ヴィン王女物語(1)


投稿者 ドキドキ美流 日時 1997 年 9 月 28 日 07:56:26:

ヴィン王女物語(1)

・・・。
ああ、なにもいわないで。
落ちがきまってないなんて、いえないわ。
ラストなんか、バッドかハッピかきまってないのよ。
・・・。きまるまでに、第一回。どうぞ。


さてさて、お話はメテオ騒動の1000年以上前にさかのぼります。
このころ、三つの王国が栄えておりました。
シンラ・ウータイ・セトラ。
でも、セトラはみんなでお祈りをしていたので、意味のわからないところでした。
ウータイとシンラは、仲が悪いのかいいのかさっぱりわかりませんでした。
お嫁さんの交換を毎年、王族の間でしていた割には、毎年戦争をしていました。


・・・ウータイ・・・
「ヴィンセント」
ティファ第二王妃が言いました。
ティファは、3つの国以外で生まれましたが、その後シンラ国で働き、ゴドー王のふたりめの妻になったのでした。
「はい?姉様」
ヴィンセントが答えました。
ヴィンセントはあまり年の離れていない、それでも年上のティファに、「姉」という感覚をもっていたので、姉様、とよんでいました。
ヴィンセントはたいそう美しい、国の王女でした。
でもこの国では女の人は王にはなれませんので、ヴィンセントはなんでもしほうだいで、責任はとらなくても良かったのでした。
今年で二十歳になるヴィンセントはいつもドレスにハイヒールをはいて、部屋の窓から外界をみおろして、深くため息を吐くのでした。
「ヴィンセント、王がお呼びになられておりましたよ」
ティファは言いました。こちらに来た頃は、もっと活気があったのですが、もう最近ではすっかりしとやかになってしまったようでした。
「はい、姉様」
ヴィンセントは王のへやに行こうとしました。
「ああ、待って、ヴィンセント」
ティファが呼び止め、ひとつのネックレスを差し出しました。
「これはね、私が、シンラにいたころ、好きだった、騎士見習いのこがくれたネックレスなの。あのね、これに心当たりがある、って言う人に、ティファは元気よ、って、伝えて欲しいの」
ヴィンセントはびっくりしました。
「姉様、私にそんなことをいって、どうする・・・」
そこまで言ったときに、ヴィンセントは急に眠くなってしまいました。
「ごめんなさい。あなたはね、今年の交換女性に選ばれてしまったの。あなたは今日からプレジデントの妻。本当に、ごめんなさい。」
(ティファ・・・私は・・・男なのに・・・)
思いがけない「妻」の一言に拍子抜けし、ますます眠気が増したヴィンセントは、思いました。
そう。ヴィンセントは男の子なのです。
でも、父王、ゴドー以外は誰も気づきませんでした。

プレジデントは、30歳にして、妻を20人ももっていました。
本当は、妻にするべき人物が決まっているのですが、まだ三才なので、犯罪に犯罪を二乗したくらい犯罪なので、多くの愛人と共にいることで、さみしさを紛らわせていました。
それでも、ヴィンセントは幼なじみのユフィから、
「シンラなんてだいっきらいさ!あんなヒヒな国、なくなっちゃえばいいのさ」
と、何度も何度も聞いていたので、ヴィンセントも、とても嫌いでした。

ヴィンセントは目を覚ましました。
だるい体を起こし、あたりを見ました。
それはなんとも悪趣味で、鳥肌がたつような配色の部屋でした。
そして、そこが自分の国でないことに、しばらくして気づきました。


無理矢理終わってしまったかも。
次回、出会い。お楽しみに!!!


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