深海先生の第2弾 |
---|
にゃんこそばさんおまたせ!
何か、純愛ものになってしまいました。しかも、要求を満たしていないかも・・・・・・・(汗)
あらも多いですけど、笑って見逃してやって下さい(爆)
最後のモンスターを倒した彼は、その大剣を背負った。
「ったくよ、クラウドばっかりいいとこ取りやがって」
「ま、仕方ないさ。あいつが一番強いんだし」
「でよ、クラウド。これからどうするんだ?」
と、仲間の一人が声をかけると、クラウドと呼ばれたハンサムはある一方向に向けていた顔を戻した。
「ああ、今日は戻ろう」
「またそっちを見てるのか? あそこには何にもないはずだけどな」
「・・・・いや、何かあったような気がするんだ・・・・・」
「なにが? メテオ以前のでぇーっかいお宝が沈んでる、とでもいうのか?」
「・・・・・いや、そんなんじゃない。そうじゃないんだが・・・・・・・」
「そうじゃなくて、なんなのさ?」
「・・・・・わからない。思い出せないんだ」
「・・・・・・ふぅーん・・・・・・」
名前:クラウド
職業:トラブルシューター
「今日はこの辺にしておこうかな・・・・・・」
そこにあった紫色の花を摘んでから、ふと呟く。
メテオ後のミッドガルは人がいなくなったせいか、緑と動物と、そしてモンスターの巣窟である。しかし、彼女はここにきていた。それは、彼女の目にかなう綺麗な花がミッドガルにしかない、というのが理由である。
が、今一つの理由がここには存在するのだ。
『・・・だって、約束だもの』
名前:エアリス
職業:花売り
ミッドガルのゲートを出たところで、エアリスは、
「あら?」
そこに、一人の男が歩いてきた。彼も、エアリスの姿を認めて驚いたようだった。
「こんなとこで何してるんだ? ミッドガルといえば、モンスターの巣窟だぞ?」
「え? ああ、私、花売りなの。ここに、お花を摘みにきたのよ。それに、奥に行かなければ危険じゃないわよ。ここは」
「へぇ、慣れているみたいだな」
「まあね。だって、ここにはもう4年以上きてるもの・・・・・・・ところで、お花買わない?」
「・・・・・綺麗な花だな」
と、彼はエアリスから一つ、花を買った。
「だけど、やっぱり感心しないな。ボディガードもなしにここに来るのは」
「あら? じゃあ、あなたがボディガードになってくれる?」
悪戯っぽく、エアリスは言ってみる。その言葉に彼の顔がちょっと驚いたようだが、すぐに芝居がかったしぐさで、
「・・・・・・いいでしょう。しかし、安くはない」
「・・・・・・・・・・じゃあね・・・・・デート1回!」
「・・・・・・かまわないぜ。俺は」
「じゃあ、私を送って行ってよ、ボディガードさん」
「・・・・・俺はボディガードって言う名前じゃないよ。クラウドって言うんだ」
「そういえば、私の名前も言ってなかったわね。私はエアリス」
「へぇ、よろしく、エアリスさん」
と歩き出しながら、しかしエアリスは内心かなり不機嫌だった。
なぜなら。
『・・・・・・・やっぱり忘れてる・・・・・ったくもう・・・・・』
今日も、二人はミッドガルにきていた。
「ねぇ、クラウド。今日はもっと奥に入ってみましょうよ」
「危険だぞ。いいのか?」
「大丈夫よ。だって、私には強力なボディガードがいるんだもの」
「・・・・・・・やれやれ・・・・・・・」
嘆息して、彼は先を行くエアリスを追った。
「やっぱり! ここならもっと綺麗な花があると思ったのよ」
そんなことを言うエアリスの前には、一面に花が広がっていた。さっそくしゃがんで、花を摘もうとする。
だが、さすがにことは簡単にはいかなかった。
ドゴン!
「きゃあぁぁ!」
「エアリス!」
地面を突き破って、でかいモンスターが現れた。いままでクラウドが戦ってきた奴の二倍はある。
そいつはさっとエアリスを鷲掴みにした。
「しまった!」
即座にクラウドが剣を抜いて切りかかったが、モンスターに簡単に吹っ飛ばされて壁に激突した。
「がは!」
「クラウド!」
意識が朦朧とする。いまの一撃でかなりのダメージを背負っていた。かすれる目にエアリスの姿が映る。なにかを言っているようだったが、何も聞こえなかった。
そのエアリスを、モンスターが食べようとしていた。鋭利な長い牙が、光に反射されてきらめく・・・・・
フラッシュバック。
「・・・・そんなこと、二度もさせるか!!」
彼は叫んでいた。一瞬で怪物の懐に飛び込み、下からの一撃。
モンスターは、それで頭を潰された。もちろん、生きているわけがなかった。
エアリスを助け起こしながら、
「大丈夫か、エアリス」
「うん、助けてくれて、ありがとう」
「ああ、だって、俺はエアリスのボディガードだしな。それに、昔と同じことはしたくなかった」
「・・・・・・昔?」
「そう。昔は・・・・・あの時は、あいつを止めることが出来なかった・・・・・・」
「クラウド! 記憶が戻ったのね!」
「ああ。約束だしな」
「・・・・この・・バカ! バカバカバカバカバカ! 今更遅いわよ!」
言いながら、エアリスはクラウドにキスしていた。