戦争と平和構築
2014年の記録から
(2)


戦争の起こる原因は何か?
1 MCLの奨学生の調査 GO! 14 日本では自殺や引きこもりが GO!
2 奨学生で片親の子たち GO! 15 足を踏み入れて15年 GO!
3 劣化ウランの影響では? GO! 16 子育てという言葉が変に感じる GO!
4 足が腫れてきた奨学生 GO! 17 なぜこんなに明るいのかなあ GO!
5 義眼を入れる手術予定 GO! 18 愛をもって見守り GO!
6 イスラム教徒の子どもたち GO! 19 みんなでやる方が楽しいよ GO!
7 ミンダナオ和平アキノ政権 GO! 20 貧困で大変なのが GO!
8 少なくとも今回は GO! 21 機関誌にかんするお返事 GO!
9 状況は楽観視できない GO! 22 NGOにとって寄付とは? GO!
10 宮木梓さんの機関紙の記事 GO! 23 さて、話をもどしましょう GO!
11 秀島彩女さんの記事から GO! 24 サミット延岡様の保育所が完成! GO!
12 日本の子ミンダナオの子 GO! 25 イスラムとクリスチャンが結婚! GO!
13 仕事について両親を助けたい GO!
26 イスラム地域で避難民が出た GO! 40 ヤシの葉と竹の保育所は GO!
27 この村の人々は良く知っている GO! 41 子どもたちの事を考えると GO!
28 戦争の起こる原因は何か? GO! 42 簡易保育所は辞めて GO!
29 湿原に眠る石油とガスの利権 GO! 43 僻村では保育所など建てられず GO!
30 早急に難民救済を実行 GO! 44 維持と管理も必要となる GO!
31 戦闘は早く収まると良いが GO! 45 2015年から保育所建設は GO!
32 フランスで起こったテロとMCL GO! 46 戦闘があった村に保育所が GO!
33 未来を背負うのは子どもたち GO! 47 映像で見る保育所建設 GO!
34 戦闘避難民の調査継続 GO! 48 学業ストップの現状と悩み GO!
35 戦闘で家が焼かれている! GO! 49 もう一つの理由が妊娠と結婚 GO!
36 五か月も避難している家族 GO! 50 こちらの子の結婚観と妊娠観 GO!
37 戦闘が起こり救済に向かった GO! 51 しかし、新しい制度では GO!
38 なぜ保育所が必要か GO! 52 結婚への第一ステップが妊娠 GO!
39 保育所の需要はすごい! GO! 53 幸せになってくれれば、うれしい! GO!

mk22
MCLの
奨学生の調査


支援者に毎年
スナップショットを送るため、
また、その年の
奨学生の状況をしるために、

毎月のように、
子どもたちの家々をまわって、
調査をする。 

子どもたちの現状や
村々の状況を知るためにも
村々をめぐって、
直接顔を合わせて話すことは重要だ。

MCLの日本人スタッフの
梓さんも
子どもたちに直接出会うことで、

スカラシップ支援者の方々に、
新しい子を
紹介するときの気持ちが
全然変わって来るという。

この子の支援者は、この後見つかった。
貧しくて、三度の食事も難しい家庭。
お母さんは、
出稼ぎに出たまま音沙汰なし。

優しいお父さんが、
がんばっているけれど、
奨学金が無いと
学校にはいけない。

この地域は、
絶えず戦争にさいなまれて、
去年の春の戦闘で
避難民になっているときに出会った子だ。


彼女は、
生まれつき足が短く
膝から下が少ししかない。

そんな子だからこそ
大学まで行って、
良い仕事に就いて欲しい。

食事も困難なことがあるので、
今年からMCLに
住むようになるかもしれない。



mk23
MCLの奨学生で、
片親の子たち


この村の子たちには、
片親の子が多い。

お父さんも、
娘が奨学生になれて
喜びを隠せない!

戦争や戦闘のしばしば起こる村。
片親になった理由は、
いろいろある。

病気、
戦争、
不慮の事故。

この子たちは、
まだ支援者が
いない子たちです。

どなたか、
支援者になっていただけませんか!!

ミンダナオ子ども図書館支援方法

村の役員の方が曰く
「MCLは、
他のNGOとはぜんぜん違って、
ほんとに心から人を助けるNGOですね。」

「うちの娘たちが
奨学生になっていること、
誇りです!」

村の出口近くには、
私服の護衛兵たちが、
守ってくれていた。



mk24
劣化ウランの
影響では?


2000年の比軍と米軍のバリカタン、
合同演習と言う名の実戦。
そして、
2003年のテロリスト掃討作戦。

当時、
130万を超える避難民が出て、
私たちは、
終始救済に向かった。

そのとき以降、
ちょうどその時期に妊娠していた
子たちが生まれると、

こうした奇形の子が、
あちこちに
増えていった。

驚いて、日本に帰国した折に、
当時カトリック正義と平和協議会で働いていた、
大学時代の親友、
松浦悟郎司教さん(悟郎ちゃん)に
写真を見せると、

「松居君、これ、劣化ウラン、ちゃう・・・」といって、
イラクの爆撃による
劣化ウラン被害の写真を見せてくれた。
以下は、グーグルの写真サイトです!
Go!
驚いたことに、
まったく同様に症状だ!

それを聞いて、
中日新聞が取材を言ってきたのだが・・・
なぜか、没になった。

当時は、朝日もNHKも全てマスコミは、
MCLに来るという取材、
北コタバト州に入るという取材が
許されなかった。

なぜだか未だに分からないが、
最近になって
「なぜここに日本人」の取材が許されて、
リグアサン湿原まで行けたのは驚きだった。
ez1
なぜここに日本人
マノボ族の首長になった
日本人

 
映像を 見たい方は ここをクリック 
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僕が一番心配なのは、
今回のイスラム国への米軍の爆撃で、
多くの子どもたちが
死ぬだけではなく、

劣化ウランの症状が、
イラク戦争の時以上に、
中東全体で広がることだ!



mk25
足が腫れてきた
奨学生


手足の異常も
多く見られる。

MCLでは、
こうした子の将来を考えると、
なるべく奨学生に採用して、

医療を保証して、
学校も大学まで
やらせることにしている。



mk26
義眼を入れる
手術をする予定


そろそろ、
義眼を入れても
良い頃かもしれない。

父親はいない、
今年から、
MCLに住みたいという。

この子たち、
まだ支援者がいないのですが。
下の男の子も、
睾丸が腫れてきたので手術をします。


ミンダナオ子ども図書館支援方法
スタッフの彼女も
かつて、MCLの奨学生。
MCLで手術して義眼を入れている。
お父さんはイスラムの宗教指導者。

銀行に受かったけれど
ベールをはずすように強制されて、
それがいやで、
MCLのスタッフに。



mk27
イスラム教徒の
子どもたち


イスラム地域の内戦が
外圧によって広げられるにしたがって、
イスラムに対する偏見が、
フィリピンでも強くなりそう?

しかも、
この地域は、
大規模な戦争に
巻き込まれそうなので、

今から逆に
奨学生調査や保育所建設で、
しっかりつながりを持ち、
積極的に歩き回って、

いざというときに、
この子たちを救済に走れるように、
重点地域として
活動することに決めた。

mk28
ミンダナオ和平
アキノ大統領、
警官隊と国軍の連携不足認める。
国民に協力訴え事態沈静化図る

マニラ新聞より、
上記をクリックすれば、サイトに入れます。


アキノ大統領は首都圏マニラ市の
マラカニアン宮殿で
28日午後6時40分から演説を行い、
警官40人以上が死亡した
ミンダナオ地方マギンダナオ州での
モロ・イスラム解放戦線(MILF)との交戦で、
実行部隊の国家警察特殊部隊(SAF)と
現地に駐屯する国軍との連携が十分に
取れていなかったことを初めて認めた。

国会議員らから
「和平交渉を中断すべき」
との声も上がる事態を招いており、
大統領自らが国民向けに
「ミンダナオ和平実現」への
協力を強く呼び掛け、
緊急事態の沈静化を図ったものとみられる。


MILFと軍警察の戦闘で
多くの犠牲者を出した交戦は
包括和平合意後初めてとなるもので、
バンサモロ基本法案に対する
批判が高まっていた。

演説でアキノ大統領は
「和平交渉を今中断すれば
テロリスト勢力を手助けすることになる」
と訴え、国民に支援を呼び掛けた。


大統領によると、
国家警察は昨年5月ごろ、
イスラム系テロ組織、
ジェマ・イスラミヤ(JI)の構成員とみられる
2人の隠れ家に関する情報を得、
プリシマ長官=停職処分中=を中心に
捜査を進めていた。

