戦争と貧困と平和構築の記録 2008年(6)


現地の状況は非常に良くない
戦争に加え洪水が襲った!
 
1 GO! 現地の状況は非常に良くない
2 GO! 状況は急速に悪化している
3 GO! 子どもたちは可愛い
4 GO! 装甲車が戦闘地に向けて
5 GO! 洪水がピキットを襲った
6 GO! 水害は毎年数回起こる
7 GO! 私たちは副市長と
8 GO! 最大の問題は飲み水だ!
9 GO! 洪水被害は続くだろう
10 GO! 緊急支援に向かった
11 GO! 日本政府が寄贈したダンプカー
12 GO! MCLをよく知っている
13 GO! いよいよ舟に乗ることに
14 GO! 広大な地が水に浸かって
15 GO! 学校も村も水の中だった
16 GO! 悪いことに戦闘が起きた
17 GO! 最も困っているのが医療
18 GO! 難民が洪水に見舞われて
19 GO! 奨学生の事が気になった
20 GO! 難民キャンプの概況
21 GO! 戦闘を恐れて帰れない
22 GO!再び洪水が襲った
23 GO!心は鉛のように重たい
24 GO!写真は私と息子が撮る
25 GO!地道に活動しよう
26 GO!去る鳥は追わずに
27 GO!恐ろしいことになった
28 GO!くり返し洪水が襲う
29 GO!ビニールシートに大喜び
30 GO!道ばたの空き地に避難
31 GO!川沿いの村も襲った
32 GO!高校も水のなかだった
33 GO!毎年数回洪水が起こる
34 GO!水は床上から軒下までたっし
35 GO!学校に避難した子供たち
36 GO!さらに大きな洪水が襲った
37 GO!学校もすっかり水の中
38 GO!学校はボロボロ
39 GO!混沌の中で:松居陽
40 GO!予算との戦いだ:松居陽
 


1)しかし、現地の状況は
  非常に良くない


日本のODAである、
J-BIRD、
草の根・人間の安全保障
無償資金協力で、
ミンダナオ子ども図書館が、
提案した場所に、

最初の小学校が、
建てられることが、
ほぼ、
決定され、

大使館から、
調査が入り、
大使館担当者、
エンジニア、教師、
そして、MCLのスタッフも同行した。

スタッフの話だと、
訪問者の顔は、
終始無言で、
強ばっていたと言う。




2)状況は
  急速に悪化してる


隣村のアレオサンでは、
2000を超える
難民が出ていると、
先週は、報告したが、

状況は、
急速に、悪化してる。

今回の学校調査にも、
私は、
現場まで、
同行できなかった。
初めてのことだ!

現地には、
反政府軍が、
大量に集合している。

MILF軍とは、
しばしば、
面会したことがあるが、
今回は、事情が異なる。

地元の司令官だったら、
私の事も
知っているのだが、

他所から、
多く集まってきて、
戦闘の準備をしているとなると、
さすがに、危険だ!

報道されていないが、
アレオサンの戦闘で、
かなりの
MILF兵士が、
亡くなった。

その結果、
反政府勢力は、
かなり、
逆上しているという。



3)子ども達は
  かわいい!


しかし、
子ども達は、かわいい!

何度も現地で、
読み語りをしたり、
MCLのスカラーに採用した
子達もいる!

彼らが、
厳しい難民の状態に、置かれたら、
私たちは、何としてでも、
救済活動に、
行かなければならない!

親が殺されたり、
亡くなったりしたら、
奨学生にして、
ミンダナオ子ども図書館に引き取り、
生活を共にしていく。

困窮している、
家族のためには、
図書館を一時的に、
難民場所として、解放することも、
視野に入れている。



4)装甲車が、
  戦闘地に向けて


帰りに、
政府軍の装甲車が、
幾台も戦闘地に向けて
走っていくのを、目撃した。

戦闘の火種は、
アレオサンから、
ミッドサヤフにも、
広がっており、

ピキットから、
場合によっては、
カバカン、アラカン、カルメンなどが、
戦禍に、飲み込まれるだろう。

ミンダナオ子ども図書館に住んでいる
スカラー達は、
戦闘地域から、離れているので、
無事だけれど、
下の子は、2018年現在は、
結婚してスタッフになっています!


