とうとう手を染めた…


投稿者 浅木かいと 日時 1997 年 9 月 29 日 21:41:45:

あぐりさんごめんなさい。例のヤツ(さんかくかんけーの)はHPのほうで続きをアップさせてもらいます(汗)もーすぐ出来ますから(死)ごめんなさい・・・。
で、今回はちょっとチャレンジなムスタディオ×ラムザでごさいましゅ。ああっ、これまでノーマルで通してきたけれどついに手を染めてしまいましたわ(殴)・・・。いつのまにFFT書きになってんのあたし(汗)

元ネタは、昨夜の友人とのTELから・・・。



 街の一角の小さなパブのなかは、異様な騒がしさに包まれていた。
 まあ、それも無理はないだろう。今ここには、ラムザを始めとしたやたら多い仲間達が中にいて、しかも宴会じみたことをやっているのだから。
 なぜこんな宴会騒ぎになったかと言えば、簡単なことだ。今日はリーダーであるラムザの、19歳の誕生日だったからだ。そして、数日前に財宝発掘ツアーに派遣した仲間達が見事、貴重な財宝を手に入れて帰ってきた事もあって、どんちゃん騒ぎは倍に増した。宴会の言い出しっぺは仲間達だった。
 ・・・もっとも、当の本人のラムザが言い出すわけはないが。
 とにかく、酒も手伝ってかなり騒がしい状態だった。
 しかし。
 本来ならメインに立つべきのラムザが-----普段から余り騒いだりはしないが-----ひっそりと隅っこの方でおとなしく紅茶を飲んでいたりした。酒は飲めないのである。
 20近くなってなにを、と良く言われるが、飲むと何をしでかすか判らないので彼は、ぜっったいに手を出したりはしなかった。
 と、その隅っこのテーブルに、仲間のレベッカ、ディック、フィアナ、そしてムスタディオが近づいてきた。
「な、なに・・・?」
 少々驚きながらラムザは訪ねた。その彼の前の椅子に腰を下ろしたディックが言う。
「おまえさー、なんでこんな所で大人しくしてんだよー。せっっかくお前の誕生日なんだからよぅ!」
 ムスタディオ以外の3人はかなり酒が回っているらしかった。
「そーよぅ!ほらほら飲んで!きょうは貴女が主役なんだからぁ♪」
 フィアナが絡んでくる。色仕掛けのはいったその仕草に、ラムザはちょっと逃げ腰になる。
 レベッカがいつのまにか持ってきた各種の酒-----かなり強い物ばかりだ-----が目の前にどどん、と並べられた。
「ささっ、飲んで飲んでっ。パーッと騒ごうよん♪」
「おいおい、お前達いーかげんにしろよ」
 やれやれ、といった表情で三人を落ち着かせようとするムスタディオだったが、この辺の押しは余り強くなかった。やはり彼も、少々酒が入っているようだった。
「なぁに言ってんだよ!今日の主役はラムザだっつーの。だ・か・ら!飲め!」
 カップになみなみと注がれた酒を目の前に、ラムザは思わず腰を浮かしかけた。
 しかしむやみに断ったりすると、ムスタディオはともかく他の三人に何をされるかわかったもんじゃない。何よりもう19歳だ。酒が飲めないなんて言ってるような年じゃあないんだ。
 そう思ったラムザはカップを両手で取って口に運んだ。
「あっ・・・よせラムザ!」
 今度こそ本気でムスタディオは止めようとしたが、既に遅かった。ラムザはきつい酒の入った大きなカップを一気に飲み干してしまった。
「きゃー!ラムザいいわよーっ♪」
 レベッカたちがはやし立てる。が、しかし、その声はラムザの耳には届いていなかった。空になったカップをテーブルに置くと同時に、ラムザはそのテーブルに突っ伏してしまった。
「ラ、ラムザ!?しっかりしろ!!」
 ムスタディオが揺り動かすが、かすかに声を上げるだけで目を開けない。一気にあんな強い酒を飲むからだ、とムスタディオは心の中でため息をついて、ひょいっ、とラムザを抱き上げると、二階にある宿の部屋に向かって歩いていった。ここは二階から先が宿屋の部屋なのだ。
 
 部屋のベッドに横たわらせようとしたとき、ラムザがかすかに瞳を開いた。
「ムスタディオ・・・?」
 ぽわんとして潤んだ瞳と、赤く染まっている頬が可愛らしくて、ムスタディオは一瞬、心を奪われたが、理性をとどめて自分を制した。
 そうでもしなければ、自分は多分・・・。
「あんなに強い酒を飲むからだよ、まったく・・・」
 あきれながら、しかし顔には笑みを浮かべて、ラムザを楽にしてやろうとベッドに横たわらせたムスタディオは、
「明日は二日酔い、決定だな」
 そう言って部屋を立ち去ろうとした。がしかし、ムスタディオの腕をラムザがうつろな意識でつかんで離さない。
「ラムザ?」
「いやだ・・・行かないで・・・」
 上半身を起こし、ラムザはムスタディオの首に腕を絡ませしがみつく。
「今夜は・・・僕の側にいてよ、ムスタディオ・・・」
 甘えるような声音と首筋にかかる吐息に、ムスタディオは失われていきそうな理性を必死で押しとどめる。
 ラムザは酔っている夢の中にいるんだ、だからこんな事を言っているんだ、と。
 ムスタディオはラムザが好きだった。同じ性をもっているのが判っていてもだ。だけどそんな事を口に出して嫌われたくはなかったから、きわめて普通に振る舞っていた。それにはかなりの自制心が必要だったが・・・。
 しかし、今は・・・。
「お願い・・・側にいて・・・なんだか1人でいるのが怖いんだ」
 その瞬間、全てを忘れて、ムスタディオはラムザに口づけていた。
「ん・・・」
 息も詰まるほどの深い口づけを交わしながら、2人の体はベッドに倒れ込む。
 今の時間なら誰も来ない。まだ皆は下の酒場で騒いでいるからだ。誰にも、見られることも声を聞かれることもない。
「ラムザ・・・」
 唇を離し、ムスタディオは呟いた。
「僕を・・・1人にしないで・・・」
 首筋に顔を埋めてキスをしながら、次第にラムザの衣服が剥がれていく。ほっそりとした白い体が露わになって、その素肌にも口づけを繰り返す。それに反応して、ラムザがか細い声を上げた。
「・・・ああっ・・・」
 呼吸が乱れ、鼓動が早くなり、次第に興奮と快感がつのっていく。
 ムスタディオの手が、ラムザの下半身をとらえた。
「んっ・・・や・・ぁっ・・・」
 甘い喘ぎがラムザの唇から漏れる。ムスタディオは精一杯の思いを込めてキスを繰り返した。
 夜が深まってきていた。その闇に後押しされるかのように、2人の体はさらに深く絡み合っていった。



・・・ふっふっふ・・・やおってしまったわ・・・。ノーマル志向はこれでとうとうオシマイね・・・。
ふっふっふっふ・・・・(泣笑)これも全て、ラムザのかわいさとこの話を持ち出した友人のせい(と、人のせいにしてみる)。


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