write 1999/09/22
「週感ジョジョンプ」増刊第7号トップに戻る
「週感ジョジョンプ」トップページに戻る
「週感ジョジョンプ」バックナンバートップへ

「週感ジョジョンプ」増刊第7号

PAGE9・まいむさんより


 皆様こんばんわ。最近は本当に投稿が少なくなってしまい、トップに開店休業!とか出しておこうかな、と思っております………なんていうのはいかんね。常に人が見に来る工夫なりをしなければ………。ジョジョ第六部早く始まってくれー!という事を言っている訳ではいけない。
 そんな感じでバオーのPAGEとか、ジョジョゲーのPAGEとかも近々アップする予定では有ります。ジョジョ以外に手を出すのはコンセプトに反するものがあるのですが………まぁしょうがない。
 さて、今回ですけど、これはまいむさんとのメールのやり取りを掲載したものです。まいむさん、すんません。でも何にせよ、投稿があると有り難いものです。

投稿者:まいむさん

 拝啓。自分の好きなページが更新されないのはつまらないので、とりあえず何かアクションを起こしてみました。とりとめのない話を少々。
 ジョジョにおける残心ということについて考えてみます。残心というのは剣道用語で、敵を倒したと思われる後でも油断せずまた敵に向き直ること等を指しますが、本来の意味とは多少違う感じで使います。先に例を出します。

 レクイエム登場。みんなが眠る。起きてからのひと騒動は省略。‥その時、ブチャラティ走る。居合い抜きのごとく、スパーン!レクイエムの腕が切断され矢をGET! あいつはブチャラティ! どこまでもタフな魂をもつ‥ヒロヒコはここぞというところでこの手法を使います。一点見せ場を作ったのち、さらにたたみかける。見せ場+見せ場!この2段攻撃の前に読者はあえなく陥落します。おもえばヒロヒコこそは剣道の達人。バーン! レクイエムの入れ換わり! バーン!ブチャラティ IN ディアボロ! 返す刀で、バーン! 矢をGET! 読者もんぜつ!

 これだけで終わると話が短いのでもう一つ。戦いの決着におけるルーティーンとして、敵でも味方でも、

  1. 相手を倒す意思の発露シーン。
  2. 相手がやられるシーン。
  3. 勝利の決め動作。

 というカメラ移動が行われるが、これが、2からおこなわれると恐ろしいシークエンスになってくる。そう。その恐ろしいシークエンスとして、ナランチャがやられた時。ここではもう1つ別の手法も使われている。視線の問題です。見る側と見られる側の逆転があります。まず、ヒロヒコのカメラは、ナランチャ達がみているものをみせるカメラでした。それが、かわる。こんどはナランチャ達がみられているものに変わる。ナランチャ達をみているやつ、のみているものをみせるカメラにかわる。おやっ、何かがおかしいぞ。バーン! 時が飛んだ!!ということは‥‥‥‥‥。

 第五部はとにかくブチャラティのしつこさに尽きる、という人がいましたが、列車編のあの「ねばる奴だった」というそう言うおいおいお前はどうなんだよ、という客観性がマンガならではという見せ場であります。これが映画の独白だとしたら結構白けると思いませんか? 1ページで見る情報量が多いために、さりげなく書いてあるのであまり注目しませんが、後で走るブチャラティ(「あいつはブチャラティ! どこまでもタフな魂をもつ………」いや、しつこいね)の事だと考えると、二度おいしい。ホントは後でこう走っているブチャラティと、この台詞の主が同一キャラクターとはちょっとずれている気がするんですが、これぞミスマッチ(おいおい強引な見方だな)。底知れぬ冷静さをもつ人間と考えればいいでしょう。
 惜しむらくはそのへんの冷静さがジョルノとダブってしまうことなのですが、あのラストシーンを考えるとやむないキャラクター性の措置ではあります。いや、今更なんだと言われそうですがこの類似点は計画されたもんなんでしょうね。

 ブチャラティの意志をつぐのはジョルノだけだ!という………。そう考えると冷静キャラのようで実は違ったフーゴを対比として最後まで(作中に)生かして欲しかった………。まぁ、死んだ子の年を数えるようなマネはやめときましょう。

 ありがちな話で恐縮なんですが花京院の時といい、荒木飛呂彦は順逆のシーンにかなりこだわっているようですね。
 なんて言うんでしょうか、「突然倒叙」という感じの。漫画はこういうシーンがあって、こういう台詞があって、登場人物がこういう事を考えている、と理解していく反復の行為、これが「読む」ということになる訳ですが、新人の下手なアクション漫画ではいちいち先が解りすぎて困る、そういう所を越えるには………ということで。
 [デツドマンズ・Q]も状況の説明があって、次第に登場人物の奇妙さがクローズアップされ、真相に至る、という展開でした。これはよく考えると、「吉良吉影」を知っている読者にとっては最後にもう一段階視点の移動があるわけです。
 吉良が見ているもの(一人称だしね)→読者が見ているもの→ジョジョを知っている読者が見ているものを見ている、という三段でしょうか。まぁやりすぎな見方かもしれませんが、どうしますか、第六部が、いきなりエピローグから始まったら。


PAGE10に進む
「週感ジョジョンプ」増刊第7号トップに戻る
「週感ジョジョンプ」バックナンバートップページに戻る
「週感ジョジョンプ」トップページに戻る

CON$ E-mail: condor@edit.or.jp
このPAGEはWindows95+Netscape Ver3.01Jで作成しています
Copyright (C) 1997 CON$