親戚や仲間に渡し、 残りは売って 利益にしたりすることもあるから・・・ ![]() 炊き出しならば、 確実に子どもたちに栄養を補給し、 基礎体力の維持を可能にできる。 週3回3週間で計9回の炊き出しを実行! 第一回炊き出し計画が終了した ![]() vn5 ビサヤ・イロンゴデーが 盛況で終わった ![]() 昨年、ムスリムの踊りが、 日本公演で 大盛況だった結果を受けて、 ![]() 若者たちは、 今年の文化祭のテーマを ダンスに絞った。 ![]() 踊りは、 フィリピンの若者たちにとっては、 最も適した自己表現の手段? そのできのすばらしさは、 驚嘆に値する。 ![]() ムスリムダンス、 ![]() マノボダンス、 ![]() ビサヤダンス ![]() すべてが本当にすばらしく、 どこで公演しても 感動をまき起こすだろう! ![]() 僕も、 この様なダンスがあるとは、 知らなかった。 ![]() 長いすのダンスでは、 女の子が、 地面から男性に手を引かれて 飛び上がる! そのたびに、叫声と大拍手! ![]() 日本の若者たちも 踊りながら歌った! ![]() 交通費と宿泊を 保証していただければ、 国際交流のために、 日本公演にもうかがいます。 ![]() vn6 久しぶりに ウオーターフォールに 行った ![]() ウオーターフォール集落は、 本当に美しいところだが、 住んでいるのは、おもに マノボ族の原住民たち。 ![]() ミンダナオの原住民は、 色黒で小柄で 髪の毛がチリチリしていて、 ネグロイド(ニグロ黒人)と呼ばれている。 ![]() 平地にいたものの、 農地開発にあい、 所有権が無いという口実で、 居住地を追い出され、 こうしたへんぴな山岳地に 移らざるを得なかった人々だ。 ![]() 斜面は、 耕作に適さないので、 植えても山芋かトウモロコシか 地バナナだけ。 ![]() 傾斜地に生えている ほうき草やコーヒー豆を 集めて乾燥させて、 ![]() ホウキを作ったり、 ![]() 木の臼でたたいて コーヒーを作って、 ![]() 担いで町に 売りに行くぐらいしか 現金収入がない。 ![]() 収入を得ても、 塩を買って帰るのが 精いっぱいで、米も買えず、 日常の食べ物といえば、 味気のない地バナナや、 ![]() バランホイという 山芋やタケノコに 塩を付けて食べるぐらい。 ![]() ![]() おかずは、 川のカエルやカニや トカゲやヘビ! ![]() ![]() 貧しい家庭の子どもたちは、 靴もなく、 学用品も買えないので、 学校に通うこともできない。 ![]() そんな生活だけれど、 滝つぼのあたりは、 だんだんリゾートになってきて、 町の人たちがやってくるようになった。 ![]() その生活の極端な格差が 現地の原住民の心を 極度の卑下にならなければ 良いけれど。 ![]() MCLでは、 この地域からも 奨学生たちを採用したり、 病気を治したりしている。 ![]() 山岳地なので、 4WDの軽トラックで行っが、 最後は歩いた。 ![]() 山道は過酷だ。 しかし、 MCLの子どもたちは大喜び! ![]() vn7 滝の滑り台 ![]() 早速、 訪問してきた若者たちと一緒に 滝壺に飛び込んでいった。 ![]() 子どもたちにとっては、 これそこが、 日常の生活だったのだ! ![]() この子たちを見ていると 生きる力を強く感じる! 本当の幸せとは何かを 教えてくれているようだ! ![]() ![]() 先進国?日本から 訪問してきた若者たちも、 後進国に対する 上から目線を捨てて、 ![]() 本当の幸せとは 何かを 感じてくれたら良いなあ・・・ ![]() ![]() vn8 現地の子たちの 生活はきびしい! ![]() しかし、 現地の子たちの 生活はきびしい! ![]() この村からも、 MCLでは、 奨学生を採用している。 ![]() しかし、 奨学生になると、 日本から送られてきた 古着を着ているし、 ![]() 学用品もそろっているし、 靴も履いているので、 貧困の状況までは、 わからないが、 ![]() こうした極貧のなかでも、 現地に放っておけない 孤児や崩壊家庭の子たちが、 MCLに住んでいるのだ! ![]() ![]() ほうきを売ったお金で、 塩をかえればせいぜいで、 チョコレートなど、 夢のまた夢! ![]() vn9 日本語を話せる 日系人のおばあちゃん ![]() この地には、戦前まで 原住民と結婚し、 ダバオ近郊でマニラ麻を栽培しながら、 幸せに暮らしていた 日本人がたくさんいた。 ![]() とりわけ、 九州や沖縄から移住してきた 日本人が多く、 ミンダナオの料理も沖縄に似ている。 ![]() 現地に溶け込んで平和に暮らし、 戦前に日本語学校もあって、 東南アジアで 最も日本人が多い島と言われていた。 ![]() ところが、 第二次世界大戦のときに、 アメリカ軍の侵攻により、 敗戦が近づき、 ![]() ジャングルへの逃亡も 余儀なくされると、 兵士たちの原住民に対する信頼も 恐怖に代わり、 ![]() 「原住民は、日本軍を裏切るぞ!」 「逃亡するまえに、殺せ!」 という命令が下り、 実際に穴を掘って、 生き埋めにしたという記録が残っている。 ![]() 私の現在の妻のおじいさんも、 かつて、日本軍の下で 働かされていた経験があり、 妻のエープリルリンの話によると、 ![]() 「日本人は悪い奴だから、 つき合わない方が良いぞ!」 と結婚前に会うまでは、 言っていたという。 ![]() 実際に会ってからは、 日本人に対する考えが、 違ってきて、 妻の膝の上で息をひきとった。 ![]() vn10 日本軍が、 原住民を生き埋めに ![]() 日本軍が、 原住民を生き埋めにしている、 という情報を聞いて、 家族を捨てて、 帰還した父親もいるけれど、 ![]() 家族や子どもを守るために、 家族ともども山に逃げて、 日本人であることを隠し、 原住民として生き抜いてきた人も多い。 ![]() そういう人たちを、 日系人と呼ぶが、 したの写真のお婆さんの 家族も日系人で、 ![]() たくさんいる孫たちも 学校にも行けず、 奨学生に採用している。 ![]() 彼女は、わたしの肩を叩いて、 片言の日本語で言った。 「わたしの、おとーーさん、 にーほんじん!」 ![]() アポ山周辺の山の集落には、 こうした日系人の家族の 子たちも多く、 ![]() 山に逃げて極端に貧しく、 教育も受けられないので、 MCLの奨学生に 採用してあげている。 ![]() スタッフの ジケロ君も日系人! タカという名字が多いけれど、 タカハシが本名らしい・・・ ![]() 原住民になって山に逃げた 日系人も多いけれど、 湿原に逃げて、 イスラム教徒のゲリラになった 日系人も多い!