大統領は以前から、
国家警察と国軍の双方に
連携を密にするよう指示していたが、
SAFと国軍部隊が連携を開始したのは、
SAFが追跡対象の2人に
遭遇してからだったという。

SAFが実行した作戦について大統領は
「自身は命令を出していない」と弁明。
実行命令を出した責任者を
名指して批判もしなかった。

ロハス内務自治長官と
エスピナ国家警察長官代理は先に、
SAFの作戦を把握してなかったと表明している。

演説で大統領は
「事実がはっきりしない段階で非難はできない」
とも述べ、MILFへの糾弾も慎重に避けた。

大統領はSAFが追跡していた2人は
過去に国内外でテロ活動を行い
複数の逮捕状が出ていた凶悪犯である
と指摘し、作戦の正当性を主張。
さらに、聖書に書かれた
「真理があなたがたを自由にする」
という記述を引用し、
「全容解明は調査委員会の結果を待とう」
と呼び掛けた。

大統領は、一部上院議員などから
和平交渉を中断すべきとの
非難が出ていることに触れ、
「和平交渉を頓挫させたい勢力が
悲劇を悪用している」と批判。

その上で、ミンダナオ和平の実現は
「フィリピン国民全体の積年の願いだ」と強調、
バンサモロ基本法案の審議継続の
必要性をあらためて訴え、
国民の理解を求めた。 


演説は約20分間にわたり
フィリピン語で行われた。

アキノ大統領は犠牲となった警官に
弔意を示すとともに、
30日を国家を挙げて
「追悼の日」とすると表明した。
(鈴木貫太郎)


mk29
少なくとも、
今回は


少なくとも今回は、
中央政府が直接指示していないので、
大規模な戦争になることは無いだろう。

しかし、
2016年の大統領選を含む、
国政選挙にむかって・・・
不穏な状況が多く出てくるだろう。
 

『実行部隊の国家警察特殊部隊(SAF)と
現地に駐屯する国軍との連携が
十分に取れていなかったことを
初めて認めた。」


つまり、
今回の戦闘勃発に関しては、
国家警察特殊部隊の暴走と
解釈することもできるが、

このことは、
政府の中にも、国会議員らから
「和平交渉を中断すべき」
との声も上がる事態を招いており、

今回の和平交渉を良しとせず、
あわよくば崩壊させて、
大きな戦争に持って行こうとする、
動きがあることを証明している。

こうした動きに対して、
アキノ大統領は早期に決断を出さずに、
和平交渉を実現させるために、
慎重に対応している事は
評価に値するが・・・。

「大統領は、一部上院議員などから
和平交渉を中断すべきとの
非難が出ていることに触れ、
「和平交渉を頓挫させたい勢力が
悲劇を悪用している」と批判。


その上で、ミンダナオ和平の実現は
「フィリピン国民全体の積年の願いだ」と強調、
バンサモロ基本法案の審議継続の
必要性をあらためて訴え、
国民の理解を求めた。」
 


mk30
しかし状況は
楽観視できない


ただ、
状況は楽観視できない。
現地では、
むしろ悲観的な意見が多い。

アキノ大統領が平和をのぞんでも、
最終的に2008年に和平交渉が
直前になって決裂し、
80万の避難民を出す戦争になったように、

今回は、
それ以上に大規模な、
ミンダナオ全域をあげての戦争になり、

米軍はもとより、
集団的自衛権を行使して、
日本軍も参加するのでは無いかと、
現地ではいわれている。

「SAFが実行した作戦について大統領は
「自身は命令を出していない」と弁明。
実行命令を出した責任者を
名指して批判もしなかった。
ロハス内務自治長官と
エスピナ国家警察長官代理は先に、
SAFの作戦を把握してなかったと表明している。」


ここ数年で、
ダバオからイスラム地域に向かう国道は
完全にコンクリート化されて、
信じられないぐらい道が良くなった。

喜ぶべき事かもしれないが、
現地ではコンクリート舗装は、
戦争を控えて
戦車が通れるようにするためだという。

戦争が起こったら、
ぼくたちは若者たちと協力して、
イスラムもクリスチャンも先住民族も団結して、
戦争避難民の救済に向かおうと思っている。

現地にたくさんいる、
仲間(MCLの奨学生たちや子どもたち)を
放っておくことは出来ないから。

ミンダナオ子ども図書館で
行った、
平和の祈り
    


mk31
季刊誌『ミンダナオの風』
48号の記事の
一部をご紹介


PDFへGo!

現地日本人スタッフの
宮木 梓さんの
記事から抜粋


10月に、山の村に
読み語り行くのに
連れて行ってもらった。

お話を語る
高校生の奨学生たちにとって、
ものすごく楽しいことらしく、
絵本を選んだり、晩御飯のあと、
歌や劇の練習をしたりと大騒ぎだった。  

最初は恥ずかしがって、
家に隠れていた
山の村の子どもたちだけれど、
奨学生がお話を語りだすと、
みんな身を乗り出して聴いていた。  

語るのが
とても上手な女の子がいて、
普段一緒に過ごしているのに
気が付かなかった一面を見せてもらえた。

私たちは図書館に住んでいるけれど、
様々なお話を運んでいく奨学生や、
その前でワクワクしている
小さな子どもたちを見ていて、
私たち自身がまるで図書館のようだと思った。  

高校生の女の子たちが、
先月号の季刊誌を出す封筒に
切手を貼るのを
手伝ってくれていたとき、

「私の、ミンダナオ子ども図書館での
一番楽しかった思い出の一つは、
読み語りに行ったこと」
と話しているのを聞いた。

親を亡くしていたり、
見捨てられていたり、
満足に食べらなかったり、

事情があって
ここに来た子どもたちだけれど、
ここは孤児院ではなくて、
図書館だ。  

両親や家族と過ごせるのが一番だけど、
図書館で
みんなと一緒に暮らすのも楽しかった、
と感じてもらえればうれしい。 

私は、
図書館に住んでいるって、
何て素敵なことかしら、
と思っている。



mk32
ボランティアの
秀島 彩女さんの
記事から抜粋


もうひとつここにきて
いいなと気づいたこと、
それは「停電」。

ここMCLがあるKidapawan は
よく停電する。
お昼、夜、短い間停電することもあれば、
3~4時間停電することも。

夜停電した時はとりあえず真っ暗。 
初めは嫌だなと思っていた停電、
母に「また停電で大変だったよっ」
と伝えると、

「停電で困るのってパソコン使えなくなる
あやめちゃんだけじゃない??」
と言われて、
確かに・・・図星だった。  

その日から
私は停電した時は、
いつもしないこと、
停電したからこそしかできないことをやろう、

子どもたちは、
どんなことをしているのか
見てみることにした。

わかったこと、
停電した瞬間は
みんなキャーキャー言っているけど、

少し時間がたつと
暗さにも慣れてきて、
いつも感じることができない
感覚を感じることができるのだ。  

あたりは虫、
動物の鳴き声、
自然の音、
ホタルのひかりと星の光だけ。

地面に寝転がって、
満点の星空をみんなでただただ眺める。
時々大きな流れ星が
目の前を通り過ぎていく。  

こんなにただ星を眺めるのが
素敵なことだったとは!
これほどすがすがしい気持ちに
なれる瞬間は
日本ではなかなかないな、と思った。  

そしてもうひとつ
停電のいいところ
それは、 キャンドルをともして、
いつも話せない子とゆっくり話ができること。

家族の話や将来の夢、不安なこと、
これまで聞けなかったこと
知らなかったことも、
二人で同じ時間を共有することで
知ることができるのだ。  

これからも
自分のことを知ってもらうのと同時に、
もっともっと子どもたち
ひとりひとりのことを知っていきたい。

日本にいると
感じることのない気持ちや
世界観を感じる日々、
一日一日を大切に過ごしていこうと思う。



mk33
日本の子ども
ミンダナオの子ども
        
松居友


比較することは、
あまり好きでは
無いのだけれども、

日本の子どもたちと
ミンダナオの子どもたちを比べてみると、
生きる力は圧倒的に
ミンダナオの子どもたちが優っている?

生きる力って、何だろう。
厳しい競争に勝ち抜くこと?  
他人をけおとしてでも、
自己実現を成就すること?  

リーダーになって
人の上に立ち、
指導力を発揮すること?
   