現地にいる
スカラー達の事を考えると、
本当に悲しい。



5)そのような戦闘の不穏な状況のなか
  洪水がピキットを襲った


この、ピキットの洪水に関しては、
日本でも、
報道されたようだが、
ジャーナリストで、
現場に入った者はいない。

危険地域に、
指定されているので・・・
政府の許可が、
降りないのだという。

しかし、私たちは、
ピキット市のDSWD(福祉局)と
協力して、
難民救済の
支援活動を開始した。

まずは、
この地域の中の
プノルとパイドプランギ村に、
食料支援を持っていった。

MCLは、
平和なときにも、
村々とつながり、
保育所支援や読み語りなど、
さまざまな、
支援活動しているので、

今回の食料支援は、
市当局によるものだが、
市当局のほうから、
同行の要請が、入ってきた。

まずは、
米の支給だが、
米の値上がりもあり、
一家族に1キロだ。

洪水が発生して、
2週間がたち、
市のダンプトラックで、
途中までは、入れたけれども、

しかし、
腰を越える水が、
激しく流れる地域で、
トラックは、ストップした。

避難民の人々は、
少しでも、
乾いた場所を見つけて、
避難生活を、
余儀なくされていた。




6)水害は、
  毎年4,5回ほど起こるのだが


こうした水害は、
ピキットでは、
年に4、5回ほど起こり、
最初は、なぜだかわからなかった。

しかし、
次第にわかってきたのは、
原因は、
この地域の雨というよりも、

このリグアサン湿原の上流にある、
フィリピンの最高峰アポ山の
広大な山麓地帯で、

1960年代から、
ことごとく
ジャングルが、伐採されて、

ラワン材、
マホガニーなどの熱帯材が、

ベニアや家具の
原材料として、
主に日本に、
輸出された結果だという。

熱帯材の伐採の後に、
見渡す限り、
バナナプランテーションが、
広がり、
保水力が、無くなって、

広大な高原地帯に、
雨が降ると、
大量の水が、
ミンダナオ最大のプランギ河に
流れ込み、

東南アジア最大の湿原
と、呼ばれている、
リグアサン湿原に、
大洪水を起していたのだ!

上流のじゃんぐるの
ラワン材やマホガニーの伐採も、
その跡に植えられた、
高原バナナも、
日本も、
深く関わっている、ことがわかり、

ショックで、
蚤のように小さなNGOに
すぎないけれど、
せめて、何か行おうと、

後日、
先住民の住む高原地帯に、
経済支援もかねて、
ゴムやカカオの植林を始めた。

環境植林支援 GO!


7)私たちは、副市長と

車で行き止まった、
地点から、
舟に、乗り換えて、
さらに、奥地の調査に向かった。

このあたりは、
MILFのテリトリーだ。
もちろん、
学校は、閉鎖状態!

舟で、
奥地から、
避難してきている難民が、
一部、住み着いている。

この水の下に、
つい近日まで、
何と、トウモロコシ畑が、
広がっていたとは・・・!

想像を絶する、
光景だった!
苦労して育てた、農作物は、
すべて壊滅!

住んでいた人たちは、
かろうじて
乾いた場所に避難すると、

魚を捕りながら、
それを、ほとんど、
生で食べて、
生活している。

現金が、
あろうはずも無く、
残りの魚を売って、
日銭を稼いで、生活している。

広大な、
湿原の対岸の

ARMM(イスラム自治区)地域の
小学校は、
半分ほど、水没していた。

人々の多くは、
多少でも、
水の少ない場所に
避難している。

移動は、
バナナを切って作った、
イカダを使ったり、
ボートに頼って!



8)最大の問題は
  飲み水だ!


洪水で汚れた、水を、
飲んでいるので、
激しい腹痛と、
下痢の症状が出ている。

また、素足で
水の中を歩くので、
足を切り、
傷口が、
膿んでいる子が多い。

正露丸の蓄えは、
多少有るものの、
抗生軟膏が、不足している。
風邪の症状も心配だ。

医療ケアは、
これから
水が引いていく過程で、
より、重要になってくるだろう。




9)洪水被害は、
  今後も続いていくだろう


下の写真は、
市のダンプトラックと、
支援の米を受け取りに
近隣から、
ボートで来た人たち。

通常は、
このあたりは、
トウモロコシなどの
畑が、広がっている。

でも、子どもたちは、
洪水でも、明るさを失わず、
本当に、けなげに
生きている!


こんな、
子どもたちを見ると、
がんばる勇気が、湧いてくる!
そのなかから、
親のいない子などを、


奨学生として、
採用して、
すでに、MCLのスカラシップを
受けている
現地の奨学生の若者たちと、

水が、引くに伴って、
医療活動を展開しよう
と、話し合っている。

食料もないので、
米の支援の問題もあるが、
緊急の支援を
お願いできる場合は、

振替用紙に:
「ピキット支援」または
「洪水支援」と記入して、
ミンダナオ子ども図書館の口座に
振り込んで、いただければ、
今回の洪水緊急支援の活動に、
充てて行きます。

食料も含め、
全額を、洪水支援に充てます。
口座番号はいつもの通り
加入者名『ミンダナオ子ども図書館』
郵便振替口座番号 0010 0 018057


洪水と植林活動
映像を 見たい方は ここをクリック


10)緊急支援を必要としている村に
   DSWD福祉局と共に向かった


もともと、
年に3,4回、
大きな洪水のある
地域だが、
今年の状況は、異常だ!

