しのぶ先生の第2弾
”花の三兄弟♪”

リレー小説用に暖めてた(?)ネタなんですけど、思わぬ方向に行ってしまって、使えなくなったので、ザックラにして、お約束道りゆみやんさんに捧げます。


ドスン!!
と、何かが廊下に投げ捨てられたような音で、クラウドは目を覚ました。
ベッドの中でもぞもぞと動きながら、枕元の時計を取り、それをシーツの中に引っ張り込む。
そして、ほとんど働かない頭をフル稼動させて現在の時刻を確認する。
---4時40分…
起床時間よりも2時間ほど早い。
一気に機嫌の悪くなったクラウドは、その時計をそのまま部屋に入ってきた人物に思いっきり投げつけた。ガチャン、と言う景気のいい音がする。
「いってー…、何すんだよ、クラウド。」
部屋に入ってきた人物、ザックスはぶつけられたらしい頭を擦りながらおしゃかになった目覚し時計をゴミカゴに投げて、クラウドに近づく。
「何するんだよ、じゃない。うるさいよザックス…。いったい毎朝毎朝、何やってんのさ?」
シーツからは顔を出しもせずクラウドは不機嫌さをあらわにして問う。
他の人物だったら、クラウドにこの様な態度を取られたらどう対処していいのか分からずおろおろしてしまうだろうが、ザックスは伊達に15年間もクラウドの兄貴を勤めているわけではない。そこら辺の処世術(?)は心得たものだった。
「ま、お子様には分からない大人のじじょーってのがあるのさ。」
「…!なんだよ兄貴ずらして。たかが1歳ぐらいで兄貴だなんて認めないからな。」
クラウドは子供扱いされるのがだいっ嫌いだ。がばっと起き上がって抗議する。
「何言ってんだよ。兄貴は兄貴さ。誰に聞いても、戸籍謄本見ても、俺が兄貴だってみとめるぜ。」
「……、兄貴ずらするなら、ザックスもセフィロスぐらい立派にやってみろよ。」
クラウドとて、ザックスの弟を15年間もやっていたわけではない。ザックスの泣き所が彼らの長男セフィロスである事は先刻お見通しである。
あっかんべーとでもしそうなぐらい皮肉げな顔をして見上げてくるクラウドにザックスはただ唸るしかない。
確かにセフィロスはザックス以外の者から見れば非の付けようもない美丈夫優等生である。が、一皮向けば……という事はザックス以外は誰も知らない。
それはクラウドとて同じ事で、自分の兄貴だというのに敬愛している。
クラウドにとって理想の兄であるセフィロスと、いつも一緒にいて何かといっては口論をするザックスを比べるなど、残酷な事この上ない。
おもわず、セフィロスだって一皮剥けばだなぁ〜!と力説してしまいたくなるのだが、そこは兄への恐怖心が働いて押しとどめた。
(もしクラウドに教えたら、セフィロスの奴、まじで俺の事カマ掘るかも知れないしな。)
ぞっとしない想像をして、あわてて頭を振る。
ま、いつかは出し抜いてやる気では居るのだが…。
口げんかで勝つ事ができたクラウドは漸く機嫌を直して、でももう2度寝など出来る筈もなく、居直る事にした。
「なぁ、なんで俺達って一緒の部屋なんだ?」
「なんでって、兄弟だからだろ?」
「でもさ、全寮制なのって、協調性を身につける事が目的なんだろ?兄弟だったら、今まで一緒に暮らしてたのは当然だし、協調性も何もない気がするんだよね。」
「………、まぁ、そういう事もあるんだろうけど、俺の知った事じゃないしな。」
ザックスは頭を掻きつつそっぽを向く。
まさか、セフィロスが年子の兄、ザックスを使ってクラウドに悪い虫が付かないように見張らせる為に手配しただなんて、言えない。
しかし、ザックスは嘘の付くのが苦手な男である。クラウドにでさえモロバレだ。
「ザックス…、お前なんかしただろ?」
「な、何かって…?」
思わず意表を突いたクラウドの指摘にぎくりとして問い返す。
「きのうさ、生徒会長に呼び出されて、寮室が同じなのは手違いだって言われたんだ。」
「生徒会長…、あの、ルーファウスにか!!?」
「う、うん。会長は早速対処するようにするって。でも空いてる部屋が、会長の部屋ぐらいしかないみたいで、居心地悪いだろうが、それで良いかって聞かれたんだ。」
---ルーファウスの野郎。そうきたか…。
ザックスは思わず歯ぎしりする。
この寮では同学年がルームメイトになることがないから、可愛い新入生を同室にしようと裏で工作するのは公然の秘密だ。そしてそれの最優先権は生徒会長にある。
しかし今回、ザックスは新入生の入ってくる前に手を打っておいたから例外的に生徒会長ルーファウスを出し抜けたのだ。
それでもやはり、新入生の中でダントツに美人のクラウドを諦めきれなかったのだろう。さらに、夜這いなどなら幾らでも対処できるのだが、理由が正当化されているだけに質が悪い。
「で、お前なんて答えたんた?」
「え、寮の事よく分からないから兄に聞いてみますって」
「よし、よくやった、偉いぞクラウド」
「あ、ねえ、だから何かやったの?って聞いてる??」
そんなクラウドの叫びもよそに、ザックスはルーファウスの部屋めがけて駆けていった。
---セフィロスだけでも厄介なのに、更にライバルを増やせるかっていうの!
ザックスとて15年間熟すのを待って育ててきた弟だ。家じゃセフィロスが気になっておちおち手も出せず、ナイトを演じてきたが、漸くチャンスに恵まれた。その、食べごろの弟をむざむざ他人に、いや身内にもやる気はさらさらなかった。

は…、どこがザックラ???ポップ調目指したとはいえ、なんもやってないやん。
やっぱり、リレー小説用のネタじゃ怪しくなりませんねぇ。題名ザックス淡い恋心…、に変更します。
変な所で神経質で、細かく設定しないと気のすまない変な性分が出てしまいました。続き書いてもファイルと掲示板が重くなるだけみたいなのでもう止めます。うーむ、シリアス調ならHばっかの話も書けるんですけど、ながくなるしなあ。ポップなHの書き方だれかおしえてぇ。
ゆみやんさんには全く持ってすまない事です……。


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