ミンダナオの子どもたちは貧しくて、
三食たべることすら大変で、
場合によっては
小学校を卒業することも困難だから、

社会的に高い地位について、
指導力を発揮しようと
夢見ているようにも思えないし、

他人をけおとしてでも
競争に勝ち抜いて、
自己実現しようとしているようにも
思えない。  

早朝に、父さんと母さんが、
山に仕事にでかけるときには、
長男は親につきそって、
力仕事にいっしょにいくし、

長女は
末の赤ちゃんを背に抱いて
終日子守。

次女は、
料理と家の掃除。
三女や次男やその下の子たちは、
水くみや森での薪探し。

それがおわると
子どもたちは協力して、
タライのなかに
たくさんの洗濯物をいれて、

はるかしたの川や
沢にまでおりていって、
洗濯したりしてすごす。  

そんなわけで、
学校に行けるのは、
兄弟姉妹のなかでも、
5番目ぐらいの妹が多く(男の子たちは力仕事)、

家族みんなで働いて、
一人でも小学校を
卒業させようとこころみる。  


mk34
良い仕事について、
両親を助けたい


そんなこともあって、
MCLのスカラシップに
応募しようとする子たちの、
応募理由の99パーセントは、

「自分が学校にいって、
少しでも良い仕事について、
両親を助けたい。
妹や弟を学校にいかせてあげたい・・・。」  

そんな貧困状況なら、
人生に夢も希望もなく、
さぞかし気持ちが暗いだろうとおもうと、
それが全く逆で、

訪問した
日本の若者たちも
びっくりするほど、
表情はゆたかで明るいのだ。  

川に洗濯にいくときは、
村の他の子たちもみないっしょ。
おしゃべりしながら楽しくやるし、

干しおわったら
川に飛びこんで
遊びながら自分を洗濯!  

料理も、
蛙をとったり煮こんだり、

ごちそうの
鶏やヤギをつぶすことから、

芋掘りも、
おしゃべりしながら楽しくやる。  

MCLでも、
料理をするのは子どもたち。


朝4時半には起きだして、
みんなで楽しく食事をつくり、

その後は、
掃除や洗濯、

庭いじりから
野菜そだてまで、
みんなで楽しくやっている。  

そのような
子どもたちの姿を目のあたりにして、
日本から訪れた人々は驚く。

「孤児だったり、
問題家庭の子たちだったり、
戦争やアビューズなど、
背景をきくと想像を絶する状況から
きた子たちなのに、
なんでこんなに明るいの?」  

ミンダナオの子たちの特徴は、
困難におちいっても、
家庭が崩壊しても、

親が戦争で殺されたり、
貧困で家族が崩壊して
たとえ
ストリートチルドレンになったとしても、

自殺したり
引きこもったりすることなく、
笑顔をわすれずに生きていくこと。



mk35
日本では、
子どもや若者の
自殺や引きこもりが


逆に日本では、子どもや若者の
自殺や引きこもりがまんえんしている。 
子どもだけではなく、
大人や老人の自殺や孤独死もおおい。


講演会で日本にゆくたびに、
人々の顔が
暗くけわしくなるばかりか、

東京では
たえず電車が停車して、
人身事故が報告される。
理由はなんと飛び込み自殺!
 

地方は地方で
商店街は閉鎖して、
街に人通りがまったくない。

公園ですら
子どもが
遊んでいるようすもなく、
本当にさびしい世界になってしまった。  

急速に
子どもの数がへったということは、
少子化政策が、
成功したという事だろうけど、

結婚した大人の視点からみるならば、
子どもを産んだとしても、
保育所にあずけて
育ててもらうのがせいぜいで、

我が子が
幸せに成長できる環境が、
ちまたにないことが実感されて、

生まない方がましだと
考えているせいだろう。
結婚を望まない
若者たちも激増している。

さらに
追い打ちをかけているのが、
教育費と医療費の高騰だ。

子どもが幸せに成長できない社会、
楽しくそだっていく事が
できない国に未来はない。
なぜなら、子どもこそ未来だから!  

ミンダナオは、
たしかに貧困率が高いし、
戦争などの問題もあるのだが、
子どもに関していうならば、

町でも海でも
山でも農村でも、
子どもを見ない場所はないし、

しかも
明るく生き生きとしている。
この違いは
いったいどこからくるのだろう。  


mk36
ミンダナオに
足をふみいれてから
15年

MCLを設立してから11年。
戦争や
作られた貧困のなかで、
あえぐ家族や子どもたちを見て、

いたたまれずに、
読み語りと同時に、
教育、
医療の活動をおこなってきたが、

それにつけても
近年気になりはじめたのが、
日本の子どもや
若者たちの心の病や、

子育てに悩み苦しむ
母親たちの切実な告白。

精神疾患の問題は、
子どもや若者たちだけではなく、
出社できない中高年から、
一人暮らしの老人たち、

ひいては
貧困の中に取り残された
母子家庭にまでおよんでいる。


かつてやっていた
絵本や童話や評論の執筆も、

ミンダナオの子どもたちとの
出会いと感動に圧倒されて、
この一〇年ほど、
ほとんどせずに過ごしてきたが、


その間の
日本人の心の変わりようには
唖然とせざるをえない。

今考えているのは、
「どうしたら日本の子どもたちに、
ミンダナオから
救いの風をおくれるか!」という事。


ミンダナオで再婚し、
小学校の4年と5年の
実の娘を育てているが、

MCLで、
親のいない子や崩壊家庭の孤児たち
90名あまりと
いっしょに暮らしてきているせいか、

娘たちは
放っておいても
実にのびのびとそだっている。  


mk37
「子育て」
という言葉が
へんに感じられる


MCLにいると、
「子育て」という言葉が
へんに感じる。

「子育つ」というのが本当で、
ちまたで遊び
友情をはぐくむ体験があれば、
子どもたちは自然にそだっていくものなのだ。

「子育ての責任は、家庭にある。
特に母親の役割は大きい」
などという言葉に、
違和感を感じるのは、ぼくだけだろうか。

子育ての責任が
親や家庭にあるばあい、
親がいなくなったり
家庭が崩壊した子どもたちは、
どのように育ったら良いのだろうか。  

また、子育ての責任は、
保育者や学校の先生にもある、
という考え方も
ここでは奇妙に感じられる。

もしそうだとしたら、
保育園にも学校にもいけず、
教育もうけられない僻村の子たちは、
育てられなかった子たちなのか!



mk38
なぜこんなに
明るいのかなあ?


先日、
アジアの孤児施設をめぐっている
日本の人たちがMCLを訪れた。

曰く
「ここの子どもたちは、
本当に他の施設の子どもたちと
ちがいますねえ。


施設にいながら、
こんな明るい子どもたちをみるのは
初めてです。
なぜこんなに明るいのかなあ?」  

ぼく答えた。
「ここは孤児施設ではないからですよ。」
 

ぼくは孤児院をつくろうとも、
施設を運営しようとも
おもったことは無いし、
他の施設をほとんど知らない。

ただ、困難な状況にある
一人一人の子どもたちをみるにつけて、
放っておけない、何とかしたい・・・。
そんな思いで活動してきたら、
自然とこんな形になってしまった。

もちろんここには、
母親役の
スタッフたちもいるが、
彼らとてもとは奨学生で、

必要なときには、
助言や指示をあたえるものの、
不必要な干渉はしない。  


mk39
愛をもって
見まもり


子どもたちのとって大切なのは、
愛をもって見まもり、
ときどき抱いてあげたり
愛情のある言葉を、かけてあげること。

そして、
なによりも大切なのは、
自由にのびのびと遊べる環境を
ととのえてあげ、

将来の夢をもてるように
導いてあげることだと
つくづく思う。  

まるで機関車が
煙を噴いて走りぬけるように、
高度成長期を
ひたすら走りつづけてきた人々は、

成長期がとまり老齢化して、
自分の事は自分で出来なくなり始めると、
落ちこむどころか精神的に
パニックをおこしはじめる。  

「日本で自殺が多いのは、
個人主義が
行き過ぎたからでは無いだろうか」
と、 マニラの修道士が話してくれた。

「個人が尊重され過ぎる
競争優先の社会では、
協調の心がうしなわれて、
孤独な人が増えていく」  

自分の力で
走れなくなった老人は、
施設のベッドにしばりつけられたまま
死をまつ以外に方法はないのだという。

それも
お金があればの話で、
一人暮らしの孤独死も多いのだそうだ。  

ミンダナオでは、MCLでも同様だが、
上のお姉ちゃんが下の子に、
「ねえ、そこのお店で
お塩をかってきてちょうだい」といえば、

たとえ夢中で遊んでいる最中でも、
下の子はさっとたちあがり、
明るい笑顔で、
「はい」といって買いにでかける。
 

お姉ちゃんがいったことに、
下の子たちは笑顔でこたえ、
ちっともいやな顔をしないのは驚きだ。

そのかわり、
お姉ちゃんは、
きちんと下の子の世話をして
めんどうをみる。  

もちろん、
お年寄りを
一人孤独にほうっておくなど、
考えられない。

妻のエープリルリンの
おじいさんもおばあさんも、
当時まだ小学生だった
彼女の膝のうえで亡くなった。


mk40
みんなでやるほうが、
楽しいよ


「自分の力できりぬけろ」
という言葉への、
現地の子どもたちの返答は、

「でも、
自分の力なんてたかがしれている、
みんなでやるほうが、
楽しいよ。」

「自分のことは自分でやれ」への返答は、
「一人で出来ないことなんて山ほどあるよ。
みんなで力をあわせるほうが大事だよ。」

「日本では、自殺する人が多いんだよ」というと、
子どもたちはびっくりして
「なんで自殺するの?あんな豊かな国なのに!」

「孤独で死ぬんだよ」
というとさらに驚く。
「孤独で死ぬってどういうこと?」  

MCLの子たちは、
親がいなくなって一人取り残されても
死のうとしない。
どこかで誰かが助けてくれるから!

