瀬尾先生の第4弾

朝一時間で書くのは流石に辛いですぅ。
これ、後で完全版書きます。ごめんなさいっ。(といって、ばっくれたりして・・・)
しかし、話を分かり易くするためにルーファウスを可愛く書いてますけれど、本当はもっとプライド高くて、絶対自分から好きだなんて言わないタイプだと思います。でも、小説でそれだと話が進まないしぃ(笑)
自己満足です。すみません。

(ミッドガル・神羅ビル脱出後)

「ルーファウスがアバランチの残党に襲われ、負傷した」
 そんな情報がタークス・ツォンの耳に入ったのは、ちょうど前の任務を終えて帰社したおりだった。
「何だって、もう一度いってみろっ。」
 普段、顔色の変わらない彼が、青ざめた顔でレノに迫った。
「・・まぁまぁまぁ・・・ツォンさん、落ち着いて、っと・・・」
「落ち着いていられるかっ。それで無事なのかっ、ルーファウス様は生きているのかっ?!」
 今にもつかみかからんばかりの勢いだ。レノは思わず後じさった。
「あぁ、多少怪我はしたけど、無事らしいです・・・ぞ、と。」
「それで、今はどこだっ!」
「びょ、病院らしいぞ、と。」
「神羅社員特定病院だなっ!!」
「そ・・・そうらしい、ぞ、っと。」
 確認を取るや否や、ツォンは走り出した。後に残されたレノは、肩をすくめて呟いた。「・・・・・あんなに慌てててもちゃんと病院の確認するなんて・・ツォンさんらしいぞ・・っと。あ、そーいえば社長は死んだってのは俺、言ったかな・・っと?」


 神羅社員特定病院。主に、神羅社員の健康保全(別名財産管理)と、社外の人々への好感度稼ぎの為の巨大な施設。神羅という大きな組織を裏にもつ、そこは現時点で、世界最高の医療技術を持っている。
 ルーファウスはそこの最上階、特別室にいた。
「困りますっ。ここは特別な方しかお通しできませんっ。」
 看護婦が必死で食い止めようとする。
「私はタークスのツォンだ。ルーファウス新社長に会わなければならない。」
「あ・・・・タークスですか・・・それなら、どうぞ・・・」
 タークスの名が出ればフリーパス、である。ツォンはつかつかと病室に入っていった。
「あれ、ところでさっきの人、新社長っていったわよね・・・・?」
 看護婦は一人、閉じたドアの前で首を傾げた。

 夕暮れ時、主に染まった病室の真中に巨大なベッドが備えられ、その中央にルーファウンスが横たわっていた。一見、大仰な機械類は見当たらないのでツォンは安堵した。しかし、よく見れば白いパジャマの首元から、包帯が覗いている。
「・・・・」
「あ、あの、ルーファウス様は今、安静薬でお休みになっておられます、ので・・」
 さっきの看護婦が恐る恐る病室に入ってきた。上掛けを少しめくり、ルーファウスの手首に触れて脈を取る。
その袖口からも、包帯がちらりと見える。
「・・だいぶ落ち着かれました。お目覚めはもう少し先になられるかと思います。」
 看護婦は、腕を戻し、カルテに記入しながら、気遣いのある低い声で話した。
「お怪我は重大ですが、命に別状はございません。防弾スーツをお召しになっておられましたから、肋骨にひびが入った程度です。しかし、お疲れのご様子ですし、安静は必要です。ご用件はお目覚めになられてからお伝え致しますから、どうぞお引き取り下さいな。」
 ルーファウスはすうすうと安楽かな寝息をたてている。蒼白な顔に、乱れた髪が少しかかっていた。
「・・・・・・・・いや、いい。起きられるまでまっている。」
「そうですか・・では私は失礼いたします。なにか御用があれば、そこのボタンをお押しください。」
 諦めたのか、一礼して、看護婦は静かに去っていった。ツォンはそこにあった椅子に腰をかけ、じっと目覚めを待った。
 静かな病室で、夕陽だけが通りすぎていった。