日本から送られてきた 古着などを配っている。 MCLで配った古着を着ているね! ![]() 彼らのために生きている事。 そして、両親がいなかったり 極貧の中から来た子たちが、 心から幸せそうな表情を見せるとき、 ![]() この仕事をしていて 良かったと心底思う! ![]() vn11 お昼ご飯を食べた ![]() お昼ごはんができたよーー! 村の子たちも、 みんな、みんな、みんなーー! 食べにおいでーーーーー^! ![]() どんなに困窮した現状あっても こちらではそれが日常だから、 子どもたちは屈託がない。 ![]() MCLの子たちには、 ごはんを炊いて 渡したけれど、 ![]() ![]() ![]() 沢山いる村の子たちには、 配給するのはとても無理で、 読み語りの時と同様に パンをわたした! ![]() 普段は、 ごはんもろくに食べられないけど、 パンなど めったに食べられない! ![]() ![]() でも、バナナがあれば 生きていけるよ! 下は奨学生だったアロナ、 発達障害だった二人のお兄さんは 亡くなったけれど、 彼女は大学を卒業して 地元の学校の先生になって 貧しい子どもたちを助けている! ![]() MCLが来た時には、 村の子たちも集まってきて いっしょに遊んで、 いっしょに食べる! ![]() 食べ終わったら みんなで泳ごう!!! ![]() ![]() ![]() vn12 古着や靴や カバンの配布 ![]() ふだんから、 くり返しくり返し、 ![]() 奨学生採用や医療、 古着や靴や ![]() カバンの配布などで、 訪れているから、 ![]() 村人たちにとっても MCLのこたちにとっても、 家族のよう! ![]() ![]() vn13 一方で、 食事が出来ず ![]() 一方で、 一日三食の食事が出来ず、 毎日、 芋を食べて食いつなぎ、 ![]() 病気にかかると薬も買えず、 体力がないので、 死んでいく人がいる。 ![]() この地が リゾート地に指定されて以来、 同じその地域で優雅に遊び おいしい料理を作って、 ![]() 遊べるだけ遊んで 帰っていく、 裕福な人たちもいる。 この格差と矛盾は何だろうか? ![]() リゾート開発が進むにしたがって、 この様な格差社会を見るたびに、 悲しい困惑とめまいを感じるのは、 私だけでは無いのでは? ![]() MCLの奨学生で 本部に住んでいる子たちが、 なんであんなに喜ぶのか! ![]() 多くの子たちが、 できればMCLのスカラーになって 本部に住みたいと 願う気持ちも良くわかる。 ![]() あそこに住めれば、 安心して食べていけて、 学校いけて近くて、 病気になっても大丈夫! ![]() MCLがやっていることは、 本来は、 国がやることだと思うのだけれど、 ![]() リゾート地から原住民を 追い出そうとしている という話も聞こえてくる! ![]() 日本から スタディーツアーで来た若者たちにも、 ただ子どもたちと 楽しく時間を過ごすのではなく、 ![]() 現状を見て、 そういった子たちの背後にある 真実を知って欲しいと、 思うのだけれど・・・ ![]() vn14 貧困が進み、 病気が蔓延 ![]() ウオーターフォールの集落では 経済的な貧困がさらに進み、 病気が蔓延していた 皮膚病の子と 風邪の子を医師の元へ! ![]() 今年は、 奇妙な高熱と痙攣を 起こす風邪が流行っている。 ![]() 写真のスカラーの子たちも、 すでに3週間も病床に 伏したりして、 学校も停止したままだった。 ![]() 久しぶりに会って愕然とした。 なんて痩せてしまったことか! 立って歩こうとすると、 ふらついている。 ![]() 多くの親や子どもたちに 病気が蔓延している。 ![]() 同じ病気にかかっても、 ミンダナオ子ども図書館に 住んでいる奨学生は、 数日で回復するが、 ![]() ![]() ![]() 栄養失調だと命取りだ! とにかく、病院でチェックを 受けることにした。 病院では、すぐに入院! ![]() 色々な検査をした結果、 デング熱では ない事がわかってきた。 ![]() 信頼できる小児科の ウオン先生が首を傾げながら、 単なる風邪で、 これだけ長期の症状が出るという事は、 基本的に栄養失調だからですね。 ![]() 「食べるものを食べていない、 基礎体力がない、 快復力がないところに病気が襲うから、 ますますやせ細ってこのままだと、 死ぬかも知れないですね。」 唖然とした!!! ![]() vn15 初めての スタディーツアーは 中断! ![]() 訪問者がいて、 スタディーツアーの途中なので、 自由に行動は、 出来なかったが、 ![]() 急きょ、訪問者たちを、 数名のスタッフといっしょに、 山に住んでいる理事の ビックビックさんの家に預けて、 ![]() 別行動で、 数日間 緊急の医療活動を実行した。 ![]() 幸い、 ピキットの難民キャンプでの 医療活動を継続しているので、 その薬をウオーターフォールにも届けた。 ![]() 日本では、 薬は日常手にはいるし、 基礎健康が食事で出来ているので、 ちょっとした風邪なら、 すぐに回復していくけれど、 ![]() 米も買うゆとりさえないのに、 たとえ風邪薬でも、 薬まで買えるわけがない! ![]() 日本では、 風邪ぐらい自分で直すのだが・・・ 栄養失調だと、 死に至る場合もある。 ![]() 初めてのスタディーツアーは 中断してしまい、 期待して来た若者たちには、 本当に申し訳なく思った! ![]() しかし、 子どもの命を守ることこそ MCLの大事な活動であり、 スケジュールや活動予定を 事前に決めなけれならないツアーは、 ![]() ミンダナオ子ども図書館では、 経費を出して期待して来た、 訪問者への責任を考えても、 ![]() あらかじめ訪問者のスケジュールや 目的が決められている ツアーや体験学習は、 無理だとつくづく実感した! ![]() vn16 訪問者は ルモットの保育所を 建設に ![]() 今回の訪問者は、 緊急医療活動のために、 予定を変更して、 ビックビックさんのところに宿泊。 ![]() 電気のない家で 現地の生活を体験しながら、 ![]() ![]() vn17 建設途中の 保育所を手伝った ![]() 若者たちにとっては、 ![]() 自分も何らかの形で貢献できる、 という体験は貴重だった。 ![]() ![]() 最初はとまどいながらも、 最後には、 ともに汗を流し、 ![]() すがすがしい気持ちに・・・・ もう少し長く居たかった! ![]() ![]() 緊急の医療活動の事を考慮すると、 今回は、予定を変更して 後半は、ダバオオリエンタルの ハウスオブジョイへ移ってもらった。 ![]() ![]() ハウスオブジョイは、 近くの海もきれいで、 ゲストハウスも整っていて、 本当にリラックス出来るリゾートもあり、 ビジターには、おすすめ。 ![]() 若者たちは、 前半がハードだっただけに、 ホッとされたようだった。 やはり、ミンダナオ子ども図書館は、 ツアーには向かない? ごめんなさいね! ![]() vn18 MCLでは、 スタディーツアーは 難しい? ![]() 「MCLを継続していくためにも、 宿泊費をとって受け入れたり、 スタディーツアーも立ち上げたら?」 等々言われもしたが、 ![]() ぎゃくに訪問者が多いと、 「純粋な子どもたちの心を ゆがめてしまうから気を付けて!」 という声も聞こえてくる。 ![]() また、MCLの活動の根幹自体が、 信じられないような山岳地帯や、 ワニのいる湿原地帯の集落をめぐって、 子どもたちに学用品を届けたり、 ![]() 時には、 スカラーやスタッフが、 命がけでイスラム地域の 戦争避難民を救済したり、 ![]() 寒村に保育所を建設したり、 時にはODAと強調して 平和のための学校を建てたり! ![]() 読み語りをして、 病気の子がいたり、 すぐに病院に連れて行ったり、 ![]() 極貧で小学校も行けない 子どもたちのなかでも、 孤児や崩壊家庭の子、 ![]() 戦争で親が殺された子などを、 スカラシップで採用して、 大学まで、 行けるようにしてあげているし。 ![]() そのなかでも、 現地に置いておけず、 保護しなければならない子は、 本部や宿舎に住めるようにしている。 ![]() 現在、奨学生の数は、 300名を超えており 本部に住んでいる子は、 80名あまり。 ![]() 町に下宿しなければならない 大学生や、 外部に住んで、食事と生活費を 支給している子たちを含めると、 ![]() 200名ほどの生活費を まかないつつ、 米も支給しているので、 一日50キロの米が消費されます! ![]() 2020年の現在は、 水田で米を自給しています! ![]() スタッフたちは、四輪駆動車で、 山の学校をめぐっては、 ふる里から通っている子たちに、 授業料の支払いや 学用品やお小遣いを届けたり。 ![]() その忙しさを考えると、 スタディーツアーを立ち上げて、 訪問者のために時間を割いて、 前もって立てた活動計画にしたがって 行動する余裕があろうはずもなく、 ![]() 活動は、 現地の状況に合わせて 臨機応変に 動かなければなりません。。 ![]() 例えば、読み語りで行った村で 病気の子がいれば、 即、キダパワンの病院に運び 手術や入院させたりしますが、 ![]() お医者さんにかかったり 薬も飲んだことがない子や保護者に、 付き添うだけでも 大変な時間と浪費がかかります。 ![]() 病状しだいでは、 数人スタッフが付き添って 緊急にダバオの病院に患者を運んで 手術をしなければなりません! ![]() vn19 スタディーツアーは 辞めたとしても ![]() 今回、初めての スタディーツアーで 来た若者たちも、 ![]() ![]() ![]() ![]() いろいろな体験をして、 感動して 帰っていきました。 ![]() スタディーツアーは 辞めたとしても、 ![]() 興味を持って きたいと思う、 若者たちや家族は、 ![]() ![]() ![]() ![]() 受け入れていきたいと 思っています。 ![]() 若者や家族の 訪問は 前向きに ![]() スタディーツアーやツアーのように、 事前に立てた スケジュールにしたがって 行動しなければ、 ならないとしたならば、 ![]() 村に病気の子がいたりした場合に、 スケジュールを棚上げにして、 訪問者を置いたまま、 病気の子の救済に、 まい進出来るはずもなく、 ![]() 支援者のように すでに活動をご存じの方は、 理解して、 受け入れてくださるとしても、 ![]() 一般募集のツアーのように、 事前にお金を払って、 体験を目的に来られる場合は、 過度に気を遣う? ![]() MCLの生活も現地のままだし、 トイレは、 手くみの水でうんこを流し、 山で泊まれば、 どこでもトイレ! ![]() お風呂もなく、 トイレのシャワーか、 外の井戸端で ![]() 子どもたちと一緒に 水をかぶって、 水浴する! ![]() 若者たちには、良いとしても、 さすがに冷たい水だと 高齢者には難しいので、 温水が出るシャワーを付けたけれど。 ![]() 料理も、 子どもたちが薪で作った 素朴な料理を、 みんな一緒に食べる。 ![]() 朝早くて、 起きられない場合は、 食堂に 残しておいてくれるけど・・・ ![]() しかし、ツアーと銘打って お客さまとして招待するからには、 特に高齢者の場合などは、 それだけの快適さや 接待やサービスを求める人もいるだろう。 ![]() vn20 門戸を開こうと 決心したのは ![]() そのような迷いを 持ち続けつつも去年、 訪問者に 門戸を開こうと決心したのは、 ![]() 生きがいを失い、 自殺未遂や引きこもりの多い、 日本の若者の心の危機を知り、 そうした子たちが、 現地の子たちに囲まれると、 ![]() 心を回復して、 生きる力を 見出すことがわかってきたから・・・ ![]() フリースクール等からの 要望なども耳にして、 スタディーツアーではなく、 むしろ宿泊費なしで、 ![]() とりわけ若者たちや、 子連れの家族の訪問を、 前向きに 受け入れる決断しました。 ![]() ![]() ![]() |
