皆さんの御陰で一応の完結(6)


投稿者 あぐり 日時 1997 年 10 月 01 日 02:35:02:

 こないだ、日韓戦で日本が負けてしまいましたが・・・。
 しかし、くやしいですが、韓国の選手はカッコよかったですな。
 日本の選手であのカッコよさに対抗できたのは(後半にかぎって言えば)、哀しいかな、キーパーの川口君だけでした。・・・それは何も顔のことだけを言ってるわけではないです。川口は、最後の最後まで戦おうとしてましたね。このままボール出したらコーナーになっちゃうからってんで、走って走ってボール取りに行ってましたね。
 あの日の国立の韓国の選手は、イレブンにその精神があったような気がします。4年前のドーハで、日本代表がそうだったように・・・。
 こんなこと言うと、非国民呼ばわりされるかも知れませんが。
 わしは心から、韓国に「勝っておめでとう」と言いたいです。(ついでに言うと・・・4年前の予選で日本が韓国を下した後、韓国代表のノ・ジュンユン選手・・・「オメデト」と言ってくれたんだよ。「あの日の日本は、韓国よりもカッコよかったよ」と言う理由で・・・ノさん、さすがだぜ!)
 ・・・でも、日本もこのままでは終わらないからね。アウェイでは、今度は日本代表がカッコよくなってくれることを、心から心から信じて、代表を応援しております。
 まだ、終わったわけじゃないんだから・・・。
 私が書いているヴィンセントは、昔は振られた情けない受け受け男(総受でも、美しい受もある)でしたが、今は、川口クンのように「カッコいい男」という設定です。それはシドのおかげでもあるし、彼が今している仕事のおかげでもあるでしょう。だから、ストーカーの暗いヴィンセントがおすきな方には、もしかしたらお気に召さないかも知れませんが。・・・では、本編参ります。




 クラウドは、叫び続けた・・・。
「いやだ・・・俺は、お前なんかのものじゃない・・・!」
 最後には、涙まじりになって・・・
「セフィ・・・セフィ!俺を守って!・・・」
(わたしが、セフィロス・・・だ。分からないのかクラウド?今でもお前だけを愛してるこのわたしを・・・)
「違う・・・!」
 クラウドは、ヴィンセントに抱きつきながら叫んだ。
「セフィは・・・セフィはこんなやつじゃない!俺が大好きだったセフィは・・・」
 吹雪がうなり、荒れ狂う。
「もし・・・もしこんなことするのがほんとにセフィなら」
 クラウドは、ぎゅっとヴィンセントの二の腕に爪を立てた。
「俺・・・そんなセフィは、もう愛してやらない・・・!それだったら、今のヴィンセントのほうが・・・ずっと好きだ!」


 その時、吹雪がふっと、止まった。
「・・・今だ、レノ、ルード!」
 ヴィンセントの命を受けて、タークスの二人が、武器を構えながら小屋の外に走り出田。
 クラウドが、がくっ・・・と、糸の切れたあやつり人形のようにくずおれた。ヴィンセントはそれをぎゅっと抱きしめた。
「そう・・・それでいい、クラウド」
 ヴィンセントのガーネットの瞳に、いつしか、美しい涙が浮かんでいた・・・。


 ミッドガルへと戻る道中、クラウドはずうっと放心したように虚空を見つめていた。
 ・・・レノとルードが雪の中で仕留めて来たのは、美しい雪女・・・いや、雪男・・・と言うのもおかしいが・・・とにかく、実体を備えた美しいモンスターであった。おそらくかつて彼らがアイシクルの奥地で出会った雪女のような、かの地に棲む雪の精霊であろう。
 ヴィンセントは、あえて声をかけなかった。彼の頭の中には、ミッドガルで彼の帰りを待っているであろうシドのことで占められていたから・・・。