すでに4回も、
大洪水に、襲われている!
退いたかと思うと、
また、襲ってくるのだ。

前回、難民キャンプのある
パイドプランギの状況を報告した。
しかし、他の村々の事が、
気になって仕方がない。

たとえ、戦闘地域から、
多少離れていたとしても、
川沿いの村々は、
大変だろうと想像し、

MCLで、
独自に行動を
起こそうとしていた矢先に、
市の福祉局が、食料支援を決定!
同行することになった。



11)日本政府が
   寄贈したダンプカー


日本政府が、
ODAで寄贈した
ダンプカーが、
実に、役に立っている。

ミンダナオ子ども図書館の
支援活動にも、
福祉局を通して、
私たちも、
繰り返し、
使わせてもらっている。

米を
積み込み、
グリグリ村まで行く。

洪水の影響を受けている、
第一の村は、
ブロッドだ!

この村は、
ミンダナオ子ども図書館で、
保育所を建てたところだが、
水が、多くて、
近づけないので、

住民に、
グリグリ村まで、
来てもらって、
支援物資を手渡した。



12)さすがに皆、
   MCLの事をよく知っている


私が、珍しい日本人で
あることもあるが、
「うちの子が、
 スカラーで、お世話になって・・・」
などと、声をかけてくれる。

下の写真は、
ヘアリップを治療した少女!
久しぶりに再会して、
うれしそう!
こちらも、うれしい!
ご両親も、うれしそうだ。

こういう再会が、
あるから、
この仕事は、
辞められない。

また、人々が、
私のことを、
よく知っているので、
安全も、保たれている・・・。
と言っても、
危険は、常に存在しているが!


13)いよいよ
   舟に乗ることにした


グリグリから、
いよいよ、
舟に乗ることにした!
普段は、船着き場ではない。

上の写真は、
一見、船着き場に見えるが、
洪水の無いときは、
ただの畑なのだ!

ごらんのように、
庭も、
野菜畑も、
ココナツの林も、
水の中だ。

ここから先にある、
村々が、
水に浸かっていて、
その広さは、広大だ!

私たちは、
ここで、
配給の米を
エンジン付きボートに移し替えて、
湿原地帯の奥の村々へと、
向かった。



14)広大な地域が
   水に浸かっている


遠くに、
家々が見えるが、
すべて水の中!
広大な地域が、
水に浸かっている。

一見、
湿地に見えるが、
本来は、畑だった場所。
下の写真は、
支給した米をもらって、
ブロッドに、
帰るところの家族たち。

以前にも
会ったことのある、
家族たち!
普段は、歩くか車か、
バイクで帰るのだけれど・・・。

まるで、
海か、湖の上を
走っているようだが、
遠くの家々を、
見ていただければ、

ここが本来、陸地で、
しかも、
トウモロコシなどの
畑であったことが、わかるはずだ。

家々は、
すっかり軒まで、
水に浸かっている。
難民化している人々もいるが、

驚いたことに、
2階に、
住んでいる、
家族もいる!

舟をつないで、
魚を捕りながら、
それを、
市場に売って生きている。
しかし、この汚れた水を
飲んでいるのだ!

世界一大きな、
七メートルを超すワニも
この湿地帯には、住んでいます。
『サダムとせかいいち大きなワニ』
(今人社)という絵本で、書きました。
読んでみてくださいね。


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g15
15)学校も村も
   水の中だった


カバサラン村の、
学校に着いた。
学校も、周囲の村も、
すべて、広大な水の中だった。

「これでまあ、
 よく生活をしている」と、驚いた。
見渡す限り、
どこもかしこも、
水水水!

