非常事態を表すサイレンと、真っ赤なパトランプが基地内を包む。
 待機中の隊員達が、我先にドッグへと走る。
『待機中の隊員に告ぐ。脱走者を捕獲せよ。
 脱走者はZauber K。第318部隊所属、神座寛(かむくら ひろし)!!』


「あの者だけは、なんとしても外界に出してはならん! 我等の悲願への、大きな妨げになる可能性がある」
 Doktor Tは、苛立ちを隠すことなく、スクランブルを発動させた後に円卓へと姿を見せた。
「しかし、一体どうしたことだ。Zauberともあろう者が、我々から離反するなど……」
 Furstはあえて「造反」という言葉を使わなかった。Zauberの本心が、何を示しているのか判らなかったから。
Meisterはどうした?」
「地上にお出でのようで、連絡が取れない。
 恐らく、あの方なら『勝手にさせろ』と言うだろう」
 Doktorは半ば諦め顔だった。
Zauber K。その天才的なプログラミングセンスから、若くしてMeisterに目をかけられ、来るべき日に向けて共に歩んでいくものと思っていたのだが……」
 円卓に沈黙が降りる。
Doktor、いらっしゃいますか?』
 管制室から通信が入る。
「どうした」
Zauber Kの逃走ルートが確定出来ました。ターゲットに動きがあり次第、追跡に入ります』
「……判った。相手は年若とはいえ、幹部候補としてMeisterより『名前』を与えられた強者だ。油断するな」
『了解。
 サーキットロード、虚数空間に接続』
『ポイント確認。未だドッグの強制ロックは解除出来ません。虚数空間内で接触後、直ちに戦闘へと移行します。
 最終防護壁、開放』
「生死は問わない。ヤツを何としても外界に出してはならん!!」


 ドッグには、クリムゾンレッドに染められた一機のサイファーが待機していた。
 クリスタル質が赤く光を帯び、既に稼動状態にあることが判る。
「かぎつけやがったか…… でもまぁ、雑魚が寄ってたかったところで、俺に敵う訳もねぇ……」
 少年から大人の男へ抜け出そうとする時期特有の表情。不敵な笑みを浮かべる。
 スクリーンのワイプを確認し、追っ手の追跡ルートを確認した。コンソールに接続した端末を操作し、閉ざされた最終防護壁を開放する。
 その先は、何もない、真っ暗な闇。
「世話になったな。たった今から、俺はただの『神座寛』に戻るぜ!!」
 モータースラッシャーへと変形し、一気に虚数空間に突入する。
 その先には何も見えなかったが彼には確かに『光』が見えていた。


『ターゲット、虚数空間に突入ました。待機中の全機、発進体勢へ移行します』
「全機、発進!!」
 たったサイファー一機の為に、何十機ものVRが出撃する。
 それだけ、この『Zauber K』と言う男の力が、桁外れであるということなのだろうか?
「恐らく、一般兵では手足も出まい。
 万一の為に八部衆も待機させるが…… Königinはどうした!?」
 Doktorは最終手段として、Meister所有のマシンチャイルド「八部衆」と、O.D.A.最強と謳われるKönigin Rを投入させるつもりなのだ。
「あの二人なら、今頃『トレーニングルーム』だろう」
 Sklaveが皮肉っぽく笑みを浮かべる。
「全く…… この非常事態に……」
Doktor!』
「今度は何だ!?」
『ターゲットと接触した機体が撃破されています! その数接触から90秒で36!
 もう一般兵では手に負えません!』
 Doktorはしばらく考えていたが
「八部衆、待機状態を」
 止むを得ないと判断したのか、専用ドッグで待機している『八部衆』と通信を取る。
『こちらテムジン、一座(いちざ)です。今すぐ出撃可能です』
『ストライカー、三輪(みつわ)です。こちらも出撃出来ます』
『ライデン、七尾(ななお)です。出撃可能です。五目(ごもく)は管制塔でZauberの追跡作業に当たっています』
「判りました。他の四人、報告を」
二葉(ふたば)です。出撃は可能ですが、我が主よりは、出撃命令は出ておりません』
「だが今現在非常事態だぞ!」
 Königinに使える八部衆は四人。そのリーダー格である二葉の言葉に、Doktorは声を荒げた。
Doktor、貴方がMeisterの名代とはいえ、我ら四人の主はKönigin R以外他にない。
 いくら貴方の命令でも、我らはそれに従うことは出来ない。
 確かに、我らの創造主はMeisterではあるが、今現在我らが仕えているのはKönigin。彼女の命令であれば、我らは喜んで拝命する』
 Doktorは再度苦虫を噛んだ様な顔をすると、諦めたかの様に二葉との通信を切った。
「仕方ない。一座、三輪、七尾。Zauberを追ってくれ。止むを得ない場合は、殺しても構わない」
『『『了解』』』
 テムジン、ストライカー、ライデンがブースターを輝かせて、滑走路を滑る様に飛び立っていった。


