瀬尾先生の第59弾

投稿者 せのお 日時 1997 年 7 月 24 日 08:55:28:

・・すみません・・新規欄がでてこないので・・



エンゼルとグレテイル

構想三分・制作時間一時間四十分・推敲省略・でもものすごく長くなってしまったようで・・ここんとこ皆様が色々と昔話を書かれているので、こんなんどうかなぁと・・
詳細設定は都合よく省いていますが、いつものことだと思って無視して下さい(おい・汗)

昔々あるところに大きな森があり、そこに二人の兄弟が住んでいました。一人の名をクラウド、もう一人の名をルーファウス、といいましたが、その性質上(おいおい)エンゼルとグレテイルと呼ばれていました。
エンゼルクラウドは名前のとおりとてもやさしいいい子だったので我が侭なルーファウスにーちゃんに思いっきりおもちゃにされてたようですが、まぁとりあえず二人は幸せに暮らしていたようです。
(思いっきりはしょった前書き終わり。)

ある日二人が森で遊んでいると、ふと奇麗なちょうちょが飛んできました。
「あ、ルーファウス、奇麗なちょうちょだよ。」
エンゼルクラウド(以下面倒なのでクラウド)が虹色に輝くちょうちょを指差します。日光に透けた羽の色がプリズムのカーテンを思わせ、それは本当に美しい光景でした。
しかし「一流で奇麗なもの」が大好きなグレテイルルーファウス(以下同ルーファウス)がただ見て黙っているはずもなく・・
「あれ、欲しい。(断言)」
「え?(汗)」
クラウドが返事を返すよりも早くルーファウスの姿は木々の向こうに消えようとしています。呆然とするクラウドを振り向いてルーファウスがいらいらと叫びました。
「なにぼやぼやしてんだよ。追いかけるってんだよ。クラウドもこい。」
「えー、でも森に入っちゃいけないって言われてるよぉ?(おどおど)」
「だからすぐ追っかければちょっと入るだけですむだろ!?」
訳の分からない理屈ではありますが、一応説得力はありますね。勿論いいこのクラウド君はそんなルーファウスに反論できるほどの国語力はありません。
「もー・・いっつもすぐそーやって僕を巻き込むんだからなぁ・・(涙)」
クラウドはやれやれと肩をすくめながらも暴君ルーファウスの後を追い、緑のカーテンの中に消えていきました。

「あれ?」
茂みを抜けたルーファウスはいきなり足を止めました。後を追ってきたクラウドはぶつかりそうになり、慌ててその背中にしがみつきました。
「・・どうしたのルーファウス?」
「ほら・・あれ。」
ルーファウスの背中からひょこっと覗き込むと、目の前にお菓子でできた家が建っていました。
「・・お菓子の、家・・?」
クラウドはごくりと息を呑み込みました。

キャラメルクッキーにチョコレートファッジにカスタードケーキ、キャンディアップルにアーモンド入りの砂糖菓子にバニラウエファース。その家はおそらく子供が大好きと思うようなお菓子を総動員して作られていました。それは甘いものに目のないルーファウスでなくても魅力的な光景だったに違いありません。二人は危ないとか怪しいとかo−157とか全然考えもせず、ふらふらと引き寄せられるようにその家に向かっていきました。

「ふ・・飛んでごきぶりほいほいに入る茶羽ゴキブリ・・」
意味不明な諺を呟きながら二人を家の中から覗く妖しい人影がありました。そう、この家を作った張本人の魔女(?)、セフィロスでした。彼女、いや、彼は森の中にこんなもんを作っては好みの美少年を引き寄せていたのです。なかなかいい趣味だと思うあなたも同類です(おいっ)
「ふん・・なかなかの上玉だな・・さてと・・捕まえに行くか。」
さらりと流れる銀色の髪を撫で付け、黒い服の襟を正してセフィロスはドアから外へ出て行きました。
さて二人の運命やいかに。

「やぁ君たち。中にはもっとおいしいお菓子があるんだが、ちょっとお茶によっていかないかね?」
チョコレートとクッキーの粉でべとべとになった二人にセフィロスは甘く声をかけました。
「・・君は誰だ?」
ルーファウスはいきなり現れた美青年に不信感を露にして詰問しました。彼は世間知らずなようでも一応おにいちゃんなわけで、セフィロスがその甘い声と外見の後ろに隠しているものを無意識のうちに敏感に察知したようです。その様子にセフィロスは満面の笑みを湛えて二人に迫りました。
「私はこの家の持ち主セフィロスだ。別に妖しいものではないよ。」
思いっきり妖しいだろう、と、ルーファウスは心の中で叫びました。
「とにかく、結構だ。」
「・・お茶ご馳走してくれるの?。」
ルーファウスがその場から立ち去ろうとした時、ずっと背中にへばりついていたクラウドがぽつりと喋りました。
「あぁ。」
セフィロスは肯きました。どうも兄よりも弟の方が懐柔しやすそうです。セフィロスは心の中でブイサイン(古い・・)をしました。
「紅茶でも緑茶でもコーヒーでも牛乳でも・・なんなら濃茶に薄茶もあるぞ(点ててみろ・爆)」
そのうちどれに反応したのかはしれませんが、クラウドは目を輝かせてルーファウスの袖を引っ張りました。
「ねぇルーファウス、よってこうよ。僕喉乾いた。」
「何入ってるかわかったもんじゃないぞ?」
「でも喉乾いたー。」
「しょうがないな・・わかった。お茶だけなら。」
しぶしぶと言った様子でルーファウスは肯きました。思えばそれが不幸の始まりだったわけで。

