こんにちは、りなです☆
20000アクセスおめでとうございますコールに超のりおくれ状態に陥ってしまったので離れ小島コールです(笑)。
それから、小説をメールで送ってしまったんですが、こちらにもアップしてよいとのことでしたので、お言葉に甘えさせていただきます。長文ですいません〜・・。ヴィンユフィです、お嫌いな方ごめんなサイ・・。
「知らないあたし」
飛空挺の中での生活に耐えきれない。ここで夜も寝ろなんて冗談、ユフィ・キサラギはきわめて憤慨していた。その憤慨も、青い顔に力の入らない足腰では迫力もない。あっと言う間にヒュージマテリアをぜんぶゲットして、あっと言う間にセフィロスをコンコーンとあのクラウドが言い出しっぺなんだしやっつけて、残ったマテリアをいただいてとっととこの飛空挺からもデンジャラスな日々からもサヨナラしようと思っていたのに、存外長旅になった。
もとはと言えば、チョコボ仙人などというけったいな爺さんの噂を聞いたばっかりに、南へ北へ東へ西へ爺さんの記憶が戻るのを待ったり噂を聞いてはナントカの実とかいうのを探したり、そういうことはもうちょっと早くやってよ!とイライラする。
クラウドが中毒症から復帰して、早速ジュノンへ向かうのかと思えば神羅を警戒してだかなんだか知らないが、じりじりしている。何にもしないで飛空挺の中にいなくちゃいけないなんて一日でもイヤ。その上、チョコボを育てるなんて悠長なことを始めて、気が知れない。そう思っていたので、あまりチョコボ育成には気乗りがしなかったのだが、なんでも山チョコボや山川チョコボや、そういった異種チョコボがいなければ、手に入らないマテリアがあるらしいと聞いた日からユフィの態度が豹変した。
一生懸命チョコボを育て、謎の実をモンスターから頂戴し、カップリングに精を出す。トップブリーダーって呼んで状態の彼女に任せようという雰囲気が飛空挺のブリッジで流れはじめたころ、ようやくそのチョコボは生まれた。黒い山川チョコボ、名前はチョココ。チョココに乗って、あちらこちらへ向かった。あやしい洞窟という洞窟すべてを、一つたりとて逃すものかと見てまわった。
そうしてユフィは、自分の、マテリア欲を生まれて初めて、おそらく一生で一度だろう、後悔した。
強い風が吹いている。中空にとどまった黒い影になる飛空挺からのびる縄梯子が大きく揺れている。
ユフィは眼下を覗き込んだ。岩肌と緑のフィールドの境目あたりに吸い込まれるように落ちていく梯子と遠くに見える村のかたちしか見えない。レッド�将靴漏里�、下に行ったよ、と言っていた。いちいち嘘を言うことに意味はない、おそらく本当に下なのだろう。自分も行っても、何しろ酷い乗り物酔い持ちなので、誰も何も言わないはずだ。
大きく揺れる梯子にしっかりと掴まって、忍者の末裔らしく身軽に降りていく。だいたい、あんな場所でまともに寝られたためしはない。いっそ野宿の方が確かにマシかもしれない。ぶつぶつと不平を言ったとき、今までで一番強い風が殆ど地面と水平に梯子をなびかせた。
必死で梯子に掴まり、揺り返しに耐えるべく体勢を整えようとすると、地面と垂直になったところで、不自然な力に引かれてぐいと梯子は止まった。逆にぎょっとしてしまい、足をすべらせそうになる。何事かと下を見やると、黒くて赤いものが見えた。
不揃いの長い髪が、獣の鬣のように、深紅のマントと共に風にたなびいている。
こちらを見上げている相手と一度目があって、慌てて梯子を降りた。いつまでも掴んでもらっていても仕方がない。
地面に降り立ったとき、あれっと思った。そうして、あっと、暗い考えに思い当たる。
その人物の傍らには、チョココがいた。
「ヴィンセント」
ゆうに頭一つぶん大きなそのひとを見上げる。
「どっか、いくわけ?」
「・・もう行ってきた」
強い風に、彼の髪をまとめているんだかなんだかわからない、何かを慌てて隠すように巻いた印象のいつもの赤い布から無造作にはみだした髪もあおられている。何も見ていないような赤い瞳をじっと見ていると、ふいと鬱陶しそうにそらされた。反射的にムッとして怒鳴った。
「あんたねぇ!チョココはアタシがこの子の親も育ててカップリングして、何度もフツーのチョコボ生んじゃってタイヘンだったのをいっしょーけんめーここまで我慢してようやくっ、ようやく生んだ子なんだよ!勝手に持ち出してもらっちゃー困るじゃん!」
