瀬尾先生の第27弾

ちびセフィをいぢめようというお話だったんですが・・・
ヴィンセントじゃ無理でしたね(苦笑)人選誤りました(笑)
書いてるほうが嫌になる近親相姦ネタももう・・だし・・(笑)あとは・・やっぱりプレジデントご登場くらいしか手がない・・・(汗)
しかしヴィン・セフィ・・・笑 ・・とどまる所を知らないカップリング・・笑



・・この閉ざされた闇・・永き眠りこそが私の贖罪・・・

静まった時の底で、ヴィンセントは夢を見ていた。長く深く、逃れることのない悪夢。
彼は、償いを求めていた。自分自身を追い詰めることによって罪を償いたかった。しかし、救いの光が彼に届くことはなかった。

「?」
ヴィンセントはふと、閉じた目蓋の上から青い光がさしているのを感じた。
ここは光の差し込むはずのない、暗く湿った地下室である。人が訪ねてくるわけもない。訝しげに思って、彼はそっと眼を開けた。
・・子供?
そこにはヴィンセントの顔を覗き込む、一人の子供の姿があった。光は、その子供の皮膚から発されていた。暗い室内で、その子供の周囲だけが輝いている。
「誰だ・・・?」
ヴィンセントが声をかけると、子供は少し驚いたような表情を作り、奇麗な声で呟くように喋った。
「・・死んでるのかと思った・・」
無邪気な返答に、ヴィンセントは思わず苦笑した。確かに棺桶の中で寝ていては死んでいると思われても無理はない。彼は身を起こし、まじまじとその子供の顔を観察した。
よく見れば金属のような銀色の髪と、磁器のような真っ白な肌。透明な、宝石じみた蒼い眼にすら生気はなく、まるでよくできた人工物のような顔をしている。
「変わった・・子供だな・・」
「僕は・・セフィロス・・あなたは・・誰?・・なんで寝てるの・・?」
澄んだ声が次々と疑問を投げかける。生まれたばかりの雛のような好奇心に似合わない抑揚のない口調がどこか違和感を感じさせる。
「私は・・ヴィンセントだ・・そうして、寝ているのではない・・眠っているんだ・・これが私の贖罪・・」
どこか遠くで耳慣れない言葉が喋っている。自分の声とはこんなものだったのだろうか。そんな事すら忘れかけてしまう程の、それは長い眠りだったのだろうか。
「・・贖罪・・罪を償うこと?・・よくわかんない・・・なんで眠ることが償いになるの?」
透き通った眼がヴィンセントの心を突き刺す。彼は溜め息を吐いた。
「さぁ・・よくわからないが・・これが最善の方法だと思った・・・そんな気がした・・」
「ふぅん・・・」
セフィロスは首を傾げた。的を得ない答えに飽きたのか、辺りを見回して手近な棺に腰を下ろした。光が少し遠退く。
「ところで、あなた、人間なの?」
セフィロスの眼が、ヴィンセントの左腕で鈍い光を放つガントレットを、不思議な色の眼を代わる代わる見つめる。猫科の動物のような形の光彩が細く形を変える。
「もとは人間だった・・だが今では・・」
そこでヴィンセントの声がとまった。自分はこの子供になんと説明するべきなのだろう。化物、だろうか。それとも・・

「・・・ここにいたのか、セフィロス・・」
ふいに男の声がした。二人がドアのほうを向くと、貧相な小男の姿があった。
「宝条博士・・」
「駄目だろう。一人で出歩いては。さぁ、次の予定がある。」
「はい・・」
促され、セフィロスは宝条の方へ歩き出した。
「宝条だと・・?・・まさか、お前・・!!」
二人の顔を見比べてヴィンセントは激昂した。その子供こそが、ルクレッツィアの体を蝕んだあの実験生物だった。
怒りに紅潮したヴィンセントの顔を見、宝条は満足そうに笑った。
「そう。これが私の実験の成果だ。そうして、同時に君の罪・・」
気味の悪い含み笑いを残しながらドアが閉められた。ヴィンセントはもはや人ならぬ手でその白い顔を覆った。
涙は、零れなかった。


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