こんばんわ。
月曜、NHKでやっている人間講座『追悼もまた文学なり』が面白いです。月曜って事でたいてい修羅場(今日もなんですけど)なかなか見る事が出来ないまま、次回は最終回の三島由紀夫です。
今回は異端の大谷崎こと谷崎潤一郎。他の「いかにも文学者」という人物に比べて、長く生きすぎてしまった谷崎。芥川龍之介の隣に墓があるっていうのは知りませんでした。この人の葬式、もちろん川端康成といった作家も訪れたんですが、女優とか来たり華やかで、しかしながら文芸誌においてちと追悼がそっけなかったり、興味深いものがあります。
中でも、生前の70歳近い年の時に収録したTVのインタビューで最近のストリップの話をするなど、最後まで悪魔 / 耽美派の生き方を演出していた点とか、「小説の神様」志賀直哉が谷崎について語るフィルムなどにはひどく惹きつけられました。今の漫画家と同じく、紙の上の人となっている作家が生きて、語る………それも当時の限りなく文豪といったものに近い人達が互いに切磋琢磨していたという息遣いに興奮しますね。これはもう剣豪が生きて毎日、他流試合をしているのに近いのです。谷崎潤一郎は長く生きて「しまった」ために沢山の作品を残し、そのために様々な言われ方をしたけども、余裕あるマゾな自分の生き方はそのまんまだった、というスケールのデカさもまたいい。妻、松子に宛てて書いた文章なんて世界中で大谷崎にしか許されない味があります。
作品では、「陰翳礼讃」が教科書に載ったりして有名ですが、これが単なる随筆っていうのもシビれる。「後世に残る随筆」というものを書く人は日本文学史上でもほとんどいなかった訳ですし。
文章の古典的な練習方法として、名文を実際に原稿用紙に書き写してみる、というのがあります。これでリズムとかをつかむんですね。今、こんな事やっている人はいないでしょうし、私もオススメしません。全然上達しないし(笑)。
で、私も昔この「陰翳礼讃」でやったりしましたが、やっぱりスゴい。高校が仏教系だったのでたまに悪さして写経をやらされたりしましたが写経を超えて書く方に訴えますね。
こう書くと谷崎に深く傾倒しているようですが(まぁMの気は強いし(笑))、かなり対照的な生き方をした「神様」志賀直哉の方が文書的にしっくりくるのも不思議。まだまだ、俗人なものですから目に見える部分に捕らわれているんでしょうかねぇ? 歳くったら漫画とかホラー大好きな好々爺でありたいと思いつつ、どろどろとした中に潔いイメージのある近代日本の作家にも惹かれますね。残された時間は少ないのに、我ながら身に余る贅沢な事を考えて生きているな、と思います。
さて、投稿はイシュマールさん。最後まで、最も称号に近づいた人だった訳ですが、今回は………? 奇抜は奇抜だけど決して派手ではない、というその予想の当て方が渋かった予想師さんでした。本当に、今までありがとうございました。そして、今後とも宜しくお願いいたします。
投稿者:イシュマールさん 「無償の愛はない。無償の愛とは天国へ行く見返りを 求めているから」 シビレますね。こういうパラドックス論(:注1)は大好きなので私のお気に入りワードメモ帳(:注2)の 「真の自由はない。真の自由とは自由を奪う自由も含んでいるから」 の下に書き込んでいます。
ところでホワイトスネイクの本体の神父(以後、WS)は神をどのように扱っているのでしょうか? 「『キリストの愛』を愛するあまり『キリストの愛』を裏切る」 これもパラドックス。
『天国へ行く方法』、DIOが「精神の力の進化」を行うための手段のことであり、それの具体的手段を記したノートをDIOは書き残している。そこには一体何が書かれていたのでしょうか?
DIOは精神の力をより高めるために世界中から神話・宗教を収集して研究を行った。その結果、仏教の中に「精神の力を進化させる」方法を見つけ出し(:注3)、それに対してより高次の確信を得るためにWSにノートを読ませようと目論んでいた。
これらの条件よりWSは選ばれたのだ。 もしもこれが実行されていたら、WSは大変危険な状態に落ちいったかもしれない。彼の信仰が粉々に砕ける可能性もあったのだから。いや、DIOにとってはそっちの方が都合が良かったのかもしれない。そうなれば、DIOの精神の隙間に巧みに入りこむ話術によってWSの信仰の対象は「神の子」から「DIO(:注4)」に間違いなく移っただろう。 DIOは自分の研究の信憑性を高めるとともに優秀な部下を得る一石二鳥の予定だったのかもしれない…(:注5)。
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とりあえず掲示板で構いませんので、「犯罪で死体の首を切断する理由」を教えて下さい(笑)。どっかで聞いた事があったかな〜? gooで聞こう!で質問してみようか? そんな事はいいんですが、DIOが東洋の思想(こう言うと乱暴かな?)に馴染んでいたっていうのが面白いですよね。まぁ、あのイギリスからエジプトへ、っていう発想も面白いんですが、承太郎達の足取りを辿ると………。こうなってくると、DIOは何らかの方法で自分の末路まで全てお見通しだったのでは?という考え方も生まれてきます。未来へ爆弾を残しつつ、いったんここでひと区切り。おつかれ様でした。
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