こんばんわ。今日も素面でやってます、と言いたいところですが、さっきちょこっと飲んでしまったので、禁酒失敗といったところでしょうか?
今、電車の中で読んでいる本はいろいろあるのですが、その中の一冊「アルケミスト」(パウロ・コエーリョ/山川紘矢+山川亜希子・訳 角川文庫ソフィア)が面白いですね。私は物語に触れる際、話のパターンというものをいろいろと考えるのですが、この話はいろいろと予想を裏切られる所があり、単なる寓話に留まっていません。
中に、ジョジョを彷彿とさせる部分があったので紹介しておきましょう。
ある店の主人が、世界で最も賢い男から幸福の秘密を学んでくるようにと、息子を旅に出した。息子は様々な苦労の上に賢者に出会う。賢者は子に二適の油が入ったティー・スプーンを渡し、宮殿を二時間あちこち見て回る間、その油をこぼさないように持っていなさい、と言う。戻ってきた息子に賢者は宮殿の素晴らしさを尋ねる。しかし息子はティー・スプーンの油に気を取られていて何も見ていない。次に賢者は、息子に宮殿の素晴らしさを探索するよう言う。息子はまたスプーンを持って歩き、賢者のところへ戻った。賢者に指摘され、息子はスプーンの油が消え失せている事に初めて気がつく………。
この後、賢者が息子に語った言葉とは?
それは、読んでのお楽しみという事にしておいて、投稿のほうです。この方は今PAGE二度目、ゆうこさんです。なお、念の為に申し上げておきますと、この投稿は11/25に来たものを、私の怠慢によって今まで掲載しなかったものです。本当にすみません。
投稿者:ゆうこさん
どうーも 御久しぶりです。
まず 問題になっている項目を以下に挙げ、それから順にこれらについて自分の考えを述べてみたいと思います:
1)主人公は誰だ。
1)主人公は誰だ。
本命は海洋冒険家である「承太郎の子供」だと思うんですが、本題が JOJO6ではなく「Stone Ocean」ということで、これまでのジョースター家の血統とは全く異なる赤の他人である、という予想も対抗馬で押します。ただ私的には大穴なのですが、人間でなく何かの精霊が人間に変化した、という考えも捨てきれません。
この主人公の髪型から察するにこの人物は中国系だと思われます。名前ですが中国語には“ジョ”という字音は、これに近い発音はあるにはありますが、全くこれと同一字音は確かないはずので、日本語音読みに準えて考えてみます。とすると、名字はおそらく「徐」(Xu (だったけ?))ではないでしょうか。中国系の方々によくある名字ですが、これしか今のところ思い浮かびません。
下の名前ですが、“ジョ”で始まる名前を性別にこだわらず適当に作ってみます;
「スタンド」の件ですが、第5部のスコリッピ、「ローリング ストーン」で打ち止めになったのではないでしょうか。あくまでも私の考えですがこれ以上スタンド戦を見るのはマンネリであるとの感が否めないので、これとは別の何か(呪術、魔術を使うとか(ばかな))が登場して欲しいとの期待があるのですが。
2)舞台はどこだ。
この主人公の髪型からして舞台は中国だと思ったのですが、髪飾りからすると、東南アジア付近を差しているとも思えます。しかも 主人公の後ろに椰子の木らしきものが見えますから、これを加味して考察するならば 舞台が中国であるとはいいきれないものがあります。
これに関して、実は考えが行き詰まったので、昨日発想転換のため世界地図をバサッと広げ「中国」南方のほうを確認してみました。現中国に於いて最南端に位置するのは、若干大陸から離れた「海南(Hainan)島」という島です。あまり聞きなれないところなので、この島について試しに中国国家観光局のサイトで見てみたところ興味深い事柄が掲載してありました;
上記の点を基に、かなり乱暴かもしれませんが、JOJO6部の舞台はここ「海南島」ではないだろうか、と推測します。
もし仮定として、この島がJOJO6の舞台であるならば、昔流島であったということから、イメージ的に 実際にここで主人公(又は主人公達)が犯罪を犯した廉で、流島となるか、或いはそうでなくともこの島にある牢獄に投じられていてもおかしくない、という図式ができあがります。
又、主人公が中国人ではなく、この島にいる少数民族(苗族或いは黎族か?資料がないので断言できない(汗))出身であるならば髪飾りはその象徴である、という可能性もでてきます。
「海南島」という島は、はるか昔は「海のシルクロード」の中継点となり停泊地として栄えた港まちであったそうです。私個人的には 冷たい石牢を脱出した主人公達が、昔の貿易ルートにならい自由を求め海南島からマカオ、上海、南シナ海を下って、インドネシア、マレー半島、インド洋、そしてアラビア海・・・最後は多彩なスパイスの地アフリカ(それは遠すぎるか)・・そんなストーリーになってホシイと思うのですが、これは私の妄想のしすぎでしょうか(苦笑)。
3)Stone Oceanとは? テーマはなんだ?
