write 1997/09/22
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「週感ジョジョンプ」増刊第3号

PAGE12・ツルさんより


 この「週感ジョジョンプ」にもいろいろな方が投稿して下さりましたが、ハード予想本命の方の登場です。その名はツルさん。「ジョジョの奇妙なページ」の伝言板での書き込みは忘れられないものがありました。今回、投稿して下さった事を大変嬉しく思います。切り口は推して知るべし。どうぞ。

投稿者:ツルさん

 「何で、『正体』のことがここで出て来るんだ?」

 ……と、トリッシュを今まさに殺さんとする「ボス」の場面でそう思いました。トリッシュに対して、確かに肉親であるという絆のようなものを感じる。だから、トリッシュの方もきっと自分に対してそう思うだろう……そこまではよい。肉親の絆の共鳴は、第3部の「ジョナサンの肉体」から発する信号で子孫達にスタンドが発現した辺りからよく強調されることだ。
 つまり、このジョジョ世界においては、これは「当然ありうべき現象」以外の何物でもない。
 しかし、何故そこで「ボス」は、「だから自分の正体がばれてまずい」という発想をしなければならないのだ?
 もともとボスはトリッシュのことを自分の娘であると明言している。トリッシュに「確かにこの人は私の肉親」と感知されたからといってそれが何故いきなり「正体」につながるのだ?
 例えばディオならディオがボスだったとする。トリッシュがディオを見て、「ああ、この人は確かに私のお父さんだわ。この人がこの組織のボスなのね」と思う。それがどうしたというのだ? わかっていたことではないか。それが「正体」につながり、だから殺さなければならない、となるのがどうも僕の中では論理的にはつながってこない。
 こういう場合、ミステリの中では筋道の通り方は決まっている。「この人は私の肉親」と「この人が組織のボス」の二つの事柄が実は矛盾している場合に、「まずい」という発想が出てくるのだ。

 「この人は確かに私の肉親だわ。でも! だとしたら、そんな! そんなまさ か! それなら、この人が組織のボスだなんてことはありえない!

 その「肉親」はトリッシュにとって旧知の人物であり、例えば整形手術などで顔を変えていても、トリッシュには「肉親の絆」で、その「肉親」が「誰なのか」がわかる。そして、その人は、トリッシュの知る限り、「組織のボス」でありえようはずのない人物である。
 ここで無理してこの「肉親」を特定してしまえば、それはリゾットである可能性が高い。ボスの登場とブチャラティの最大の危機というクライマックスまで引っ張っておいて、今更たかだか殺し屋ですという顔でリゾットが出てくるのではアホみたいで気の毒だからである(笑)。
 つまりは、今ブチャラティが戦っている「ボス」は確かにボスには違いないが、もともとのパッショーネのボスではない!
 ブチャラティをまるで結城丈二を救ったデストロンの首領のように(どうも例え方が古いね(笑))助け、側近から信頼され、麻薬に手を出さなかったボスはリゾットによって誰も気づかぬうちにすり替わられてしまったのだ!
 だからこそ、パッショーネはブチャラティの信頼した「麻薬をやらない」組織から変貌を遂げてしまったのだ。

 本物のボスがリゾットに殺されたのか、それとも生きてどこに幽閉されるなり潜んでいるなりしているのかは推測できない。リゾットの(もう決めつけてる(笑))心配事の中に元のボスのことが出てこない以上、殺されている公算が高いが……。

 あっ。
 これ、何のことはないセイント星矢の「教皇」とおんなじやないか。
 長くてごめんなさい。

 ………。
 この投稿が来たのが、実は9月15日。
 メールを受け取ってからかなり考え込んでいる。
 なにがいったい「正体がばれてはまずい」なんだ?
 予想がかなり鋭いところをついていると言わざるを得ませんが、最新号で、この投稿がかなり筋の通ったものとして補強されています。

 あんなに強力なボス。
 嫌というほど、その強さを見せつけてくれたボス。
 自分の前にぽっかりと開いた穴がどうして「自分の正体」なんだ?

 一時期、「リゾットはひょっとしたら出てこないかもしれない」と思っていたときがありました。ボスの能力が明らかになってすぐです。
 あそこからリゾットが出てくるんだろうか、とか。
 しかしこういう予想をしてくれると、ふと出た人物が実は………という展開もうなづける。しかし………しかし………そりゃ「13日の金曜日」ではないか。


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