「で・・やっぱりこうなったわけか・・」
ルーファウスはベッドの上で一人ため息を吐きました。隣にはセフィロスがさも満足げに眠っています。
「あのお茶が怪しいとはわかっていたはずなのに・・あーあ。」
そうです。皆様のご想像どおりルーファウスとクラウドはセフィロスに薬を盛られてとっつかまってしまったのでした。
「僕一人ならなんとか抜け出せるんだが・・クラウドを置いていくのはもったいないな・・お気に入りのおもちゃなんだから。」
ベッドの上にそっと置きあがりながらルーファウスは考えました。どうやらクラウドは隣室の檻の中に閉じ込められているようです。セフィロスはもう少し食べごろに太らせてからヤるつもりなのでしょう。それまではクラウドの身は安全ということですが、それまで自分が保つという自信はさすがにルーファウスにもありませんでした。
「とにかくなんとかしないと・・僕が先に壊れるな・・」
何より可愛いのは我が身です。ルーファウスはセフィロスの寝顔を見ながらその「悪知恵にしか働かない」といわれた抜群の脳細胞を生まれて始めていい方向にフル回転させ始めました。

「あ、もう一つケーキ。今度はブルーベリーの、そうそうそれ。あ、それからあそこにあるレモンタルト。」
次の日からルーファウスはお菓子の家を片っ端から平らげ始めました。それはすざまじい勢いでとてもシロアリなんかの比ではありません。ベッド周辺の家財道具はあっという間に食べ尽くされてしまいました。それだけならまだしもしばらくすれば隣の部屋のクラウドもそれにつられるように食べ始めたではありませんか。
「・・おい・・いい加減にしないか・・私は太った少年は好みではないんだぞ。」
流石のセフィロスの顔にも縦線が入り始めました。このままでは家自体が食べ尽くされてしまうのも時間の問題です。そろそろ建て直さなければ本気で崩れてしまいそうです。
「抱かれると体力消耗するんだよ。まぁ昔から蟻並みの食欲って言われてたけど。あ、お茶お代り。」
ずいっとカップを差し出されてセフィロスはため息を吐き、立ち上がりました。
「・・どうした、セフィロス?」
「家の材料を作らねば・・お前も手伝え。」
そうです。お菓子の家の建具は魔女セフィロス自らによって作られていたのです。(嫌すぎ)

「・・で・・僕は何をすればいい?」
ルーファウスはとりあえず台所に入り、割烹着に三角巾姿でかいがいしく砂糖や小麦粉を計るセフィロス(爆)に声をかけました。
「そうだな。とりあえずそこの卵に砂糖を加えて・・こら、一度に加えるんじゃない、二度三度に分けてが常識だろうがっ!じ・・じゃそれはいいからそこのアーモンド刻んで・・ってお前刃物持った事もないのか?・・それならばそこのサブレ用のバターを粉の中で・・あわわわっ、それでは融けて食感が変わってしまうっ!!」
「うるさいなぁっ!せっかく手伝ってやってんだからつべこべいうなっ!!」
遂にルーファウスが切れてしまいました。これではどっちが攻なんだかわかりません。セフィロスは三角巾できちんと覆った頭を抱えました。
「で・・ではオーブンの火加減でも見ていてくれ。」
「・・わかった。」
ルーファウスはオーブンの前に立ち覗き窓から中を覗き込みました。中では朱色かがった小さな炎が燃えています。
「何?今時薪オーブン?」
「その方がしっとりと焼きあがるんだ。種火は付けたから何本か薪を入れて温度を上げておいてくれ。
それくらいなら出来るだろう・・多分(汗)」
「ふーん・・(にやり)」
ルーファウスは何気なさそうにぽいぽいと薪をほうり込みました。

「ねぇセフィロス・・温度これくらいでいいかな?」
しばらくして、ルーファウスはドーナツを揚げていたセフィロスを手招きしました。
「ん・・どれどれ?」
セフィロスが中を覗き込んだとたん・・

(ぱたん)

「あーすっきりした。」
ルーファウスはセフィロスをオーブンにほうり込んで掛け金を架けてしまいました。
「ざまぁみろ。ニブル燃やした報いだよ。完全修復には莫大な金がかかったんだからな。」
ぱんぱんと手をはたき、ちょっと意味不明な事を呟きながらルーファウスは隣の部屋のクラウドを助け出しました。
「さ、家に帰ろう。」
「うん♪楽しかったね♪」
「・・まぁな・・(独り言)→・・・・誰のせいでこうなったのか自覚あるのか?」
「ところであの銀髪のお兄ちゃんは?」
「さぁ、どっかいったんだろ?(知らんふり)」
「そ。まぁいっか。」
二人は手を繋ぎ、仲良くスキップでおうちに帰っていきましたとさ。


おまけ・その後なんとかオーブンから抜け出したセフィロスは怒り狂ってジェノバという化け物になって村村を荒らしまわったそうです。     ちゃんちゃん♪
    


すみません・・毎回セフィロスがいい思いをしているようなのでちょっといぢめてみたくなっただけです・・(苦笑)
しかし・・書きかけ山のように抱えてこんなもん書く自分・・狂ってますね(汗)


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