vn32 いったい どこに連れて行く つもりなの? ![]() マノボ族のダトゥインダ村に、 保育所が完成。 寄贈者の丹原美穂さん、 開所式に訪れる。 ![]() 「いったい松居さん、 私をどこに連れて行くつもりなの?」 と言われてしまった。 ![]() ダトゥインダ村は、 丘陵をいくつも超えて、 道がとぎれる場所から、 バイク道を通って、 ![]() さらに丘を いくつも超えた場所にある 小さなマノボ族の村だ。 ![]() もちろん、4WDでないと、 この地までは来られない。 下の写真は、今回保育所を建てた ダトゥインダ村の全景。 ![]() 「数件しか家が建っていないじゃないか」 と言われるかもしれないが、 この周囲にたくさんの マノボ族が住んでいるのだ。 ![]() 保育所には、 35名を超す子どもたちが集まる。 ![]() ここから、学校までは5キロの道を行く。 4歳から5歳の 保育所プレスクールの子どもたちが、 雨の日も風の日も 毎日通える距離だろうか?・・・ ![]() それにもかかわらず、 先々年から政府はプレスクールを 経由しなければ、 小学校に入れないという 奇妙なシステムを作ったのだ。 ![]() 今でこそ、この辺り一帯は、 丸裸の丘陵地だが、 戦前まで、ラワンの巨木が生い立ち、 熱帯樹木が生い茂り、 猿や色とりどりの蝶や鳥が舞う熱帯雨林だった。 ![]() 大木が、ことごとく 伐採されたのは戦後で、 ほとんどは、 経済成長を続ける日本に輸出された。 ![]() その結果、大地は保水力を失い、 雨はそのまま 大量の水を川に運び流れ出す。 保水力を失った高地は乾燥し、 下手の大地は洪水となる。 ![]() この地の下手こそ、 私たちが通っている ピキットなどのイスラム地域で、 絶えず洪水に見舞われている原因は、 上手の地にあった熱帯雨林の伐採の結果なのだ。 ![]() 日本人が、 踏み込むことのないこの地は、 日本とは、 深い関わりを持った地だった。 ![]() 先日奨学生の調査で訪れた 際のピキットの洪水 ![]() vn33 悲劇は こうして作られる ![]() この地域の最大の悲劇は、 巨木の伐採と共に、 先住民族であるマノボ族が 土地を奪われ追い立てられていったことだ。 ![]() ミンダナオ子ども図書館で、 娘の面倒を見てくださっている エディットさんは、マノボ族だが、 当時の体験から明確になってくるのは・・・ ![]() 政府は、ルソンやセブ、 ネグロス、ボホールやイロイロと言った、 ミンダナオ島外からの移民政策をとった。 ![]() その方法は、 まずは先住民族の住んでいる土地を、 所有者の無い土地と断定して、 移民たちに売却する。 ![]() しかし、すでにマノボ族が 先祖代々住み着いて、 自給耕作をしていた土地である。 簡単に明け渡すわけにはいかないのは当然。 ![]() そうした強引な方法に対して、 当然ながら、 土地を守るための戦いが始まった。 これが、組織化されたのが、 NPA(新人民軍)と呼ばれるゲリラだ。 ![]() NPAは、共産ゲリラとも呼ばれており、 現在もフィリピンの山岳地域を はじめとして活動している。 ![]() これら反政府活動に対して、 政府側は戦闘を起こしていった。 政府側の言い分としては、 ゲリラ活動に対する防衛措置である。 ![]() その結果、 戦闘地となった場所にいられなくなり、 マノボ族であるエディットさんたちは、 指定された難民キャンプに 避難を余儀なくされた。 ![]() こうして、数ヶ月から半年以上、 難民生活をして帰ってみると、 土地は移民系のクリスチャンの 所有になっていたのだ。 ![]() その後、エディットさんの父親は 理由無く殺害され、ご主人は、 NPAゲリラという 容疑を着せられて殺害された。 ![]() 意図的に戦闘を作り、 現地の人々を排除したり、 経済的困窮に陥れて、 地域を思うように開発しようとするやり方は、 ![]() ゲリラという呼称が テロリストに代わっただけで、 現代でも至る所で行われている? ミンダナオだけではなく、世界の紛争地帯では、 同様の手法が使われている? ![]() そうした現地政府の背後には、 世界の経済を牛耳っている 先進諸国の影がある。 NGOもその片棒を担ぐ存在に過ぎないのだろうか。 ![]() 丹原美穂さんは、 この二つの地に保育所を建設した。 マノボ族の村では、 子どもたちから大歓迎を受け、 ![]() ハーモニカを吹き、 日本から持ってきた チョコレートを配り・・・ とりわけ、シャボン玉は大成功!!! ![]() 至る所で子どもたちに夢を与えてくれた 単なる物より、 消える物の方が、心に想いを残す? ![]() 日本で必死になって練習してきた ハーモニカを吹く丹原さん 「ふるさと」は、戦中日本軍の侵攻で亡くなった ミンダナオの人々と日本兵の鎮魂のために。 ![]() 「歓喜の歌」は、平和のために・・・等々 一曲一曲に切実な想いを込めて 汗びっしょりになってハーモニカを吹く姿が、 人々の感動を呼んだ。 ![]() 「あの人は、単に貧しい子に物をばらまいて 自己満足したり、低開発国と見くだして、 安易な発言したりする人じゃない」 地元の人々は、すぐにそれを感じ取った。 ![]() vn34 ブロッドにも 保育所を寄贈 ![]() 洪水に悩む下手のピキットの村、 ブロッドにも 丹原美穂さんは 保育所を寄贈された。 ![]() 反政府地域だった イスラムの人々の前でも 鎮魂の歌をハーモニカで奏で 平和への祈りを音に託す。 ![]() 小さな子どもでさえも しーんとなって耳を澄ます。 丹原さんを 心から受け入れてくれた瞬間! ![]() イスラム教徒もキリスト教徒も 丹原さんのような、無宗教も、 仏教徒も神道も 自然崇拝も精霊崇拝も 皆同じ心を持った人間だ! ![]() vn35 シャボン玉パーティー ![]() 丹原美穂さんの 今回の滞在で大成功は、 シャボン玉だった。 ![]() この滞在のために、 シャボン玉メーカーは特別に、 ![]() 一つ一個の 特製ストローを つけてくれたのだという。 ![]() ミンダナオ子ども図書館は、 一瞬、 シャボン玉に包まれて、 別世界になった。 ![]() vn36 TBSの デレクター突如訪問 ![]() 3月3日ゴールデンタイムの番組を制作したい 谷ディレクターからTELを頂いたとき、 「頓挫するな」と思った。 ![]() NHKを始め、ほとんどの番組が 既に6回以上のアプローチをしてきて、 全て実現しなかったからだ。 ![]() 本当に来られたときはビックリした! 初めて現地を訪れた TV制作者だ! ウォーターフォール村の村長と話す谷氏。 ![]() 32歳、若くて精力的! 仕事に情熱を傾けている姿に好感した。 まだ気概のある制作者が、 テレビ局にもいたのだ! ![]() 過去、番組制作が 頓挫する理由は明瞭だ。 日本政府の指定する危険地域だから・・・・ つまり、取材許可がなかなか下りない。 ![]() 北コタバト州は、 イスラム地域として有名なので、 キダパワンは比較的安全な地域なのだが、 ジャーナリストは恐れて入らない。 ![]() 朝日新聞の木村文さんだけは、来られたが。 今回は、スタッフと話しを慎重に検討して、 安全なアロナの故郷、 ウォーターフォール村を選んだ。 ![]() 谷氏はとにかく、仕事熱心だ。 MCLの子ども達も迫力に押されて 遠巻きに・・・ 「あの人、何????」 ![]() 現地でもひたすら番組構成を・・ 村長、村人、子ども達、 保育士、先生に矢継ぎ早に、 核心を突いた質問をしてくる。 ![]() 翌日、フリージャーナリストの 宇崎眞氏も加わった。 こちらは、マルコス時代のNPAも取材した 猛者のフリージャーナリスト? ![]() この村では、 お父さんが日本人兵士で 日本語を明瞭に話す 老婆と出会った。 ![]() 戦争被害者の一人だが、 姉妹の中で 日本人と結婚した妹だけは、 日本にいるという。 ![]() 妹も亡くなり 今は、10年以上も音沙汰無いが、 寡婦となって夫もいず 日本に帰りたいと・・・。 ![]() 竹小屋に住んでいる。 娘や孫やひ孫といっしょだが、 兄を亡くしたアロナも協力してくれた。 彼女、すっかり元気を取り戻しました 皆さん安心してください!!! ![]() TBSは、 2月に本番で来ると話していますが 実現するか否かは、 まだわかりません。 ![]() 実現すれば 3月3日の9時から10時の特別番組で放映。 日本の若者たちが、この村に来る設定です。 スポンサーはト某自動車メーカー。 村に建設資材を運ぶための 4WDトラックを寄贈していただけませんか? ![]() vn37 想い出の ウオーターフォール ![]() それはまるで、 怒濤のような日々だった。 ![]() 日本のTBSテレビのスタッフが 貧しいマノボの村に、 日本の若者たちが 保育所を建てると言う設定で 学生5名に、タレント一人を加えてやってきた ![]() 彼らが来る前週に 村には、電気が来たと言う場所で、 テレビの取材がどのような 意味を持つかもわからない人々。 ![]() 最近になって、ようやくアポ山が、 世界で二番目に高い山、 であることに気づいた人々! ![]() 去年、フィリピン人が、 エベレストを初登頂して、 彼らは目前に仰いでいたアポ山が 世界で一番高い山ではないことを知った。 ![]() わたしが、「エベレストって知ってる?」 と聞くと、「ラジオで聞いたよ!」 「どこにあるの?」 「アポ山のむこうの方・・・」 ![]() でも、子どもたちは、 物々しい機材と共に遠くから来た人々を 初めは用心深く、 しかし、すぐにうちとけて迎えてくれた。 ![]() とりわけ、 主人公の若者たちとは うちとけるのも早かった。 ![]() 建設は夜遅くまで続いた。 何しろ、通常2週間以上 かけてする仕事を、 5日でやることになったのだ。 ![]() 仕事に対する考え方が 現地と日本では、 天と地とも離れているので とまどいも大きかった。 ![]() こちらの人々の仕事の方法は、 昔の日本のように 「心意気」が大事であって、 「時間」が「心意気」よりも優先されていく。 ![]() 時計も持ったことのない人々には、 現代の日本の考え方が理解できない? 大工やスタッフの反発もあったが、 最後には、ディレクターの谷氏の 「心意気」に押されて成功した・・・・ ![]() vn38 日系人の おばあちゃんから 若者たちが学んだ ![]() 過去、日本人の間に生まれ、 日本語も語れる 日系人のおばあちゃんから、 若者たちが学んだことも多かった。 ![]() 軍政時代の負の歴史 決して日本人が、 好意的に見られてはいないこと、 それをどのように、 友情で乗り越えていったらよいのか! ![]() 今回の最大の驚きは 日本人の学生とスタッフが 変化していく様子だった! ![]() 知らず知らずのうちに 「先進国」と言う意識を持ち、 原住民の文化を 破壊してしまうことの悲しさ! ![]() 見知らぬ国の 異なった文化の人々の中に、 どのように とけ込んだらよいのか。 ![]() ただ単に、お金にまかせて 保育所などの建物を建ててあげたり、 日本で発想した教育方法を 持ち込んでもだめなこと。 ![]() いかに現地の人々の文化や言葉、 そして、心を理解して それに寄り添うようにして、 物事を進めていかなければならないか ![]() 現地の人々の食べているものを食べ、 バナナと芋とコーヒーと野菜 といっても、日本の甘い バナナではなくぼぞぼそしたバナナに 塩辛をつけるだけ・・・ ![]() 野菜と言っても、 山菜のわらびのような質素な 食べ物しかない日々・・・ ![]() こうして最終日の夕方近く、 待望の保育所が完成した! ミンダナオ子ども図書館の規格より 一回り大きな保育所には、 ![]() ガラス窓も入り、 作業にかかる値段も 50万円ほどになったが 立派なものが出来た! ![]() ただし、屋根の青いペンキだけは、 雨が降って、 塗り終わることが 出来なかった。 ![]() 内側には若者たちが苦心して作った アルファベットチャートがかけてある。 マノボ語が入ったチャートは、 初めての事だろう! ![]() 陰に陽に、MCLの若者たちも お手伝いをした。 彼らにとっても、 思い出深い日々だった。 ![]() お別れ会の時には、皆涙を流した。 人に対して、純粋に心を開くだけに 別れには深い悲しみを 覚える若者たち。 ![]() 早朝、学生の一人の誕生日には みんなでハラナをした。 夜明け前に起き出して みんなで誕生日の歌をうたうのだ! ![]() 涙を流したイッセイ君! 別れの日には、 日本の若者たちも 泣き出した! ![]() とにかく、 怒濤のような日々だった。 