「五目、一座よ」
『聞こえるわ』
「ターゲットのポイントを割り出して」
『了解。Zauber Kはポイント221で交戦中よ』
「ありがとう。
 七尾、三輪。一気に攻めるわよ」
「「OK」」
 七尾のライデンがZauberのサイファーを見つけ、スパイラルレーザーを放った。
 Zauberは難なくそれを回避したが、レーザーに気づかなかった数機が、哀れレーザーに巻き込まれた。
「流石ね、Zauber。未だ未完成と言われているMSBS5.4αをここまで使いこなしているなんて」
「八部衆のお出ましかい。Meisterはよっぽど俺を外に出したくねぇみたいだな」
Zauber、何故にMeisterを裏切るのだ!?」
 八部衆の中でも、最もMeisterに忠誠を誓っている七尾が問うた。
「それが、今は亡きプラジナー博士の遺志とでもいうのか!?」
 四人が一定の距離を保ち、睨み合っている状態だ。
 Zauber−神座寛はやれやれという風にため息をつく。
「親父は…関係ない。これは俺自身の意思だ。もうここには用はない。俺はただの『神座寛』に戻るんだ」
「そんなことが、許されると思っているのですか!?」
 この声は三輪のものだ。八部衆の中では最も頭脳に秀でている彼女だが、同一規格の基に作られたマシンチャイルドである以上、他の七人と同等の力を持っている。
「私達は、Meisterの意志の下、集まったのではないのですか!?」
「甘いな。ここは『表』の世界とは違う。力のある者が生き残り、ない者は淘汰される。仲間意識などは全くない。
 それに、俺自身もここでやりたいことはやりつくした。もうここに用はない」
 ヴン…と、レーザーブレードを展開させる。
「俺を殺しに来たんだろ? やろうぜ。思う存分な」
 一座も、三輪も、七尾も、少々神座に対していつもと違う印象を抱いた。
 いつも研究室で見かける神座は、どこか内気な感じがあった。同じ開発チームのKlosterfrauと共に、兄弟と見紛う様な雰囲気もあった。
 それが、今三人と対峙している神座は好戦的で、残忍さすらも感じられる。それはまるでKöniginに近いものがあった。
「ならば私が引導を渡してやる。一座、三輪。手出しは無用だ!」
 七尾がバズーカを神座のサイファーに向かって打ち込んだ。神座はそれを認識すると、下降してそれを回避し、一気に距離を詰める。
「おら! 行くぜ!!」
 サイファーのブレードと、ライデンのバズーカがぶつかり合う。
 虚数空間はその時の状況によって、様々な環境に変化する。今現在彼らが戦闘を行ってる空間は、重力すらないものの、それ以外は外の世界となんら変わりはない。
 一座と三輪は、二人の戦いをじっと見守っていた。一進一退の攻防が続く。
 しかし、虚数空間での長時間にわたる戦闘は、パイロット自身に多大な負担がかかる。
「七尾、そろそろ限界よ。もう戻らないと……」
「二人は戻れ。私は、こやつの首級をMeisterに捧げるまでは……」
「いい心がけだ。でもな、俺も自分の命が惜しい」
 神座のサイファーは急旋回で方向を変えると、何もない空間に向かってレーザーを発射した。
 その光を追うように、モータースラッシャーへと変形したサイファーが一直線に空間を突き破る。
「帰ってMeisterに言うんだな。探せるものなら、探してみろってよ!!」
 突然の出来事に、一座も、三輪も、七尾も動けずにいた。

