透先生の第5弾

「…大人しくした方が身のためだよ、奥さん……」
 元社長の手がクラウドに伸ばされようとしたその時。鍵のかかっていたはずのドアが、キイ…と音を立てて開いた。
「誰だ!」
 扉を開けて入ってきたのは、マスタートンベリだった。手には本人(?)の背丈を遥かに越える長剣が握られていた。クラウドが、それがセフィロスの所蔵していたマサムネだということに気付いたのは奇跡といってもよい。そのくらい動転していたし、ましてや彼(?)に何故それを持っているのか、尋ねるのはまず無理であった。
「ななな…っ何だ貴様はっ!!」
 わめく元社長に、じりじりと一歩一歩近づいていくマスタートンベリ。もうすぐ届く、という位置でぼそりとつぶやいた。
「…みんなのうらみ」
「ひぃやあああああーーーーーーっ!」
 中年が息絶えると、マスタートンベリは興味を無くしたように方向を変え、すたすたと去っていった。クラウドは、その頭上に燦然と星の輝く後ろ姿を、ただただ呆然と見送る他に無かった。



…こんなものをわざわざインターネットカフェに寄ってまでして入れてどうするよ、自分。


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