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投稿者:"ロマンサー"Y.Bさん
「てめーポルナレフ!結局みんなの首を絞めただけじゃねーか!」
わかっちゃねーなぁミスタ。そういう人なんですよ、彼は。
DIOとの最終決戦でも、あの空条承太郎を心臓を停めざるを得ない状況に追いつめた。
達人級メーワク助っ人なんです。
首が絞まるくらい、まだいいほうです・・・え、ナニ?違う? 生き物が別のモノに?
さすがポルナレフ。ここまでやるとは、プロだな。(拍手)
ボスはどうやって矢を奪うつもりなのか!?
ジョルノはどうやってボスをいぶし出すのか!?
そして世界は一体どーゆー事になってんのか!?
「キャアアアアアアア!」トリッシュの悲鳴!
「タイム・リミットよ! 私の精神が消えていくわッ・・・ミスタの身体も・・・! あうう恐ろしい・・・」
みんなの目の前でミスタのボディーが化け物に。
「トリィィィィッシューッ!!!」
叫ぶブチャラティ。だがもう遅い。
さっきまでトリッシュで、ミスタの身体だったそれは『別のモノ』となり意味不明なうめきをたてている。
「うううおあああ・・・かぶぅぅぅぅッて、かぶぅぅぅぅって・・・」
「ぐはあああああああ!」
続いてミスタが苦痛の声を。
「消エテイク・・・俺タチノ存在ガ消エテイク・・・!」
ひとりづつ薄れて消えるピストルズ。
「NO3!・・・NO5!」「ウエエエーン、オ別レダヨ・・・ミスタ」
ミスタにはお別れを言う時間はなかった。
さっきまでミスタで、トリッシュの身体だったそれは『別のモノ』となり、口にするのは意味不明なうめきだけだった。
「おおお・・・よおぉぉぉせて・・・あああげてぇぇええ・・・・」
「やはりな・・・」ジョルノは呟いた。
「どういうことだ?ジョルノ」ブチャラティが尋ねる。
「矢の力は・・・、暴走したレクイエムが引き起こしたこの異変は・・・・モノと生き物を入れ替えているんだ! ブチャラティ! モノが生き物を乗っ取る時、自分の所有者の魂が相手では乗っ取りにくいから、まずモノの所有者どうしの魂を入れ替えたんだ!」
「よくわからんが・・・その、ミスタとトリッシュはモノと入れ替わったと言いたいのか?」
「ええ、おそらくミスタは頭巾に、トリッシュはブラジャーになっています」
「助かるのかッ! ふたりは?」
「僕のスタンドはゴールド・エクスペリエンス・・・モノに生命を与える能力」
「ふたりは助かるのかと聞いているのだジョルノ・ジョバーナ!」
「助かります。でも・・・・・・助けません」
「何ッ!何故だァァァァァァッィゥ!」
「この異変は恐らく、世界規模だ・・・みんな、自分が以前愛用していたモノに取って代わられていっているようだ。ミスタはハゲかくし用の頭巾、トリッシュは寄せて上げる天使のブラ・・・」
「ギギギ、ギィィィィィコ、ギィィィコ、ピュッピュッドジャアアアアア・・・・」
「・・・そしてポルナレフさんはウォッシュレットつき車椅子」
「だからどうだと言うのだ!」
「フフフ、これ、何だかわかりますか?」
「ホッチ・・・キス?か?」
「そう、フーゴの愛用していた・・・」
「どれ・・・よく見せてくれないか?」
「近づくなッ! もうバレているんだ! ブチャラティ! 何故、僕とあなただけ変身していくのが遅いのか? その答えがこれだッ! 僕たちの魂は、自分自身の身体にいるからだ!つまり、ボスが居るのはあんたの中だ、ブチャラティ!」
ディアボロの表情が本来のものに一転!
「バレたか〜ッ!しかし食らえ〜!!」
「無駄無駄ぁッ! ゴールド・エクスペリエンス!!」
ドッギュゥゥゥゥゥン! ホッチキスに生命が与えられた、どっか遠い所から魂が入れ替わっていたフーゴが息を吹き返して、生み出された!
「ここは・・・ジョルノ?」
「うおおおおお、入った射程内、行くぞキング・クリムゾン!」
「話は後だ、ウィルスを!」
「オーライ! カモン、ベイビィ! スーパーハンサム・パープル・ヘイズ!!」
うばしゃあああああああッ!
割れるカプセル、吹き出すウィルス。瞬間、ジョルノはG・Eを解除してフーゴをモノに戻します。
「まっまさか! バカなああああ〜何てことしやがる! 溶けちゃうんだぞ! 自分も!」
「僕、免疫あるんですよ」
溶け崩れるディアボロ。闘いは終わった。
ジョルノは頭巾に、ブラに、ホッチキスに、車椅子に次々と生命エネルギーを与え、モノの状態からみんなを解放した。
だがブチャラティが見つからない。
「まさか! 死んでしまったの!? ああああ! ブチャラティ!」
「トリッシュ・・・」
レクイエムは西日が差す物件として廉価で不動産屋に売却した。
「全て終わった・・・さあ帰ろう、ミネア・ポリスへ」
ミネア・ポリスの郊外には一件の別荘があった。
少女は今日からそこで暮すことになっていた。新しい生活の始まり、だが、気分は暗い。
今日はナランチャの葬儀だ。ローマからここまで、花に包まれて運ばれてきたナランチャはきれいだった。
G・Eの生命エネルギーに守られて、死んでいるのが信じられないほど安らかな死に顔だった。
やがて、それも土に埋まる。
迎えに来たミスタに連れられて、棺の置いてある告別所へ。そこにはジョルノとフーゴが待っていた。
「トリッシュ・・・何です? それ?」
「棚に置いてあったの、ペアのティーカップ・・・名前が入ってるわ・・・ナランチャって、こっちにはブチャラティの名前。棺に入れて上げようと思って・・・。私もこのティーカップと同じだわ、あの人のいない人生なんて空っぽのカップのようなもの・・・」
「今、なんて言いました? トリッシュ」
「え?空っぽって言ったのよ」
「空っぽ・・・そうか!」
ドドドドドドドドドドドドドドドドド
G・Eがカップを叩く! 2つのティーカップに生命エネルギーを与える!
「ナランチャはあの時、すでにこのカップと入れ替わっていたんだ! だから空っぽだったんだ!」
「そして、ブチャラティも!」
モノ状態から次々に解放され復活するブチャラティとナランチャ!
「よくやった、ジョルノ」
「あれっフーゴ、なんでここにいんだあ〜?あっそーだ、オレ真面目にガッコー行こうと思うんだ、どう思う?」
「授業でわからないトコがあったら・・・なんでもきいてください」
そう答えるフーゴの目には涙が光っていた。
ジョジョの奇妙なな冒険・第5部
−完−
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