一人ストリートチルドレンになっても、
必ず別のストリートチルドレンが
やってきて言葉をかける。
「一人じゃさびいだろう!
俺たちの仲間になれよ。」

日本では、孤独な母子家庭がふえている、
という話をすると、
「近くの人たちといっしょに住んで、
いっしょに食べたら良いのに、なぜしないの?」

子どもの貧困が増えている話をすると、
「自分の家によんで
自分の子にしたら良いのに。
MCLみたいに!」

こういった言葉が、
自然に
ポンポン飛びだしてくる。  


mk50
貧困で
大変なのが


経済的な貧困で大変なのが、
医療と教育。

でも日本もMCLのように、
医療と教育を無償にして
生活を保障すれば、

子どもをたくさん産んでも、
何の問題もないはずだ。
それどころか、生活の喜びが倍増し、
地方も活性化するだろう。
 

ミンダナオのように、
子どもが学校を引けたら、
親の職場に直行し、

職員もお客も大喜びで
子どもに声をかけてむかえたら、
親も子育てが楽しくなる。  

MCLみたいに
(地方都市の役所や銀行でもそうだが)、
職場に子どもたちがはいってきたら、
「・・・ちゃん。おかえりなさーい」といって、
母親の仕事机の横に、
ござをひいて昼寝をさせたり、

工場の修理工の後ろでも、
木の長椅子をおいて、
そこで妊娠中の奥さんが、
ごろ寝をしている風景があれば、

仕事場と家庭の壁もくずれて、
社会は
生き生きとしてくるだろう。  

個人と社会、家庭と会社、
保育園や幼稚園、学校と家にしか、
意識が向かない思考は
閉じこもりの壁型思考だ。

その中間に存在する
曖昧な場所、
「ちまた」こそが壁をときはなち、
人々の心を解放し孤独から救う場所。

ちまたで、
子どもたちがおおぜい生き生きと
遊んでいる姿をみることがない国は、
本当にさびしい。  

個人と個人の間に存在しつつ、
人をささえるのが
愛だとすれば、
ちまたこそ愛と友情の空間。

妖精のように
存在していても見えない、
友情と愛の力こそが、
人々を幸せにし、
生きる力をあたえてくれる。




最新の季刊誌『ミンダナオの風』47号
pdf版 をご覧になれます。

ミンダナオの風47号にGo!


mk51
季刊誌に関して、
さっそく以下のような
ご返事をいただきました。


季刊誌の件 全て了解しました。
わざわざご説明いただき
ありがとうございましたm(_ _)m

縁あって
自由寄付をさせていただいた後に、
季刊誌が届き、
興味を持って拝読する中で、

写真の子どもたちの、
生き生きとした表情と
美しい笑顔が
あまりにも素敵で驚いてしまいました。

それと同時に 、
日本の子どもたちが失っているものを
突きつけられた気がして、
私たち大人の責任を感じました。

この子たちのような笑顔を目標に、
自分も自分の仕事(教職)を
頑張ろうと思いました。

あの笑顔、
あの表情に出会えて
私の人生観が変わり、

その感謝の気持ちを、
スカラシップ支援という形で
させていただいています。

今思えば、
表情の臨場感がしっかり伝わる
上質の紙での印刷の季刊誌だったからこそ
ここまで心に残ったのだと、
改めて気づきました。

スタッフの方々は全てにおいて、
色々と考え尽くされて
一つ一つのことに
取り組んでいらっしゃると思います。
季刊誌の件は、全く異議なしです。

また現地の方のお心遣いも、
嬉しく、
益々応援したくなりました。
これからも、よろしくお願いしますm(_ _)m  
T.S.匿名



mk52
NGOにとって
寄付とは?
季刊誌に寄せる思い!


季刊誌が日本に届いて、
それを読まれた方から、
おおよそ以下のような疑問が寄せられました。

それは、季刊誌が、
紙質も印刷も、
他の団体の季刊誌よりも上等で、

支援金が、
印刷経費に消えているのではないか、
と言う疑問です。

同様の疑問を、
前にも聞いたことがありますので、
重要なポイントとして、
お答えしたいと思います。


私も出版社にいたので、
季刊誌に関しては、
出発時点から
試行錯誤したことの一つでした。

とりわけ、支援金を
どのように使うかは大きな問題で、
季刊誌にかかる印刷代と発送費は、
支援金から出さねばならない。  

そこで、
他の団体の季刊誌を見たのですが、
その多くは
日本で印刷しているものでした。

日本の印刷製本費は非常に高く、
それを見ただけでも、
これではとても季刊誌は出せない!
と思ったほどです。  

出発時に、
ほかの多くの団体に聞いても、
NGOの経費の大きな負担は、
三つあることがわかってきました。


1,季刊誌などの報告・宣伝費。   
季刊誌だけではなく、ポスターや報告の会場費、
新聞の折り込みや広告など。
幸いMCLは、季刊誌以外にまったく
宣伝費も会場費も使っていません。

そのかわり、
お声をかけていただければ、
家庭集会でも喜んでうかがっています。


2,人件費と日本事務所。   
日本の人件費は、桁違いに高く、
こちらの一五倍から二〇倍。

そこで対策として、
事務作業はほとんど現地で行い、
日本事務局は、
日本NPO法人をとっているものの、

入金確認とそれに付随する仕事を
ボランティアでやっていただいているのです。
つまり、日本における人件費はゼロ。
心から感謝です!

長く支援者への対応は、
現地で私一人でやってきましたが、
さすがに少し大きくなると
一人では無理で、

今は、
現地日本人スタッフが一人と
日本人ボランティアで対応。
大きな経費削減になっています。  
 
実際に有名なNGOから話を聞くと、
寄付の60から70%は、
人件費で消えていくのだという。

それを聞いて
対策を考えた結果ですが、
MCLが、小さなNGOでも
かなり大きな活動ができるのは、

人件費が少ないことで、
それを地域の人々に
還元できるから!


3,水田による自給自足   

以上、1と2で、
大きな経費削減を
していると同時に、

水田を購入し、
奨学生とスタッフを合計して
ほぼ、200人分のお米を100%自給しています。

今後はさらに、
余剰米による収入で、
本部のおかずの無料化も
実現したいと思います。

ご支援は100%、
子どもたちの教育と医療費に
向けていきたいと思うのですが、

はっきりいって、
極度に進む円安で、
対応に必死だというのが現実ですが・・・。



mk53
さて話を
季刊誌にもどしましょう


MCLの季刊誌は、
日本で印刷すればとても高額。

それが可能なのは、
季刊誌をミンダナオのダバオの
老舗の印刷会社で印刷しているからで、
印刷価格は、日本で白黒で印刷する程度。

製本料にいたっては
10分の一で、
日本よりも
比べものにならないほど安い。

さらに、用紙が上質紙で
驚かれる方もいらっしゃるのですが、
印刷所の方々がおっしゃるには、

「フィリピンの人々のために
頑張っているから、
写真も美しいし、
普通紙の値段で上質紙を提供しますよ。」

つまり、
MCLの季刊誌は、
印刷所のご厚意で、
日本の白黒誌よりも安くできているのです。

季刊誌制作に関して、
気になったのは発送費でした。
海外だと高額ではないか・・・

しかし、これも、
ほぼ日本の国内での
発送と代わりがない価格です。

さらに、よく言われるのが、
写真が美しくて、
子どもたちの顔を見たり、
写真を見るだけでも生きる喜びで、

MCLの機関誌だけは、
大切の保存して、
本のように
時々読み返しては楽しんでいます、
と言うお便りを良くいただきます。

ゴミ箱に直行するほど、
もったい事はありません。
それゆえに、
絵本のように、末永く保存して、

息子や娘や、
近隣の友人たちにも見せたい内容の、
単なる報告書ではないものを
作るにいたったのです。

読者からは、
個人だけではなく
家族で楽しんでいる、
という手紙も多く、

それゆえ若者たち、
青少年にも楽しめる
連載などもはじめたのです。

つまり、
単なる報告書を一段進めて、
心に残り、
手元に残しておきたい価値ある印刷物、
冊子にしようと思ったのです。  

コンピューターでも良いのでは
と言う意見もありますが、
良い印刷物は絵本や本と同様に、
いつも側にいてくれる天使のような感じ!
サイトは、電源が消えると消えるお化けのよう!