スケジュールとタイムキーピングに 追われる日本の仕事。 ![]() それとはまるで正反対に流れる ミンダナオの時間。 その強烈な軋轢の中で、 どうしても期日までに 映像を仕上げなければならない・・・! ![]() ギリギリの状況での活動だっただけに、 若者たちや日本人スタッフに 訪れた心の転機は、 大きな意味をもって 今後も生きてくるだろう! ![]() vn39 ロラ(おばあちゃん)に 甘えるマロット ![]() 母さんの亡いマロットに、 ロラ(おばあちゃん)が見つかった! ![]() ダバオから来られた 大本さん一行 姉さんの田中衣子さんが、 ![]() 去年足と腕を骨折して 山から運ばれてきたマロットの 支援者になってくださった。 ![]() 母さんの亡いマロット まるで母親のように甘えて慕う 今も、写真を見るたびに 懐かしくなって涙ぐむマロット ![]() マロットへ たなか きぬこ ![]() ミンダナオ子供図書館に行ったときに、 マロットに会えて本当によかったです。 私には日本に3人の孫がいますが、 マロットは4人目の孫のような気がします。 ![]() みんなといっぱい遊んで、勉強もしっかりね! 5月には日本に帰るので、 マロットのことを皆に話します。 またいつか会える日を楽しみにしています。 ![]() vn40 ミンダナオ子ども図書館に 滞在した思い出 田中 衣子 ![]() たった1泊2日の 短い日程でしたが、 ミンダナオ子供図書館に行けたことは、 大きな感動の2日間でした。 ![]() 美しく手入れされた 庭や畑もそうですが、 何よりも感動したのは、 そこにいる子供たちです。 ![]() 小学生から大学生までおよそ 50人程の子供たちは、 どの子も明るく、人懐こく、 親切で、もてなしの心と節度を 持っているのを何度も感じました。 ![]() 今の日本の子供たちが 失ってしまったものを、 ここの子供たちは 皆持っているのです。 ![]() 食事の時、私達訪問者には 彼らより、立派な お魚のから揚げがついていても、 欲しそうな顔をすることもなく、 ![]() 果物を切り分けた時も、 一番に私達のところに 持ってきて勧めてくれます。 ![]() 少しだけ一緒に遊んだ バスケットボールの時も、 ボールを何度も 私に渡してくれました。 ![]() ここに来るまでには 大きな困難な状況の中に いた子供達ばかりなのに、 ![]() こんなに明るく、 のびのびと生活出来るのはきっと 松居さんの教育が すばらしいのだと思いました。 ![]() 次の日に 連れて行ってもらった、 貧困地域での読み聞かせや、 子供図書館での活動は、 ![]() ほとんど学生が自主的に行い、 松居さんご自身は 助言する程度とのことです。 ![]() キリスト教徒と イスラム教徒の人が ともに過ごすことで、 大人になっても反発しあわないで、 ![]() 共存できる社会を 作ってほしいという 松居さんの思いは しっかりと彼らに届いています。 ![]() 一緒に写っているのは、 私の里子となった ローズマリー、愛称マロットです。 日本に3人の孫がいますので、 4人目の孫ということになります。 ![]() 妹さんの大本和子さんの方は 両親の亡くなった イスラム教徒の少年と、 父親を亡くした少女を 支援してくださる事になった! ![]() 和子さんは、 現在ダバオの日系人会が経営する ダバオ国際大学の日本語教師を ボランティアで勤めていらっしゃる。 ![]() vn41 読み聞かせにも 参加 ![]() 大本さん方は、 読み聞かせにも参加された。 ![]() ミンダナオ子ども図書館の ストーリィテーリングは、 絵本の読み聞かせから 次第に読み語りにシフトしている。 ![]() ミンダナオでは、 オリジナル言語の絵本が無く、 ![]() 現地語を生かすためには、 語りを取り入れる 必要があるからだ。 ![]() それにしても、皆、 語りが驚くほどうまい 子どもの頃から、お話を聞いて育ち 昔話も生きている世界だからだ。 ![]() vn42 アジア学院の長嶋氏が 奥様と息子さんと訪問 ![]() 有機農法を中心に長年アジアから研修生を 受け入れて来たアジア学院。 長嶋氏は再訪だが、 今回は奥様と息子さんと来られた。 保育所の建ったイスラム地域 パイドプランギでグレイスさん と語る長嶋一家。 ![]() あらためて支援者の名が入った ボードを設置しているところ。 行橋カトリック教会の方々のために 「MIEKO MIZOTA Fr. YAMAMOTO & FRIENDS」 と書かれている。 ![]() ![]() 長嶋氏の息子さんは、 シリマン大学の医学部を卒業後、 ミンダナオの方と結婚し、 現在はデュプログの病院で インターンとして活動している。 ![]() 滞在中に医療患者が来られると さっそく対応。 医師として立派に 対応されている姿が頼もしい。 ![]() フィリピン国籍が無いと医師として 受け入れられないので、 現在フィリピン国籍を申請中。 病院が、貧困層とかけ離れている矛盾も 良く理解しており、 ![]() 貧しい人々の 中に入って活動したい と言う希望を持っている。 ![]() その観点から、 ミンダナオ子ども図書館の 活動にも評価を・・・ 将来ここを拠点にしてくだされば、 多くの命を救えるだろう。 ![]() 今回、何よりもの「成果?」は、 奥様の滞在だった。 奥様は、タイの方だが、 さすがに似た状況のミンダナオの子たちに、 何が必要かを良く知っておられる。 ![]() 足踏みミシンを寄付してくださり、 裁縫の基礎を 若者たちに教えてくださった。 その後、若者たちはもう夢中・・・・ ![]() 帰られた後も、 図書館に住み込んで 子どもの面倒を見てくださっている 寡婦のドリンさんが、 裁縫を引き継がれた。 ![]() 今は、1月27日。 ムスリムデーの踊りで使うマロンを制作中。 今年度の子ども達の 制服もここで作るつもりだ。 ![]() 長嶋ご夫妻曰く 「ここにアジア学院をリタイアされた方々や 教会関係者の第二の人生の 活動拠点を作りたいなあ。 ![]() 気候もさわやかだし、 緑豊かでアポ山の眺めも良いし。 