 O.D.A.きってのプログラマーであり、電脳師でもあるZauber K−神座寛がO.D.A.を「離反」した。
 時はVCa7年。
 「Operation Alice」開戦より、1年前の出来事である。



           


 緑と精密機械の国、GRM地区。
 「AUTOBAHN」と呼ばれるハイウェイが近隣を結び、土地の大半は森林で覆われている、電脳暦に於いても珍しい土地だ。
 そして、GRM地区は隣接しているSWS地区と並び、旧世紀時代は精密機械の生産工場が数多く存在していた。それ故に、ここには現在、VR整備工場の拠点として、多くの修理対象のVRを抱えている。
 エアポートでの激戦を終えた3機を含む6機のVRが搬入され、ファクトリーは今まで以上に慌しさを見せていた。



 GRM地区、BRL市内。
 観光客で賑わう市内には、いくつものホテルが点在している。
 その中の、とある高級ホテルには、「最上階」が存在した。
 料理やサービスのクオリティは世界屈指、かつ値段はこのクラスにしてはリーズナブル(一般的に見ればそれは高い値段なのだが)。
 そんなこのホテルには、ごく一部の限られた人間のみが入ることを許される、VIPルームが存在する。
 そこへ通じる扉は普段は硬く閉ざされており、オーナーに選ばれた人間に対してのみ、その扉が開かれるのだ。
 この日、オーナーに選ばれた訪問客は、まるで我がもの顔でやって来た。しかし、フロントも支配人も、従業員全員が彼女らを最敬礼で迎えたのだ。
「お久しぶりでございます、陛下。本日のご予定は…」
「ハラ減った」
「か…かしこまりました。すぐにお食事の仕度を……」
「マックのよ、新しいバーガーあるやろ? クォーターなんたらバーガーとかいうの。バリューセットで。あれでエェわ」
「それで…よろしいので……?」
「二人分な。俺はコーラ。シーラは?」
「支配人」
「何でございましょうか、騎士殿」
「食事は二人分、こちらから頼んだ時に用意してくれ。
 それと、俺もコーラ」
 呆気に取られる支配人を横目に、入ってきた若い男女はベルボーイの後をついていくように、その場を後にした。
 その人こそ、O.D.A.最強と謳われるKönigin Rと、彼女の「騎士」Kavalier Sである。
 彼女らの容姿は全ての人間に目に留まり、同年代の若者からはため息すら出ることもある。
 そして、美しい薔薇には棘がある。
 彼女らはまさに、世界で最も美しい薔薇にも等しい存在なのだ。
「なぁ、シーラ」
「ん?」
「本当に現れるのか? あの娘」
「さぁな。だが、この市内で最近似たような現象が多発している。恐らく、向こうもその位は知っているだろう。
 向こうが動いた時に、俺達も動けばいい」
「んなんとっととあぶり出しちまえばえぇやん」
「そういう訳にもいかないだろ」
 KavalierKöniginを諌める。
「ヤツらが動いた以上、戦闘は避けられないがな」
 その言葉に、Königinはにやり、と笑みを浮かべた。
 戦いこそ、彼女の心を満たす方法の一つなのだから。