まったく、
陸地というものが、
見あたらない・・・。
教室の中も、学校の周囲も、
村の広場も、

小さな売店も、
家という家は、
すべて水の上。

洪水になったら、
どこに、避難するのですか?と、
聞いたら、
小さな小舟に、避難して、
その上で、
寝泊まりするのだという。

この様な場所に、
魚以外に、
食料が、
有ろうはずもなく、
人々の生活は、困窮している。

ここにも、
後日、
日本のODAの支援を
JICAと政府に提案して、
小学校を建てた。




16)悪いことに、ピキットの西では、
   戦闘が起こっている


戦闘による、
難民キャンプの方には、
国際的なNGOやワールドフード、
赤十字の食料支援が、入っているが、
(今はそれも滞っている)

洪水による避難民たちは、
まったく、
戦争避難民支援の
対象には、ならない。

かろうじて、
現地の地方自治体の
DSWDだけが、
米を支援したのみ。

現在、ピキットで、
最も困窮しているのは、
長期滞在の戦闘難民と
洪水の中の人々だろう。

全く、支援の手が、
さしのべられずに、
広大な地域に住んでいる、
人々とその家族が、
困窮している。

戦闘難民を加えると、
イスラム自治区の
広大な地域が、
大変な、状況だと言える。




17)最も困っているのは、
   医療の分野だと判った


とりわけ、
お腹を壊して、
激しい下痢の症状が多い。

次に、風邪と熱。
ここでは、
子どもたちの病気が、
多いことが、
わかってきた。

そこで、
ミンダナオ子ども図書館で、
ドクターと協力して、

洪水地域を対象とした、
メディカルアウトリッチ(医療支援)を
近日中に、
行うことに、
決定し実行した。

他のNGOが皆、
戦争避難民のキャンプに
向かっている現在。

MCL以外に、
この地域を支援する
NGOは、
現在ないだろうから・・・

もちろん、
炊き出しや
医療も継続していく。



18)川沿いの戦争避難民のキャンプが
   洪水に見舞われている


パイドプランギに近い、
村道上の
難民キャンプが、
激しい洪水に襲われた!

つい先週に、
読み語りで訪れた、
場所も水没し、

村には、
カヌーでしか、
近寄ることが出来ない。

難民たちは、
戦闘の恐怖の後、
さらに、水害に襲われ、
踏んだり蹴ったり!

水害は、
R7と呼ばれる
川沿いの村々も襲い、
タリタイもラジャムダも、
水のなかだ。

2年前に、
USAIDで作られた、
比較的立派な村道が、
町の水害を防ぐ、
防波堤の役割も、
果たしているが、

逆に、
川沿いに建つ家々や村は、
なんと、屋根まで届く、
水害に犯されている。

海外による道路支援が、
場所的に、
水害をひどくした形になり、
戦闘ではなく、
水害による大量の難民が、
出ている。

パイドプランギとプノルの
分岐点にある、
道路沿いの難民キャンプは、
激しい洪水の流れで、
仮小屋が、さらわれてしまった。



19)ここにすんでいるスカラーの
   アイサちゃんの事が気になった


かろうじて、
水が、届かなかった家々で、
難民たちは、
さらに、不自由な生活を
しいられていた!

床も、
泥だらけで、
眠ることも出来ない!

ここにすんでいる、
奨学生の
アイサちゃんの事が、
気になった。

何とか、たどり着くと、
彼女の仮小屋も、
水の中だったが、
竹で、高床をしいて、
かろうじて、生き延びていた!

戦争で、
両親とも、失ってしまった
アイサちゃんと妹に、
ミンダナオ子ども図書館に
来るように、誘ったが、

家畜がいるので、
置いていけないのだと、
おばあさんが、語っていた。
そこで、
手元にあったパンを、
袋ごとあげた。

アイサちゃんと妹は、
その後、MCLに住み、

2018年は、
ミンダナオ子ども図書館に、
住んでいる。
アイサちゃんは、大学生に!


下の写真の
小屋のなか、
後ろで、見ている妹は、

あんなに
小さかったのに、
高校生に!


2021年には、
彼女も
大学生になりました!




20)難民キャンプの概況

「戦闘は、一時的であり、
 すでに治まっている!」
という、行政の判断の元に、
避難民たちは、
避難場所から退去させられ、

ピキット市中心部の
穀物倉庫や、
学校を利用した、
難民キャンプは、
ほとんど、閉鎖された。

学校も、
洪水に襲われてる地域を
除いては、
授業を再開したという。

あれだけ頻繁に見た、
赤十字をはじめとする
国際NGOも、
約3週間の活動の後に、
姿を消した。

たまに、
現況視察をしているが、
米や食料の支援も、
無くなった。

難民たちは、
確かに、市中心部からは、
消えたけれど、
追い出された人々が、
市の周辺部に移転して
仮小屋にいる。



21)戦闘が続いて
   恐ろしくて帰れない


とりわけ、可哀想なのが、
戦闘で、
家を焼かれた、
アレオサン近辺からの難民たちだ!