小さいながらも良い総合病院もあるし、 温泉もあるし、 ![]() 卒業生のエラさんもいるし、 息子のクリニックも出来れば・・・・・」 ![]() vn43 スタディーユニオン寄贈の 保育所開所式 ![]() 関 浩成さんと ![]() ![]() 立命館大学・ 同志社大学の若者が参加 ![]() ![]() マノボ族がおもに住んでいる この地は、山奥で、 保育所が建ったマノビサ村までは、 最後は歩いてしか到達できない。 ![]() しかし、まだ若い関さんと 学生さんたちは、 元気に村まで登っていく! ![]() この村の貧困度はひどく、 靴を履いていない子も多い。 ![]() 山に生えている ほぼ野生の山芋や 原種に近いバナナを植えて、 ![]() コーヒーやカカオや豆を 木の臼でついて粉にして 食べて生活している。 ![]() 現金収入は、 野生に生えている ほうき草を刈り取って、 ホウキを作って町に売りにいくぐらい。 ![]() その収入で、 塩を買って帰れるぐらいで、 米はめったに食べられない。 ![]() 砂糖もめったに食べられない貴重品で、 こうした村から来た子たちが、 MCLでココアやコーヒーを作ると 山ほど砂糖を入れたがる 気持ちが良くわかる! ![]() サトウキビは、 時々かじることもあるけれど、 お砂糖=大御馳走! ![]() MCLの子どもたちが、 読み語りをした! ![]() 最初に、 日本の若者たちもいっしょに 歌って踊って楽しんだ後、 いよいよ、読み語りが始まった! ![]() 絵本も本も 見たことのない子どもたちは、 絵を見ながら お話を聞いて大喜び! ![]() ![]() そして最後に、 MCLの子どもたちが、 「おおきなカブ」のお話から作り上げた、 「おおきなカサバイモ」の劇を演じた。 ![]() ミンダナオには、カブは無いけど、 カサバイモなら、 子どもたちは毎日山に採りにいっているし、 ![]() 猿も出てきて、 最後はネズミが、 イモのまわりをコツコツ掘って カサバイモがスポット抜けるのは、 こちらのカサバイモの掘方だ! ![]() vn44 北野財団寄贈 マノボの山の村に 保育所が完成 ![]() バンシラン村は、 山奥の集落で、 車が通れる道も無い。 ![]() ![]() 行くとしたら 登山道を歩いて登るか、 ![]() 建設材料や荷物があれば、 水牛か馬の背中に積んで、 急な斜面を登っていくしか 方法がない。 ![]() ![]() この道は、 普段子どもたちが、 小学校に通う時に、 毎朝通り道! ![]() 小学生なら、 小さい子でもお兄ちゃんと一緒に、 山道を歩いてジャングルを抜けて、 下の村にまで行けるだろうけれど、 ![]() この道を、 小さな幼稚園の子たちが 毎朝通うことなど、 出来るわけがない! ![]() そこで、 何とか保育所を 村に作ってくれないか! という、悲痛な声が聞こえてきた。 ![]() こうして、 MCLでは、この村に 保育所を建てる 決断をしたのだ! ![]() 可愛い子どもたちの ためとは言え モオー、 ![]() 人間どもは、 よくまあ あんな山奥の村にモオー ![]() 保育所などを たてるもんだモオー ![]() 保育所は、 村人の尽力で見事完成 ![]() 今年から、 フィリピン政府は、 以前よりさらに厳しく 保育所卒業を小学校入学の条件とした。 ![]() その結果、 こうした僻地の先住民は さらに厳しい教育の機会喪失に 見舞われていく。 ![]() ここでも、 貧困と格差が 助長されていくのだろうか! ![]() vn46 開所式の読み語りと、 お祝いの食事 ![]() 読み語りは、 保育所の中で、 保育所の子どもたちに行われた! ![]() 日本から 大澤潔くんが来られた! 右は、息子の松居陽! ![]() 外にいないで、 入っておいでーーー! ![]() 正式に寄贈書類にサインがされる。 サインをしているのは、 村長さん! ![]() サイン後は、 保母さんに書類をお渡しする。 建設後の管理、修復は、 現地の村に責任が委託されている。 ![]() しかし、その後、 次第に明確になってきたのは、 5年もたつと、竹壁が破れたり、 トタンに錆が入ったりしてくる。 建設後の修復は、村に委託されているが、 貧しい村では、修理費が出せないこと! ![]() それで、2021年のMCL理事会で、 今後、全保育所をチェックして、 訪問してきた若者たちにも手伝ってもらい、 MCLで修復していくことに決めました! ![]() 炊き出しの米を持参して、 ![]() 村人たちにお祝いの食事が ふるまわれた! ![]() ![]() 普段は、 米もめったに食べられない 子どもたち。 ![]() ![]() ごはんが食べられるだけでも、 大喜び! ![]() ![]() ![]() 父子家庭で、 貧しい子がいたので、 奨学生に採用しました! ぼくが、がんばって学校を出たら、 家族を助けるんだ! ![]() 下の子の めんどうを見ているのは、 お姉ちゃん! ![]() vn47 開所式が終わり 帰路をたどる ![]() この日で、 村との関係が 終わるのではない。 ![]() この日から、 この村の人々との 関係が始まる。 ![]() 保育所建設は、 このへんぴな マノボ族の村との 関係の始まりなのだ。 ![]() vn48 機関誌『ミンダナオの風』 発送と 子どもたちからの手紙 ![]() 毎年、年六回隔月で、 機関誌『ミンダナオの風』を発行している。 スカラシップ支援者の方々には、 それに同封して、 子どもたちからの手紙をいれる。 ![]() 支援者に送る 手紙を持ってきた子供たち マノボ族の村、プロック8村にて。 ![]() 子どもたちは、 一生懸命手紙を書くけれど、 小学生の場合は、 まだ文字や英語が書けない子もいて、 ![]() 書ける子に手伝ってもらったり、 タガログ語の子は、 私たちが英語の翻訳をつける。 ![]() 中には、私宛に、 熱烈なラブレター?をくれる子もいる。 どうやら、足長おじさんのように 思ってくれているらしい。 胴の方が長いのだが・・・・・ ![]() 「We love you ! お願いがあります。 外国にいったら、私を受け入れてくれる、 もう一人のお父さんを 見つけてきてくださいね。」 と書かれている。 ![]() ミンダナオの子どもたちは、 自分の想いを素直に 一生懸命表現しようとする。 ![]() スカラシップを受けている 子たちの現状を調査するのもこのときだ。 貧しいマノボの村では、 親のいなくなった子は大変だ ![]() 今回の調査で、 小学生のスカラシップ (里親奨学制度)の子たちだが、 母親が亡くなり、父親は別の女性と いっしょになったまま行方しれず。 ![]() 完全に見放された 状態でいることがわかった。 右の男の子(小学生)が、左の妹と従妹、 右の継母の祖母の面倒を見ていた。 ![]() 他所の田んぼや畑の 草刈りや日雇いをして、 日銭を稼いで妹たちを学校へ・・・ 彼の成績が落ちてきているのでわかったことだ。 ![]() 三人は、 下の祖母の家を始め、 親戚の家を転々として生きている。 ![]() 身よりも無い状態なので ミンダナオ子ども図書館に 引き取ることに決めた。 ![]() 里帰りした奨学生も元気だった。 ミンダナオ子ども図書館に戻るための 山からの交通費を稼ぐために、 アロナは、山で一日 薪拾いの日雇いをしていた ![]() vn49 アルバちゃんを 訪ねる ![]() かつてやせ細り、 餓死寸前で 難民キャンプで見つかったアルバちゃん ![]() 行橋カトリック教会のミルク支援で、 すっかり丈夫に! ![]() 目は見えないけど、 座ることも出来るようになりました。 ![]() 奇跡的に。 これからも、 支援を続けます。 ![]() vn24 ミンダナオ子ども図書館 からのぞむ満月 ![]() 電気を消すと、 たくさんの蛍が飛んでいる ![]() 若者たちの話だと、 夜はこのあたりに 妖精が飛んでいるという。 ![]() 特に、満月の夜は要注意! 妖精に声をかけられても、 返事をしないこと。 ![]() あっちの世界に 連れて行かれて、 帰れなくなることがある。 ![]() 特に大きな木や岩のある場所は、 気をつけて通り抜けること。 「ああ、きれいな月夜だなあ」などと 賞賛する言葉は、絶対に言ってはならない! ![]() ![]() 妖精が振り向いて 「こっちへおいで」と誘うから。 ![]() |
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vn21 2020年には、 スタディーツアーは、行わないものの ![]() ![]() 上述の記事を書いた2008年当時は、MCLが始まってから7年目で、 それほど一般に広く、知られていたわけではありません。 それゆえに、訪問希望者の方々のほとんどは、支援者の方々でした。 ![]() ![]() 支援者の方々は、家族として受け入れ、 ダバオ空港までお迎えにあがり、宿泊費なしで滞在し、 支援している子に会いに学校に行き、そこからさらに、実家を訪ねます。 ![]() ![]() 山の原住民やイスラム教徒の極貧の寒村ですから、 驚くべき体験になると同時に、 奨学生たちのほとんどが、支援者に出会って涙を流して抱きついてきます! ![]() 支援者の訪問は、良いのですが、 2013年にテレビ東京の「なぜここに日本人」などで放映されて以降、 ご覧になりたい方は、以下をクリック! ![]() 若い世代を中心にMCLを訪れたいという希望者が増えてきました。 ![]() ![]() 訪れた若者たちのほとんどは、現地の子どもたちに囲まれると、 感動して、ときには涙を流します。 聞くと、引きこもりや人生に行き詰まりを感じている、若者が多い事もわかってきました。 ![]() ![]() 彼らの心は、ここに来ると、子どもたちの力で、心が底から解放されて、 本来の自分にもどるのです! その後、日本で調べてみると、驚いたことに、青少年の自殺率も世界で一番か二番目! そのような現状を知るにつれて、 日本の若者たちも視野に入れて、活動をしなければという想いが強くなってきました。 ![]() ![]() そして、2020年には、 スタディーツアーは、行わないものの、希望があれば若者や家族たちを、 支援者同様に、宿泊費なしで、家族として受け入れることに決めました。 ![]() ![]() しかし、お客様のような接待や事前に計画した体験学習スタディーツアーなどのプロジェクトは行わず、 状況にもよりますが、その時々の状況で、 スタッフの活動や読み語りに同行したり、 ![]() ![]() 子ども達と遊びで海や滝にいったり、 山を登ったりすることは、可能であることに決めました。 しかし、メインは、あくまで現地の子どもたち! ![]() ![]() 状況にもよりますが、 基本的に訪問者のための、 特別な企画は、立てないことを了解していただければ幸いです。 ![]() 訪問について知りたい方は、以下をクリックして訪問希望サイトに移行してみてください。 ![]() ご質問やご希望は、現地日本人スタッフの宮木梓さんにメールでお願いいたします。 mclmindanao@gmail.com ![]() |
![]() サイトは保護されています、 個人情報が流出することはありません! |
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金額を選択し寄付をするをクリック! 通信欄やメールで宮木梓 |
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毎回振込後に、宮木梓からお礼のメールとが届きます! 奨学金は物価高騰もあり、2021年より以下に変更いたしました。 一年間、小学校42000円、中高60000円、大学72000円 卒業後も支援額を変更して継続、別の子を紹介希望、終了希望は、 通信欄かメールで宮木梓宛に、寄付の内容や要望をお書きいただければ、 宮木梓が、対応いたします。 メールが難しい方は、日本事務局に携帯かお電話で対応いたします。 |
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郵便局、銀行またはコンビニ、ATM、ネット振込は以下です! 基本は、自由寄付です。振り込まれた方には、隔月に機関誌をお送りします。 |
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