特に、
自殺や孤独、
不登校の多い日本の人々や若者、
子どもたちも楽しめる記事を加えています。

助けていながら、
助けられてもいる。
お互いに助け合うための手段の一つが
季刊誌です。




sg56
サミット延岡さま
寄贈の保育所が
ニューイスラエルに完成

読み語りもした





































sg55
イスラムのスタッフ、
バイヤンとマノボ族で
クリスチャンのニナが結婚



両親がいず、
貧民街から来た
マノボ族の奨学生のニナ。
今は大学の4年生。

クリスチャン(プロテスタント)だけれども
イスラム教徒のスタッフ、
バイアンと恋に落ちた。

イスラム教徒のバイヤンはスタッフ。
ニナの卒業を間近に
二人は、結婚を決めた。

MCLのスタッフたちは、
母屋の一室や
敷地内に家を建てて
住むことが出来る!


卒業前に結婚したニナも、
これで、
貧民街にもどらずに
MCLにバイヤンと住める!

結婚式は、
キダパワン市の貧民街の一角にある、
プロテスタント教会で、

イスラムの儀式にのっとって、
行われることになった。

牧師夫妻も、
マノボの首長も参加した。


最初に
二頭の獅子と
少年の踊りがあり、

それに導かれて、
新郎が
結婚式場にやってくる。

ミンダナオに
獅子踊りがあること自体が、
驚きだったけれど、

まさかそれが、
イスラムの結婚儀式で、
披露されるとは!!!

しかし、
ミンダナオのイスラム地域には、
日本軍の要塞跡があり、
敗戦と同時に多くの日本兵が
湿原に逃げて、

今も
イスラム教徒のゲリラとなって
住んでいる人もいることを考えると、
獅子踊りがあるのも、
不思議ではないのかもしれない!

ミンダナオ紛争を戦った
「キムラさん」の正体

日系イスラム戦士、「日本への思い」を語る

中坪 央暁 : ジャーナリスト 
GO!



いよいよ結婚の儀式。
新郎は、
花嫁を迎えに部屋へ。


新婦を
部屋から連れ出すと、
新郎と新婦は連れだって、

獅子舞に先導されて、
結婚式場に向かった!

いよいよ、
結婚の儀式の
核心が始まった。

ごはんとおかずが
新郎と新婦の
前に置かれ、

ます新郎が、
新婦の口に、
ごはんとおかずを入れる。

そのあと、
新婦が、
新郎の口に
ごはんとおかずを入れる。

何とこれは、
山の原住民の
結婚式でも行われる儀式!


不幸のどん底から
来たような子たちだけに、

幸せになって良かった、
良かった。


sg27
イスラム地域
ピキットで避難民が出た


イスラム地域ピキットに
避難民が
大量に出ていると、

現地の福祉局の
所長補佐のソーシャルワーカーで、
MCL役員のグエイスさんから連絡が入り、

急きょ
救済にむかった。 

グレイスさんは、
現地のカトリック教会の
ソーシャルワーカーでもあるのだけれど、

オブレード会(OMI)の神父と共に、
命がけで爆弾のなかを
イスラム教徒の救済に走るので有名。

もう10年、
毎年のように起こる戦闘に
適切な指示をだして、
私たちと行動を共にしてくださる方だ。

今回は、
まだ戦闘は
起こっていないものの、

新聞にも出た、
BIFFバンサモロ自由戦士と、
警察特殊部隊の戦闘で
40名近くが亡くなった後、

いよいよ国軍が
動き始める、
と言う状況になり、

リグアサン湿原近くに、
BIFFの戦士たちが
集合しつつあり、

住民たちは、
戦争が避けられない
と言う状況のなか
大量に村から避難してきたのだ。

言い換えるならば、
反政府組織自体が、
戦闘が避けられないと言う理由で、
住民たちを避難させたともいえる。

おそらく、
週末から来週にかけて、
かなりの規模の戦闘が
この地で起こる可能背が高い。

いよいよ、始まったか・・・
という感じ。

まだ、地域的なものではあるが、
過去の経験からも、
国軍が関与し始めると
大きな戦争になる可能性が高い。



sg28
この村の人びとは、
MCLの事を
よく知っている


まだ、ほとんど
報道もされていない状況のなか、
MCLだけが、

早急にビニールシートの
支援をしに来てくれたので、
避難民たちは、
大喜びで迎えてくれた。

なかには、
MCLの奨学生の
お父さんもいた。

それにしても、
支援のための基金が、
円安で底をついている状態。

皆さん、
どうかこの子たちを救うために
寄付をお願いします。

これから、さらに
戦闘が広がる
可能性が大きいです。



sg29
戦争の起こる
原因はなにか???


机上の空論や、
テレビやゲームでしか、
戦争を考えられない人びとにとって、

こうした場で、
子どもたちや普通の人びとが、
どのようなつらい目に遭うのか、
理解できるだろうか。

この地では、
40年にわたって、
イスラムの人びとと、

フィリピン政府の間で
戦争が起こり続けてきた。

ぼくも、2001年に、
100万を超える
難民を見てショックを受けて、
MCLを始めたのだが、

それ以来、
毎年のように
戦争救済を続けてきた。

40年以上前までは、
宗教の違いがあっても、
四〇〇年以上
平和にやってきたミンダナオ。

戦争の起こる
原因はなにか???

最初はイスラムとキリスト教徒の
宗教対立かと思ったのだが、
現地では、
対立しているどころか、

カトリックのグレイスさんも
イスラムの婦人たちと協力して、
戦火のなかを、
子どもたちの救済に駆け回っている!

初期のころは、
困惑するばかりだったが、
次第次第に、
人々から話が聞こえてきた。


sg30
湿原地帯に眠る
石油と天然ガスの利権


実は、
宗教の違い、
民族の違いではなく、

そばの
湿原地帯に眠る
石油と天然ガスの利権をめぐる、

国際的な
利権争いであると
現地の人たちからの話で
わかってきた。

リグアサン湿原には、
膨大な石油と天然ガスが眠っていて
海外からの
極秘の調査も済んでいる。

その埋蔵量は、
パイプを地面にさして
火をつけると、
料理が出来るほどだそうだ!

しかし、
東南アジア最大の
リグアサン湿原は、

5000世帯を超す
漁民たちにとっても
重要な生活の場!

中東の戦争も、
国際的な採掘権の
利権争いに過ぎない?

戦争で犠牲になって
かわいそうなのは、
一般市民と子どもたち。



sg31
早急に
難民救済を実行


私たちは、
早急に避難民救済活動を
実行に移した!

それが可能なのも、
ミンダナオ子ども図書館の
イスラムの大学生たちが、
現地でも活躍するからだ。

現地で
イスラム教徒が使う言語は、
マギンダナオ語だ!

イスラム教徒も種族によって
言語が異なっていて、
彼らは、マギンダナオ族だから!


避難民たちは、
雨よけのシートも買えず、

こんな子どもたちが、
雨に打たれているなど
放っておけない。


妻と
MCLの奨学生たち!


