瀬尾先生の第24弾

最初に・・・安藤さんすいません。
サーバー潰しの張本人です。反省はしています。でも手が勝手に動くんです・・・・泣泣泣(言いつつ、反省の色がないぞ。おい。)
だれか・・・助けて・・・・(切実)

と、いいつつ、らーまさんやなつこさん達とお約束していたるーくらです。
なんだか、瀬尾の頭の中では「ルーファウス=可愛い」という図式が成り立っているため、「受・受」という感じになってしまいましたけど・・笑(腐ってるよぅ)
でも、いつだったかのお題「クラウドに歩み寄るルーファウス」は書けたような書けなかったような・・・?
うーん・・・
しかし・・・エッチは申し訳程度・・・笑

 朝四時・雨の音を聞きながら。



常夏の島、コスタ・デル・ソル
そこにおいては全てのものが気怠く、かつ優雅に流れる。
そして降り注ぐ太陽の恵みを受けて、様々な恋が育まれる。


「・・・・」
暗い室内は外の暑さとは裏腹に、快適な温度を保っている。見上げた、寄せ木細工の天井には、蜻蛉の羽のような扇風機がゆっくりと規則正しく回り続け、さやさやと肌に触れるほどの風を送り続けていた。
クラウドはまどろみのなかで、自分がさらりとしたシーツに触れているのを知った。
辺りには、ふんだんに入れられた熱帯植物が緑色の空気を排出している。
人工の粋を極めながら自然を演出するその部屋にはなぜか、不思議な調和が生み出されていた。

「・・気分はどうだ?」
クラウドの顔を、覗き込む者があった。ついこの間就任した神羅カンパニーの副社長、ルーファウス。社長プレジデントの一人息子。
それ自体は同族経営の企業としてはよくあることだったが、たかが十九というその歳に関係者は驚いた。が、彼らは後、その手腕に再度驚くことになる。
「・・何か冷たいものでももってきてやろうか・・?」
言いながら、クラウドの額にそっと手をあてる。吐息のかかりそうな程のその距離に、クラウドは当惑した。
間近で見るルーファウスは、太陽の光を凝縮したようなブロンドと、深い海の蒼の眼を持っていた。セフィロスの凍てつく氷のような蒼とも、ザックスの高い空のような蒼とも違う、自身に満ちた、しかし奥底に謎を秘めた、見るものの意識を吸い込んでしまいそうな深さを持った眼。
「・・・・・おい?大丈夫か?」
「あ・・・」
どれくらい呆然としていたのか、クラウドは慌てて首をふった。その様子にルーファウスが苦笑する。
「やっと戻ってきたか。」
「あの・・・僕?」
起き上がったクラウドは、自分が下着姿でベッドに寝かされていたことに気付いた。思わず上にかけられていたタオルケットで体を隠す。
「君はね、運搬船に酔ってふらふらで、ここに上陸した途端に倒れた。で、そこにちょうど通り掛かった僕が拾った。解かるかな?」
ルーファウスは枕元にある冷蔵庫から缶入りの何かを取り出した。一本をクラウドへ渡し、自分も同じものを飲みながら、クラウドのベッドの端に腰をかける。
「ここはそうでなくても暑い。慣れない者には辛いだろうね。」
「はぁ・・・」
言いつつも、ルーファウスはきっちりとスーツを着込んでいる。手渡された缶の冷たさが火照った体に心地良い。それを頬に当てながら、クラウドは何かを忘れているような気がした。
「あ、そういえば任務はっ?!」
「君の今日の任務は体調を整えること。或いは、僕のお守に変更。」
ルーファウスがあっさりと答えた。クラウドは首を傾げた。
「・・・どういう事なんですか?」
「部隊長には僕から話しておいた。君に今必要なのは休養だ。どうせ、君が一人くらいいなくなっても困りはしないと思うよ。」
副社長権限というやつである。横暴なそのやり方と、それによって流れるであろう心ない噂とに、クラウドは溜め息を吐いた。

「ところで・・唐突だが、君は歳はいくつなんだ?」
ルーファウスが聞いてきた。クラウドの顔を視近距離で覗き込む。その蒼の深さに、クラウドは思わず息を飲む。
「あの・・・十六・・です・・・」
消え入りそうな声を聞いて、ルーファウスは首を傾げた。
「僕と三つ違いか・・成程・・それにしては幼く見えるから、いったい幾つなのだろうと思っていたんだ。」
「・・よく言われます・・」
一つや二つならしょうがないとして、時折迷いこんだ子供かと間違われる事がある。自分の童顔と身長が、クラウドのコンプレックスになりつつあった。

「まぁ、それはいいとして・・君も元気になったみたいだし・・・」
サイドボードにことりと缶を置いて、ルーファウスが近付いてきた。
「・・・・?」
「・・・・わかっているよね。」
クラウドの腕を押え、シャツをひきあげると、剥き出しになった肌にそっと口づけた。滑らかな感触と、若い匂い。汗によってしっとりと湿っている。
「汗をかいているね・・シャワーを浴びたほうがいいようだ・・」
「や、やめてくださいっ!!」
ルーファウスの唇の触れたところから、怪しい感触が広がる。自分が今どういう状態に陥っているのか、クラウドはやっと把握した。
「そんなに暴れると怪我をするよ・・・」
もはや少年の域を脱しつつあるルーファウスはあっさりとクラウドを押え込み、そのわずかな下着を剥いでいった。じきにクラウドは細い姿態を現わす。夜に孵化する蝶のように、か細く美しい体が白日の元にさらけだされる。
「しかし・・・僕はどうしたものか・・・」
ルーファウスは首を傾げた。人一人押え込みながら服を脱ぐのは容易ではない。室内を見渡して、眼が壁にたてかけてあったサーフボードに移る。
「そうか、・・いいものがあった。」
頷き、抵抗するクラウドの手首をひとまとめにし、サーフィンに使うものと思しき蛍光色のロープで括る。
「ダーネィ、僕が服を脱ぐまでこの子を見張っていろ。」
ベッドの下から、黒い影のような豹が音もなく出てきた。クラウドが思わず身を退くと、地の底から響くような低いうなりを上げる。
「大丈夫、君が動かなければ襲いはしない。ダーネィはいい子だからね。」
その様子を面白そうに見ながら、ルーファウスは服を脱ぎ始めた。
自身はなんのためらいもなく、生まれ育った優雅さでぱさぱさと服を脱ぎ、足元に投げ捨てていく。次第に、意外に筋肉の付いた、しなやかな体が現われる。

