ソリッドスネーク・タイトル画面
METAL GEAR2 SOLID SNAKE
MSX2(或いは其れ以降)用ROMカートリッジ
発売元:コナミ
発売年月日:1990年7月20日
標準小売価格:7,800円
ジャンル:タクティカルエスピオナージゲーム

・ストーリー
安定化の時代・・
 米ソ、中ソ等の大国間の雪解けに始まり、各地の地域紛争も和解、緩和に向かい、ようやく世界は、安定化の時代を迎えようとしていた。
 時に1990年代後半、正に核の驚異の時代は終わりを告げ、新たな安定の新世紀、21世紀を迎えようとしていた。
 しかし、平和を好まない者達もいた・・
 中東で、不穏な空気が漂っていた。ソ連、中国、中近東に隣接する小国、ザンジバーランドに軍事政権が樹立。ザンジバーランドは、世界各地の廃棄用核兵器貯蔵庫を襲撃、未だ未廃棄であった核兵器を奪い、世界で唯一の核武装を遂げた後、隣国に対して無差別侵攻を開始したのである。
 核を放棄した世界にとって、ザンジバーランドの核武装は、文字通り「驚異」となった。核保有を放棄した世界に、再び核の驚異が芽を出そうとしていた。
 
エネルギー危機
 一方、30年は持つと言われた、世界の石油資源の枯渇が、予想以上に早く到来し、石油に代わる安全な代替エネルギーが得られないまま、世界は深刻なエネルギー危機に直面していた。
 そんな中、チェコの生物学者、キオ・マルフ(Kio Marv)博士により、高純度の石油を精製するという微生物(微細藻類)「OILIX(オイリックス)」が発明された。
 OILIXを巡って、世界は再び緊張状態へと移行、アメリカの学会に出席する為にチェコを離れたマルフ博士は渡米途中、ザンジバーランドによって拉致されてしまう。
 ザンジバーランドは、核兵器とOILIXによって、軍事優位を確保しようとしているのである。
 ・・僅か数ミクロンの微生物が、今、世界を左右しようとしている。
 
 元FOX HOUNDERのSOLID SNAKEに、極秘任務が下る。
 ザンジバーランドに単独潜入、キオ・マルフ博士を救出せよ!世界を、核の驚異から護れ!

画面写真・壱 ゲーム画面、其の壱。 我ながら、とんでもない写真をセレクトしたものだ(苦笑)。

・堅い蛇(「王様」か・・(苦笑))
 言うまでもなく「メタルギア(以下MG)」の続編である。前作から3年の歳月を経て登場したが、ゲーム内では4年が経過した状態だ。グラフィックやサウンドを含め、あらゆる面で強化が行われている。
 
 先ず、敵(警備兵や監視カメラ)の索敵能力がアップしている。敵の視界は、MGでは前方(水平、若しくは垂直方向)のみだったのだが、ソリッドスネーク(作品の方。以下SS)では前方45゜にまで拡がっている。
 例を挙げよう。MGでは、障害物も何もない場所であろうと、軸を合わせない限り、警備兵に見つかる事はなかった。しかしSSでは、軸を合わせなくても、視界内に入ってしまうと駄目。
 
 敵は、音に対しても敏感になった。銃声以外でも、何かの物音が発せられた場合、其の音の発生源へ近付くのだ。例えば、スネークが壁を殴って(壁を殴ると、物音が発生する)、其の画面内に警備兵がいたとする。其の警備兵は「何の音だ!」と言いながら、音の発生源へ近寄る。MG以上に「確実に隠れる」事が必要になっている。
 
 これに対抗すべく、スネークも新しい技を覚えた。「葡伏前進」だ。葡伏前進中は「一切の攻撃が出来ない」「移動速度が低下する」というデメリットが生ずるが「戦車や机等、隙間のある物の下に隠れる事が可能になる」「普通に歩いた時、物音が発せられる床(或いは、其れに準ずる地形)でも、音をたてずに移動が出来る」「地面に置かれた地雷を回収できる」という利点が出てくる。又、通風口等の、葡伏前進でないと通過できない場所もある。これを駆使しないと、任務達成はおぼつかない。
 
 敵側の追跡モードにも、変更が加えられた。平時は(危険レベル)LV.1だが、敵に見つかった時はLV.3に移行する。一定数の敵を倒すか、数画面分移動すると、LV.2(追跡モード)となる。此処で、追手に見つからなければLV.1となり、見つかってしまうとLV.3へ逆戻りだ。
 
 スネークの前に立ち塞がる敵も、MG以上に個性的な奴が揃っている。特に、SSに登場する傭兵は、地形を利用して戦う奴らばかりだ。弱点を突かない限り、攻略は不可能だ。
 
 レベルアップの条件も変化している。SSでは、傭兵を倒す事により、レベルアップする。レベルアップ時の特典は、MGと同じ。
 
 MGで好評だった(笑)段ボール。其れ以外の、身を隠すアイテムも増えている。「バケツ」は、何故かスネークの身体を隠せる(爆)程の、アルマイト製のバケツだ。効果は段ボールと同じだが、移動する際に取っ手が揺れて、音が鳴ってしまう(笑)のが欠点か。もう一つ。「カモフラージュマット」は、武器扱いのアイテムだ。葡伏前進時に装備すると、床と同化(笑)できる。但し、動いてしまうと、マットをその場に置いてしまう形になるので、回収する必要がある。
 
 今回も、ストーリーが秀逸だ。特に、登場人物とスネークの会話は、MG以上に映画を意識している感じだ。例えば、スネークが傭兵の一人「ランニングマン」を倒した時。ランニングマン曰く「何故、チーターが蛇に負けるのだ・・」スネークの返事「死に急ぎすぎたんだろう?」
 SSでも、意外な人物が、敵として立ち塞がる。そして、後半に相当する捕虜収容所に入ってからは、畳み掛ける様にイベントが迫る。最後に待ち構える傭兵「NIGHT SIGHT」を倒すと・・嗚呼、この事は、口が裂けたら言えない(笑)。
 
 MG、SS共に、今でも他機種への移植が望まれている。MGは移植が可能であろうが、SSの場合、エピローグの関係上、無理かと思われる。何故なら、SSのエピローグには「MSXでなければ無理」な仕掛が施されている。ある意味、ハードに依存する演出である(笑)。「スナッチャー」の様な差し替えは、不可能であろう。
 
 「メタルギア・ソリッド」の発売が待たれる今日この頃であるが、プレイする機会があるならば、是非とも挑戦して欲しい。もっとも、ハードは兎も角、ソフトの入手は困難であるが(苦笑)。
 MERRY CHRHISTMAS SOLID SNAKE!!

画面写真・弐 ゲーム画面、その弐。 終盤、メタルギア改Dとのバトル。