福祉局のスタッフをはじめ、
現地の村長さん、
MCLのイスラムの役員やスタッフ、

同行してきた、
イスラムもクリスチャンも
原住民の若者たちも、
みんなで協力して、
避難民を救済する。


このようなところで、
食事をし、
時には半年から一年間も、
夜を過ごす。

雨が降ったら、
どんなに惨めかは、
想像できよう。


sg32
今回の戦闘は、
早く収まると
良いのだが


長い戦争になると、
半年から一年半、
ひどいときには数年も、

難民生活を
しなければならないのだ。


難民生活は、
とりわけ、

お年寄りと
子どもたちにきびしい。



難民生活が続く限り、
私たちは繰り返し、
もどってきては、
支援活動を続ける。


皆さんも支援
よろしくお願いします。
今回は、古着も届けました。

これからは、医療の問題も出てきます。
自由寄付で結構です
よろしくお願いします。

ミンダナオ子ども図書館支援方法


sg33
フランスで起こった
テロとMCL


お元気ですか。
ミンダナオでは、
子どもたちが
学校に通い始めました。

いろいろな
つらい体験をしてきた
子たちですが、
MCLの子たちは元気です。

フランスで、
アルカイダによる
テロが起こりました。

ヨーロッパでは、
イスラム教徒に対する反感が
高まっていると聞きます。

世界中に
反イスラムをあおるかのような、
マスコミを中心とする
情報がながれました。

ミンダナオでも
同じでしょう。

私が一番心配するのは、
MCLのイスラムの
子どもたちをはじめとする、

戦禍の中をかいくぐって
救済し続けてきた、

我が子のような、
現地のイスラムの
子どもたちや若者たちの心が、

(大人も同じでしょうが)、
この騒動で、
深く傷つくことです。


sg34
未来を背負うのは、
若者たちと
子どもたち


イスラムの子たちも、
心から愛情をもって
見守っている私たちにとっても、

自由も大切でしょうが、
教皇フランシスコが言うように、

言葉上の「自由」を盾にとった、
人の気持ちを省みない
安易な表現は、

意図的に
戦争を作る操作に似ていて、
どうしても
納得できない部分があります。


今ちょうど、
教皇フランシスコが、
フィリピンに来ており、

その後、
ミンダナオの和平交渉に関する発表が、
アキノ大統領からあるようですが、

それを踏まえて近く、
イスラムの若者や、

子どもたちの様子を
サイトに上げようと
思っています。

また、
一月末に学生総会があるので、
そういった点も含めて、
MCLの若者たちに
シンポジウムをしてもらい、

ミンダナオの平和について
意見を求めてみようと
思っています。

未来を背負うのは、
若者たちと子どもたちです。

彼らが幸せに暮らせる社会を
作っていかない国には、
未来は無いと思います。

日本の子供たち、
若者たちは幸せかな???



sg35
戦闘避難民の
調査を継続


プランギ河の向こう岸で
戦闘が起こり、


約200世帯が、
この村に
避難して来ている。


この地域は、
BIFFの最も活発な地域。

普段は、
私たちも行っているが、
今は、戦闘で
中までは入れない。


今回の避難民は、
ハウスベースで
とりあえず、親戚や友人の家々に
避難して生活している。

この地域に住んでいるのは、
みんなほぼ、
湿原で漁業をしている
漁民の家族たちだ。

米やトウモロコシを
植える土地も
持っていないので、

とれた魚を町で売って、
かろうじて生計を立てている
極貧の家族。




sg36
戦闘で家が
焼かれている!


パンパパン
鉄砲の音が聞こえて
私たちもあわてて避難!


遠くに煙が上がっている。
地元の方が言った。
反政府勢力(BIFF)によって
火がつけられている!

国軍が、
はいったから、腹いせに
家に火をつけて燃やしている!

目の前の川はプランギ河で、
平和な時には、
わたしたちは、
良くここを舟で通るのだが。

しかし、今は
危険ではいることが出来ない!
戦場と化しているからだ。
そのとき再び、

パン、パン
パパン!
鉄砲の音がした。

案内の人は、
慌てて、
逃げるように指示した。

「対岸の遠くでも、
今の武器は高性能で、
遙か彼方の目標でも
狙えるんだ!!」



sg37
五か月も
避難生活をしている
家族も!


避難民のなかには、
すでに5ヶ月も
避難している人々も居る。

戦闘で、
いつも犠牲になるのは
善良な市民と、

そして、
子どもたち。

私たちは、
とにかく子どもたちのために
シートと古着、

そして、
読み語りをすることにした。

さらに、この村に、
将来、保育所を建設し
平和への先駆けとしよう。



sg38
戦闘が起こり
救済に
むかったばかり!


ここも、
先日戦闘が起こり
救済に向かったばかりの村だ。


戦闘は、
この湿原の向こうで起こり、
左の方の集落から、
避難民が出たが、

現在、避難民たちは、
親戚や知り合いの家に
避難している。

しかし、親戚であっても
大きな家に
住んでいるわけではなく、

掘っ立て小屋のような家に、
避難してきた家族を
収容することなど不可能だ。

しかも、こちらでは、
ひと家族に、
5人から10人の
子どもいる大家族だ。

そこで、しかたがないので、
ヤシの葉で葺いた
掘っ立て小屋を作って
住んでいるけれど、


雨が降ると
びしょぬれになる。

貧しくて
米も塩も買えないのに、
ビニールシートを買えるわけがない。

とりあえず、
持ってきたシートを配ったが、


土曜日にはもどってきて、
さらに、
200家族に古着とシート、

そして
子どもたちのためには、
読み語りを行う予定。



sg39
なぜ保育所が
必要か!

保育所支援は、
読み語りと共に、
MCLと極貧の地域を結ぶ、
大きな意味を持つ支援活動です。

保育所支援を
始めたきっかけは、
7年ほど前でしょうか、

フィリピン政府が
保育所か幼稚園を経由した子以外は、
小学校に入学できない、
という制度を制定しました。

理由は、
保育所で読み書き計算の初段階、
ABCを学ばずに直接小学校に入ると、
先生が、大変だと言う理由からです。

ですから、保育所というのは、
日本のように、
子どもを親から預かって、
託児をする施設では無く、

毎日、
2時間ほどかよって、
ABCを学ぶ場所なのです。

バランガイセントロと呼ばれる
村の中心には、役場もあり、
大概、保育所と幼稚園が
建てられるのですが、

保育所建設の費用は、
集落が持つことに
基本的になっており、

多数の山奥や極貧地帯の集落では、
人びとは、極度に貧しく、
とても保育所を
建てることが出来ません。

椰子の葉で吹いた、
屋根だけある
小屋の下で学んでいたり、

ひどいときには、
空き地や
木のしたで勉強しています。

そのような村々と
交流をもつにいたって、
現地から、

「なんとか、保育所を
建ててもらえないか」
という悲痛な声が聞こえてきて、

「それならば、
日本の支援者の方々に相談してみましょう」
と、始められたのが、
保育所建設支援です。

2015年の現在までに、
80棟以上建てていますが、
まだまだ足りません。



sg40
保育所の
需要の多さは
すごいもので


山村のあちこちの集落から、
4,5キロも離れている
村の中心にだけある保育所に、

ジャングルの中に
小さな子どもを送り出して、

歩いて通わすことなど
危なくて出来ません。

親は母親もふくめて、
早朝から、
山仕事に行かなければならず、
とても送り迎えは出来ません。

そのようなわけもあり、
へんぴな集落での
需要の多さはすごいもので、

まずしい集落に行くと、
必ず言われます。

「藁ぶき屋根の
小さな保育所でも良いので、
建てていただけないでしょうか!」


sg41
椰子の葉と
竹の保育所は

椰子の葉と竹の保育所は、
安いのですが、
半年から一年もたつと
ボロボロになってしまいます。


そこで、MCLで作る保育所は、
せめて土台と下壁は、
コンクリートとブロック製にして、

屋根は、
トタンにしたのですが、

それでも、4,5年たつと
トタン屋根に錆が入り、
竹壁が痛んでくるのです。

建てたときは、壁も良いし、
正直に言って、熱帯の気候では
竹の方が涼しくて勉強しやすく、
今でも使われていますが、

ただし、
やはり上壁が竹ですので、

3年もたつと竹壁の補修や
鉄板屋根のペンキ塗りなど、
修理が必要になってきます。

安くても良いから
なるべく多くの簡易保育所を
建ててほしいという
福祉局の要請で始めた活動であり、

建設後の修理と
ペンキ塗りは、
村でやってもらうことが条件で、

引き渡し式で
公文書にサインするのですが、


公文書のなかでも
述べているように
維持修理は、
村で行う規定なのですが、

比較的豊かで、
教育に理解がある村は
良いのですが、

日々の食事にも窮する
貧困の山村では、
修理など
出来るはずがありません。


sg42
子どもたちの事考えると
放っておくことは
できません


そのような村の状況が
見えてきますと、
MCLの建設責任は
果たしたとしても、

そこでこれからも学んでいく
子どもたちの事を考えると
放っておくことはできません!

