しほ先生の第3弾

 過去、生徒会不参加2回、生徒会大遅刻1回、ゴミレスを作る事3回、ノンタイトルレス1回……私は極悪人です。
 という訳で、今更ながら反省文を書いてみました。ジョー×クラです。内容は…またも強○。やりっぱなしなので、お子さまは見てはいけません。リミットブレイク注意! これ、ホントにまずいって…(大汗)。



 ゴールラインを割った時、クラウドは思わず後ろを振り返っていた。信じられなかった。この自分が、「奴」を打ち負かした事が。
「すごいわクラウド!ジョーに勝つなんて!!」
 エストが駆け寄ってくる。その顔は、歓喜と、それとは別の思いが混同した、複雑な表情を形づくっていた。
 クラウドは金のチョコボの背から降り、床を踏みしめた。少し足が震えているのは、未だに信じ切れないからだ。
 トウホウフハイ。その名の通り不敗の黒いチョコボと、そのベテラン騎手のジョーという男に、クラウドは何度も苦汁を舐めさせられてきた。その無敵のチョコボに、自分が育てた海チョコボが、初めて勝利したのだ。
「ジョーはね、今まで全戦全勝だったのよ。本当にすごいわ、プロの騎手だって彼にはかなわないのに!」
 エストはまだ興奮している。その言葉を聞いているうちに、クラウドは段々と複雑な気持ちになってきた。プロの騎手でさえかなわなかった彼を、素人同然である自分が敗ったことは、ジョーにしても心中穏やかではないだろう。
「いい勝負だった。完敗だ」
 突然の声に驚いて振り向くと、黒い帽子を深くかぶった、鮮やかな赤いジャケットの男が立っていた。
ジョー、だ。
「君は…どこかで会ったことがあるな?」
「クラウドよ、ジョー。ほら、前にここで騒ぎがあったでしょ、あの時の」
「ああ…確かあの時、チョコボに乗るのは初めてだと言っていたな。しかし、こんな短期間でここまで腕を上げるとはね」
「いや、チョコボが良かったんだ。俺は別に…」
「謙遜しなくてもいい。確かに君のチョコボは素晴らしいが、その能力を最大限に引き出すのは騎手の技量だ」
 ジョーは屈託なく笑い、クラウドに右手を差し出した。クラウドは一瞬ためらい、おずおずと手を伸ばす。握手の間も、ジョーは微笑みを絶やさなかった。
「彼は紳士よ、クラウド。チョコボレースは紳士のスポーツなんだから」
 エストはクラウドのチョコボの手綱を引き、休ませてくるわ、と言いながらさって行った。クラウドは改めて、目の前に立つ男を見つめた。
 帽子の下の素顔は、日に焼けていて浅黒くたくましい。目の色は見事な漆黒。ゆるくカールした黒髪は、肩に届かない程度に切りそろえられ、柔らかく揺れている。彼の微笑みは人懐こく、無敵のトップレーサーの驕りは全くない。
「気に入ったよ。君と少し話したい。いいかな?」
 気さくな誘いを、断る理由はクラウドにはなかった。つられて微笑し頷くと、ジョーは破顔した。
「決まりだ。じゃ、行こうか」