「ほら・・いくよ。」
猫科の獣のようにそっと貪欲に、ルーファウスの体が忍び寄ってくる。怯えた栗鼠は成す術もなくじっと訪れるべき自分の運命を呪った。
「そんなに恐がらなくてもいいよ・・まるで君が鼠で、僕が獲物を狙う猫みたいじゃないか。」
苦笑しながら、軽々とクラウドの体を抱き上げる。痩せた肩がひくりと痙攣した。
「困った子だね・・なにがそんなに恐い?」
怯えまくるクラウドの目蓋に、ルーファウスはそっと唇を触れた。上げた視線を、ルーファウスの力に満ちた眼が絡め取る。
「眼・・」
この眼に食われてしまう、クラウドは一瞬そう思った。太陽のように真っ直ぐに対照物を見据えるその眼は、夜の生き物であるクラウドには強すぎた。
「眼、ね・・じゃ・・・見えなければ恐くないのかな・・・」
ルーファウスは一旦クラウドをベッドに戻し、呟きながらラタンのベンチチェアを開けてバンダナを取り出して、怯えるクラウドに目隠しをした。極色彩の世界が目蓋の向こうに広がる。
「これでいいんだろう。」
どこかから声がした。ふわりと体が持ち上げられるのが分かる。今、自分がどこにいてどこにいこうとしているのか。それすらも分からなくなってきた。

「ほら・・・力を抜いて・・・」
温かい湯に浸された。バスオイルが加えられているのか、強い花の香りが嗅覚を刺激する。
誰かの手が、自分の体の上をゆっくりと滑り、時折特に敏感な部分に触れる。その感触に耐え切れず、クラウドは声を上げた。
「やはり・・こういうのが初めてというのでは・・ないみたいだね?」
面白そうに笑う声がする。手の他に、舌が加えられる。
「・・それなら話は早い・・」
残酷な呟きはもはやクラウドの耳には届いていなかった。


風呂から上がってからは手の戒めと眼の覆いを外され、二人は何度となく情交を繰り返した。
されたことはほぼ強姦のはずなのに、クラウドは屈辱感を味あっていなかった。不思議な気持ちで隣に寝てルーファウスを見ると、ルーファウスもクラウドの方を見つめていた。
海色の眼は、優しく微笑んでいる。
「・・ひどいことをした、と、思っているかい?」
柔らかい声がクラウドの耳をくすぐる。
「なんだか、君があまりにも可愛く見えてね。我慢できなかった。」
人をほぼ無理矢理犯しておいて吐く台詞ではないのだが、彼には悪気は感じられなかった。もっとも、人に悪意を感じさせないのは帝王学の一つなのかもしれないが・・彼の場合、それは天性の資質なのかもしれない。
「自分から人を抱きたい・・・こんな気持ちになったのは・・・はじめてだ・・」
ルーファウスは呟きながら、気怠げに黄金色の髪をかきあげる。クラウドはその手首に、既に薄れかかっている、古い傷跡があることに気付いた。いぶかしげなクラウドの視線を追い、ルーファウスは頷く。
「・・?・・あ、これか・・・これは・・昔の傷。僕がまだ幼かった頃・・そう、丁度君くらいの時・・僕は、自分でこれを付けた。・・死にたかったんだ・・」
眼の中の暗い陰がより深くなる。傷を灯に透かしながら、ルーファウスは続けた。
「でもね・・助かってしまった。ある人に止められたよ。そんなことをしてもなんの解決にもならないって・・」
クラウドは、薄々気が付いてきた。なぜ自分がこの若い支配者に悪意をどころか共感すら覚えはじめているのか。彼らは、深い心の闇を持ち、愛情に飢えているという点であまりにも似ていた。
「だから・・僕は今、生きている。それだけは確実。」
クラウドは息を継いだルーファウスを覗き込み、恐る恐る、聞いた。
「その人・・好きな、人?」
「いや・・・違うと思う・・でも、僕を愛してくれている。僕も彼を愛している。そうだな・・・・彼は、僕にとって、愛するということの全てなのかもしれない。」
その、唯一の愛をくれる人の陰が眼前にちらつく。そろそろ心配している時間だろうか。現実に戻るのは気が進まなかったが、彼がいる、理由はそれだけで充分だった。
「・・これでお話は、おしまい。・・また、会えるだろう?」
約束と言うにはあまりにも強制的ではあるが、クラウドは頷いた。ルーファウスが安堵の声を上げる。
「・・よかった。」
日頃は人にいやとは言わせぬ態度を取るくせに、妙に可愛げがある。まったく困った暴君だと、クラウドは一人、くすりと笑った。

コスタ・デル・ソル
太陽の祝福を受けた
恋人達


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