ツォン×ルー…の前振り


投稿者 いそら 日時 1997 年 10 月 01 日 04:30:25:

ツォン×ルーと銘打っておきながら、ツォンさん全然出てません……。だから、前振り。
す、すみませーーーん! 次からバリバリ出しますから。って、次はいつ? はて……(汗)
そのうえいきなり鬼畜で不幸。初手からこれでは先がおもいやられるね、こりゃ。

はい、でわ、気を取り直して、初投稿、いっきまーーーす!!


 明かりを落とした部屋に、けだものじみた息遣いが満ちている。
 その声に似つかわしく、隆々とした筋骨と濃い体毛とを備えた男の下で、白くしなやかな身体が無惨に押し拉がれていた。
 与えられる苦痛にかそれとも快楽にか、白皙の美貌がときおり歪み、若木のような身体が短く痙攣する。
 それでも声だけは漏らすまいときつく唇を噛みしめる様は、見る者の被虐心をそそるに充分すぎる美しさを持っていた。

 そして、その様をじっとみつめるもう一対の眼。冷たい熱を帯びた眼差しの持ち主こそが、この閉ざされた空間の支配者であった。
 仕立ての良いスーツに包まれた幅の広い体躯に専制君主の風格をただよわせた男は、暑さを感じるほど空調の効いた部屋で汗ひとつかくでなく、目の前に繰り広げられる光景を、ただ、見つめている。
「遠慮はいらんのだぞ、ハイデッカー。」
 許容を意味する言葉は、命令の響きを含んでいる。
「はっ」と、短く応えた男のごわついた顎ひげから、ひと粒の汗がしたたり落ち、若者の胸を濡らした。


 実父の眼前で、部下たる男に、犯される。


 乱暴に腕を掴まれ、うつ伏せにされる。繋がったままの内壁がひきつれ、痛みに息を呑んだ。乱れた金髪が、汗に濡れた頬にはり付く。
 行為が激しさを増すほどに、頭の芯は冷たく冴えかえっていく。
 父の視線を頬に感じる。とうに麻痺してしまった心には、憤りも屈辱も湧いてはこない。諦めに似たやりきれなさを抱いて、シーツに顔を埋めた。

 もしかしたら母も、こんな思いを知っていたのかもしれない。
 ぬくもりの記憶すら残せぬほど遠い日に、自らこの世を棄てた母。ルーファウスという自分の名前と、響きのよく似た名だったという。碧い瞳と金の髪、美しいと、ときには冷たいとも評される貌を息子に遺し、去った、見も知らぬ母。
 それでもこうして、自分が存在している以上、父が母を愛していたことは確かなのだと思う。
 その愛がたとえ、どんな形だったとしても。
 ならば、だとしたら、この行為も父の愛情と受けとるべきなのだろうか。

「美しいな、こうして見るお前は、本当に。」
 ベッドに近付く父の気配。意図的に激しさを増したハイデッカーの腰の動きに背がしなり、こらえきれない呻きが漏れる。
「何物にも代え難い、私の宝だよ、お前は。」
 冷たい指先が、頬にふれ、唇をなぞる。
「愛しているよ、ルーファウス。」

 きっと父は自分を見ていない。名を呼ぶ声も、たどる指先も、この身体を素通りし失くした影を求めている。そんな気がする。
 疑念を確信に変えたくなくて、ルーファウスは目を閉じたまま、残酷な快楽の波に、その身をまかせた。


……うう、短いですか?
小説書くのなんて何年振りだろう。完璧書き方忘れとる……。すみませんっ、ちゃんとリハビリ&精進しますっ。
ツォンなしにルーの幸せはあり得ない、というのが私の中の神羅ワールドなので(←ドリーム入りっぱなし)次回以降だんだん幸せになっていくことと思います、たぶん。(まだ続きがはっきり決まってないんです(^^;)大丈夫なんだろうか…?)
もんのすげぇ遅筆なんで、忘れた頃に続きが載ると思いますが、どうか見捨てないでくださいね〜。


[小説リユニオン「改」トップへ]