まだ散発的に、
戦闘が、続いており、
恐ろしくて帰れないのと、
帰っても、
家が、腐って崩れてしまい、
家が、ないのだ。

さらに、山沿いの
カラカカンやナラパアンでは、
山に、
反政府ゲリラが、
集結しているので、
怖くなり、

新たな難民となって、
バランガイと呼ばれる
村の中心部に、
集結し始めている。

現在は、ラマダン期間中で
比較的平穏だが、
ラマダン明けと同時に、
反政府組織は、
戦闘を開始すると、言われている。

政府軍も、
集結を開始しているし、
イスラム自治区内では、
戦闘が、継続しており、

時々、
ピキット市内でも、
砲弾の音を
耳にする。

現在NGOで、
活動しているのは、
ミンダナオ子ども図書館と、

ポンポン神父率いる、
OMIのカトリック教会のみ、
という状況に、
再び、
なってきている。

取り残された難民は、
僻地で
3ヶ月目に入り、

病気などが、
広がり、
死亡する子も、
出てきている。

難民生活に、
疲労が、
見える時期なのだが、
国際支援は、消えてしまった。

 

 
22)よりによってそのような時期に、
   ふたたび洪水が襲った!


今年の気候は、確かに変だ!
突然の集中豪雨が、
毎日のように、
襲ってくるのだから!


下の写真は、
つい10日前に、
パイドプランギで実施した
医療と読み語りの写真。

道路は、乾いており、
人々も
通常の生活をしている。

しかし、
さらに下の写真は、
まったく同じ場所の
先日(9月5日)の写真。

写真のなかに、
同じ大木が、写っているので、
かろうじて、
同じ場所だとわかるが、
周囲は、
どこまでも水だらけだ。

下は、山元神父さまと
行橋カトリック教会が、
寄贈してくださった
保育所だが、
今は、難民キャンプとなっている。

子どもの健康被害がひどく、
風邪、熱、腹痛、
皮膚病が、蔓延し、
死ぬ子が出てきている。

原因の多くは、
衛生状態と共に、
食生活の不足による
基礎健康の悪化だ。

私たちは、かろうじて、
この地に、
カヌーで到達したが、

北海道時代に鍛えた、
カヌーの腕が、
この様なところで
役に立とうとは、想像もしなかった。



23)笑顔で写っているものの、
   顔はひきつり、
   心は鉛のように重たい


戦闘の進行状況が、
精神や心に、
絶え間なく、重圧として、
覆い被さってくるけれども、

一人の力では、
どうにも、
跳ね返すことの不可能な、
重圧!
このような経験は、初めてだった。

雨がふれば、
難民キャンプで、
ずぶぬれになっているだろう、
子どもたちの事が、
気になって、しかたがない。

砲声の中で、
蚊やブヨにさされて
暮らす日々。

汚れた水を飲み、
日に、一食も
食べられない生活を
想像すると、
胸が痛む。

私自身も、現在55歳で、
体も精神も、
さすがに、
無理は利かなくなった?

友人たちは、
定年退職を、
始めているというのに、
この仕事は、緒に就いたばかりで、
まったく試練の連続だ。



24)写真も記事も、
   私と息子が撮っている


たまに、
自分の写っている
写真を、
サイトや機関誌に載せないと、

「現場写真は、
 現地スタッフに撮らせて、
 解説だけを、
 好きにかってに、
 書いているのでは!」
と、思われるらしい・・・・。

すべて、現場に足を運び、
スタッフに
早急の対策や指示を出し、
写真も記事も、
すべて、僕と息子が、
撮っているのだが。

下で、ビデオを撮影しているのは、
息子の松居陽。
この赤い文を書いている
2018年は、
ミンダナオの女性と結婚して、
アメリカに住んでいます。



25)子どもたちを最優先して、
   ゆっくりと地道に活動しよう


戦闘が、勃発して以来、
支援者への対応も不規則で、
寄付のお礼の葉書も、
遅れがちになって、

最近は、しばしば
メールで、
遅滞のお叱りを受ける。

豊かで平和な、
日本と、
ミンダナオの現状の
あまりの相違が、
理解できず、

怒り心頭にきて、
離れていく
支援者もいらっしゃる。

何しろ、
この様な危険と、
常時、隣り合わせの場所で
活動しているので・・・
日本人は、私一人。

日本人の
ボランティアも、
日本人の
スタッフも居ない。

2018年現在は、
宮木梓さんが、
日本人現地スタッフとなり、
しっかりと
対応してくださっています!



26)去る鳥は追わずに

イスラム地域の
大湿原も、

原住民の住む、山岳地域も、
現地NGOですら、
怖がって、
寄りつかない地域。

去る鳥は、
追わずに、
現地の子どもたちを
最優先して、

ミンダナオ子ども図書館の合い言葉!
ヒナイヒナイ バスタ カヌナイ
ゆっくりゆっくり 
でも たえることなく!

