深海先生の第3弾

投稿者 やばいものを書いてしまった深海 王先生 日時 1997 年 8 月 18 日 00:23:50:

 Warining!
 この手のちょっとしたスプラッタな小説がダメな人は絶対読んじゃダメです! ついでにセフィとクラウド(セフィ×クラではなくて、個別の話)が好きな人も読んじゃダメです!(笑)
 笑って許せる人なら・・・・・・・・



「「「エアリス!」」」
 期せずして、その場にいた三人の声が唱和する。しかし。
「叫べばどうにかなる、などという考えは幻想、希望にしか過ぎないのだぞ・・・・・・・」
 あろう事か空から降ってきたその男は、そんなことを言って立ち上がる。クラウドには実に5年ぶり、しかし最近はよく目にしているその長剣を掲げて・・・・・・・・
 そして、その刀身から滑り落ちるのは、一度も解かれることがない、と思っていたはずの栗色の髪。
「ちがうか? クラウド」
「・・・・セフィロス・・・・・お前!」
 海のように広がるその髪に触れながら、クラウドは怒りでうまく言葉になっていない。
「・・・・くやしいのか? 辛いのか?」
「! 当たり前だ!」
「まさかな。お前にそんなことが言えるはずがないのは何よりもオレが知っている」
「!?」
 その言葉にこめられた意味が分からなくて、クラウドは顔を上げた。
 しかし、既に求める黒衣の男はそこにはいなかった。
「?!」
「ティファ、といったな」
「え?」
 その声が突然響きわたる。瞬時に、クラウドは振り向いていた。その視線の先には、ここまでついてきてくれたティファが。そして・・・・・・・・
「あの時の父親の痛みを、お前にも味わわせてやろうか?」
 ティファに返事が出来よう筈もない。なぜなら、意味を理解したときには既に正宗の刀身が彼女の背中をなでていたからである。
 ティファ自慢の黒い長髪が斬られて宙に舞う。
 その先に立つセフィロスの姿を、確かにクラウドは見た。5年前と全く変わらない姿。ただ、一つだけ・・・・・・
「・・・・・・片翼の・・・・天使・・・・・・」
「しまった!」
 舌打ちして、ヴィンセントが素早くバントラインを構える。電光石火の如く、引き金を、
 ・・・・・・・引けない。
「・・・・からだが・・・・うご・・・か・・・・・」
「面白い。お前にも、ジェノバ細胞が埋め込まれているのか・・・・・・」
 ヴィンセントが驚愕の声を上げるのを、片翼の天使はこともなげに見やる。
「!・・・・・なぜ・・・それを・・・・・・・」
「細胞が埋め込まれてるなら、オレに攻撃は出来ない・・・・・しばらく眠ってろ」
 その言葉だけで他には何もしていない筈なのに、ヴィンセントは血を吐いて悶絶した。
「ティファ! ヴィンセント!」
 今更のように事態を理解したクラウドが叫ぶ。だが、動けなかった。誰かに強制的に縛られているような、全身を拘束された感覚。
「なんでっ・・・からだがうごか・・・・・」
「知りたいか?」
 はっと気付けば、目の前にはセフィロスがいた。左の翼だけある、足りない天使の姿。
「くっ・・・・」
「それはな、お前にジェノバ細胞が埋め込まれているからだ。細胞を介して、オレはお前を制御できる」
 懸命に身をよじろうとするが、全く体は動かない。セフィロスは、翼でクラウドをなでて、
「ふ・・・・かわいいな、クラウド・・・・・・・」
「く・・・・・」
「ところで、どうしてオレの背中にある翼が片側だけだか分かるか?」
「・・・・・そんな・・・・事知るか・・・・よ・・・・」
「・・・・つまらない奴だな・・・・・教えてやろう」
 すぅっとセフィロスは身を引いた。
「?」
 いぶかしげにクラウドがセフィロスを見たが、次の瞬間には見る、どころの話しではなくなった。
 正面から、正宗を使わずにセフィロスはその右腕を深々とクラウドの体に突き立てた。
 ドムッ!
「ぐわあああああぁぁぁぁぁぁぁ!」
「それはな、オレのもう一つの翼が・・・・クラウド、お前の中に眠ってるからだよ・・・・」
「あああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
「お前はオレの半身を奪って逃げた・・・・・・・だから、取り戻すのさ・・・・・」
 そこまで言って、セフィロスは右腕をゆっくりと引き抜いていく。
「ぁぁぁぁああああうううううぅうぅうあうあうあうあぉぉぉぉぉぅぉぅぉぉぉ・・・・・・・・」
 ばきばきという不吉な音ともに、クラウドの体から血にまみれた右の翼が現れていく。その間、彼の体は空間に固定されたように動かない。そして、翼が完全に出現した途端にクラウドの体はくずおれた。
 セフィロスは取り戻した右の翼を、背中にくっつけた。瞬間に組織が同化して、翼は動き始める。
「これで、オレは完全になれる・・・・・・お前も、オレの中で生きることが出来るんだ・・・・・幸せだろう?」
 向けた言葉は、誰のものかは分からない。クラウドかも知れないが、既にクラウドは何も言えなかった。
「・・・・・・フフフフフ・・・・・ハハハハハハハハ・・・・・・」


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