3Dスペース・モデリング
撮影背景として使用された実空間やスタジオセットは、いつまでもそこに存在しているとは限りません。 実空間の場合、時間や季節によってその姿を変えていきますし、スタジオセットの場合は、 ある期間が過ぎれば取り壊されてします。
こういった空間全体(スペース)の形状をテクスチャも含めて、簡易にモデリングすることが出来れば、 撮影背景のデータベース化が可能となり、時間にとらわれることなく、 背景空間の再現が出来ることになります。 次世代コンテント研究室では、この背景空間モデリングを、実写ベースで行えるよう、 調査・研究開発を進めています。
空間の再現という観点から、背景のテクスチャはそのまま背景画像として使用されることが望まれ、 出来るだけ高解像度であることが要求されます。 一般的な方法として、背景の360度のパノラマ画像を作成することが挙げられますが、 ハイビジョン放送での背景画像としては解像度が低すぎるといった問題が生じます。 そこで、背景空間全体をなめるようにハイビジョンカメラで撮影した高解像度の動画像から、 大きなサイズのパノラマ背景テクスチャを生成・データベース化し、 背景として使用する箇所だけをリアルタイムビューワーで描画する方法(図1)を開発しています。 この方法で、背景画像のデーターベース化・高解像度化が図れることを期待しています。
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背景空間のモデリングとしては、NHKによって開発された AxiVision というハイビジョン解像度撮影が可能なカメラを使用した 実験も行っています。 この AxiVision は、通常のRGB撮影画像とは別に、カメラからの奥行き(距離)をも画像として撮影することが出来(図2)、 この奥行き画像から背景空間をモデリングする手法を模索しています(図3)。
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また、調査の一環として、2d3 社の boujou による背景モデリングのテストを行っています。 前述の背景画像のデーターベース化・高解像度化の際に撮影した動画像を そのまま bouju に入力することで、大まかな空間の点郡データが作成できることが判っています(図4)。
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このようにモデリングされた実空間に、立体物映像部品を配置するのですが、 配置の際に違和感を少なくするために、立体物の照明条件(ライティング設定)を実空間のそれと 一致させなければなりません。 そのために、実空間の照明条件を取得する手法の研究開発も行っています。 簡易な説明になりますが、High Dynamic Range Image(HDRI)というイメージファイルフォーマットを利用して、 照明条件を取得することを実験しています(図5)。
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