投稿者:よーやん
DIO様・・・私の・・・DIO様・・・一体・・・何処へ。
ああ、すまない・・・ここはドコなんだ? え?モリオー? それはどこだ?え? ミヤギケン?
えーと・・・ここは一体ドコの国だと聞いて居るんだ。ずいぶん長い旅をして来たから・・・え? 日本?
それは・・・あの憎い空条承太郎の故郷ニッポンの事なのか? あんたは一体!?
・・・なんと!アナタはあの、私の敬愛してやまないDIO様のご子息!?
そんな・・・いつの間に。DIO様・・・子供なんか作って居たとは・・・ショック。
それでお母様は? はい、DIO様の奥様の事です。え?ご再婚なさった・・・今イタリアに・・・そうですか。
それよりもDIO様は・・・アナタのお父様のDIO様は今一体ドコに!?
なんだって!?ああ・・・やっぱり・・・なんか目が覚めたとき、とてつもなく空虚な、イヤな気分がしたものだった。
いきなり起こされ、訳も分からないまま飛行機に乗せられ、やっと事の真相を聞くことが出来たというのに・・・ああDIO様!!!
DIO様はやっぱり、あのジョースター一行に殺されてしまったのですか?あの卑怯で、醜く、勝つためには手段を選ばない人非人。
勝つためには湯水のように金を使い、勝つためには野良犬をも使うあの恐ろしいジョースターの者たちが
よってたかってDIO様を亡きものにした・・・と?
え? アナタは何も知らない? ジョースターですよジョースター!!スタンド使いなら誰でも知っているという・・・
いや、あなたはスタンド使いでしょう? 私にはわかる。現にこうしてスタンド同士で会話をしているじゃありませんか・・・。
アナタの人型スタンドと、私の不定型な水のスタンドがどう会話をするかがギモンですが今こうして話すことが出来ている・・・。
そう、あなたのお父様・・・DIO様は偉大なスタンド使いでした。お父様は全てのスタンド使いの頂点に立つ方でした・・・。
それをあのジョースターたちめが・・・。
いえ、あなたのお父様は強いだけでなく大変お優しい方だったのですよ・・・私には特に・・・良くして下さいました。
私はこの通り目が不自由なので・・・いや、でも水のスタンドが有るのでWCやフロ、食事などには不自由しませんでしたが、どうも着替えと歩くのは苦手だったのです。
しかしDIO様は・・・いつも私がズボンを裏返しに履いてしまうのを注意して下さったのですがある日、
「そうか、スボンに後ろ前が有るから間違ってしまうのだ。これはお前が悪いのではナイ、ズボンのせいだ。ズボンが悪いのだ。
これからは私もズボンの後ろ前を気にしないで履こう。だからお前も恥じることはない。ジッパーが開けっ放しだって、
ホラぜんぜん構わないではないか」と言って前のチャックを全開にされて・・・。
いや、私はこのとおり何も見ておりません、変なこともしてません。めっそうもない!!
ああ・・・でもDIO様のご子息・・・なんてことだ・・・あのDIO様の血を継いでいるなんてうらやましい・・・。
いえ、私は本当にあなたに会えて良かった。
ああ・・・お顔が見たい。さぞDIO様に似て美しくりりしく気品のあるお顔をなさっているでしょう。
え? なんでDIO様のカオがわかるのかって?
それは・・・私が特別にお許しを得て、DIO様のお顔に直接触れさせていただいたからです。
私は触れればモノの形が分かるのです。ああ、触れたい・・・あなたのお顔に・・・。
え? 触れてもよろしいのですか?そんな恐れ多い・・・いや、触らせて下さいせっかくですから。
なんと・・・この額の上の3つの丸いモノは髪飾りですか?DIO様も好んで良くハート形のを付けていらっしゃった・・・。
え? 髪型だ? そうですか・・・今はそういうのが流行なんですか・・・わかりました。
ああ、やはりりりしいまゆと大きな目、彫りの深い顔立ちをしていらっしゃる・・・美しい・・・分かります私にはあなたの美しさが。
あ、でも鼻毛が伸びていますね・・・え? サルディニアに行く飛行機の中で切ろうと思ってて忘れていた?
よろしければ抜いて差し上げましょうか? 痛いからいい? そうですか?
DIO様はよく私に鼻毛を抜いてくれとおっしゃっていました・・・DIO様のカオに触れられるのは私だけです・・・ふふふ
あの屋敷に住んでいた「ヴァニラ・アイス」も、執事の「テレンス・ダービー」さえも、DIO様の体にさえ触れることは許されなかった・・・。
目の不自由な者の特権ですね。目で見ようとしないからこそ、あの方は私に心を許されたのです。
さあ、お坊ちゃま・・・あなたも私に心を開いて下さいますね・・・そして二人でジョースターを・・・。
え? それには「予想」が要る?何ですかそれは?
「未来を見、これからを言い当てる力を持つことで、全ての頂点に立つことが出来る」・・・そうおっしゃるんですか、そうですか。
そう・・・あなたのお父様は「時を止める事」が出来ました。しかしそれでもあのジョースターには負けてしまったのですからね。
それに勝つためには「これから何が起こるか」それを予測する力こそ必要なのでしょう・・・さすがお坊っちゃま・・・。
え? やめろその呼び方? なんかチャマチャマしていて気持ち悪い? そうですか? ではお名前を・・・
そう、あなた様のお名前をうかがっておりませんでした。ジョ・・・ルノ?ジョルノ様!! なんと神々しいお名前でしょう。
もちろんお父様が名付けられたんですね? え? 母が付けた? 本当は日本名でシオバナ・・・ハルノ・・・?