「・・・そういうわけで」
 シドの部屋で・・・
 心地よく酔ったヴィンセントは、呟くように、長かった物語を終えた。
「・・・クラウドは、ほんとうに美しかったよ・・・長いこと彼といっしょにいたけれど、彼をここまで綺麗だと思ったのは、初めてのことだ・・・」
「よかったな」
 シドは、苦みのある微笑を浮かべていた。
 本当のことを言うと、ヴィンセントの浮気は・・・許せないところでは、ある。だが、何もかも正直に白状してくれたという点で、シドは気が楽であった。
 どうせ、自分だって、ジョンとのことは、長いことは隠しておけないだろう。
 シドはそういう性格なのだ。どんなことでも、隠し事はできないのである。
 でも・・・このことだけは、出来たら、ヴィンセントには知られたくなかった。自分のお人よしのせいで、ヴィンセントを裏切ってしまったわけだから・・・。
「・・・すまなかった、シド・・・クラウドのためとは言え、私は彼を抱いた・・・あんたを裏切ってしまった」
「・・・いいよ、別に。気にしてねえ」
 シドは、ヴィンセントの胸に自分の頭をもたせかけながら言った。
「クラウドが立ち直ってくれて、俺も嬉しいさ」
「・・・あんたなら、そう言ってくれると信じていたよ」
 ヴィンセントは、シドを抱きしめた。
 シドは逆らわない。何と言うすなおさ・・・ヴィンセントの胸がじんと温かくなった。
「シド・・・」
 シドの身体を、自分の身体の下に敷き込む・・・シドは一切逆らわずに身をまかせている。
「・・・わたしのこと・・・愛しているか?」
「・・・ああ」
「シド」
「くやしいけど・・・俺、お前に・・・つかまっちまったみたいだ・・・てやんでえ」
「・・・」
「お前、ほんとに変わったなぁ・・・前はほんとに暗くて、ねちっこくて、イヤな野郎だと思ってたけど・・・」
「ふ・・・」
「今のお前は、ほんとにカッコいいよ・・・くやしいけど」
「それは・・・何もかもあんたのおかげだよ」
「・・・マジか?」
「そうとも。シドがいたから、今のわたしがいるんだ」
 ヴィンセントは、実に気分よく告白した。
「それで・・・あの」
 服を一枚一枚ぬがされながら、シドは、なにゆえかためらいを見せた。
「・・・?」
「シエラ・・・のこと、なんだがよう」
「・・・」
「あいつ・・・来週、こっちへ来る事になったんだ・・・あっあの、ロケット計画のスタッフに正式採用で」
「・・・!」
 ヴィンセントの目が赤く燃えた。シドはちょっとおびえながら・・・、それでもひるまずに続けた。
「当座、うちに泊めて・・・いいだろ?」
「・・・そうか・・・そういうことか」
「ヴィ、ヴィンセント・・・て、てめえが怒るような筋合いじゃねえだろ?べつに・・・」
「・・・いや、怒る」
 ヴィンセントは、シドの下半身を・・・ぎゅっと掴んだ。シドが身をのけぞらせて声を上げた。
「・・・あっ、ああっ」
「私は、ヒーローなんかじゃない」
「ヴィン・・・」
「少なくとも、あんたのことに関しては・・・嫉妬深い、ただの男だ」
「く・・・くうっ」
「これから、そのことを・・・思い知らせてやろう」
 あえぎながら、シドは・・・もしヴィンセントにジョンとの一夜を知られたら・・・と、そのことだけが怖くて、ちょっとおびえてしまった。
 でも、それは、かなり幸せな怯えではあった。


「ヴィンセント・・・」
 ニブルヘイムへの列車の旅の最中・・・クラウドが、そっと呟いて、自分のからだをきゅっと抱きしめた。




 ふふふふふふ・・・すったもんだ本番は、これから☆って感じ・・・ですね。
 次回・・・シエラさん登場・・・かな?
 とりあえず、ヴィンクラ編はこれでおしまい(だと思う)。
 次のお話は、ヒーロー・ヴィンセントが、どうやってシエラさんから、そしてジョンから、シドを奪い去るか・・・が眼目になるでしょう。
 というわけで、おしまい。
 今回も、最後まで読んでくだすった貴女と、可愛い安藤会長に、愛と感謝のチュ☆


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