そこで、意を決して、
保育所を建てた後の維持も
MCLの管理にして、

MCLの予算から
修理代を
捻出することにしました。

しかし、円安に加えて
ペンキなどの資材も物価高により、
つぎつぎに修復するのは
困難な状態です。

それでも2022年から、
わたし自身が毎年
ひとつひとつチェックして、
訪問してきた日本の方たちと、

ときには山の原住民の村に
数泊して、
村人たちと一緒に、

ヒナイヒナイ バスタ カヌナイ
ゆっくりでも たえることなく
修復していくことに決めました。


sg43
簡易保育所は
辞めて


また2020年からは、
福祉局からの要請で、
緊急支援として始めた
簡易保育所は辞めて、

将来の事を視野に入れて、
入り口が二つあり、
トイレも二つある、

スタンダードの保育所のみ、
ミンダナオ子ども図書館では、
建てることにしました。

半分竹の保育所は、
90万円で、

総セメントの場合は、
130万円のどちらかで
お願いすることにいたしました。

しかし、今まで
緊急支援として建てた
簡易保育所も、
傷んできたとしても、

村の貧困の状況と、
そこで学ぶ子どもたちの事を
考えると放っておけず、

特に
貧困地域を選んで建ててきた
80棟近い保育所を、

今後はさらに、
建設後も放っておかずに、

現地の子どもたちや
採用している奨学生の
状況調査もかねて、

保育所の現状を
絶えず把握して、


また、MCLの子たちと
読み聞かせに行った後などに、
スタッフや奨学生たちと、

補修と
ペンキ塗りを
実行していくことにしました。

とりわけ、
日本から若者たちや支援者が
MCLを訪問して
来られた時には、

スタッフたちと一緒に
電気もない竹の小屋ですが、
数日民家に泊めていただき、

村人たちといっしょに
保育所の補修をしたり、

現地の子どもたちと
遊んだり、

生活体験を
できるようにしていきたいと
思っています。

日本の訪問者や青少年にとっても
こうした
ボランティアの実体験は、

一生心に残る、
貴重な体験になることが、
わかってきましたので!

村を去るときに
泣き出す青少年や

訪問者の方々も
多いです!

保育所建設活動は、
修復とともに、
これからも、

僻村の人々とMCLを結ぶ
心の架け橋を作る
貴重な支援活動として、

読み語りや医療と共に、
貴重な支援活動として、
継続し続けていきます。

若者たちと画家の
ミンダナオ子ども図書館
マノボ族の村での体験記:10分
 
映像を 見たい方は ここをクリック


sg44
貧しい僻村では、
保育所など
建てられず


保育所建設は、
本来、行政の支援で集落単位で、
行わなければならない
教育事業なのですが、

教育省からの支援は、
学校が建設されている村の中心に、
学校に並行して
幼稚園が建てられるだけで、

僻村の子どもたちは、
幼稚園に通うには、
時には山を越え川を渡り、

ジャングルを抜けて、
通わなければならないとすると、
危険で遠く、
幼い子には、とても無理です。

それゆえに、僻村では、
福祉局の傘下の保育所でも
2年間ほど学べば、
小学校に入学できる事になったのですが、

貧しい僻村では、
保育所など建てられず、
大木の下などで、
学ばなければなりません。

ミンダナオの山奥には、
平地を追われた
原住民たちの貧しい集落が、
無限に散在しています。

それを考えると、
無限に需要があるとしか、
考えられません。

ミンダナオ子ども図書館は、
そうした僻村の村々を
好んで訪ね、

絵本の読み語りをした後に、
村の状況を聞くと、
崩壊家庭や母子家庭で
困窮している子たちもいて、

奨学生に採用したり、
MCLの本部に住んで、
食べられて学校にも
行けるようにしてあげたり、

薬一つ買えずに死んでいく子を
病院に運んで手術したり、
そのような
関係を続けてきました。

ミンダナオ子ども図書館(MCL)の噂は、
電気もない、
はるかな山奥の村々にも、
伝わっていて、

馬でしか行けない
初めて訪ねた
最奥の集落でも、

子どもや村人が大喜びで、
「MCLが来てくれたー!」
と、叫んで、

家から飛び出してきて、
大歓迎してくれたりします。

「これで、だいじょうぶ!
いざというときには、
MCLに行けば助けてもらえる!」

いったんそのような、
家族のような関係を
持ってしまい、

木の下で勉強している
子どもたちなどを見てしまうと
保育所も
作らざるを得なくなります。


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維持や管理も
必要となることが


建物などの
物的支援は、
絵本の読み語りや、

スカラシップや
医療とは異なっていて、

その後の維持や管理も
必要となることが
わかってきました。

本来、行政との契約では、
MCLは、建設だけで、
維持管理は、
村にまかせられるのですが、

村は貧しく、
壁や屋根にペンキを塗ったり
修理することも出来ません。

イスや机もプラスティックだと
修理は不可のなので
あえて木や竹のものを
選ぶのですが、

やはり、
数年たつと
痛んできます。

しかし、
竹の外壁はボロボロになっても、
意外と中は整っていて、
先生や子どもたちが
大事に使っているのがわかります。

また、
保育所の先生は、
高校を卒業した子なら
なれるのですが、

僻村では、
小学校を卒業するだけでも難しく
先生になれる子が
いないケースも多いです。

その場合は、
そうした村から奨学生をとり
一人でも、
高校を卒業して、

町に出て仕事を見つけるよりも、
幼馴染と結婚して、
懐かしい故郷の保育所の先生や
学校の先生になる子も多いです。

奨学生の
大学卒業生で、
最多いのは学校の先生!

高卒では、
保育所の先生でしょう!

ある子は、
地元の学校の先生になり
給与が出るようになると、

自分の給与で、
貧しい自分の村の子を
学校に行かせたり、
お昼を食べさせてあげたりしています。


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2015年度から
保育所建設は


そうしたことから考えて、
2015年度から保育所支援は、
修復や維持管理も含めて
行っていくことに決めました。

ただ、新設に関しては、
福祉局からの要請で
簡易保育所はやめて、
1:土台と下壁がセメントで屋根が鉄板
2:土台と壁もすべてセメントで鉄板屋根
二つの種類のスタンダード保育所にしました。

1:土台コンクリート製
ペンキ塗り+修理費込みで、
90万円でお願いします。


2:総コンクリート製
出入口は二つ、トイレも二つ。
130万円で可能です。



長く使ってもらうためには、
総コンクリート製、
1棟130万円が理想ですが、

ミンダナオは熱帯で暑く、
山の村に電気も来ていないので
クーラーなど夢のまた夢!

そうなると現地では、
補修が必要になるとしても、
竹壁の方が空気が通りやすく
気持ちが良いと言われます。

村とのつながりの大切さも
考慮して、
今後も、くり返し
現地を回って状況を見て、

必要があれば、
塗装や修復をして行くことに
決めました!


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春に戦闘があった
イスラムの村にも
保育所が建った























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映像でみる、
保育所建設

  普通は外国人では
とても入れない
と言われている
危険地域、
リグアサン湿原の
中州の村
ナブンダスに、
ミンダナオ子ども図書館は
保育所を建てた。
その開所式に、
舟に乗って
若者たちと向かう。
途中で現地の
子どもたちも
乗り込んでいく。
悠久の時間を感じさせる、
リグアサン湿原。
世界最大の
ワニもいる湿原。
制作:松居友  
イスラムの湿原地域に
建てた
保育所の開所式:13分
  
映像を 見たい方は ここをクリック


  ミンダナオ子ども図書館で
行っている保育所建設。
すでに80近い数の
保育所を
建設している。
保育園を出ていないと、
小学校に入れないという、
国の方針ができて
多くの貧しい集落では、
建設ができずに
当惑の声が・・・
それに答えて、
日本の方々の寄付で、
保育所建設が
可能になった。
マキララの山の
集落に作った
保育所の様子の映像です。 

制作:松居友
 
山の集落に建てた
保育所の開所式:6分
 
映像を 見たい方は ここをクリック


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奨学生の
学業ストップの
現状と悩み


気になるのは、
今年後半になって、
MCLの奨学生に、
ストップする子が急増したこと。

その原因が、
転居して
行方がわからないケースの激増。

学校に教材を届けたり、
授業料の支払いに行くと、
奨学生はすでにいず、

先生も、
どこに転居したかがわからない、
とおっしゃる。

特に、
イスラム地域に
そうしたケースが激増した。

考えられるのが、
2015,6年の選挙の時期に
起こると言われている、
大規模な戦争。

それを恐れて、
今のうちに
親戚などをたどって、
現地から脱出しているように思える。

来年は、
戦闘地域を逃れて、
安全なMCLに転校したいという
イスラム教徒が増えるだろう。

円安で、
経済的に大変で
悲鳴を上げているのだけど、
ヤレヤレ、がんばらなくっちゃ。

スカラシップをストップする場合は、
支援者に宛てて
「お詫びの手紙」を書くことが、
義務づけられているのだが、

家族ごと
行方がわからないケースが多く、
スタッフも困惑し、

日本人スタッフの梓さんも、
支援者にどう説明し
お詫びしたら良いのか 、

途方にくれるしまつで、
見ていて
かわいそうになる。

支援者の皆さん、
本当に残念です。
わたしたちもサポートしきれず、
すみませんでした。



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もう一つの理由が
妊娠と結婚


若者たち、
特に大学生がストップする
もう一つの理由が、
妊娠と結婚だ。

この点に関しても、
こちらの若者たちの
心を察してもらうために 、

少し状況を
説明したほうが
良いだろう。


以下は、まずは、
日本人スタッフ梓さんの
支援者への
心のこもった手紙の抜粋!

