ミンダナオにおける紛争の特徴 危険の特徴

ミンダナオにおける紛争の特徴
危険の特徴

2008年時点の現状を執筆
1,
紛争が起こっていることを
感じさせない奇妙な紛争
.
ミンダナオは、
現地があまりに自然豊かで、
人々の表情もある意味で
生き生きとしているので、
この様な地域で
40年以上も紛争が続いている
などとは想像が出来ない。
しかも、3年から5年置きに、
比較的大きな戦闘が起こり、
そのたびに大量の難民が出ている、
といった事が繰り返されているのだ。
私自身、2000年にミンダナオの
ダバオオリエンタルに入ったときには、
この島でこんな大規模な戦闘が
起こっていることすら意識しなかった。
実際に日本の新聞では、
国軍兵士が30人ほど死亡の
小さな記事しか無かったし、
当時ミンダナオで
50万人近い難民が出ている
と言った事実を知っていた人は、
一般国民の中には
皆無だったのではないだろうか?
現地には、
赤十字を始めとする国際的なNGOが
活動していたから、
知られないはずもないのだが、
とにかく、偶然
現地で地平線まで続くかと思われる
難民キャンプを見て
唖然としたのだった。
あの光景は忘れられずに
脳裏に焼き付いている。
世界のNGOが集まった現地は、
当時NGOの見本市とまで言われたが、
翌年、
アフガン戦争が勃発したとたん、
潮が引くように
国際NGOが消えていった。
まだ、大勢、難民が居るというのに・・
支援を継続させたのは、
ミンダナオ子ども図書館と
いくつかの現地NGOだけ。
その後も、たゆまず、
読み語りやスカラシップ、
医療による平和構築活動を
しているのは、MCLのみ。
あの風景に比べれば、
今回の戦闘はまだ小規模で、
拡大しなければ良いがと思う。









2,世界の紛争体験者が
  見た、ミンダナオの紛争


チベットなどの紛争を
体験してきたCさん曰く。
「ここは、一見平和そうで
何も起こっていないように
見えるだけに、
とっても怖い!!!
チベットなどでは、
民衆が蜂起して騒然となる。
だけど、ここではジャングルや
普通の民家に反政府組織がいて、
30年以上にもわたって
プロフェッショナルな兵士として
訓練と実践を
繰り広げて来ているから、
本当に怖い。
どこで何が起こっているのか
わからないし、
よそ者には現地の色分けが
分からない。」
アフガニスタンで
選挙監視団を体験した来た人が、
2006年の選挙監視を
コタバトでしたときの印象
「アフガニスタンでも
選挙監視をしてきたが、
こここは比べものにならないほど
怖かった」
この選挙期間は、
しばしば小規模の戦闘が起きた。
ミンダナオの怖さは、
一見まったく平穏で
何もないように見えるところに、
突然激しい戦闘が起こること。
相手がプロフェッショナルで、
なかなかその姿が
見えない点にあると言う。




3,地域情勢は
  現地でないとつかめない

地域情勢も、現地で、
現地に長く
住んでいないとつかめない。

一見、日本的感覚から見ると、
どこも平和な森や
ジャングルや村に
見えるだけだから、
どこが反政府組織の村かは、
地域の人々しか知らない。
現地で英語でたずねても、
絶対に安易に話さないだろう。
それほど、よそ者に対する
警戒心は強いし、
不安も大きい。

不用意な言葉は危険を招く 
例えば、乗り合いジプニーや
レストランで、ちまたで、
英語や日本語で
NPAやMILFといった言葉を
交えた会話をしたとしよう。
時々、日本からの訪問者に
見られる行為だが・・・
とたんに周囲が緊張する!
私は、日本人同士で話すときには、
NPAと言う呼び名を隠し、
日本語で新人民軍などと
訳して話す。
周囲が緊張し
警戒心を起こしたくないからだ。
妻のエープリルリンなどは、
怖い顔してにらみつける。
そんな言葉を、
見知らぬ人がいる、
こんな所で
不用意に吐いてはいけない!

現地情勢が見えて来るには、
現地語を理解する必要がある。

相当腹を割って信頼しあえる関係を
構築してからでないと、
本当の事は誰もかたらない。
また現地語を知っていれば、
彼らが語っていることも
理解できる。
フィリピン人は日本人と同様に、
本音とたて前が異なった
アジア人だと感じる。
心から信頼できるパートナーが必要
私の場合は、
この地で妻として歩き始めてくれた
エープリルリンの存在は
非常に大きい。
誠実ではっきりと
意見を述べてくれるので
頼りになる。
彼女が居なければ
とても今の仕事は出来なかったし
これからも出来ないであろう。

加えて、共同生活をしている
スカラーたちの存在も大きい。
彼らは、それなりの
サジェスチョンや
現状を教えてくれる。
これは、どのようなニュースや
アドバイスよりも参考になるし、
活動する前は
必ず可能な限りの情報を現地と
つながりがある人々から収集し、
同行を求める。
現地の人が、
政府よりか反政府よりか、等と、
白黒で考える考え方は、
ミンダナオでは通用しない。

庶民は、両方と
つきあっているから、
両方の立場を理解して、
状況におおじて使い分けている。
なかなか真実は言わない。
言うと危険が身に
及ぶこともあるので。
山の人たちは、
昼間は政府軍も
家に歓待して語り合い、
同じ日の夜には、
反政府の人々が、
一夜の床を借りていったりする。


4,それでも、
  日本人であるがゆえに、
  危険を忘れている
  時もしばしばある。


私自身は、自分の身に何が起こっても
仕方がないと覚悟はしている。

スタッフ達には、
誘拐が起こったら狙いは僕だから、
僕をおいて逃げるように、
絶対に抵抗してはいけない、
と言い聞かせてある。
身代金は、払ってはいけない、
目的は身代金だから、
払わない限りは生かしておく。
警察に通報する前に
大使館に通報するように、
とも話してある。
特にジャーナリストの殺害は
イラクに次いで
二番目と言う記録もあり、
アムネスティーも抗議している。

現地のNGO関係者や、
トレーダー等のビジネスマンが
誘拐の対象として狙われる。
短期のヴィジターは、
不用意に歩き回らなければ
大丈夫だろう。
貧しい人々と接触していると、
どうしても反政府的な
人々との関わりが多くなる。

トレーダーやビジネスマンなど、
金銭に関係している人々は、
資金目当てに反政府勢力から
狙われると、一般に言われている。
とにかく、外国人は、
お金を持っていると見られている、
財布が歩いている
と思われていると言って良い。
マニラよりは素朴で安全だと思うが・・




































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