 BLR市内に居を構える、Blau Stellar、GRM本部。
 つい先ほど、UAEよりのキャリアーが到着したばかりだった。
 死闘の限りを尽くした隊員達は、つかの間の休息を楽しんでいる。
 あてがわれた専用のブリーフィングルームでは、久しぶりに9012隊のメンバーがほぼ全員集まっていた。
 相変わらず女子は賑やかで(アリッサは別として)、男子も男子で集まって、他愛もない話で盛り上がる。
 その頃、指令の緒方豊和は、オペレーターの一人である日向友紀を伴い、整備部の詰め所にいた。
「そうすっと、こっちで使える機体は限られてくるって訳か……」
「新システムに関しては、搭載出来る機体がどうしても決まってしまうんでね。ライデン、ドル、ボックシリーズ、ベルグドル、バル=バス=バウ以外に搭載出来るが、また武装によって制限もある。
 どの機体にある程度搭載可能なパターンもあれば、固有の機体にしかインストール出来ないパターンもある」
「サイファーって結構対応出来るパターンが多いのね」
「武装が色々適合するし、リーチの長さがあるからな。おまけに居合いも使えるから、「日本刀」の技も使える。
 もしかしたら、これはサイファーの為のシステムなのかも知れねぇな。
 でも…… 一番厄介なのは、バル=バドスだ」
「なんで?」
「これを見てくれ」
 緒方や友紀と話をしていた男−整備主任、セイ・グラウストは、端末の画面を二人の方に向けた。
「これはバルに搭載される『Type V』と呼ばれるプログラムのシミュレーションだ。
 バルはこのプログラムを入れることで、正直言って、対応機体の中では乗り心地は最悪になる」
 映像には、相手の攻撃を、体をくねらせて回避するバルの姿。
 次の瞬間、二人の目は点になった。
 なんと、バルがブリッジの体勢を取ったと思うや否や、胴体に対して縦に移動し、敵機に乗り上げざまにレーザーブレードを展開。そのまま敵機を切りつけたのだ。
「驚くのはまだ早いぜ。面白いのはここだ」
 画面上のバルは、再度ブリッジ体勢を取っていた。
 今度は機体の足と手を結合させるように「輪っか」の様な体勢になり、そのまま車輪のごとく回転を始めたのだ!!
「なんだよ、これ……」
 緒方はその一言を言うのがやっと。友紀に至っては開いた口が塞がらず、声も出なかった。
「『零距離戦最適化システム』は、名前こそ零距離だが、通常の攻撃とは全く違う近接攻撃を、ダブルロックしていなくても行うことが可能だ。コマンドさえ入力すれば、テムジンでも空中ダッシュ近接並みの大技を使うことが出来る。
 これら全て、旧世紀に存在していた剣術に関する書物を解読し、動きを全てMSBSと連動させ、再現が出来るようになっている。武装さえ適していれば、どんなタイプのプログラムを入れようと、それは使用者の自由だ」
 セイは手持ちのPDAを操作し、作業状況を確認する。
「さっき届いたばかりの物以外に関しては、全てMSBS5.2への上書き作業が終了している。ライデンとフェイ、バル・シリーズはVコンバーターの積み込み作業、起動テストも終了して、問題なく使用出来る。ライデンとバルシリーズに関しては、カラーリングに関しても現行通りの仕様を移行している。
 『零距離戦最適化システム』に関しても、Vコンバーターとの折り合い次第だが、このテストが完了しだい、インストール出来る。他のサポートプログラムも、随時インストール可能だ」
「それと『アレ』があったろ? 『アレ』」
「『アレ』?」
 友紀は不思議そうな表情を浮かべた。
「サポートOSのことかい? それは今回使用予定のテスト機全機種に対応さ」
「判った。新しいシステムはいかんせん使い勝手が判らない。その辺のレクチャーも含めて、とりあえず全機種抑えておいてくれ」
 にこやかな中にも、どこか逆らえない、軽い威圧感。セイは緒方から発せられる、司令官特有の威厳にも似たプレッシャーを感じていた。
「でも、実働は四人よ? そんなに抑えておく必要はないと思うけど……」
「確かに。テスト機は実質2機しか使用の予定はない。おまけに、そのうち二人は自身のVRを使う。
 そうそう、この間頼んでおいたスペの方は?」
「ご依頼通り、バージョンアップとインストールまでやってある。リクエスト通りの『Type A』だ。今すぐにでも出撃出来る」
 ふむ、と緒方はうなづいた。
「なら、使用機体が決まり次第、連絡するよ」
「了解」
「すまなかったな。時間とらせて」
「それが俺の仕事だ。俺は、俺の任務を全うするだけだ」
「俺、やっぱあんたのそういうところ好きだわ」
 今度見せた緒方の笑顔には、威圧感は感じられなかった。
 ごく普通の青年の笑顔が、そこにはあった。