 それから幾時が過ぎたのだろう。ルーファウスが目覚めた時、外はすでに真暗だった。
「・・・・・・?」
 薄く眼を開けて、左右を見渡す。まだ視界はあまり広くない。薬特有のけだるさと、麻酔のしびれがまだ残っている。
 (病院・・か?)
 アバランチに、ガードドックと共に怪我を負わされたのは覚えている。それからヘリに乗り・・そこからの記憶がない。
 (僕は・・どれくらい眠っていたんだ・・・)
 ベッドの端を見たルーファウスは、ツォンがいることに気が付いた。見慣れた、優しげな声と柔和な表情で嬉しそうにこちらを見守っている。
「・・・ご無事でなによりです。お加減はいかがですか?」
 目を覚ましたのを見て取って、そっと伺うツォンに、ルーファウスはそっぽをむいた。
「・・なんの用だ。帰れ。僕が惨めに寝ている様でも観察しにきたのか。」
 刺のある言葉。
「しかし・・・」
「いいから帰れ・・・っっ。」
 叫んだ拍子に、胸に鈍痛がはしった。息が苦しい。慌ててツォンが駆け寄る。
「ルーファウス様っ!!」
「・・帰れ・・」
 きつく目を閉じ、肩で息をしながらルーファウスは答えた。目尻に薄く涙がにじんでいる。
「僕のことなんか・・心配していないくせに・・」
「・・心配ですよ。」
 ツォンはきっぱり断言し、眼に痛いほど白いハンカチを取り出して涙をぬぐってやった。
「・・やめろ。どうせ君が心配しているのは社長としての僕であって、僕個人じゃない。余分なことをして・・僕に・・希望を・・抱かせないでくれ・・」
「ルーファウス様・・・」
 見上げたツォンの戸惑った表情。ルーファウスは苦く笑った。
「・・僕の気持ちになんか・・気付かなかったくせに・・・」
 一つ大きく息を付いて、彼は続けた。
「僕はずっと、君が好きだった。小さい頃から・・」
 そう、出会った頃から。我儘でも、相談でも、なんでも聞いてくれる、優しいツォン。子供のことなんか手駒の一つにしか考えていない父と、自分の容姿のことにしか興味のない母。ご機嫌を伺うことしか知らない近従達。
 そんななかで、ある日やってきたタークス、ツォンは本当にルーファウスのことを考えてくれた。少しでも時間があれば彼の相手をしてくれた。いつも東洋系特有の柔らく神秘的な微笑みを浮かべながら、それでもいけないことは諌る強さを持っていた。
「僕が、社長になったのも君と一緒にいたかったからだ。」
 正確には、ツォンが悲しむ顔が見たくなかったといったほうがいいかもしれない。ツォンは彼にとって、生きることの全てだった。
「なのに、君が心配しているのは新社長としての僕で、僕本人なんか・・どうなってもよかったんだ・・」
「・・・・」
 思いがけない告白だった。だが、もっと衝撃的な言葉が続いた。
「今日・・親父が死んだ途端、ハイデッカーが僕に迫ってきた。謀反を起こされたくなかったら・・その代償に僕の体を提供しろってね。」
 ルーファウスが皮肉げに笑う。ツォンは眉をひそめた。
「やはり、というかんじだったけれどね。覚悟はしていたけれど・・・」
「・・・それで、どうなさったのですか。」
「さぁね・・どうしようか。」
「・・始末・・しましょうか。」
 ルーファウスはくすりと笑って、首を振った。
「いいや・・あれは意外に使える・・今失うのは・・手痛い・・」
「しかし・・」
「僕個人のことは、君には関係ないだろう。君は僕の言うことだけ聞いていればいい。僕はこんな人間だ。わかったら、でていってくれ。」
「・・本当に、それでいいのですか?あなたは・・それで満足なのですか。」
 声が震えている。それは自分に対する軽蔑なのだろうか。
「・・・相変わらず正論だね。でも、僕は、君が思ってるほど強くない・・」
 ルーファゥスはもう一度目を閉じた。頭の芯のほうで痛みがする。気分は最悪だった。
「・・・・・」
 なにかの声が聞こえたような気がした。と、同時に空気の動くのが感じられ、ルーファウスの顔にあたたかなものが近付いてきた。
「・・?」
 視界を開くと、すぐ前にツォンの顔があった。ルーファウスに負担をかけぬように、枕に両手をついて体を支えている。
「・・・?!」
「・・私にとってもあなたは・・あなたは・・」
 言葉はいつも雄弁ではない。互いの唇を通じて、二人は全てを通じあった。


 後書き・あー・・・なんだか長いばっかしで内容が・・・・(苦笑)
     でも、このお二人、この後濡れ場には突入しないでしょうね。
     ツォンさん、怪我人襲うほど鬼じゃないと・・・(セフィロスなら別か。)
          軽いキスだけでお互い理解して、幸せになって終わっておこう。うん。

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