瀬尾先生の第14弾

朝の一時間愛の劇場(自爆)
だ・・だめだ・・・「るーちゃん痴漢にあう」が全然進まない・・・(泣)
エアリスとクラウドのラブラブなんか、手もつけてないって・・・・・・(苦笑)
あ、すずりかさん、これ、いりません?例の「クラウド総受け本」に・・・いらないよね・・・(笑)


「クラウド・・セフィロスを・・・・」
狂気に落ちたセフィロスによって深手を追わされながら、ザックスは走り込んできたクラウドにむかって、呻くようにそれ丈を言った。
対してクラウドが青ざめた眼で頷いたの見たのを最後に、ザックスの意識は深い闇に覆い尽くされた。

(・・・・・俺は・・生きているのか?)
温かい。最初、そう思った。指先から少しずつ、体を動かしてみる。
(俺・・確かセフィロスに・・・)
狂ってしまった親友をとめようとしたが、刹那に、胸に痛恨の一撃を浴びた。あれが致命傷となったはずだった。
(まさか・・・ここが天国ってやつか?)
故郷に置いてきてしまった、年老いた母親が昔、そんなことをよく言っていたのを思い出す。人間は死んだら天国にいくんだ。だから、そこに胸を張って行けるような立派な人間におなり・・・そう聞かされて、彼は育てられた。
(・・・・・)
ゆっくりと眼を開けた。まず見えたものは、毒々しい緑色の空気。が、重さからして、どうも空気ではないらしい。
(・・・水?)
正確には、半ゲル状の物質が自分と外界を隔てている。自分が全裸で水槽のようなものに入れられていることがやっとわかった。水づけのはずなのに、呼吸は苦しくない。これは一種の生命維持装置のようなものだとは、ザックスにもおぼろげにわかった。
(・・・・・でもここは・・?・・・・・・?!)
辺りを見渡して驚愕した。隣の同じような水槽に、金髪の少年の姿があった。まだ意識は戻っていないのか、眠っているような表情でゼリーの中に沈んでいる。その胸にはテープで固定した傷跡があった。
(お前・・セフィロスに・・・・馬鹿な、セフィロスはお前まで・・クラウド、大丈夫か、ここはどこなんだ?!)
聞きたいことが山のようにあったが、まだ体がいうことをきかない。力なく拳を握り締めた時、かたい靴音が聞こえてくるのを感じた。

「・・・クラウド・・・」
声の主は神羅の生物研究関係責任者、宝条だった。貧相で陰のように痩せた体から異常なほどの存在感を発している、無気味な男。銀ぶちの眼鏡の下からは鋭い眼が覗く。
ザックスは以前、ビル内で何度か見かけたことはあったが、本人と直接面識があるわけではない。そいつが、クラウドの方に向かい、何かを話しかけた。ザックスの意識が戻っていることにはまだ気付いていないらしい。
「私の可愛い小猫ちゃん・・・起きているかな・・・?」
嬉しげに声をかけると、クラウドがゆっくりと身じろいだ。その様子を満足げに確認してから、細い指が何かのボタンを叩く。
ぶぅ・・・ん・・・という、蜂の羽音のような音をたて、クラウドの水槽内の緑色の毒液が水位を下げてゆく。それは肩の位置になり、腰になり、そうしてすっかりとどこかに抜けてしまった。
「さぁ・・・」
厚いガラスの壁が下りてゆく。ぐったりとしたままのクラウドは、自然に宝条の手の中に落ちた。
そのまま少年の細い体を軽がると抱かえ上げ、実験室内の皮張りの安楽椅子に腰をおろす。膝の上にのせられたクラウドは目を閉じたまま、しきりに何かを訴えるように、宝条に体を寄せていく。
「しょうがないな・・・待ち切れないのか・・・?」
苦笑しながら細い指がクラウドの体を滑る。その愛撫を嫌がるどころか、赤ん坊の指が物を掴みかえすように、小猫を撫でれば擦り寄ってくるように、クラウドは喜んでいる。
「・・・セフィロスコピーにはならなかったが・・・君にはまた別の意味で満足しているよ・・・」
強度の魔晄照射とジェノバ細胞によって、それらに耐え切れなかったクラウドは自我を失っていた。今のクラウドは、ただの生きた動物だった。
「もっとも・・・私は実験者としては失格かもしれないが・・・」
自嘲気味に呟いた宝条の手の動きが早くなる。それにあわせてクラウドが時々声にもならない喘ぎを発する。
もどかしさに歯がみするザックス。セフィロスコピー計画は知らずとも、クラウドに何が行なわれているかは明白だった。おどおどとした兎のようなクラウド。顔を真赤にして恥じらうクラウド。それでも必死になって抗議するクラウド。兄弟のいない自分には、本当の弟以上の存在だった。
それが、姿だけを残して、殺された。できれば今すぐ出ていって助けてやりたい。だがガラスは意外に厚く強固で、クラウドと自分との間に立ちはだかっていた。
ザックスが事の成り行きを見ているのに、ふと気付いたらしい。宝条は絡み付くクラウドをそっと剥がすと、悪魔のように残酷に微笑みながら、ザックスのほうに寄ってきた。
「いけないね・・君は・・・・人の楽しみを邪魔しては・・・」
くっくっくっと喉の奥で笑いながら、ザックスの水槽の目盛りをいじる。急に強烈な睡魔が襲ってきて、ザックスは呻いた。
「・・・・お休み・・ソルジャー君・・」
宝条がその様子を確かめてから戻っていく。その小さな後ろ姿を見ながら、ザックスの意識は薄れていった・・・・


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