さかね先生の第1弾

と、とうとうやってもた。
この超文才無しのわたしが、お話(小説とは死んでも言えない)なんぞ書くなんて。
とりあえず、ヴィンのファンにはごめんなさいです。わたしも好きなんですけど、彼。



「どうした?」
 ・・・いつの間にか、眠っていたらしい。ヴィンセントに肩を叩かれ、クラウドは目覚めた。空はまだ明るく、遠くで鳥の鳴く声が途切れなく聞こえる。頬に触れる風が、昼間の暖かさを感じさせた。
「すまない。つい眠ってしまったみたいだ」
「それは構わないが・・・うなされていたぞ」
 ふと気がつくと、ソファに投げ出した体の上にはヴィンセントがいつも羽織っている、深紅のマントが掛けられている。
「・・・ずっと、ここにいたのか?」
「ああ」
 それだけ言い残して立ち去ろうとするヴィンセントに、おそるおそる声をかける。
「何か・・・口走ったりしていたのか?俺は・・・」
 ほのかに汗に濡れた前髪を指先で掻き上げると、うつむいたまま訊ねる。何も覚えていなかった。連日戦い詰めで疲労がたまりすぎているこの体は、夢を残しておいてくれるような余裕なんて持ち合わせていないらしい。
「・・・・・・」
 何も答えず背を向ける。その背中に言いようもない雰囲気を感じ、クラウドは上半身を起こすと床に片足をついた。
「ヴィンセント・・・!俺は何て言ったんだ?教えてくれ」

(それを私に言わせたいのか?)
 ヴィンセントは心の中でつぶやいたが、クラウドには当然届かなかった。

「何か思い当たる節でもあるのか?」
 振り向いて薄く笑みを浮かべると、うそぶいて逆に問いかけてみる。
「それは・・・そんなの、ないけど・・・」
 あわてて否定するが、「それは認めているようにしか見えないが?」
全身で肯定しているようなものである。
 クラウドはソファに座り直し、深いため息をひとつついた。
「嘘はつけないな・・・・・・最近、目覚め際によく感じるんだ・・・あいつの気配を・・・」
「あいつ ---------- セフィロスの、か」
 無言で頷く。
 ヴィンセントの顔に陰がよぎったのにも気付かず、クラウドは話を続けた。
「夢なんて何も覚えちゃいないけど、目が覚めるとすぐそこにいたような気がいつもしてる。すぐそこにいて、それで --------------」
 ぞく、と背筋に寒気が走り、思わず身体を両手で抱きしめる。
「どうした?」
 様子がおかしいのに気付いたヴィンセントが、近寄って肩に手を掛けた。

"クックックックッ・・・・・・"

「そ・・・その声は・・・」
「声?声など聞こえないぞ!」
 両肩を掴んで揺さぶるが、クラウドは頭を抱え込んだまま顔を上げようともしない。
"身体は覚えている、ということか?クラウド・・・・・・"

「知らないっ!そんなの、俺は知らない!そんな・・・」
 力一杯否定をしながら、頭の中は混乱をきたし始めている。
「しっかりしろ!」

"思い出せ、この指を・・・肌を・・・忘れる訳がないだろう?あんなに悦んでいたお前なのだから・・・"

「いや、嫌だっ!俺は・・・っ」
 今にも泣きそうな顔でかぶりを振り、そばにいるヴィンセントの身体に縋り付くようにする。その肩を、せめて外気からだけでも守るように、ヴィンセントは強く抱きしめた。
 嫌だと口にする度に、胸や首筋に吐息のかかる生々しい感覚が襲う。いくら心が忘れようにも、この肌が、身体が感覚を呼び覚ましていく。
「や・・・だっ・・・セ・・・フィ・・・!」

「クラウド・・・!?」
 腕の中のクラウドが、自分以外の・・・セフィロスの手で乱れていく。

"追ってこい、クラウド・・・続きは、それからだ・・・"

「クラウド・・・!」
 自分の腕の中で、すっかり熱くなってしまった身体を震わせているクラウドをもう一度強く抱きしめる。
「ヴィ・・・ンセント・・・」
 熱でぼんやりと潤んだ瞳に涙が浮かんだ。
「・・・おれは・・・・・」
「言うな・・・クラウド・・・」
 無言で唇を重ねると、クラウドの目が大きく見開かれる。しかし数瞬後には、その腕はヴィンセントの背に回されていた。
「ヴィンセント・・・!」
「セフィロスには渡さない」
 そう囁いたヴィンセントの腕に抱かれ、クラウドは目を閉じた。

 ・・・俺は・・・セフィロスを否定しているのか?否定・・・したいのか?
 彼自身、それすらも判らないままで。



これだけ。書き逃げ。
ごめんなさいぃぃぃぃ(泣)。


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