水牛のようにゆっくりと、
地道に、
活動していこう。

寄付を下さった方々に、
隔月で発行している
機関誌「ミンダナオの風」
2020年12月号に、
水牛のように、活動していきたい思いを、
訪問者の記事と共に、
特別に、PDFでサイトで読めるように、
掲載しましたので、
以下をクリックしてご覧下さいね!


PDFへGo!


27)それにしても
   恐ろしい事になった


写真は、
先週、戦闘が起こった、
タブドク村だ。


椰子の木の傷は、
虫食いでは、なく、
銃撃戦の掃射跡だ。

椰子の幹が、
弾丸で、炸裂している!
砲弾で見事に、
椰子の木が、折れて、
裂けているものもある!

来週から、
この村とクランボク、
ブアランの子たちを対象に、
炊き出しを始める。





28)戦争が、しばらく治まっても
   繰り返し洪水が襲ってきた


戦闘地域が、
大洪水に、
襲われた結果、

兵士や戦車、
装甲車や軍用トラックの移動も
困難になり、

戦争が、
しばらく収まった
感じになった。

本来ならば、
戦闘が、収まると、
避難民たちは、
自分たちの集落にもどり、
生活の立て直しを、
開始するのだが、

このような洪水に
襲われてしまった結果、
自分たちの集落にも、
戻れない。

たとえ、
もどれたとしても、
家屋は、破壊されて腐りはて、
作物は、
米もトウモロコシも全滅し、

家畜は、
牛やヤギも、
ニワトリたちも、
どこにいったかわからない。

なけなしの家財道具も、
流れていってしまい、
見当たらない!

子どもたちの
学用品にいたっては、
流されて行ったか、
あったとしも、
教科書もノートも、
濡れてボロボロで、使い物にならない。

手元に魚を捕る
網があれば、
まだ幸いで、

なんとか、魚をとって、
場所によっては、
火もたけないから、
生で食べる。

刺身といっても、
塩や調味料が、
買えるわけでもないし、
米を買うお金も無い。




29)ビニールシートに
   大喜びする理由は良くわかる


家も腐って、
トタンなら、
まだ良いけれども、

大概の家の屋根は、
草葺きで、
濡れて腐ってボロボロ。

支援物資として持ってきた、
ビニールシートに、
大喜びする理由は、
良くわかる。

これさえあれば、
腐った屋根に、

かぶせておけば、
雨が降っても、
だいじょうぶ!




30)洪水が引いた
   道路ばたの空き地で


しかし、
大方の人々は、
集落に戻ることも、
出来ず、

戦闘が、
多少おさまっても、
町近くの親戚の家や、

洪水が、引いた、
道路ばたの空き地で、

避難生活を、
続けざるを
得なかったので、

そこにも、
ビニールシートを届けた!




31)洪水は、R7と呼ばれる、
   川沿いの村々も襲った


水量は、激しく、
ムアランでは、
200世帯が、鉄砲水で、
家を流されたという。

水は、
軒下まで達している。

道路は、
至る所で、
寸断されている。

タリタイから、
ラジャムダまでも、
容易に、
たどり着くことができない。

それでも、
元気に、
家の庭で泳ぐ、
子どもたち!
でも、飲み水が心配だ。




32)ラァジャムダ高校も
   水の中だった


この地域には、
戦闘による難民は、居ない。
しかし、洪水による難民が、
出ている!

水は、
数日で引くので、
戦闘難民のような
悲惨さはないが、

戦争状態で、
復旧は、
遅れるだろうし、
病気が、ここでも心配だ。

この比較的、
立派な村道は、2年前に、
アメリカ政府の支援(USAID)
によって、
作られたものだ。

高く作られた道路は、
町側の畑や、
住宅地を守る
堤防の役割も担っているが、

反対側の、
川に近い家々は、
道路が堤防のようになって、
逆に深く、
水没するようになってしまった。

この経験を、
今後の住宅地の復旧や
ODAによる道路や、
灌漑整備に、
注意深く、
活用しなければ、
ならないだろう。




33)毎年数回
   洪水が起こる


東南アジア最大の
リグアサン湿原に近い、
イスラム地域では、
毎年5,6回は、大洪水が起こる。


湿原地帯には、
およそ推定
5000世帯が住んでいて、

一世帯あたり、
10人と考えると、
5万から場合によっては、
それ以上の人々が、

漁師をしながら、
かろうじて、
生活している。

漁師の人々たちは、
土地の所有権を
もっておらず、

有力者が、
広大な土地を持ち、
選ばれた小作人たちが、
トウモロコシなどの畑を耕している。

漁師たちは、
川沿いの、わずかな空き地に、
仮小屋を建てて、
細々と生活している。

しかし、平均して
7~8人の子供達がいて、
親と祖父母、
時には、兄弟の家族も
共同生活をしていて、

10人以上が、
一軒家に暮らしている!

