write 1999/03/04
ジャンプ第15号予想
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「週感ジョジョンプ」第175号

PAGE1・まいむさんより

Hermit Purple attack JUMP No.15!


 こんばんわ。
 さて、今回のPAGE1はドテっ腹に一発、まいむさんの登場です。キンクリ解析以来だから、かなり久し振りですねー。ジョジョ第五部は「時間」がかなり重要な要素をしめています。こう書くと、キンクリだけじゃんとか言われそうですが、今回のエピローグではそのあたりが決定的になったように思います。これじゃ誰だって考えざるを得ない。一体エピローグってなんだ?

投稿者:まいむさん


準備編

 多元宇宙(パラレルワールド)としての可能性。
 あるいは妄想としての可能性。
 あるいは行き当たりばったりの可能性。

 今回の話、どことなくおかしいですね。『涙目のルカは変死体で発見された』とブチャラティが言っていること、ミスタがブチャラティに敬語をつかっていること(といっても、「です、ます」程度だけど)、フーゴってこんなキャラだっけ?(これは単に忘却の可能性が強い(笑))等々。この程度のことは、「この時点ではこういうこともあった」というロジックで処理できなくもないですが、何かちょいおかしい。

 最初のページの「楽しいお食事シーン」は、まさしく記憶のフラッシュバック(という言葉はヤク中についても使う(笑))のように見える形で挿入されています。アオリの言葉(ナランチャ、アバッキオ、それにフーゴまで‥)もなんか苦しい現実からの逃避が生んだ妄想っぽい。
 大体、これをいっちゃおしまい何だけど何でここ(クライマックスを終えてキャラのその後が語られるべきところ)で、こんなずうっと昔の、のほほんとしたシーンが出てくるの?『グラップラー刃牙』みたいに(主人公の目標とする最強の相手への対戦が近づいたところでいきなり少年時代のはなしがずーっと続いた)、本編の進行をいったん止めて過去の外伝みたいのを書き始めたのかな?

 とかなんとか、可能性は尽きないですが、とにかく「違和感のあるもの」として今回の過去の登場を受け止められた方も多くいるのではないかと思います。こっからは図を書かないと説明しずらいので図を出します。下が、ジョルノの時間で、一応主人公なので、第5部ジョジョの時間と一致します。上は、ブチャラティやミスタたちチームメンバーで、途中から2つの時間軸は一本化されます。

ミスタたちの時間 ───(D)──↓−−−−−−−−(E)−−−−−−−−−−−−−−−−−         ↓     (第5部ではなかったはずの時間)          ───(A)──|────────(B)────────|───(C)─── ジョルノの時間     (もろもろの死闘)       ブチャラティ来襲            ボスを倒す    

 (A)ではジョルノが康一君をだまくらかしたり、最強の敵涙目のルカと無駄無駄ファイトをしたりしています。
 (B)では暗殺チーム等々とファイトをして、仲間が一人また一人と死んでいきます。
 (C)が普通来るだろうと思った、あの人はその後どうなった?のコーナー。はたしてあの人(ポルナレフ)は組織(亀の)を継げるのか?等々見所たくさん。ですがまだ始まっていません。
 (D)が今回やってきたエピローグの時間、こうやって図に書いて見るとわかりますが、今回のエピローグに潜む違和感は、過去は過去でも(A)の時間でなく、別の時間軸の過去(D)がやってくるからです。前者の形の過去の挿入ならばエピローグという特殊な場合でなければ先に挙げた『グラップラー刃牙』でもいいですが、他の漫画でもいくらでも例を挙げられるのでは、と思います。
 (E)ミスタやブチャラティ達がジョルノと関わりなく過ごした時間。森羅万象、宇宙に潜むありとあらゆる可能性のうち、実現されなかった可能性。あ、間違い、ていうか、取り残されたフーゴの時間。

