write 1999/12/03
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「週感ジョジョンプ」増刊第7号

PAGE31・Staticさんより


 こんばんわ。
 更新情報にも書きましたが、データイーストが和議申請したそうな。
 いやー、あそこがね、ふむふむ、と社内でも噂になっていましたが、これでデコゲーの火が消えましたね。また今しばらくゲーム系の駄文を書く愚行をお許し頂きたい。
 データイースト以下、デコがパタンといくというのは、正直言ってアーケードゲーム業界では東亜プランに次ぐゲーマーの損失と言えるのではないでしょうか。とは言え、デコのゲームと言えばどんなのがあったかというとうーむ………。今、資料を探したんだけどないから記憶で書こう。間違っていたらお許しを。記憶に残っているので一番古いものは格闘ゲームの草分け的存在、「空手道」。インターフェースからしてかなりぶっ飛んだゲームでした。「カルノフ」………これはあんまり記憶が無くって、やはり衝撃のゲーム「チェルノブ」。すぐ死ぬ強制スクロールのゲームだった。円高ドル安といった得点アイテムの命名もすごいね。しかしこれが衝撃なんて序の口だ。「トリオtheパンチ」。これも初めてやった人は今でも目を白黒させるね。あたりじゃ、よかったのぅ、とかよく言ってました。そしてかなり時代が前後していると思うけど超傑作「ウルフファング」。とはいえ、操作方法にやや癖があって名作というほどやり込んでいませんが………。今でも基盤は高いし(たぶん)、当時にしてはかなりメカデザインがカッコ良かったなー。パーツの組み合わせでいろいろな機体で楽しめるというアイデアもいい。パワーアップを取った時の「パゥワァ!」という声。あー、やりたくなってきた。そして「ファイターズヒストリー」。どちらかといえば、カプコンから訴えられたゲームとして有名になっちゃったかな? 溝口がカッコイイのだ。続編もかなり燃えたね。サターン版買ってくるかな。………え、ここに挙げたゲーム名ほとんど知らない? そりゃ不幸だ。是非一度やってみよう。
 その後、デコはアーケードではお寒い状況が続いていたけどまだピンボールをやっちゃったりして男気のあるところを見せていましたっけ。そして「マジカルドロップ」のヒットでコンシューマーも力を入れはじめました。しかしまぁ末期のデコはグッズを作りはじめて………グッズ作って売れると現金回収がすぐできるんですね。このへん新○社と一緒かな。キャラクターショウでもでっかいコマとってコンパニオンはつけるわ、大変でしたね(その頃、私は広告代理店を叩きに叩いて作ったベニヤパネルのブースでトレカなんぞを売っていたのは言うまでもあるまい)。そして今回………いきなり「倒産」ではなく、コンパイルと同じ立場になったのですが社員の方々、とりあえずお疲れ様。また機会があったら「デコゲー」というゲーマー用語を世に残してくれたバッドトリップテイストなゲームをおもいっきし作って欲しいなぁ………。
 それにしてもこないだはヒューマンがぶっ飛んだし、最近は徳間インターメディアがゲーム誌を全部やめちゃうなんて話もあるし、ゲーム業界も相変わらずお寒い。就職活動中の皆様はこんな地獄の釜には決して飛び込まない事をお勧めしたい。

 さて、投稿のほうは初投稿のStaticさんです。私が大注目している梅きざみさんのPAGEで小説もやっている方なのですねぇ。こんなPAGEに投稿して下さってありがとうございます。それでは、どうぞ。

投稿者:Staticさん

「考察を踏まえて。あとは野となれ…」

 はじめまして。伝言板で色々書き込ませてもらっていますStaticです。
 梅きざみさんのページで小説の真似事もさせてもらっているのでヨロシク!

 http://www.kt.rim.or.jp/~ktst7/jojo/static/index.htmll


 ョジョの主人公たちは知的さと情熱を持ちながらリスクを背負うことを恐れないですよね。5部のブチャラティたちでそれは極まった感がします。
 そこで荒木先生は最後に運命という形を借りて「慈しみ」を与えています。
 魂が天に昇っていく描写はその象徴ではないかと。

 はデッドマンズQはどうだったかというと、主人公が吉良吉影だということもありますが「死」というものに対し慈しみを与えるどころか、「死んだからって平穏なんて訪れるの?」という突き詰めたレベルに達してますよね。だから個人的にストーンオーシャンでは魂が天に召されて美しい死を迎えるといった耽美な結末は描かないのではないか?と思います。そんなことで牢獄からは解放されませんよ、と。
(ここが一番自信がないところですが)

 ィオが象徴していたのはまさに「現実世界の構造」だったと思うのですが、4部からは例えばそれは悪のボス個人ではなく、鉄塔だったりレクイエムだったりDQの掃除屋だったり「現実の構造」そのものを闘いのルールに隠喩していますね。だから6部もその方式が採られると思われます。ラスボスが存在したとしてもその人物も運命の奴隷に過ぎないのではないかと。

 局は主人公のスケールが決め手になりそうですね。吉良のように矛盾に引っかかるタイプでは話がなかなか進みそうにないので、ここはジョースター家の血を受け継いだ…かのような…聡明な達観性を持った新主人公の登場に期待!ですね。

「一部補足」

 鉄塔だったりレクイエムだったりDQの掃除屋だったり「現実の構造」そのものを闘いのルールに隠喩している、という部分に補足させていただいてよろしいでしょうか。
 6部の舞台が牢獄だとすると「現実の構造」のメタファーになる独特の奇想天外なシステムが「牢獄」なのではないかと。そこで繰り広げられる奇妙な冒険というのは面白そうじゃないですか?

 吉良というキャラクターを見ると、死んでも実に生活感あふれるキャラクターで、こんな言い方は失礼だけどよく漫画家が作ったなぁと思います。しかし、逆に言えば現実の法則に従って生きる(これも「超健康」と言えなくもないが)という所を見続ける余り生まれたキャラクターと考えればその存在は自然でもあります。
 日本のホラー映画(もっと言ってしまうと特撮映画も)の終りが良くないのは、えてして観念的であるからが多すぎるからだ、という話をこないだ聞いて、ハタと膝を打ちました。短編[デッドマンズ・Q]のラストは、吉良が屋敷幽霊から脱出し、尼さんへの疑問を抱きつつ終わります。全てが現実的でありすぎるので「?」と思った人が大半ではないでしょうか? 吉良が幽霊である事が物語の結末と必然的に結びついているのではない、という所が解らないと、面白さが半減するところでしょう。
 Staticさんのおっしゃる通り、確かにこんなキャラクターでは話が進みませんね。「敷居をまたげば七人の敵」という言葉もありますが、「家」の「外」は「牢獄」だった、とすれば、そこは地獄か現実か、ハードな話になってきます。読んでいるうちに、それでも読み手が身近に感じれるようであれば、大成功でしょうね。


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