「…何の真似だ」
 壁に押しつけられ、身動き取れない状態で、クラウドは相手を睨みつけることで、精一杯の抵抗を示した。
 間近にある顔は、笑っている。しかし、先刻までのような柔らかな笑みではない。鋭く冷たい、氷のような微笑だった。
 最上階のラウンジに向かう途中、近道だからと言われ、素直に従ったのが敗因だった。非常階段の踊り場。寂れた空気が、人の気配を拒絶している。
「君に大きな顔をされるのは心外なのでね」
「……?」
 言われた意味がわからず、クラウドはジョーを見上げる。彼は、クラウドより頭1つ分程高い。
「俺はこのレースに全てを賭けているんだ。素人に負けたとあっては、このジョーの名折れだからね」
 口調は、気味が悪いくらいに優しい。
「だから何だ! 俺をどうしようっていうんだ!?」
「叫んでも、誰も来ない」
 ジョーは喉の奥で笑った。そしてふと真顔に戻り、クラウドを冷たい視線で見据えた。
「−−二度と俺の前を走れないようにしてやるよ」
 言葉と同時に、拳がクラウドの鳩尾にめり込んだ。突然の事に自分を守る暇さえ与えられず、クラウドは痛みに呻き、激しく咳き込んだ。上体が前に傾ぎ、崩れ落ちそうになるのを、ジョーの逞しい腕が抱きとめた。
 一瞬遠のきかけた意識を必死で繋ぎ止め、青い瞳がジョーを睨む。ジョーはその目をのぞき込み、くっくっと笑った。
「いい目だな…いつまでもつか、見ものだ」
 金色の髪を捕み、無理矢理に体を起こさせる。そのまま壁に乱暴に押しつけると、ジョーはクラウドの服に手をかけた。
「な…に……」
 朦朧とした意識を、意地だけで保たせている状態だった。今自分が置かれている状況を必死で理解しようとするが、ともすれば足元から崩れてしまいそうだ。
 固い金属音が、クラウドの耳に届いた。次いで、肌に冷たい空気が触れる。
「きれいな肌だ」
 する、と指が滑る感触。思わずびくりと反応を返し、クラウドははっと息を呑む。
「何も知らないという訳でもなさそうだな。これは…楽しめそうだ」
 耳元で囁いた唇が、首筋へと滑る。濡れた舌の感触に、肌が粟立った。
「やめ…ろ…」
 拒絶の言葉は卑下た笑いにかき消される。
薄く開いた目に、鋭いナイフの切っ先が映った。
「逆らうとどうなるか−−わかるだろう?」
 銀の残像を残し、ナイフの背がクラウドの白いきめ細やかな肌をなぞった。金属特有の冷たさに、クラウドの喉がひくりとのけぞった。
「……っ」
 先端が胸元を彩る蕾に触れた時、クラウドの唇から耐えきれず吐息が洩れた。固く冷たいそれに、触れるか触れないかの距離で弄ばれ、突起が紅く色づき始める。
「は…あっ……」
 いつの間に晒されていたのか、覆うもののないクラウドの自身に、ジョーの手が触れていた。
 声を出してしまってから、クラウドは思わず目を伏せた。
 感じている…? こんな不本意なやり方で、男の手で、感じされられているなんて、認めたくなどない。けれど、一度上げてしまった声は止められなかった。
「我慢することはない。啼けよ、いい声で」
 片足を持ち上げられ、ジョーの体が密着した。
 熱い。燃えてしまいそうに。−−思った瞬間、その熱さは痛みとなって、クラウドの中に打ち込まれた。
「う、あっ…! や……あぁ…」
 容赦なく揺すり上げるジョーにすがりつく以外に、自分の体を支える術を保たず、クラウドは自分を犯す男の背に手を回した。まだ慣らされていない秘所に、ジョーは存分に侵略を果たし、思うようにかき回す。その度に、クラウドは叫びを上げ、男の体にすがる腕に力を込めた。
 より深く突き上げ、クラウドに一際高い声を上げさせた後、ジョーは体を引いた。突然気配が去った事に、クラウドが訝しげな視線を向けると、ジョーはそれを例の笑いで受け止めた。
「まだ、だよ」
 ぐいとクラウドの腕を引き、後ろを向かせる。壁に手をつかせ、背後から彼の細い腰を乱暴に掴むと、再び侵入を開始した。
「ああっ…くぅ…っ!」
 爪が、虚しく白い壁を滑る。クラウドは金の髪を振り乱し、あらぬ声を上げ続けた。上気した頬を、汗が伝い落ちていく。陶器のような白さを持つ肌は、今は朱に染まり、淫らに誘いかけているようだ。
 ジョーの長い指が、クラウドを性急に刺激する。熱く火照り震える体を持て余し、クラウドは激しく首を振った。
「あああっ…!!」
 限界に達し、クラウドはジョーの手の中で果てた。同時にジョーもクラウドの中で自分を放ち、荒い息をついた。
 解放されたクラウドは、壁に沿ってずるずると崩れ落ちた。肩で息をするクラウドを、ジョーは冷たく見下ろした。あられもない姿を晒すクラウドとは対照的に、ジョーは服の乱れも見せずに立っている。お前は俺にかなわないのだ、と無言で告げているようだった。
「楽しかったよ、クラウド君。またレースで会えたらいいな。−−出られたら、の話だが」
 一瞥をくれ、床に落ちた帽子を拾うと、それを目深にかぶり、ジョーはクラウドに背を向けた。
 遠ざかる足音を聞きながら、クラウドは暫くの間、動くことができなかった。ただ、唇を強くかみしめ、拳を握りしめ、その目は床に据えられたまま、長い時が過ぎるのを感じていた。


 呆れた、というように、ジョーの目が見開かれた。
「…顔色がすぐれないようだが、大丈夫かい?」
 忠告を無視し、クラウドは金のチョコボにまたがった。瞬間、体を引き裂くような激痛が走ったが、クラウドは声を殺して耐えた。
「本当に君は俺を楽しませてくれるな。しかし、俺に勝てると思うのかい?−−その体で」
 クラウドは鋭くジョーを睨んだ。その視線にたじろぐ様子もなく、ジョーは悠然と黒いチョコボの上に佇み、例の含み笑いを見せている。
「…勝ってみせるさ」
「それは楽しみだ」
 ゆっくりと、走者がスタートラインにつく。そして数瞬後、出走を告げる空砲の音が響いた。



 ……反省文どころか、ますます罪を重ねたようです。思いっきりやおってしまいました(大汗)。
 メテオが落ちてきてるってのに、こいつら一体何やってるんだ!って感じですね。ジョオォーー!あんたの口調はわからん。書きづらいっす。でもサドっぽくて好きかも。


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