「大学生を奨学生に選ぶときは、
高校生から大学に入るときも、
本人のスクリーニングをしています。

特に4年制のコースの場合は、
成績も良く、
大学での勉強に関心があるのか、
将来の夢なども含めて
直接面接をして決めています。

面接の時は、
真剣に勉強するつもりでも、
大学3年生くらいになると、
妊娠する学生が増えてくるのは、
現地スタッフも困っているようでした。

2か月に1度の
学生総会の際にも、
繰り返し気を付けるように
話しているのですが、

こちらの子どもたちは、
情熱的な子どもたちも多く、

恋愛に飛び込んだまま、
結婚していく
子どもたちが少なからずいます。

そうなると、
奨学金を
停止しなければならないし、
保護者もがっかりするし、

本人の経済状況では
大学を続けることは
不可能ですが、

やはりそれでも
愛の力に
なかなか打ち勝てず、
大学を止めてしまうそうです。

それから、
避妊について
日本ほど知識がなく、

カトリックの国なので
中絶が
禁止されていたり、

宗教的理由でなくても
授かったら産む、
という意識があります。

若いカップルの場合でも、
両親や兄弟たちに助けてもらって
赤ちゃんや子どもを
育てることができるので、

日本のように
若すぎて世話ができないから、
という理由で、
中絶することは考えられません。

また、
あまり成績の良くない子や
勉強に関心が
無い子どもたちの場合は、

途中で止めることのないように
短期コースや
スキルトレーニングを
勧めているとのことでした。」


とにかく、
最大の理由の一つが、
こちらの若者たちの強い心の情熱、
そして愛情の強さと真剣さ!

とにかく、
恋愛は最高の夢で、
結婚は最高の理想!

そのことは、
こちらでの自殺の原因が 、
日本のように
孤独死や閉じこもりではなく 、

恋愛の行きづまりと、
結婚を反対されて、
手をつないで心中すること!
からもわかる?



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こちらの子たちの
結婚観と妊娠観・・・


まずは、
こちらの子たちの結婚観、
妊娠観の日本との違いから・・・

こちらでは、
先住民族の子たちの場合、
14,5歳から
結婚することが多く 、

16,7歳になると、
結婚適齢期を
逃してしまいつつある・・・
という意識が生まれる。

20歳以上になり始めると、
日本での
30代を超えたような意識で、

仕事で兄弟姉妹を支えるという、
なにがしかの
強い意志がないと、
不安になるようだ。

そうした意味で、
大学生は、
順調に進学して20歳で卒業!


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しかし、
新しい制度では

しかし、
今まで小学校を卒業すると、
ハイスクールが4年の後に、

日本より2年早く、
大学に
入れたにもかかわらず、

来年から始まる
新しい制度では、
ハイスクールの4年間が、
ジュニアハイスクールになり、

さらに
ジュニアハイスクール卒業後に
新しくシニアハイスクールの
2年が加わって、

18歳で大学受験が出来るような
構造になりました。
ゆえに、大学卒業は、
日本と同じ22歳!

しかし普段は、
14,5歳で結婚する
山の子たちにとっては、

22歳は、
結婚適齢期を、
完全に逃がしているという、
焦りを感じる年頃。

とりわけ、
学業を幼い頃受けられずにいた
子たちの場合は、
さらに年齢が高くなり 、

それを考えると、
帰郷したときに
幼馴染の彼氏を見つけて、

そのまま妊娠して
結婚した方が、
幸せになれる
と思う気持ちもわかる。



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結婚のための
第一ステップが妊娠


興味深いのが、
結婚のための
第一ステップが妊娠!

カトリック教会の主催する
結婚前の準備教室に
ぼくも、
出たことがあるのですが、

40組ほど来ているカップルの、
なんと8割が
妊娠しているか、
子持ちだったり!

ある人曰く、
「妊娠してから結婚した方が良いよ。
子どもを産める体かどうか、
わかるからね。」

妊娠して
子どもを産んで、
家族を作ることが、

ある意味では、
仕事や勉強以上の夢であり
理想なのかな?

また、結婚は法律では、
17歳以上と定められている。
そこで、内輪の家庭結婚で
14,5歳で結婚して、

17歳になってから
子どもを連れて
教会で結婚式を挙げて、
その後に戸籍を入れる・・・!
それはそれで、いいんじゃない!

特に
極貧で親もなく育った、
MCLの子たちにとっては 、

小学校を卒業するのも
不可能なのに、
大学まで
行けただけでもすごいこと。

それならば、
せめて大学をがんばって
卒業してから結婚したら良いのにと
思うのだが、

ミンダナオで
大学に行けるのは、
30%ほどの
富裕層の子息たちだけ。

そんな子息たちと恋に落ち、
結婚を申し込まれたら、
それこそ夢のまた夢が、
実現したようなもので、

卒業も忘れて、
舞い上がってしまうのも
わかる気がする。


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幸せな人生を
始めてもらえれば、
それでうれしい

僕は、とにかく
MCLの子たちは、
極貧のさらにマイナスから
来た子たちだから、

人並みに
幸せな人生を始めてもらえれば、
それでうれしい、
と考えている。

それだから、
スカラシップをストップしても、
孤児故に、
僕が親代わりで
結婚式に参加するし 、

「子どもが生まれたら見せにおいで!
大変な状況になってしまったら、
かけこんでおいで!」 と言って、
祝福して送り出すようにしている。

彼らにとって妊娠は、
「避妊に失敗した結果」ではなく
子どもを産むことは、
小さいときからのあこがれなのだ!

たとえ結婚できずに
母子家庭になっても、
結構、
幸せに子どもと過ごしているし 、

親戚や親などが、
子育てを手伝ってくれる。

表向きは
カトリックの国であるにもかかわらず、
私生児に対する偏見も、
母子家庭に対する偏見も 、

離婚に対する偏見も、
再婚に対する偏見も、
年齢の格差に対する偏見も、
ほとんどないのが
不思議な事の一つ。

彼らの妊娠観は、
妊娠=結婚を手に入れた!
子どもを産んで
家族が持てる幸せへの一歩!

ただ大変なのが、
わたしたちで、
それをどう支援者に
説明し伝えたら良いのか・・・ヤレヤレ





活動の映像を
掲載してみました!

 戦争と平和
14分
平和構築と
学校建築
8分 
 映像を 見たい方は ここをクリック 映像を 見たい方は ここをクリック

海の下宿小屋に! 
海の下宿小屋に
何故ここに日本人 TV録画!
テレビ東京なぜここに日本人

池上彰の番組 パックンが来た!
池上彰の番組、パックン

戦闘避難民救済
2019年の戦闘避難民救済活動

イスラム避難民の 救済支援! 
イスラム避難民の救済支援

地震の悲しみで お父さんが!
地震の悲しみでお父さんが

酋長の依頼で! 読み語りに!
酋長の依頼で

地震の悲しみで お父さんが!
地震の悲しみでお父さんが

イスラム湿原に 保育所を建てた!
イスラム湿原に保育所を建てた

ミンダナオ子ども図書館の 日常から
ミンダナオ子ども図書館の日常を集めたサイト

原住民、イスラム、クリスチャン 私たちは一つの家族!
原住民、イスラム、クリスチャン、私たちは一つの家族!

総合活動報告の 記録映像
総合活動報告の記録映像

奨学生を決定に山へ!
奨学生決定に山へ

NHK国際放送 ミンダナオから来日! 
NHK国際放送

海の下宿小屋 クラクシン
海の下宿小屋

原住民の文化祭 マノボデー!
原住民の文化祭

イスラムの文化祭 ムスリムデー!
イスラムの文化祭

クリスチャンの文化祭 ビサヤデー!
クリスチャンの文化祭


ミンダナオ子ども図書館の最新の活動報告
支援者の方々への活動報告です!

ミンダナオ子ども図書館だより 宮木あずさ制作

現地日本人スタッフによる、
写真を交えた最新の活動報告です!

ミンダナオ子ども図書館 若者の友情:日記
ミンダナオ子ども図書館 若者の友情:日記
訪問等でMCLと出会った若者たちの想いです!

ミンダナオ子ども図書館:日記 松居友制作
松居友による活動報告および
製作映像や想いを載せた自由日記です!
訪問希望の方は ここをクリック!   ミンダナオ子ども図書館 支援方法  スカラシップ、訪問希望 ご質問は宮木梓さんへ メールしてください
mclmindanao@gmail.com

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