まだ、プラモデルが子供の興味の上位に位置していた1980年代前半。ガンプラ登場により、キャラクタープラモデルは一気にリアリティを追求する方向性が主流となる。だが、それ以前の子供向けキャラクタープラモデルは、「自分で作る楽しさを得る事ができる」「玩具」という側面を持っていた。そこにはスプリングギミックで飛び出すミサイルや、ゼンマイやモーターライズ、合体など、さまざまな創意工夫がなされていたのだ。そんな転換期を迎えていた当時、伝説巨神イデオンに代表されるアニメーションロボットのプラモデルをリリースしていたアオシマ文化教材社は、そんなトレンドに答える一方で、常に独創的なギミックを備えた商品もリリースし続けていた。その中の一つのシリーズが、この「おやこマシン」である。
スケールの違う同じキャラクターが、3体セットになったキットで、物によっては小さいモデルが大きいもデルに収納出来る様になっているという、アニメ作品中では絶対にありえない常軌を逸し・・いや、想像を遥かに超える発想とイメージ。そして暖かみを感じる「おやこ」という単語と、冷徹で涙を流さないイメージの「マシン」という単語が強制フュージョンした秀逸な(そのままな)ブランドネームは、当時の子供にも多大なインパクトを与え、今でも僕らの記憶に、そして日本のキャラクタープラモデル史に惨然とその名を輝かせているのである。たぶん。
写真はアクロバンチの腕になるメカ・バンチャーアローのおやこマシン。こんなはしっこのメカでしかもおやこマシンである。存在自体が悪い夢のようでもある。
他にもイデオン・スラングル・ダイターン3・トライダーG7、アオシマのオリジナルシリーズであるレッドホーク等のコンテンツで展開された。
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