この島の先端にあるという石だらけの海岸、私がひょっとしたら「Stone Ocean」ではないだろうかと推定した場所は「天涯海角」といいます。「天涯海角」というのは、手持ちの中国語の辞書によると「地の果て、はるかかなた」という意味なのだそうです。人々が「地の果て」と呼んでいるこの海岸に立って「はるかかなた」を見ると何が見えるのか?それは紺碧に輝く「海」です。
JOJO第5部で「てんとう虫」が重要なオブジェとして使用されてきましたが、これが象徴するものは「生命」でした。そしてJOJO第6部で「てんとう虫」に呼応するものは「蝶」です。「蝶」が象徴するものは「魂」や「霊魂」に他なりません。世界各地で死者の魂は「蝶」となって、そして夢として魂は「蝶」となって「はるかかなた」へ飛んでいくといわれてきました。「蝶」はどこへ飛ぶのか?それは魂の集う場所「海」です。
世界一般、特にアジアに言えることなのですが「海」のかなたには「あの世」があるという考えが広く伝わっています。例えば日本ではそれは「常世の国」とよばれており又、ボルネオ等では死者は、船をかたどった木棺に入れられ海への旅路を約束される、という風習が今でも残っています。
海は同時に生命が生まれる場所でもあります。つまり死んだ魂は一度海に還り、そして新しい魂として生命を与えられる、という再生の場所が「海」なのです。
吉良吉影が問うた「魂はどこから来るのか」と質問に対しては「天涯海角」を超えた「あの世」=海の はるかかなたに実際いって確かめてみるしかないのかもしれません。
「我々は運命の奴隷」である、とスコリッピは言いましたが、あのイラストから察するに (うーん。イラストはたぶらかし かもしれませんが) JOJO6の 主人公も「石」で作られた運命という 監獄に 縛られ 囚われているといった解釈ができるのでないでしょうか。
「石」というものは「意識」或いは「魂」といった基準で考えてみると、地球上で一番原始的な存在物であり従って「自分が石である」という意識は まず ない、といっていいと思います。即ち、言い換えてみると「我々は運命に幽されているが、それに気付くものは殆どいない」。そうであることに気付き自分の魂を 「蝶」として 解放し、そして新しく生まれ変わるためには、遥かに遠い 彼方 であろうとも なにがあるかわからなくても 危険を犯してでも そこへ進んでいかなければなりません。「石」に囲まれた鉄窓からの脱出、そして「地の果て」にたどり着き、さらなる「運命」の呪縛からの自由を目指してはるかなる「海」へ、己の「魂」と「生命」の再生を目指した旅をする、これが6部のテーマなのではないでしょうか。
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ご存知の方も多いかと思いますが、ゆうこさんは割とアカデミックな投稿をする方です。今回、「ストーン・オーシャン」というタイトルが明らかになってから初の投稿です。突き詰めていくと、予想屋の皆さんにはジョジョの血統でないとか、スタンドの要素はないとか、その方がこの新生ジョジョ「ストーン・オーシャン」にふさわしく思えてくる訳ですよね(偶然とも言うが………)。ただしスタンドが出てこないという点においては問題が残ります。ジャンプに連載する以上、何らかの戦い・決着のつけ方がないと苦しいという事です。そうなってくるとスタンド又は波紋に似た新要素という事も考えられるのですが、もし「漫画界震撼の衝撃作」というのが担当の東さん(ギアッチョ登場の時のアオリには笑いましたね)特有のハッタリ的アオリでないとしたら? つまり、「死刑執行中〜」の様に、謎の状況が続くテンションの高い話だとしたら? これは「ジョジョ」ではないサスペンス作品といえます。そういった事でしたらスタンド抜きも割と可能性が高い。
そして場所でありますが、中国、奥が深いですね。海南島(しかし、なんてネーミングセンスだ)というのは知りませんでした。ここに限らず、もっと探せば「石海」というのがごろごろ出てきそうで恐い中国ですが、ゆうこさんの様に考えると海洋冒険ものも面白そうですね。私が思い出したのは「四海の内は皆兄弟」(七海だったかな?)とかいうことわざです。これも、「仁義に国境はない」ぐらいの意味だと思っていたのですが、よくよく考えると「生者は団結せよ」という意味にもとれます。この背景には、海の果ては真空の宇宙と同じく、得体の知れない場所という考え方があったんでしょうね。今回も「運命」が深く関わり、第五部にも通じるところがあったら、たとえジョジョでない「ストーン・オーシャン」でも、面白いですよね。
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