ものすごい勢いでまくし立てる様子を、非常に真面目な顔で見ていた彼、ヴィンセントは、息を切らせつつユフィがようやく言葉を終えると、そんな様子のままぽつりと言った。
「そうか・・」
がっくり脱力、しかしがばっと身を起こしてユフィは元気よく負けじと言った。
「なんかないの!?ごめんなさいとか申し訳ありませんとか!」
「すまなかった」
ふたたび脱力。
そうして、今度は、ゆっくりと顔を上げる。膝に手をついて、屈んだ姿勢で。
上目遣いにじっと、自分を見ているのかどこを見ているのかわからない、その表情を見つめた。
このひとはどこも見てないんだろうなと思った。そう思ったら、じっと彼を見つめるためにひらいていた瞳が、強い風にさらされて熱くなった。深いグレイの瞳が、光を反射してきらめく、ユフィの視界がすこしだけにじんだ。
はらっとまなじりから溢れて、頬をつたってこぼれるものがわかった。
風にながされて、宙に散っていく。
はじめて、彼の表情が変わった。
「あーもう、ヤだ」
悔しかった、なんで泣いてるんだろう。身を起こし、ぐいと手の甲で涙を拭う。すこし戸惑っているような雰囲気が彼から伝わってきて、それも余計にイヤだった。自分のペースでガンガンものを進めて、周りの迷惑なんか省みない、それがユフィだったけど、そう思われるのがなんとなくイヤだった。
涙を押さえようとして、もちろんそんなことかなわない、目元にあてた両の手をおろすと、平素は銃を握る右手の、長く端正な彼の指が頬にふれた。瞳だけ動かして彼を見上げる。やはり無表情めいているが、しかし確実にユフィを見ている、気遣わしげな色を奥底に見せる目が見ている。
チョコボを勝手に持ち出されて泣く女だと思われるのもそういえばイヤだ。だからつい黙っていればいいのに口にしてしまう。
「あんた、アタシなんかまともに相手してない・・でしょ」
「そうか」
「何その返答は!そうだ、とか、そうじゃない、とか言うでしょフツーはさ!」
「おまえはそう思っているのだな、という納得だ」
「違うの」
「・・・・どうとも言えないが・・」
「言い訳はキライだよ」
ぷい、と横を向くのも、手を添えられた方向へ。
この手から離れることなんか考えられない。
「私とおまえは、どうも接点が少なかったように思える、対処法を問われても困る」
あ、そっか・・
ヘンに納得してしまって、ばつが悪くてうつむいてしまった。
そうすると、胸がきゅって苦しくなる。喉が締め付けられたようになって、びくっと呼吸するときに胸がふるえたと思ったら、伏せた睫毛をつたって涙が、もういちどばらばらと落ちた。今度は、はらはらというものではなかった。自分でもびっくりするほど、勢いよく涙がこぼれる。呼吸までくるしくなって、肩でしゃくりあげて泣いた。
どうしてこんなに始末の悪い奴に成り下がってしまったんだろう。こんなのカッコ悪い。
地団駄踏みたくなる己の失態に、それでも泣き続けるしかできない。
頬にふれていた指が、髪を撫でてくれる。きっと、助け船が欲しいところだろう。遠慮して去りたいが、捨てて行くわけにもいかないと思っているんだろう。でも、髪を撫でられているとものすごい動揺がおさまってくる。ようやく止まった涙の跡を拭って、顔を上げて彼を見た。
「勝手にどっか行こうとしちゃあ、ダメだよ」
唇がかわいてぴりぴりしていた。噛むように舐めた。
「戦い手は一人でも多い方がいいんだからさ」
そう言うと、彼はふっと笑った。そうだな、と笑みを含んだ声で言って、最後にユフィの素直な髪に指を通すようにして、それから離れる手。
なんとなく、心地よかったのに、離れてしまった。つまんなかった。
それきりで、彼は縄梯子へ向かって歩き出す。途中で一度振り返って、すまなかったな、とチョココを一度見やってからユフィを見て言った。もういいよ、の答えに頷いて、重さなどないように梯子を登っていく。
飛空挺に向かって小さくなっていく姿を見ながら思った。
結局聞きたかったことは言い出せもしない、
あのほこらに言っていたの、何があったの。
何でそんなこと気にするのか、自分でも解ってない。
知らないあたしが、気にしてる。
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