「ねぇねぇ、聞いた?」
「何が?」
 ブリーフィングルームでのおしゃべりにも飽き、場所をカフェテラスに移した高森尚貴と竜崎千羽矢。二人はいつも通り、甘い物を食べながら噂話に興じていた。
「なんか最近ね、『出る』んだって!」
「何が?」
「だから『アレ』よ!
 結構目撃多いんだから。小さな女の子に話しかけられて、目を離したらいなくなってるんだって〜」
「なんだよ、それ」
「うちらも気をつけた方がいいね」
「やめてよ。『黒い貴婦人』じゃないんだから」
 『黒い貴婦人』とは、旧世紀の大戦時代、格納庫でよく目撃された現象の一つだ。
 戦地に赴く前日などによく見られていたらしい。当時の兵士達が最も恐れた現象の一つだ。
 彼女に話しかけられたら、次の日の自分の命はない。
 逆にこちらから彼女に話しかけることが出来れば、近いうちに大きな戦果を挙げることが出来ると言われていた。
「尚貴ちゃん、よくそんなこと知ってるね」
「整備のおじさんにたまたま聞いたんだよ」
「へ〜……
 そういえばさ、前から話していたやつ、導入するんだって?」
「まだ判んないけどね。その予定」
「使えるといいね」
「本来は士官用のシステムだからね。JOEも使ってるんだけど」
「またJOE? その話はもうおなかいっぱいよ!!」
「だって! JOEはすごいんだよ!! この間だって……」
 彼女達はその後入れ放題のお湯を3回おかわりし、そのうち1回は茶葉まで換えてもらうほど長居した。

 残り少ない僅かな休息の時。
 それぞれがそれぞれなりの時間を過ごしていた。



 翌日、緒方から全員の召集があった。GRMの施設に来てから、初めての全員ミーティングだ。
「すまないな。急に呼び出して」
「な〜に。暇すぎてそろそろ退屈しとったわ」
 藤崎賢一がけらけらと笑う。
「暇なのは今だけだからな。今のうちに満喫しとけよ。
 で、集まってもらったのは他でもない。嬉しいお知らせだ」
 その一言で、全員がそわそわした様子になる。
「まず、MSBSの5.2が使えるようになった。もうフォーマットが終わっている機体もある。
 それと……」
 この言葉に、全員が静まった。
「テムジン、ライデン、フェイ=イェンの最新型への移行、「バル・シリーズ」のロールアウトも同時に決まった」
「い〜よっしゃぁ〜!!」
 真っ先に喜んだのは藤崎だ。何よりも、彼は新型テムジンのロールアウトを、一日も早く望んでいた人間だ。
 それだけに、相手側が早々に新型を導入していたことに対して、最も腹を立てていたのも彼だ。
「ドッグどこ? 早よ見せて!!」
 まるで新しいおもちゃが家に届いた時の子供のような表情だ。
「まぁ待て、ROD。話はまだ終わっちゃいない。
 全ての機動確認と、実は極秘に開発していた新システムのチェックも兼ねて、ミス・リリンから特別指令をいただいた」
 今度は全員不思議そうな顔をする。
「アリッサ、神宮寺、千羽矢、それと尚貴。
 お前達全員で『フェイ=イェン オリジナル』を探してこい」

To be continued.