 結局違和感がある、ということはつきつめれば、今やっているエピソードは、この先、これからGIOGIOで起こるはずの展開(ジョルノが出てきて、暗殺チームが出てきて、ブチャラティが裏切りを宣言して等々‥。図でいえば(B)の部分)に矛盾するような話になるのではないか、いやむしろすでにそうなっているのではないか、ということと、何故エピローグにこういった話なのか、という問題の2点に絞られると思います。
 そしてここまでは割と共通するとしても、結論として、「変にひねりすぎた行き当たりばったりの展開だ」というものであったり、いやむしろ、その違和感に理屈上の整合性を見い出して、「パラレルワールドや多元宇宙という言葉で表現される、本来実現されなかった第5部GIOGIOが書かれている」という結論に至る場合もあるでしょう。あるいは、いよいよ再三の情報開示要求に耐え兼ねたジョルノの抱く妄想、またあるいはついに真実(コロッセオでボロ切れのようにころがっているブチャラティの死体)を見たミスタのあのころは良かった的空想か? 結局おまえの意見はどうなんじゃい、というところで(その2:予想編)につづく。


予想編

 まあ結論を先にいうならば、過去(D)によって、普通のエピローグ(C)を描く趣向でなければおかしい、いや間違い、そうだったら凄い!と思うわけです。もう1度図をだします。

読者の時間 
────(A)──|────────(B)────────|───(D)───
(ジョルノ空港編)       (もろもろの死闘)      凶(まがつ?)
      ブチャラティ来襲            ボスを倒す    

 今度の時間軸はは読者のそれです。
 (A)(B)(D)それぞれの中身は先程の図における内容と同じです。非常に当り前のことですが読者は事実として、今までの5部の展開を踏まえて、エピローグを読んでいるわけですから、読者時間として、エピローグ(D)は問答無用で、ボス戦決着まで(B)のその後の話になります。で、これがミスタ(エピローグ登場人物で唯一ボス戦を生き延びたので彼に焦点をあわせる)にして見れば、逆に過去のはなしなわけです。ここら辺のミスタの現在過去未来と、読者の現在過去未来が逆になる!!という面白さが描かれていくのでは、と思います。ここまでで前振り終わり(ブフ〜ッ、疲れた)。

 というわけで、あと数行で終わらせる!と、若い彫刻家は、破壊と死を司るボス、死んだ娘は、自らに咎なくして苦難に合うトリッシュ、を各々象徴的に意味する。彫刻家(ボス)の圧倒的パワーの前に全滅しかかるブチャチーム‥、の前に、颯爽と現われる謎の男、彼のおかげでピンチ脱出!、バックに光背負ってるよこの人、顔が逆行で見えない、消える男、貴方は‥誰?謎が謎呼ぶ展開に、

ブチャラティ「それはそれとしてジョルノとかいう小僧を痛めつけにいくぞ」

 あまりに現実主義なブチャラティの前にチーム脱力。密かに軽蔑するフーゴ(おっ伏線?)。そのあとブチャラティは明らかに別人であるジョルノに、その謎の男に感じた気高い光を見い出す‥‥。という感じでブチャラティが何故あんなにかっこ良く、かつ、何故ジョルノの夢に賛同したのか、あとトリッシュを力の限り守ったこと、に対する下地として出てくるのでは、と思います。
 ちなみに謎の男の正体はやっぱり謎で、第4部における謎のガクラン野郎と同じで、ジョースターの先達の直接の影響化にない彼等(4部ならたとえば丈助)が何故あんなにかっこいいか、ということの理由、「ジョースターだけが黄金の魂ではない」あるいは「魂が黄金であれば、皆ジョースターである」ってことかな。あれ、この言い方だとブチャラティが5部の主役になってしまう!まっいいか。
 ともかく、ブチャラティの「運命は眠れる奴隷だ‥‥。俺達はそれを解き放つことができた‥」発言の意は、「魂が黄金状態」をGETしたってこと、そこでここで初めてジョルノがその真実に気付く。「そういうことだったんですね。ブチャラティ」これで、のし上がるために命を捨てることをへとも思わないジョルノも精神的に成長!ギャングスターの夢を修正して組織解散! これにて『黄金の遺産』、一貫の終わりと相成りました。ちゃんちゃん。

 うすうす気がついていたと思うけど、パラレルワールドが出現、そしてそれが意外な意味で本編につながってゆく………という凄い構成。
 これを読んで気がついたのですが、ミスタってあの激動のエピソードに最後まで付き合い、生き延びたんですよね。その彼が今度の主人公になるとは………。偶然でも何でもなく、意図されたところがあるとみていいかもしれません。エピローグ、ただ単に始まったわけではなさそうですね。


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