前回がホップなら今回はステップ(笑)


投稿者 ゆきみ 日時 1997 年 9 月 29 日 08:43:19:

 どうもー♪再び書いてしまいました、前のセフィ&クラの後編です♪
 この&がとれて公然と「セフィクラ」と書ける日は……果たしてくるのかしら?(苦笑)
 取りあえず、私はセフィロスとクラウドが思いっきり書けてるのですっきりです♪




 セフィロスによってクラウドが連れて行かれたのは、屋敷の2階にある温室だった。
「きれい……」
 感嘆の声を上げるクラウドを抱きかかえながら、セフィロスはつかつかと温室の中に入る。そのままクラウドを植木鉢の載ったテーブルに座らせ、彼は空気を入れ換えるためにテラスの窓を開けた。
「ねえ、セフィロスのお兄ちゃん……」
「……セフィロス、とだけ呼べばいい」
 クラウドが呼びかけると、振り返って律儀に呼び方を正す。あまりに外見にそぐわなくて、クラウドはついつい笑ってしまった。
「……何だ?」
「ううん、何でもないよ」
 セフィロス、と心の中で呼びかける。10近くも年上の人を呼び捨てにするほどには、クラウドはまだ人付き合いに慣れてはいなかった。それに、こんな綺麗な人のこんな綺麗な名を、容易く口に出すにはもったいないほどクラウドはその名が気に入ってしまったのだ。
 そんなクラウドの心中を知る由もないセフィロスは、温室の一角でくすくす笑うクラウドに光が当たるようにその身をずらした。
「うわっ……!」
 もろに陽光を浴びることになったクラウドが、あまりの眩しさに顔を背ける。その視線の先には、移動したセフィロスの姿。
「……やはりな」
「……?」
「お前の髪は、陽光によく映える……綺麗な金の色をしているな」
 そう言いながら、セフィロスがクラウドの髪に触れる。さらさらとした銀髪が、クラウドの頬にかかった。くすぐったさに目を細め、クラウドは髪に触れる手にそっと頬を寄せた。
「綺麗な髪の毛。銀色で……天使様みたいだね。真っ黒い服の、天使様だ」
 子供だからこその率直な言葉に、セフィロスは少々驚いたようだった。苦笑し、懐いてくるクラウドの頬に手をやる。
「黒衣の天使、か?何だか……邪悪な存在のようだな」
「じゃあく?……なあに、それ?」
 きょとんとした顔のクラウドを覗き込む。ひんやりした掌をクラウドはお気に召したらしく、もう一方のセフィロスの手までねだる始末。
「とても悪い……ということさ」
 両手でクラウドの頬を挟み、首に触れ、腕を撫でてやる。そのたびに気持ちよさそうにセフィロスにすり寄ってくるクラウドは、まるで子猫のようだ。
「とっても悪い?……お兄ちゃんは悪い人なの?」
「お兄ちゃんはやめなさいと言っただろう?」
「…………だって…………」
 怒られたと思ったのか、クラウドがうなだれる。
「僕……お兄ちゃんの名前、大好きなんだもの……簡単に言っちゃったら、もったいないよ……」
 子供の言葉は、あまりに率直すぎて赤面するときがあるが、それはこう言うときのことなのだろうか。セフィロスは苦笑し、うつむく顎を上向けてやった。
「別にオレ以外の人間が聞くわけではないだろう?それに……オレはお前に呼んでもらいたい。お前に、オレの名を……」
 いやか?と問われ、クラウドはぶんぶんと首を振る。あまりにも素直な、素直すぎる子供。セフィロスはだんだん、この空色の瞳をした子供のことを愛しく思えてきていた。
「じゃあ……呼ぶよ?いい?」
「ああ」
 まっすぐ目を見て予告するクラウドが愛らしくて、苦笑しながらも答えてやる。深呼吸までして、クラウドは目を閉じ、宝物でも贈るかのような恭しさで、そっと口を開いた。
「……セフィロス……」
 しばらくの沈黙。ためていた息をほう、と吐き出して、クラウドがようやく目を開けると、微笑しながらセフィロスがクラウドを見ている。
「……どうだ?」
「……うん。心の中で呼ぶより、ずっといいよ……もっともっと、大好きになれそう」
 セフィロス、セフィロス。何度も何度も嬉しそうに呼ぶクラウドの上気した頬に、セフィロスはそっと口づけた。
「……?なあに?」
「いや……何となく、な。お前に触れたくなった……」
 こんな小さな子供に。頭の片隅でそう言う声も聞こえるのだが……このままでは、止まりそうにない。
「……?僕も。セフィロス、ひんやりしてて気持ちいいもの……もっと、して?」
 意味のわからぬまま答えるクラウド。陽光を反射する金の髪や、すんなり伸びた細い手足、きめ細かな白い肌が、セフィロスには何よりも愛しく思えてしまう。
 クラウドを座らせていたテーブルに、そっとその身を横たえらせる。不思議そうに見返す空色の瞳。かがみ込むと、セフィロスの髪がさらさらとクラウドの上にこぼれ落ちた。
 一枚一枚、横たわるクラウドの服を落とす。不思議そうに見返すクラウドの瞳が、時々セフィロスの髪でくすぐったそうに細められる。
 まるでそれは神聖な儀式。洗礼を受ける赤子のごとき無邪気さが、セフィロスの行為を崇高なものに変えていくかのようだった。
 セフィロスの銀の髪が、陽光に反射してきらきらと輝いた。
「セフィロス……とってもキレイだね……」
 今から何が起こるのか全くわかっていない素直な声。つい先ほど会ったばかりなのに、クラウドはセフィロスを信頼しきっている。
 しかし、それはセフィロスも同じ事だ。まだ会って数刻しかたっていないのに、どうしてこんなに惹かれるのかわからないが……
 荒んだ心を癒やすかのような澄んだ瞳か?それとも素直に信頼を寄せてくる、その無邪気な心に惹かれたのだろうか?
 ここでやめておくべきだろうか。クラウドの瞳が恐怖に彩られないうちに。
 だが、ここでやめてしまうにはあまりにも……クラウドは愛しすぎた。
「邪悪な黒天使、か?……確かに邪悪なのかもしれないな……」
 年端もいかぬ子供に無茶な行為をしようとしている姿は、確かに邪悪かもしれない……自嘲の笑みを浮かべながら、セフィロスはクラウドに口づけた。




 そしてここで……また終わる。
 ………………後編の……後編のはずだったのに……何故(謎)?
 ……申し訳ないが、これ……中編、と、いうことで……(汗)
 次には絶対終わります!!!きっと……多分……あれ?(苦笑)

 ……今思ったけど、このセフィって絶対別人(苦笑)。
 こんな優男なセフィなんて……セフィじゃないわぁ(泣)


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