小説初投稿の深海 王です。
葉月さん、お気に召したかどうか・・・実はこーゆーの初めてだったりするし・・・・
気に入らなかったらごめんなさい!!
ザー・・・・ン・・・・・
ライフストリームに近い、ということを除けば何の変哲もない浜辺。近くには村が一つあり、すぐ後ろには森が広がっている。
そこに、一つの人影が打ち上げられた。
本来なら、もう少しあとに散歩に来る村のおじいさんがそれを見つけるはずだったのだが。
だが。
そこに現れたのは、空から舞い降りてくる黒衣の天使。音もなく降り立つ。
「・・・・・・・人に見つからないうちに行動しなければならないとはな・・・・・」
彼にとっては珍しく、小さく嘆息してから打ち上げられた人影を見やる。
「・・・・・・クラウド・・・・ライフストリームの中に落ちてよく無事だったね・・・・」
ニブルヘイム、神羅屋敷。
ミディールから転移してきたセフィロスは、クラウドをまずベッドに横たえた。彼を溺愛するセフィロスにも、クラウドの身体はかなり危険であることが判る。魔晄の塊であるライフストリームに落ちたのだから、ただでは済まないとは思っていたが・・・・・
まず衣服を全部脱がしてやって、セフィロスはクラウドの身体に手を触れさせた。案の定、クラウドの身体にはあふれすぎるほどに魔晄エネルギーが満ちている。
「・・・・・・・・治るか・・・・・?」
セフィロスは、クラウドの身体に唇を当てて、そこから魔晄エネルギーを吸い出していった。とりあえず、体内の魔晄を本来のレベルに戻さなくては、意識すら戻らないはずだから。
一通り作業を終えてセフィロスが息を詰めて見守っていると、
「・・・・・・・う・・・・・・・・」
「・・・・! 気がついたか? クラウド・・・・クラウド!」
「・・・・・・う・・・・・・あ・・・・・?」
しかし、クラウドの目は確かに開かれていたのだが、全く焦点があってない。寝ぼけている、というレベルの問題ではなく、そもそも焦点を合わせることが出来ないらしい。
「・・・・・・・・・・・・・・記憶障害か・・・・・・・・・・」
その言葉に行き着いて、セフィロスから悲痛な呟きが漏れた。しかし、少しして彼はあることに気づいた。
「・・・・・・・そう・・・・・・か・・・・・・・そうだよな・・・・・・」
閉じている瞼から判るのは、外が明るい、ということだけだ。外に何があるのかは、見てみなければ判らない・・・・・・
「ん・・・・・・?」
薄目を開けると、天井が見えた。顔を動かすと、窓も見える。
『ここは、どこだろう?』
自分の身体を見る。ちょっと大きめのナイトガウンが着せられていた。しかし、違和感がある。
『何で、女物なんだろう?』
自分は女なのに・・・・という思考の途中で、おや? と思った。何かが、違うような気がする。
『どうしたんだろう?』
「起きたかい、クラウド?」
突如かけられた声にびっくりして振り向くと、そこには痩身の髪の長い男が立っていた。見たことは・・・・・あるような・・・・・ないような・・・・・・
「・・・・・誰?」
「おや? 君は婚約者のことも忘れたのかい?」
「・・・・・婚約者?」
婚約者?・・・・・そんな人・・・いや、知ってる・・・・私はこの人を・・・・・
「・・・・・セフィロス・・・・様?」
「そう。正解だ。よく思い出したね」
柔らかい笑みを浮かべた男の繊細な指が伸びて、つい、とクラウドの顔を持ち上げる。
ドキン!
その瞬間、思いっきり心臓が跳ねた。
『ふふふ・・・・クラウド、顔が真っ赤だな・・・・かわいいよ・・・・・』
空いた手でクラウドの身体をなぞりながら、セフィロスは一人ごちる。
余分な魔晄エネルギーを抜き取ったのはいいが、クラウドの意識は全く戻らない。しかしセフィロスは、クラウドが元ソルジャーだということに気づいた。ジェノバ細胞ならば、意識を回復させる手助けになるかも知れない。少なくとも、今のまま人形にしておくよりかはずっとましだ。
それなら、とセフィロスはいいアイデアもでてきた。下準備として、クラウドの体内にあるジェノバ細胞に『干渉』をかけておく。記憶ではなく、主に体機能の方に。そして、予め用意して合ったセリフ。
その結果が、これである。クラウドの髪の毛は後ろに流れ、硬い筋肉は柔らかくなり、胸が盛り上がり・・・・・・・もちろん下の方も。今や、クラウドは完全な女性である。
『だって、男同士だったら真に一つにはなれないだろう?』
「・・・・あ・・・・セ・・・・フィロス・・・・・・様っ・・・・」
なおも身体をなぞろうとするセフィロスの手を、クラウドは何とか押し止めた。そして、ちょっと距離を置く。
「? どうしたんだい、クラウド?」
「だって・・・だって、セフィロス様は一度私を捨てたのではなかったのですか? それを・・・・こんな仕打ちなんてひどすぎます・・・・・」
涙をぽろぽろと流して泣きじゃくる。セフィロスは内心びっくりした。セフィロス自身が作ったわけではない記憶が・・・・・
しかし、すぐに理由に思い当たった。
『ちょっと、『干渉』をかけすぎたかな?』
そして、一度は極度の魔晄エネルギーにさらされたので、刺激されたジェノバ細胞が先走りしているのだろう。
「大丈夫だよ、クラウド」
セフィロスは優しく語りかけながら、クラウドの涙を払ってやった。
「このセフィロスは、クラウドのものだから」
「・・・・・・え?」
クラウドがその言葉の意味を理解する前に、セフィロスは指をぱちんと鳴らした。
ナイトガウンがはだけて、豊満な胸が露になる。
「きゃっ」
「今はもう、クラウドに夢中さ」
「・・・・んん・・・・っ・・・・・」
『・・・・・愛してます・・・・・セフィロス様・・・・』
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