社先生の第6弾


今現在描いてる原稿だったりします・・・(漫画ですが)
8/31幕張に来れば漫画版が見れます。間に合ってれば・・・(笑)
ひとまずレッド率を上げてみた。



「オイラ、少しだけ大人になった、そういうこと」
 レッドがそう言ったとき、かなり複雑な気分がした。くやしいから分析なんてしないけど。

コスモキャニオンの一件以来レッドは思いっきり幼児退行しちゃって、今までちょっとかっこいーかなーと思ってたのががらがらと崩れ落ちた気がする。そりゃアタシの勝手な思い込みだろうけどさ、実をいうと前のの方がよかったな……48歳っていうからうちのオヤジと比べちゃって、こーゆーオヤジが欲しかったかも、なんて思ったりさあ。うちのオヤジ、アレだから。
 今、バギーカーに酔っちゃってちょっと草原で休ませてもらってとこ。これだから乗り物って嫌いなんだよなあ……。風が気持ちいいから結構楽になったかな……クラウド達はギル稼ぎやってるからもう少し休ませてくれそうで気分もいい。
 アタシが座り込んでるすぐ後ろで、レッドがだらしないカッコして寝こけてる。前なら絶対やらなかったよーなほんっとにだらしないカッコ。ついでに幸せそーな寝顔でついつい落書きしてやりたくなったり。
「ガキ丸出し」
 誰もいないから独り言。
「……いいよねアンタはさ」
 だから、独り言だってば。
「尊敬できる保護者がいて、すべてを受け入れられるくらい素直で」
 独り言独り言。あー空が青い。
「………ガラじゃないこと言ってるなあアタシ……」
 自分で言うなってば。
 ……調子が悪い。寝ちまおう。
 ばたっ、と後ろにひっくり返ると、空がとても綺麗だった。車酔いのせいでけっこう疲れてて、ほんとに眠くなってきた。
”ウータイを強くするために”
 それは、今も変わらない。
”かつての栄華と誇りを取り戻したくて”
 そして。
”……自分も、強くなりたい”
 目を閉じたらすぐに睡魔が襲ってきて、それ以上考えなくてすんだ。ちょっとだけ、車酔いに感謝した。

「ユフィ、レッド!」
遠くから元気な声が聞こえる。こりゃエアリスだな。
 目が覚めたら夕焼けが綺麗で、どんくらい寝てたんだか考えるとちょっとはずかしーかもしれない……とほ。
「車酔い、だいじょぶ?」
「ん」
「そっか。よかった」
 アタシはまだ寝こけてるレッドを起こそうと手を伸ばして、けっこう触り心地のいい頭を揺さぶった。ようやく起きたらしいレッドはすんばらしい大欠伸をして、首の後ろを掻いた。ネコ。
「ガキ」
 草の上で寝てたせいかちょっとだるい体を起こして、ついそうぼやいてしまった。……ま、ほんとのことだし……。
「大人になったって言ってたくせにさー」
 脚や背中についた草を払いながら茶化す。
「自然体が一番だって」
 エアリスが笑ってそう言った。
 ま、ね。そうだけどね。
 軽く舌を出して応えると、エアリスも同じことして返してきた。アタシはエアリスのこーゆーノリが好きだ。ヘンに大人ぶって説教してくるから、ティファやクラウドはあんまり好きじゃない。(←ユフィクラの方、ごめんなさい……)
「ホラ、行くよ」
 レッドはまだ眠そうな顔をしてへろへろとついてくる。アタシは親切にもレッドの歩調に合わせてゆっくり歩いてやる。あーアタシっていい奴。
「…………」
 しばらく、沈黙が続く。エアリスは先に行ってしまった。
「……今は同じくらいでもさ、アタシの方が先に大人になるんだよね」
 成長速度が違うから。
「ユフィ、何か言った?」
「なんにも。急げよ、おいてかれちゃうだろ」
 レッドを置いて駆け出すと、あわててレッドが追いかけてきた。情けない顔してる。
 ……まだ大人にはなれない。
 けど、子供でもいられない。

ゆっくり、大人になりましょう………

   終劇・・・(汗)



長いです。(はじめに言えって) 最後の一文入れてるとき、なんとなくEVA最終回の「そしてすべての子供達に」て文思い出してしまった・・・(再放送全部見た直後だったので)
一応コスモキャニオン以後、ニブルヘイム以前てことにしてます。だからユフィかいといてヴィンセントが出ないわけです(笑)

さて、げんこーげんこー・・・・


[小説リユニオントップへ]