なんかピンと来ませんね風邪ひいたような名前で。
ではジョルノ様とお呼びしましょう! そしてあなたの言うとおり私も「予想」致しましょう! で、一体何を予想すれば良いのですか?
え? マンガ? なんでしょうかそれは・・・絵の描いてある本の事ですか?それはボインゴのスタンドの事ですか?
あのお・・・私は目が不自由なので申し訳ありませんが、その・・・マンガとやらのストーリーを読んで聞かせてはいただけませんでしょうか・・・。
有り難うございます・・・もったいなくて泣けそうです。ああ、DIO様も良く私に本を読んで下さいました。
小学校も出ていない私には、経済学とか超常現象の話や天国論とかは難しくてよく分かりませんでしたが眠れない時に読んで下さる「メリーさんと子羊」のお話は何度聞いても楽しゅうございました・・・。
幼いころ生き別れになった母の胸に居るようで・・・ううう
あ、失礼致しました。ついジョルノ様の胸で泣いたりして・・・お許し下さいませ。ああ、どうかそんなイヤな顔をなさらずに・・・。
眉間にシワが寄るとコラーゲン注入して取るしかナイそうですよ?
ではお話を・・・あ、気にしないで下さい。お話を聞くときはこうやってこの布を頬にあてて、指をしゃぶりながら聞くのがクセなんで・・・。
続けて下さい。刑務所のお話ですか・・・囚人は女ですか? 何!! それはあの憎き空条承太郎の娘だってえええええ!!!!!!
あ、申し訳有りません。ついコーフンして周囲に水流を巻き起こしてしまいました。お洋服を濡らしてしまったようで申し訳ございません。でも私の水はスタンドですからすぐに脱水出来るのですよホラ。さっき泣いたときの鼻水のシミも抜いておきましたから。
それで・・・この娘が承太郎の命を助けるためにDISCを持ち出そうとしてるというのですか。それは大変です、阻止せねば・・・。
それでその神父が妨害するのですね。え!? なななななんだって!?
その神父は16歳の時DIO様に会ったことがあるのだってえええええ!?
そう言えばDIO様・・・エジプトに居た頃、時々「お忍び」でご旅行をされておりました。
ええ、あの通りの日に当たれない体でしたので、棺桶に入れて、念のため二重底にして、
上の段にはちゃんと本当の死体を入れておくのです。そしたら開けて調べる人も居ませんでしたからね・・・
そうやって死体ごと冷凍にして運ばれて行ったみたいですがまさかアメリカまで行っていたとは!!
それにそんな若い少年と密会を!!!
ええ・・・そうです。DIO様は若いコがお好きでした。私のような20歳を過ぎた若者よりは、ブサイクでも若いオインゴやボインゴ、果てはまだ11ヶ月の赤ん坊まで・・・。
いえ、別に何をするワケでも無かったと思いますが、「若い力が私にパワーを与えてくれる」とかおっしゃってはそのような者をお近づけになったり、また、夜な夜などこかに物色に出向かれたり・・・。
覚えております、あの夜はカキョウインとかいう日本の少年を「お持ち帰り」になったのでした。
私が「そのような卑しい者を配下にくわえては後々裏切られます」と申し立てたのですが「肉の芽を植え付けてあるから大丈夫だ」と・・・。
少年はもう植えられて居るようで、DIO様の腕の中で呆けたようになっておりましたが、私は心配でなりませんでした。
それがよもやあのような事になるなんて!あの承太郎に肉の芽を抜かれたカキョウインが、事も有ろうにDIO様にタテつこうとエジプトに戻ってくるなんて!!!
・・・ジョルノ様・・・肉の芽など信用してはなりません。
本当に信用できるのは、あなた自身に心酔し、あなたのためには命も捧げる私のようなものだけでございます。
それで・・・この神父はこの時、肉の芽を植えられては居なかったようですね。
なぜならDIO様が亡くなったら肉の芽は暴走致しますから・・・
しかしDIO様亡き後、そのカタキを討ち、その娘を亡き者にしようとしているとは・・・なかなか見所のある若者だったようで・・・。
ああ、私もこうしては居られない。いや、DIO様のためにもまず、しっかりと「予想」をしなければ。
それで・・・この神父は承太郎の記憶を読み、DIO様の「天国」を実現しようとし、この娘はそれを阻止しようとしてるのですか?
まだそこまでは知らないのですね。そうですか・・・。
それで・・・え? 天からカエルが降ってくるだってええええ!?
そんな事がスタンドで可能なのですか?
え? あなたもカエルを出すのは得意中の得意だって? さすがはDIO様のご子息。
私などはせいぜい、水筒の中に小魚や人間の生首を突っ込むことがせいぜいです。
それで・・・予想ですね。このカエルの雨でこの神父と看守、そして承太郎の娘がどうなるか。
ここはやはり全て水に流すしか無いのでは・・・中庭・・・ですよね。
庭というからにはどこかに庭園の草花に水をやるための水栓が有るはずです。
それを使ってカエルを水に流し、毒も洗い流すしか無いでしょう。そうです・・・水は全てを解決するのです。全ての起源は水ですから。
ああ、早くこの承太郎の娘が息の根を止められて、この神父が「天国」を実践し、DIO様が復活するといいですねえ〜。
え? そういうマンガじゃない? 承太郎の娘が主人公?この神父が敵でこれから倒される運命なんだって!?
お坊っちゃま!! いいえ、ジョルノ様。あなたはそれでイイとお考えなんですか?
まさかそんな事おっしゃるわけはありませんよね?
あなたはお父様の後を継ぎ、我々を率いてジョースターに立ち向かうのです。
それが我々、世間に「悪」と呼ばれつまはじきにされた者全ての願いなのですよ!
どうかお父上の無念を・・・お晴らし下さい。
悪には悪の救世主が必要なのです・・・。
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