おもに、
魚をとって
生活している漁師さんたち。


子どもたちは、
良く親の、
お手伝いをするけれど、
食べていくのがやっとで、
学校にも行けない!




34)水は床上から
   軒下まで達して


洪水が、起こると、
水は、床上から、
時には、軒下まで達して、
町に避難してきた、
子どもたち!

町に親戚や
知人がいるだけ、
豊かな方だ。


町の校外の
家々も村も、
水につかってしまった。

小さい子を抱っこして、
親戚の家や、

学校に
避難する子供たち。


学用品を
背中にいれて、
避難してきた子どもたち。

学校は、
もちろん
休校になっている。




35)学校に避難してきた
   子どもたち


学校が、
一時的な、
避難場所になっている
ケースも多い。

下の子は、
ミンダナオ子ども図書館の
奨学生。

ミンダナオ子ども図書館で建てた
保育所も、
洪水で、壁が、
崩壊していたけれど、

子どもたちは、
屋根の下に、
避難していた!




36)その後、さらに大きな洪水が
   町もおそった


今回の、
洪水は異常だ!

ピキットの街の
ほとんどが、
くり返し水につかり、

二階建ての家に住んでいる
人たちは、
かろうじて、
二階に、
避難できたけれども、

平屋の
貧しい人々は、

家のなかの
荷物を担いだり、

子どもを
だっこしたり、

家族や友人を
舟にのせて、


あるいは、
トラックの荷台に、
乗せてもらって、

町の避難所や
親戚の家、

モスクや教会に
避難して、

酷いときには、
雨よけのシートの下で、
夜を過ごす以外に、

どうしようも
なかった。




37)学校も
   すっかり水の中


学校は、
戦争の時には、
屋根も床も
しっかり建てられているので、

最良の
避難場所になるのだが、

さすがに
大洪水の中では、
教室も半分以上が、
水につかり、

とても、
生活を送れる場所には、
なっていない!

避難場所としても、
機能しない。




38)水が引いても
   学校はボロボロ


ここには、
2016年に、
ミンダナオ子ども図書館の
応募で、

日本のODAで、
学校を完成。

洪水の避難場所として、
床を、
一メートルほどあげて、

洪水時の
避難場所としても、
機能するように設計し、

建設しました。

すでに、
2校の建設が、
完了しています。





39)混沌の中で

   松居陽


僕は、この世から四つ、
無くなってくれればと、
心から願うものがある。
それが、犯罪、無知、狂気、
そして戦争だ。

見るところ、
ある程度、人が自由で平等であり、
権利を持つ社会では、
人が、倫理や道徳に反した、
自分や、他者や環境など、
周囲の生存を脅かす行動をとるとき、
たいがい周りは、それを犯罪とみなし、
正そうとするようだ。


僕にとって無知とは、
学歴の有り無しとは違い、
個人が生き、観察していくうちに知った、
真実を知る、また知る勇気を持つことが、
出来ないという意味だ。

知ったことを知り、
それを持って考え、解決し、決意し、
人生を創り上げていくことが、
出来なければ、

上手く彩られた嘘や、
正当化された悪事に、
屈する可能性も、高いのではないだろうか。


狂気とは、
理性的に考え、
行動することが、出来ない状態を示すのだろう。
有害な固定観念や感情に囚われ、
まっすぐ澄み切った分析が、出来ないと、
人の心は、奇妙な解決法を見い出し、
自己と周囲に混沌をもたらすようだ。

争いとはなんだろう。
外見上、二者が対立しているように見える。
あること無いことが飛び交う
コミュニケーションは、弾丸のごとく、
とてもまともに、受け止められるものではない。

狂気に襲われた者達は、
心に平安を保ち、単に情報を伝達し合い、
ひびの入ったお互いへの理解を
修復するのではなく、
一生懸命、お互いを滅ぼそうと努力する。
それが実弾によって行われたものを、
戦争というのだろう。

では、争いとは、どのように起きるのだろう。
二者の間の理解の割れ目を狙い、
不正確な情報で、対立を扇動する者、
第三者は、二つの勢力が争っている外見に、
その陰をかき消すものの、
ほとんどの歴史上の争いに登場し、
その存在は、賢明な歴史学者によって
明らかにされている。

それは、時にとんでもない真実を物語り、
第三者は、多くの利己的な利益を、
それはまた、
多くの人々の苦しみと引き換えに、
得てきたようだ。

ピキット周辺で起き、
増長する可能性を持つ今回の戦闘も、
思いがけない第三者が、
双方の理解の不足を突いて、対立を扇動し、
悪化させた可能性は、実に高い。
僕にとってそれは、
過言でもパラノイアでもなく、
観測から行き着いた論理的な推測だ。

それにしても、
なんとむなしく醜いものだろう。
難民は家を追われ、恐怖のうちに生き、
中には親族が殺され、
または行方不明になり、
悲しみにふける者達もいるのだろう。

戦っている者達は、死に恐れ、
人間同士を殺し、
トラウマを得た心は、損傷し、
生涯通常に生きていくのも難しくなるだろう。

戦争を布告した者達は、
その非倫理的な行為を正当化しようと
骨を折り、その決断が、
恐ろしく破壊的なものだったと認めるとき、
発狂しうる。

それを、周りから見る者達も、
人々の苦しみに共感し、
どうしようもない気持ちで、
人類の明るい未来への希望が、
薄れていくかもしれない。

そして僕は、
それを煽った者は、一番不幸だと信じる。
自身の善良さを認めることが出来ず、
自らを悪魔だと思える心を
持つということを、感じることに恐怖し、
単なる肉体的な存在として、
ただただ死を恐れるだろう存在を、
僕は哀れむ。

果たして僕には、何が出来るだろう。
出来ることならたくさんありそうだ。
まずは、自身の精神の向上を図っていきたい。
人の天然の善良さを、信じていきたい。

正義の押し売りではなく、
幸せをつかみ、生き方をもって、
インスピレーションを与えていきたい。
こうした文を書くことだって、
決して無駄なことではないはずだ。




40)普段の医療プロジェクトも続いている
   相変わらず予算との戦いだ
   
  松居 陽



MCLは、限られたスタッフと共に、
複数の入り組んだプロジェクトを
同時進行しているため、
常に活動内容、スケジュール、予算などの
計画と整理を慎重に行わなければ、
寄付者の方々や
プロジェクトの対象になる子供達に対して、
顔を向けにくい結果が、
訪れる可能性がありうる。

特に、治安の不安定な地域や、
スムーズなシステムが、存在しない場合の多い
ミンダナオでは、
上手く立てたつもりの計画も、
次の瞬間には、
一変していることも少なくない。

忍耐力と、考えを切り替える力が、
十分に無ければ、
苛立ちを感じてしまうこともあるだろう。

6月から今まで、
腫瘍を持った赤ん坊の手術と
栄養失調の子供の処置が行われ、
スカラーの中には、
カリウムの不足で下半身が麻痺した、
不清潔な環境で、皮膚病を起こした、
そして、急な腹痛で入院をした等のケースが、
医療の対象になっている。

全体の活動の感覚が、
つかめるようになるためには、
一つ一つのプロジェクトに深く入り込み、
じっくり観察し、学び、
経験する必要があると思った、僕は、
手始めに、何かと脇に置かれがちな、
医療プログラムを受け持つことになった。

計画上、毎月同一の限られた
予算の中で行われるプロジェクトだが、
すぐに手を打たなければならない
ケースが生じると、
処置の実行を優先することになるだろう。

MCLの医療プロジェクトは、
全スカラーをはじめ、
17歳以下の子供を対象としている。
さらにMCLは、患者のもとに、
スカラーやスタッフの中から責任者を置き、
完治するまで、なるべく常に、
側で見守らせる方針をとっている。

先月、病院で患者の世話をしていると、
一人のスカラーのいとこに当たる小児が、
熱病で亡くなった、という報告が入った。
僕はその足で、スカラーと共に、
急斜面にあるマノボの村へ向かった。

小児の家では、
悲しみと啜り泣きが、空気を満たしており、
死んだ子供を前に、母親は、
やるせなさと、
絶望にあふれたありさまだった。
家の前では、
男達が、小さな棺おけを作っていた。

僕のお父さんが、聞くところによると、
彼らは、自分達の貧乏さを恥に思い、
助けを求めなかったとか。
さらに、MCLの医療プロジェクトは、
スカラーにのみ当てられたものだと、
勘違いしていたようだ。

僕達は、彼らと、
プロジェクトの概要を確認し、
今後、こういったことが起こらないためにも、
MCLの活動をパンフレットにして
各村に配布する必要性を認識した。

さらに、ピキット方面の洪水の後に起こった
伝染病等の薬代も、
プロジェクト費から出されている。
先の見えないことも多いが、
信用の置ける情報の入手手段によって、
できるだけ早く、多くの子供達を救う、
手伝いをしていくつもりだ




洪水と植林活動

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